Lee Morgan『Cornbread』 | ハシケンブログ

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Lee Morgan『Cornbread』


モーガンのキャリアから考えると絶頂期を過ぎ、衰退の影が見え始める時期の録音ではあるが、モーガンのプレイも悪くなくサイドメンにも恵まれた好盤。

モーガン+モブレイの鉄板フロントに要所でアウトロー気味のマクリーンが参加。
鍵を握るのはハンコックの生ピアノ。
曲に合わせてお誂え向きのスタイルにコロコロと変わるのは流石だが、その中でもしっかりと自分の色を出している。


「Cornbread」はモーガンお得意のジャズロック。
ロックの8ビートを真似た縦ノリが特徴のジャズロックだけど、僕はそれが凄く苦手。
しかし、ここでのハンコックは16ビート寄りの細かいバッキングが中心で、ミスマッチなようで結構ハマっている。
ファンクの素養があるハンコックならではのアプローチ。

「Our Man Higgins」はドラムのビリー・ヒギンズに捧げたヘンテコな曲。
モンクが好きだったホールトーンを多用したコード進行に合いの手で絡むヒギンズの闊達なドラム。
ここでのマクリーンはナイス起用と言ったところで、"目指せフリージャズ"だった当時のマクリーン色がよく出ている。

「Ceora」はモーガンのオリジナルの中でも1位2位を争うボッサの人気曲。
例に漏れず僕も大好きな曲ですね。
イントロのハンコックがあまりにも有名で、全く派手じゃないのに知的で印象に残るフレーズばかり。
「Ill Wind」で聴けるモーガンのミュートトランペットは小粒だが上品で、ここでもハンコックの自由度高めのアプローチが耳を惹く。


所謂、名演と呼ばれるテイクは「Ceora」くらいなものだが、アルバムとしてのバランスも良くモーガンの中でもお気に入りの1枚。
濃いオレンジのジャケが暑苦しいが、内容は良い意味で力の抜けた演奏が揃っている。
絞りカスになってしまう前のモーガンの寡作。


1965,9,18 (Blue Note)

Lee Morgan (tp)
Jackie McLean (as)
Hank Mobley (ts)
Herbie Hancock (pf)
Larry Ridley (ba)
Billy Higgins (ds)

1.Cornbread
2.Our Man Higgins
3.Ceora
4.Ill Wind
5.Most Like Lee