MO Coach Kaz のブログ

MO Coach Kaz のブログ

モーグルスキーの世界を知ってらうことや、身体にかんすることなど多少でもみなさんの活力になることを書き留められればと思い始めます

またまた大変ご無沙汰になり、もはやたまにある生存確認のようなブログになってしまってますが、なんとか生きてます。

今は地球の反対側のチリにいます、時差も綺麗に12時間違うので計算は楽ですが体はまだ慣れていません。 

 

昨年は贅沢に時差調整と高地順応期間をアメリカユタ州のウォータージャンプを行なってきたので今回ほどきつくはなかったですが、今年はかなりきっついです。 長距離フライト×1(12時間)& 中距離フライト×2(4〜5時間2本)、時差12時間、標高差3000m、温度差30℃近くと言うキツくなると予想はしていましたが、予想以上にきついです。 

 

加えてサンティアゴ空港に早朝4時に着いたせいか、最後に乗ったアビアンカ航空(スペイン系)がダメなのか、空港職員の出勤時間の問題なのかはわかりませんが、スキーバックが出てきたのは到着後4時間半以上過ぎた午前9時前でした.... エアタグを入れているので、スキーバックも荷物も100m以内にあるとわかっているので、荷物取る場所のインフォメーション、航空会社のロストバック手続きカウンターに2回行って伝えても何もしてくれず、自分たちより2時間遅いフライトでアトランタから着いた選手の荷物の方が先に着くと言うあまりにもひどい仕打ちを受けました。 

それ以外は遅延もなく、乗り継ぎも順調に来れたのでよかったのかな?と思ってます。 

 

*おかげさまで世界中のスキー場に数多くいきましたが、サボテンを見ながらスキー場に向かうのはチリが初めてで南米気分を味わえます

 

 

 

到着後2日は軽めのフラットで、時差、標高に少しでも慣れればと願っていましたが、やはり標高3000mオーバーの空気は薄く全く順応する感じがないまま、鬼のコース作成〜整備が始まりました.... しかも圧雪車が入れるのは18:30以降とのことで、ナイター設備もない真っ暗なスキー場の裏側での作業となりました。ちなみにコースがあるところはスタートが大体3490m、ボトムで3400mぐらいなので高山病ぎみの頭痛と手の震え、夜になっても心拍が落ちず回復も遅めと言う、地獄の4日間を過ごしました。 

 

ようやく本日到着後1週間経ってようやく初オフでした! 

地獄のコース整備は歳のせいなのか、空気が薄いせいなのか、自分の運動不足、時差、はたまたこられ全ての複合からかわかりませんが、今までの人生で一番きつかったです。 これでもなんとか生きていられたのは、お世話になっているTensay様のドリンク(天の雫 青と赤)のお陰としか思えません。 部屋の加湿器の水にも青(アルカリ)を入れることで、無菌化できているおかげで体調を崩さずに済んでいるのかと。 

 

オリンピックイヤーと言うことも重なってなのか、大国の考え方の違いなのかはわかりませんが、カナダチームのコーチ陣のコース、ジャンプサイトを作る執念には驚かされます。 

一昨年ニュージーランドでアメリカチームと一緒に練習させてもらった時にも驚きましたが、今回も衝撃でした。 

アメリカチームは、ガスった日のために事前にスキー場に確認し、自然に影響が出ないフードカラーを農薬散布機に混ぜてコースに巻いていましたが、農薬散布機(背中で担ぐやつ)は、アメリカから持ってきてフードカラーは現地のスーパーで調達していました。 

 

今回のカナダチームのコーチ陣は最初から夜中の作業になるとわかっていたのだとは思いますが、ヘッドライトを持参して夜遅くまでスコップ作業して、翌朝には選手より早く行ってチョップ作業と言う仕事への徹底ぶりです。 

自分も出国前にグラインダーでスコップを研いだり、作業用グルーブを購入してきたりと自分なりにしっかり準備したつもりでしたが、この大国2カ国のコーチ陣が考える準備の範囲の常識には及んでいませんでした..... 小さな競技ではありますが、五輪種目として定着した上、今回からはデュアル種目も入るからか、仕事に対する責任、覚悟の大きさを感じられる貴重な時間でもありました..... が、マジで老体にはきつい  

 

今回はカナダチーム(A&B)のコースを自分たち韓国、イギリス&スペイン、オランダ、アイルランドチームでトレーにングさせてもらっています。 五輪イヤーとあり、緊張感の高い環境で練習させてもらえることに感謝をし、引き続き老体に鞭を打ってきます。 

 

*作業時の写真ですが、iPhoneで撮ると実際の暗さより明るく撮れます。それでこの暗さだと思ってくさい。 この後スノーモービルや圧雪車で送ってくれることもなく、真っ暗な中iPhoneのライトで照らしてハイク&スキーでホテルに戻りました。

最後の写真のスキーは現在フィリップマーキーがケベックのスキー会社と作成しているモーグルスキーのプロトタイプ2のテストスキーです。押した感じは全体的に柔らかく、中級者〜トップ選手まで使えるような感じかと。

スコップ作業前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて明日からまた合宿が始まるので、次いつ書けるか不安なのでとりあえず出発前でバタバタしてますが続きを書いてみようかと。

 

前回までは下からのアプローチで足部について書いてみましたが、次は最初のブログで書いた2.の頭の先から下に行く力(地球の重力)に対する身体(上体)のあり方を書いてみようかと。

なぜかと言うと、下から足部と言うしっかりした土台を作って上に骨格を立ち上げて行っても、元々歪んだ状態で筋肉がついてるので、その上で歪みが生じて結局どこかの関節や筋肉に過度の負担が生じてしまいあまり意味がないからです。 

人間の骨格としてのニュートラルを再構築しようとしても、ある程の年齢までその人なりの動きの癖(以下、戦略と記載)をもったまま育ち、加えて大小含め怪我をしてきた身体の歪みは、簡単に治るものではないことは容易にイメージできると思います。 

 

うちのチームでは2シーズン目からマニュアルセラピストのK様に加わっていただけ、最初に全員に対し、細かい怪我を含む過去の怪我の履歴を記載し提出てもらいました。 しかしながら幼少期の怪我や病気などは覚えていないもので、全員その後の過程で機能しない箇所が多く思うように動けませんでした。そして再度深く聞いて行くと、「そう言えば昔....」と言ったことが今も尚全員に発生し続けています。その都度機能していない箇所を機能するようにしてもらい、使い方を指導して、どう言う動きの時に使用したいかを伝え再構築を繰り返しています。 

 

現在は合宿間にそれぞれが各々の戦略で与えられた個別のメーニューをやった結果、次の合宿時にちゃんとニュートラルで正しい動きができていたか、どこかの筋肉を過剰に使っていたり、関節に支点を作りロックした状態でバランスを感じ負担が行っていなかったかを確認しながら再構築して行くと言うトライアル&エラーを繰り返しています。 

 

このような組み立てに至った大きな理由は、モーグルをしている人であれば誰もが知っているであろう、キングのお父さんが有名なカイロプロクターと聞いたことからです。おそらく彼は小さな頃から日々動いてニュートラルに戻す、その過程で過度に使用してしまった箇所を理解し感覚で覚え、無理のない動き方の戦略を学ぶことを繰り返して育った結果、あれだけ無駄なく効率的に全身を操り、再現性も高く正確に動けるようになったのでは?と推察したからです。

 

またスポーツのみならず、色々な文化の良いところを取り入れる事が上手なオーストラリアで合宿をした際(もう10年近く前?)には、学校に行く前にかかりつけのカイロに行って、身体のニュートラルに戻してから登校すると言う最高な環境を目の当たりにもしてきました。確かに寝相が悪いだけでも翌朝にはずれた状態で固まっているのは安易に想像がつくので、理にかなっているな〜と思ったのを強く覚えています。 

 

 

またまた脱線してしまいましたが、では何が今から出来る?何をすればいいの?と言う点に入ろうかと。 

 

うちの場合チームとして、呼吸法、歩き方から行なってます。日常を変えることが一番の遠回りのようで一番の近道と思うからです。 

残念ながらこの呼吸法、歩き方は言葉では伝えきれないか、言葉が一人歩きして変な方向に行くのも怖いので割愛させていただきます。(陸トレキャンプなど組めたら参加いただいた方にはそこでお伝えしたいと考えてます)

 

その前段階の地球の重力との付き合い方?ですが、イメージとしては仙骨から上(背骨全体〜頭)を頭上の真ん中から真上に誰かに引っ張られているようにセットします。これにより写真の背骨を繋ぐ多裂筋に刺激が入り背骨の関節が潰されていない状態を作りたいです。 

普通に脱力していると重力により、押しつぶされ背骨の関節が詰まり、多裂筋が緩むことはイメージできると思います。 この潰れた状態でスクワットなど重いウエイトをかついで行なったり、Gが強烈にかかるダウンヒルのようなターンを繰り返すと椎間板ヘルニアなどにつながる大きな原因だと思っています。 

 

昔から日本で言われるような、「背筋を通す」、「姿勢を良くする」などは、この上体のあり方を指すような言葉は色々ではないかと思っています。この多裂筋が軽く張った状態を作ると自然に腹斜金がコルセットのような感じで腹部を固定ではない動ける状態で上半身と下半身をつないでくれるかと。 

 

 

仙骨から上は真上に、仙骨から下は地面の奥に力が行くイメージをベースに持って、歩く・動く・飛ぶ・漕ぐ・着地する、動作を作る癖を持つ事が重要だと思っています。 これらは日常いつでもどこでも出来るトレーニングと思っており、これがうちのチームの身体作りのベースになっています。 このベースは水泳の蹴伸びでも、高跳びで飛ぶ時も、色々なスポーツでも使っていると思われ、日常生活にも落とせるので子供達にも、年配の方にも、一般スキーヤーの方にも、世界で戦う選手にもお勧めしたいポイントです。  

 

<最後に>・・・ブログを書くのが最後と言う意味ではありません!

自分のような学術的ベースは全くなく、自身の感覚や過去の経験を元に話す人は当然ながら、いかに学術的に高い次元のベースを元に伝える事が出来る人でさえも万人を良くすることが出来る人はいないと思っています。よって悔しいですが悪く言うと自分たちは、「常に選手を実験材料として、学び続けさせていただいている」と思っています。よって自分の仕事は、結果を残すと言う責任をはたすために、いかに常に楽しみながら己の分野を学び続け、深く探し続けている最上質の専門家を探し、協力を得て、力をお借りしてトライ&エラーを繰り返しながら本質に近づいて行くことだと思っています。また選手の結果に対する一部の責任の負う限り、常に自身のコーチングに対する分析を行い、足りない部分を向上するために必要なことを探すアンテナを張り続け、行動し、勉強し続ける事が最低限求められると考えています。 

幸い自分の周りには信頼できる上記のような素晴らしい専門家に居ていただけているので、今季はフルでお助けいただいて最高の結果を獲りに行きます。 

 

ここまでで質問などある人は気楽に個人宛にメッセージいただけると幸いです。 ただし、合宿中の返信には時間がかかるかと....

 

 

 

 

 

 

 

かなりマニア限定内容なブログになってきてしまっているので、どうせなら深く行ってみようかと。 

と言うことで、自分の見方?でポイントになっている踵骨=踵の骨について! 

 

<踵骨の形状 後ろ〜、側面〜>

 

 

 

前回までの2回、足のあり方などを書きましたが、重要となるのが上記写真の踵骨の形です。

普通に外から見た踵全体は大きくどっしりしっているイメージがあり、実際休めのポーズなど踵加重で立つことで安定すると感じている方がほとんどかと。 スキーも踵中心で回す、回るとか言われることが多いのでは? 

 

しかしながら写真の通り、実際の骨の形としては真ん中にない上、底面も平ではなく不安定な形状をしています。(実際この骨格模型は支えなく写真のように置くと倒れます) 

地面に普通に立った際は、どっしとした感じの感覚がすると思いますが外から見た踵のイメージとはかなり違うのでは? 

 

では、そのどっしり安定した感覚はなんだ?と思うと思いますが、おそらく踵骨が内反、外反することで、距骨と踵骨の間の距骨下関節がロック(固定)されることで安定感を感じている場合がほとんどかと。(これがX脚、O脚の源) 

これは立った時点でそうなることが多く、またほとんどの人が立つ時にそうなってしまっていると思われます。 歩き方の指導で踵からついてと言われる際に、ほとんどの人がこの距骨下関節をロックさせて着地?着足?しバランスを感じていると思われます。 

 

では、どうしたいの?と言う本題ですが、踵骨に付着している筋肉・腱、周りに通っている筋肉に刺激が入りOnの状態を作ると足首周りが固定とは違う、運動を行う時に必要な安定(動ける安定)を感じることができます。下記の写真のようなイメージで軽く黄色の矢印の方向に添えるように縮めると青矢印の方向に上がることを感じられるかと。 これが外側(小趾球側)も含め足裏全体で行うことで一般世間で言う本当の意味での3点の意識=アーチ(外側、内側、前足部の横側)ができて、上からの地球の重力、自重を支える足部のベースと、地面からの反力を受け、感じながら自由に動ける立ち方ができるかと。 おそらくふくらはぎや、前脛骨筋(スネの筋肉)など足の周り全ての筋肉がOnになっていることを実感できるかと。(=過剰に力を入れて動くとすぐにオーバーユースになりますので、イメージ程度で軽く添える程度に動かすだけで感じる繊細な感覚を大切にしましょう!) 

 

ちなみに自分が長くお世話になっているデンクラフト様のインソールではこの踵骨がフリー(浮いているような感じ)を得られ上記のコントロールがやりやすい、感じやすい形状を持っています。 

 

 

自分たちの感覚作りはこのような体の中の骨の形状、周りの筋肉、付着している腱の位置などをイメージした上で行なっています。 

 

*少しでも役に立った、面白いと思っていただけたら、ブログの方にもいいね!してもらえるとさぼらず続けられるかと.... 元々ズボラで続けにくい人間なので、モチベーションください(笑) 

 

 

 

 

 

 

先日は足元のあり方を書いてみましたが、短く上手に伝えたいと思っても動き始める前のあり方までとなってしまいました... 

改めて短く端的に伝えることの難しさを実感しています。 が、自分のブログなので書きたいことを書いてみようかと

 

さてコーチ業に携わって早25年以上経ってしまいましたが、それからは勝つために必要なことを探す、モーグルスキーの楽しさを伝えることなど、自身がスキーを楽しむことはさておき、どう選手を上達、強くするか、またそれをどのように誰にでも上手く伝えられるように出来るかを考える日々を過ごし、個人としてスキーを楽しむ機会は、たま〜にしかありませんでした。 その数少ない楽しい日は、大体お世話になっているデンクラフト様の新しいブーツとインソールが届いて試して滑った時ぐらいでした。基本的にはスキーはスコップ作業現場への移動手段となってます....  

 新しいスキーを履く時も嬉しいのですが、それより作業用の新しい良いスコップを見つけた時の嬉しさの方が大きかったかと.... と言うぐらい楽しみより必殺仕事人になることに徹底してきました。(単なる自己肯定...)  

 

が、今年は現役以来初めてブーツのデザイン(色)だけで、ここまで気持ちが上がるんだ〜と言うことを経験しました。最初にK2様より届いた箱を開けた時は、?????と一瞬パニックになり、慌てて下記のHPを見て「おぉ〜」となったのを覚えてます。 

左右で色が違う! しかもバックルの色も、パワーベルトの色も違うので個人的には「かっこい〜〜〜」とテンションが上がりました。 

実際年明けからのワールドカップ遠征中にも、FISのお偉い様、他国のコーチ陣、選手からも、「カズ、ブーツ左右違うぞ、2つ買って混ぜたのか?」などマテリアルでここまで話かけられたのは初で気分が上がりました。 今も大切に履かせていただいてます。そして気分が良いとスキーも楽しくなることを実感しました! 

 

<箱を開けた時に思わず嬉しくて撮った写真> 

 

 

 

さて、本題に戻りそんな楽しさを思い出させたくれたブーツの使い方について書いてみようかと

 

自分は長く3ピースのスキー靴を使用させていただいています。今季はK2 Method B&Eと言うモデルです。通常の2ピースのブーツと大きく違う点はタンが蛇腹形状になっており加圧時間、反発力を受け始めるタイミングがコントールしやすくなるのが特徴です。 2ピースのブーツの場合、加圧直後にアッパーシェルには元の位置に戻ろうとする力が発生し、それを脚力で抑え続ける必要がありますが、3ピース構造のブーツではその反発が始まる時間と量を稼ぎやすいと言うメリットがあります。 

 

モーグル競技においてはコブの上り面の長さが微妙に違うので、この一瞬の時間稼ぎが無駄な筋力を浪費せずにブーツで処理してくれると言うメリットが大きいです。 エアに関しても同様で、エア台の圧を受ける時間を長く感じやすく反発力もコントロールしやすいと言うメリットがあります。 また自分のブーツに関してはシェルのラスト(ブーツの足部の横幅)も広く、ブーツ内で無駄なスペースもなく、かつ動きやすいと言うメリットも持ち合わせています。  このスペースを前回記載した足のあり方(筋肉使用レベル1〜2)でいることで、過剰にきた衝撃を前足部で吸収してバランスをとりつつ、力の出力のタイミングと量の調整も楽になります。(*当然足の横幅が狭い人は狭いタイプでも同じことが出来ます。逆を言えば3ピースの場合、ブーツの中で足部が最低限動けるスペースのあるラストのブーツを選ぶことをお勧めします) 

 

前回記載したように2ピースのブーツは構造上強度を保ちやすいのでエッジ感覚を強く求める人にはお勧めです。 逆に3ピース構造はブーツのネジれや横の合成としてはどうしても弱くなってしまいますが、個人的にはスキーをちゃんと踏める(押せる?乗れる?)と自分たちの滑走速度帯(モーグルは速く見えますが、落下速度としては時速40km以下かと)では全く問題ないと考えています。  

 

個人的には2ピース、3ピース関係なくほとんどのスキーヤーがブーツを違う方法で押しているように感じています。 

よくスキーショップでも試し履きをしている人を見かけますが、パワーベルトの辺りを押してブーツの硬さを感じようとしている人を多く見かけます。そこをメインに押すとブーツの中の足首の力は抜けただの背屈になりやすいです。 そのような方が3ピースのブーツを試して押すと、どこまでもブーツの中で足首が折れ曲がり潰れていく感じになるので、何が良いのかわからないと感じる方も多いかと。 またモーグル愛好家で3ピース構造のブーツを履いている多くの方をみても、タンを潰し切って重心を前に!と思っている方も多いかと思いますが、その使い方もブーツの中の足の運動性を無くしやすいです。(上手な人は同じパワーベルトの辺りを押すにしても、中でしっかり足首の周りの筋肉がOnになっているのが自然なのかと) 

 

そこで考えていただきたいのが、足部のアーチ構造です。 巷でも足部のアーチやアーチを作るための3点支持と言う言葉を聞くと思います。アーチ構造と言えば、ヨーロッパの中世の橋がイメージしやすいと思いますが、あくまでもアーチ構造は電車や車が走った時に上からかかる力に対する強度であり、ブーツのパワーベルトの辺りを前に押す力の方向ではあまり意味がありません。 ほとんどの人が加圧後のスキーからくる反力をパワーベルトの辺りに体重を落とし受け耐えているように見えます。 

 

本来はブーツの中の足をセット(前記事参照)し足のアーチ構造の上から真下に足裏全体を押すことで、反力にて背屈運動が自然に起き足首に溜まった力をバネのように使うサポートをブーツがしてくれると言う使い方が理想だと思っています。 

よってうちのチームでは昨年春の基本的なベースを上げる際、ブーツのパワーベルトもバックルも全て外してスケーティングの練習をしました! タンに頼ろうとするとインナーごとブーツから抜けて前に転びます!

 

 この踏み方(押し方)であれば、2ピースのブーツでもパワーベルトの辺りに力が加わるタイミングが遅くなり、結果反力を受け始めるタイミングのコントロールは若干上がります。 3ピースのブーツであれば、自身の加圧と背屈運動と、ブーツ、スキーのたわみ、返りが同化しやすくなります。 まずはこの足部の運動と、スキー靴、スキーのバネが噛み合わせる状態をつくることを目指してみては! 

 

<おまけ>

ちなみに昨年度は足部の認識を強く持ってもらうため、骨の模型を合宿先に持って行きましたが、空港の荷物検査で足の骨が移るので空港職員がサイコパスな人かもと言う目で見ながら荷物を開けるよう言われ、何回か捕まりやめました.... スコップをグラインダーで研いで持って行った時には銃刀法違反に該当しそうになったり、なかなかコーチ業はスムーズにはいかないものです... 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回は五輪に向けたチームの取り組みをざっくりと書かせてもらいましたが、今回は自分の考えるモーグル競技のみならず運動を行う際の足元に関して書いてみようかと。 なぜ足元からかと言うと、基本的に地面と人間の身体が接する部分であり、身体のこと、運動のことを色々な専門家と話した結果、1. 足元から体のあり方を積み上げていく、2. 頭の先から下に行く力(地球の重力)に対する身体のあり方の2方向からを中心に考えると色々な本質が見えてくるのでは?と言う自分なりの結果に行き着いたからです。 まぁ、なんのこっちゃと思う人が多いと思いますが、読んでいくと腑におちる部分もあるかと思うので、多少にでも全てのスキーヤー(スポーツ全般?)の参考になればと願ってます。 

 

長文になります! スキー、スポーツに興味のない方にはきついかと.... 

 

まず最初になぜ100人いたら100人違う身体つきになるのか?と言う点から始めるとようかと。 

 

人間は地球上にいる以上気づかなくても重力(上からの下/地面に向かう力)を受けながら、その重力と自重と地面からの反力を利用して動いています。 その時にどの位置にどのような状態の足元に力、体重が加えた/加わった状態で主に動くかで一般世間でいうX脚、O脚、外反母趾、扁平足と言うような状態になって行くのだと考えています。 そしてその原因の大元は、普通に歩行をする際は皆、省エネモードで歩こうとすると言う点かと。省エネ状態の足元の状態で主に歩くことになるので、それぞれの省エネモード時の歩き方で足、脚周りの筋肉をどこをメインに使うか、あまり使わない、ほとんど使わないかで偏りが生じ、結果上記のような色々な足の症状が出てしまうのだと考えます。 

 

次に早く歩く、走る、飛ぶと言った強度の強い運動になった際の足元との違いを考えてみましょう。 この違いをなんとなく感覚だけで省エネモードと使い分けている人と、あまり使い分けができていない人とで運動性が大きく変わると思っています。ダッシュのスタート、反復横跳び、シャトルランの切り替えが遅い人などは、この使い分けが上手くいっていない人で、速い人たちは自然と使い分けているのだと思っています。 

 

自分たちが現在取り組んでいることは、このなんとなく感覚で変えている点を、理解してコントロールして使うと言うことになります。 

 

色々な靴、スキーブーツの特性、履き心地、硬さ、角度などを気にする方は多くても、その靴、ブーツの中での足のあり方を厳密に意識している方は少ないと思います。(まぁ、自分も現役時代考えたことすらなかったですが....) しかしながら地面、スキーに伝わる力の発生源はその靴、ブーツの中にある骨、筋肉からになるので、コントロールしないことで色々な問題が生じます。 よくスキーでターンの後半スキーを振ってしまう人、乗り切れない人は踵骨の位置のコントロールの仕方、使い方を覚えることで、エッジに乗り続けやすくなります。 そのように、外から見た角度だけではなく、普段意識しにくい体の中で当たり前にやってしまっていることに焦点をあて、コントロールする方法を探し、改善して行くことで自身の動き、スキー操作のコントロールを覚えることが本質に近づく道だと思っています。 

 

<コントロールとは?> 

インナーマッスルのトレーニングと言うのは、10年以上前から耳慣れた言葉になり今も多くのトレーニング方法が巷に出回っています。ただ自分たちが注目している骨格筋は常に働いている筋肉であり、一般世間に言われるインナーマッスルの中でも更に奥深いところにあり、基本的に感覚がない?もしくは非常に感じにくい?小さな筋肉になります。 自分たちが選手によく言うのは、動いているエスカレーターや動く歩道に、普通に気付いてて乗った時と、見ていなくて乗ってしまった時の乗る瞬間の体の在り方の違い! ????と思う方は多いと思いますが、乗った時の結果が大きく違うことは経験したことがある人が多いのでは? 気が付かず乗った時は足が先に持っていかれ慌てて乗る感じで、普通に予期した状態では普通に乗れる。 スキーは常に滑り進んでいるので、常に気づいてる状態で乗って行くことが必要です。 この小さな違いが、骨格筋をコントロールして乗る状態と、気がつかずに乗ってしまった時(コントロールができていない)の違いであり、スキーにおいてはかなり重要なポイントだと思っています。 

なんとなく違いと言わんとすることは、理解ができても尚???となると思いますが、そのくらいの小さなことが結果として大きな違いを生むことは想像がつくかと思います。 

 

自分が思うのはほとんどのスキーヤーがエスカレーターに気づかずに乗る時の状態で乗ってしまっているが、どのくらい持っていかれるか(スキーが走るか)も想像がつくので、乗ったあとアウターを働かせ骨格を固定させてスキーについて行っている状態だと思ってます。 これはリカバリー操作であり、常に耐えて動くことになるのでそのうち過剰に働いた筋肉や関節への負担が積み重なり怪我をするか、予想より力が大きくスキーが走ってしまった時には一気にスピードがあがり後傾になり対処不能に陥りやすいかと。 よって、更にアウターを鍛えると言うのが通常の道かと。 ただし、これが最初の方に記載した、体のバランスを大きく崩し、成績が出始めた選手が翌年にパフォーマンスが落ちる、もしくはオーバーユースによる怪我の原因だと思っています。=2年目のジンクスと言われるのもこれかと 

 

えっと、脱線を戻すとコントロールとは骨格筋の場所を理解し、どのように動く/働くかをイメージした上で動くことで得られた感覚を覚えることだと思っています。 よってうちのチームのトレーニングでは、常に今使ってしまっている筋肉(その人にとって自然に使いやすい筋肉)の場所と、本来使いたい筋肉の場所を骨格、筋肉の絵や写真を見せながら進めています。 これが全身にある筋肉全てとなると640あるらしいのでかなりな数になり一気に直すことは不可能なので、足元からやってます。 

*また過去の怪我、極度のアウタートレーニングにより癒着して機能不全となっている筋肉や腱、硬くなってしまった関節などは、中々動かないケースが多いのでうちの場合は、マニュアルセラピストのスペシャリストが居てくれているので上手く進んでいますが、専門家が介入しないと残念ながら上手く進むイメージは湧きません.... 

 

<愛読書?の肉単! ちなみに骨単もあります なぜか写真が縦にならない...>

 

 

 

ここまでの自分の知り得る今までの常識とは全く違う観点で、量子力学の観点をベースにされているテンエンタープライズ様のアスレボ、天然塩、天の雫などを使用したコントロールの仕方も自分は積極的に取り入れています。 特にアスレボのスプレーではこの上記に記載した予期して動く前の状態を自然に作ってくれるので、余計なコントロールの仕方を覚えなくても必要な感覚を体験させてくれます。 その動きを繰り返すことで、結果として癒着したいた箇所、硬い関節が緩んでいき施術と似たような効果が期待できます。 

 

<靴、ブーツの中の足のあり方> 

運動前の立っている時点で足部は地球の重力と自身の体重を支えています。ただ立っている時は通常省エネモードなので、足部が重力と体重を支えるために開き安定を感じることが多いかと。(オフの状態)逆に100mのスタートやフォーミングされたスキー靴の中、クライミングシューズなどは力の伝達を無駄なく伝えたい場合、狭く外から押し込められるように足部が縮まっていることが多いかと。 スキーのアルペン、スピードスケートの靴、クライミングなどでは必要なのかな?とも思う反面、押し込められることで足部の運動が制限されてしまうのはどうなんだろ〜?とも思います。 特に自分たちの競技モーグル競技は車でいうところのオフロードなので、F1のような綺麗に舗装された上を走るのとは違い、ある程度ハンドルに遊びが必要と考えており個人的には4バックルのブーツよりも3ピース構造のブーツでかつ動けるインソール、動けるインナー(ブカブカは当然ダメですが)を好みます。 

 

では、動ける状態とはどんな状態かと言うと、上記の省エネモードとクライミングシューズなどの遊びのない状態の足で考えると省エネモードに限りなく近いがいつでもどこにでも力を加えることが出来る状態だと思っています。 力のレベルで考えると0(ゼロ)が寝ている時のような脱力状態で、10が最大筋力とすると1〜2で充分ですが足部全体の筋肉に刺激が入っている状態と言えます。 軽〜く足部全体を添えるように縮めるような感じかな? この時内くるぶしの下あたりが軽く上がる感じがしたり、足首の前の腱が浮き出てくるとOnになっている目安になるかと。 

その状態で地面の下10cmぐらいを底屈ぎみにかる〜く押そうとすると地面からの反力を感じいつでも動ける足部の完成となります。(この時踵骨(踵の骨)が浮かないこと!) ちなみに底屈、背屈と言う単語は単なる角度なので、自分はこのように足部全体の筋肉がOnの状態を底屈運動、同じく背屈運動と使い分けて考えています。 スピードスケート、モーグルのワールドカップを見てもただの背屈を求めている選手とちゃんと背屈運動になっている選手とが強い選手とトップ選手の差なのではないか?とも考えています。 

 

本当は自分の考える、スキーブーツの履き方、インソールに求めることなどなど書きたいことが山程あるのですが、かなり長くなってしまうので本日はここまでとします。 

 

ここまで読んでくださった方ありがとうございます! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありきたりな件名で再開致しましたが、韓国のモーグルチームのヘッドコーチに就任して早いもので5シーズン目を終えました。

コロナ禍でのスタートしたため、まともに過ごせたのは3シーズンのような気もしますが、短い期間とは言えいろいろなことがあり、ようやく来季のオリンピックに向け動き始めたかな?と思ってます。 

 

就任時にはW杯の国枠0からスタートし、非常に少ない選手数のため出来るだけ内容を濃くし底上げをしてきました。 この仕事の就任前いただいていた日本スケート連盟様の時の仕事同様、韓国のスキー連盟が良いで下々の種目の運営は行いやすく、結果成績につながってきているのだと思っています。 この年になって尚、ありがたい経験をさせていただいています。 

 

それに加えて質の高いサポート、協力を多方面からいただいているお陰でここまできているので、チームをどのように来年の五輪に向け活動しているのか、どのようなサポートを受けながら活動しているか?などなどお伝えできる範囲で書いていければと思っています。

 

まずは韓国チームの状況から

 

現在正式に仕事としてコーチ義務がある選手は3名(男子2名、女子1名)のナショナルチームメンバーです。 

 

<選手紹介> 

1. ジョン・デユン / 男子 / 20歳 

スポンサー;ロッテ 

使用マテリアル;スキー&ポール / ID-One, ブーツ / K2 Revolve=ブーツチューン&インソールはデンクラフト! 

加えて自分経由でテンエンタープライズ様のアスレボスプレー、天然塩、天の雫、千樹を使用させていただいています! 

 

 自分の就任時から残っている唯一の選手で、今年韓国のスキー競技として初の世界選手権表彰台、モーグルのワールドカップの歴史上初の表彰台を獲得した選手です。 小さい頃からナルト、ワンピースなどアニメを見て育ったこともあり日本で生活出来るレベルで日本語が話せます。 世界選手権後の日本のメディアからのインタビューも日本語で答えていました。 最近では珍しい、昔からのフリースタイル要素の強い攻撃的な滑りをする選手です。

 

2. リー・ユンスン / 男子 / 19歳

スポンサー;ノースフェイスコリア 

使用マテリアル;スキー / ケスレー、ポール / シナノ、ブーツ / K2 Revolve 

 

 ナショナルチーム滞在歴は4期目かな、今年大学1年になりました。 昨年は自国開催のユースオリンピックで金メダルを獲得し、今季は受験と重なり文武両道でかなり時間に制限があるなか、ワールドカップで2試合決勝に進出しました。 デユンとは対照的でフリースタイル色は薄く、スポーツの競技者タイプです。 精密機械のような滑りとエアを好みますが、本人の気持ち次第でフリースタイル色を濃くすることも出来る資質、運動性も持ち合わせてます。 

 

3. ユン・シニー / 女子 / 18歳

使用マテリアル;スキー&ポール / ID-One、ブーツ / K2 Revolve 

デユン同様テンエンタープライズ様のアスレボを使用させていただいてます! 

 

 ナショナルチーム歴は3シーズン目かと。スタッフも男性しかいないなか、マイペースで頑張ってくれてます。 年々少しづつ上達していますが、そろそろ一気に伸びて欲しいな〜と思ってます。 昨年から初めたデェベロプメントプログラムに参加してくれている、同姓のソヨンが今季は一緒に練習出来ているので、このまま切磋琢磨して今季ブレイクして欲しい存在です。 

 

 

<チームの強化方法の特徴?> 

チームとしての特徴といえば、基本的にジムにはほぼいかない=体脂肪率が笑えるぐらい高い..... とは言え、決してサボっている訳ではありません。 一般的なインナーマッスルに含まれる骨格筋(自分の意味合いとしては、骨をつないでいる筋肉)をコントロールすること、そこから動くことに焦点をあててます。 アウターマッスルは骨格筋から動けた後につけるべきと思っているのですが、なかなかアウターのトレーニングを開始するレベルに辿り着けません。 が、中だけでも十分かな?と思うようにもなってます。 

 

ここに行き着いたのには理由があります。今まで見させて頂いた選手の多くが成績を出した翌年に張り切って一般世間でいう強度の高い筋トレをやってしまい、結果身体のバランスが崩れ怪我をするか、パフォーマンスが落ちるかといった結果に苦しんでいたからです。 人間は100人いたら100通りの動き方、動きの癖、使いやすい筋肉、眠っている筋肉があると思っており、結果張り切れば張り切るほど気持ちとは真逆の結果に苦しむことになってしまったかと。 そういう選手を多く見てきたので、結果として人間としてニュートラルに動くことを目指して、質の高い専門家、最適なマテリアルを探し、思考錯誤やってます。

 

またスピードスケートのサポート時に学ばせて頂いた、通常のトレーニングと心肺機能のトレーニングを完全に分けて組み立てており、心肺トレーニングの年間計画、通常のトレーニングの年間計画を完全に分けて組み立てています。クロスカントリースキーなどでは当然だと思うのですが、モーグル競技においては心肺機能の組み立てをここまでしっかりしているところは少ないのでは?と願う。(もしかしたらもっとやってる国はあるかも...) まぁ、アメリカの選手のように常に高地で生活している選手たちには、どこまで必要かと言う部分もあります。韓国は標高の高い地域に宿泊施設がないのでかなり必要かと... 

 

技術面に関しては、昨年までは体の使い方を中心に行い今季ようやく細かいスキー技術を加え始めてます。 今までも少しづつはやっていましたが、その前の身体のコーディネーション作りを中心に考えてやっていました。 今季この短いオフシーズの期間にどれだけ上げれるかを現在信用できる専門家の方々の力を借りて進めています。 

 

このような新しい視点からの身体作りに特化しているので、体力想定の中身の概念も全く違います。ある意味心肺系と血液検査の以外の数値に重きは置いておらず、それ以上の測定の仕方(動き方)に重きをおいて見ています。 加えてトヨタテクニカルディベロプメント株式会社様(TTDC)にてバイオメカニクスの観点から見えてくる動き方の質を重視したりしています。  

 

次回からは使用マテリアルの特徴など、使用理由なども含めて書いて行きたいと思います。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またまたすっかりご無沙汰になってしまいました.... 

一ヶ月前のことが複数年前に感じる、長い長いシーズンとなりました。

と言うことで何から書いて良いかも分かりませんが、とりあえず再スタートしようと思います。 

 

どのようなシーズンになったかと言うと、最高でも最低でもない非常に濃く、苦しみ、苦しみ、苦しみぬいた結果、ある程度実りのあるステップを踏めたシーズンになったんだと思っています。 

 

<達成できたこと> 

 ・ナショナルチームメンバー(3名のみ)全員の名前をオリンピック・アロケーション・リストに載せる 

 ・ワールドカップで韓国人として初となる表彰台に選手を立たせる(シーズン後半にようやく達成) 

 ・アジアカップの開催、ジャッジやTDを国際大会に派遣してもらうことにより、再度国際舞台における韓国の位置を向上させる(一部達成) 

 ・韓国の次世代の選手、父兄に国際大会のレベルを知ってもらうと同時に、韓国国内の大会にてFISポイントを獲得できる環境整備

 ・次世代の国内レベルの選手を世界レベルに引き上げる段階を踏んでもらう環境整備(ただし、かなり不完全燃焼) 

 

<達成できなかったこと>

  ・ナショナルチームメンバー、ディベロプメントチームメンバー全員を国際戦(ワールドカップ以上)で決勝進出

 ・世界選手権でナショナルチームメンバー全員を決勝に送る 

 ・お世話になっているスポンサー様のこまめな宣伝活動(今後やります) 

 ・韓国人スタッフの意識改革(諦めました)

<原因>

 ・ギリギリの戦いとなるシーズンとは言え、怪我人を多く出してしまった..... 

 ・シーズン中の細かい怪我、五輪予選の厳しさに対する経験の無さと無知、認識の低さ  

 ・精神的、仕事量的にギリギリの戦いの日々で、心、時間にゆとりが作れない(五輪選考期間のハイシーズンは厳しいと強く感じた) 

 ・文化の違い、その文化に対する悪い面が捨てられない(良い面も多々あります!)

 

 ざっくりすぎですが、今季の韓国のモーグルチームの個人的な感想です。 これら数々の自分自身の失敗を受け入れ再度失敗できない

 来シーズンに向けた修正案を熟慮したので、来週から来季に向け突き進みます。 

 

<今季のワールドカップ、世界選手権で感じたこと>

 ・昨年の堀島選手の活躍により、カービングを意識した練習を行なってきたチームが多く、コブの形状が縦に向きはじめた

 ・試合になるとスキーを振らなければカービング要素が高いと判断されるので、本来のスキーの性能を活用したカービングには程遠いが

  ジャッジ目線には合うカービングもどきが主流となりつつある

 ・試合になるとカービングもどきではスピードが出せないので、結局昨年の滑りに戻る選手が多発=試合の日はコブが尖る

 

<今後の展望>

 ・今季の前半戦でターン点を落とされた堀島選手がシーズン中にターンを修正し、後半戦ではターン前半のカービングを魅せるレベルにまで修正し、再び高いターン点を叩き出した。 これは競技にとってはすばらしい発展の兆しではありますが、簡単ではないので他の国がどこまで学んで活かそうとしてくるかが来シーズンの楽しみです。 オフシーズン後半の調整合宿時に見えてくるかと

 うちは元々フルカーブ狙いの選手がいるので、このオフシーズンで仕上げに入りたいと思ってます。 

 

 次回はどのような取り組みを行なってチームを強化しているかを少しづつ書いて行きたいと思っております。  

 

 

 

 

 

今日は男子の公トレ2日目と女子の公トレ〜予選でした。

 

男子の方は、前日の女子の公トレ後にコブが仕上がりちょっと深くなったことから、かなりフルアタックで攻めている選手が多かったです。 2エアのキックに苦戦している選手の数も減った感じがしました。 

 

昨年度までの決勝常連だったのに、ルカ大会で失敗してしまったアメリカの男子ニック、コール、フランスのキャベットなどかなりフルアタックを連発していました。ちょいとオーバートレーニング気味な気もしますが、殺気を感じるぐらいの集中力だったので明日が楽しみな反面、怖い存在です。 

 

 

うちはと言うと、ずっと取り組んできているトレーニングの中身を雪上に変換する作業で苦戦していた部分の大きな一つのピースが解けました。 が、今まで使っていなかった筋肉を急激に使用したため、本日の公トレでは早い段階でオーバーユースとなってしまいました。 

先ほど終わったミーティングで感覚を聞いたりしながら、明日の練習の本数制限を出し、対策をしたのでどうなるか?と言った状況です。 

 

 

この内容は一般スキーヤーにとってもかなり大きな変化が期待できる内容なので、組み立て方、説明の順序など考えていこうかと

 

 

女子予選

 

第一印象! 点数が低い!!!!

しかし昨年と比べても決勝進出ラインの点数はさほど変わらないので、上位のペリーンの今季オフ、川村選手が怪我で出ていないから全体的に低く感じるだけなのかもしれません 

ワールドカップなので、高い点が出て当たり前と思っていましたが、1位通過のジャカラもミスした分原点されており、妥当な点数だと思い冷静に終わってから考えると納得しています。 

 

明日の予想は、かなりスピードの次元の高いサバイバルレースになるか、前半の選手の失敗率の高さから後半組がまとめてきて、決勝進出ラインが低くなるかどちらかだと思います。 

こんな時に限ってうちのエース?は5番スタート.... まぁ、モーグルは攻めてなんぼなので攻めさせたいかと。 

 

まずはアップと公トレで今日のようにオーバーユースになる状態を避けて、心身ともに良い状態でスタートに送り出せるよう全力を尽くします。 (うちの伸び盛りな女子選手のシニーは残念ながらオーバーユースで体が重い状態で本日スタートさせてしまいました.... 反省してます)   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日の第2戦公トレ初日の感想を書いてみたいと思います。

 

今年からコースが新しくなり、オリンピックコースのような綺麗な一枚バーンになりました! 

 

第一エアまでは28〜29度ぐらい、ミドルは26〜27度ぐらいに感じるのですが、コーススペックは235m、平均斜度26度となっています。 

 

コースの第一印象は、ミドルが細かい

スウェーデンチームが練習してきた直滑降に近いストレートなターンを行うのに最適なピッチです。 ある意味堀島選手の良さであるカービング要素を出す前に次のコブがきてしまうので、それっが対策なのかな〜?とも思ってしまいます。 このピッチだと日本人選手では村田選手が得意そう、楽しみにしたいです。ゴールドビブ保持者は、良さを消されても他の良さを出せる色んな滑りができるので、心配しないでも今回も強いと思いますよ。 

 

 

エア台もスウェーデンチームが練習してきたんだろうな〜と言う感じのキック(エア台の上り面の角度)がかなり強めの台になっています。 蹴って飛ぶと言うよりは台の上り面の角度だけを利用して合わせて飛ぶ人には飛びやすい台となってます。 

 

ただし2エアは上り面は1エア同様きつめですが、最後のコブからの侵入部分がなだらかで飛びやすそうに見えますが、手前で体重を乗せ過ぎると、T2(エア台前の一番低いところ)が低すぎて体が起きてしまい、結果T3(エア台の上り面)で圧に潰されてしまい、結果テイクオフ(踏切)が難しい台となっています。 

本日見ていても男子で上手に安定して飛べていた選手は少なかったので非常に癖のある台になってます。 

 

 

以上、手短ではありますが本日のコースの印象でした。 

 

 

日照時間の関係で明日公トレ2日目なのに、女子は長めの公トレの後、いきなり予選となります。これも初めての経験なので、どうなるのか楽しみです。 

 

 

 

 

 

 

今日はワールドカップ遠征の移動時について書こうかと

 

12/2の夜19時ごろ試合が終わり、部屋に戻ってきて翌朝のバスが7:45発なので、帰宅早々パッキング開始と行きたいところですが、ルーティン的にスキーバックを最初に作るのでスキー道具の乾燥待ち.... その間に服をたたんだりパッキング前の準備を行いいざパッキング!(スキーバックを最初にパッキングする理由はバックが大きいので23kgギリギリまで詰めたいから!) 

 

翌朝のバスは定期便なので、事前予約がないのですが翌日の便には間違いなく他の国チームも乗るので、乗り損ねると嫌なので極寒の中15分待ちを選び、うちは7:30にバス乗り場集合と伝達。同じ時間に隣の部屋のオランダ、スペインチームも出てきてお互い顔を合わせた後、焦って急いでいました.... 

 

案の定バス乗り場に長蛇の列が出来、うちは前の方だったので安心感がありましたが、最後の方に来たフランスチームは人数も多いのでかなり焦ってる感じでした。こんなところでも国間の戦いが常に発生しています(笑) 

 

なんとかみんなで協力し合いながら荷物を積み込みきって全員無事同じバスに乗ることができましたが、大き目のチームが後1つ多かったらアウトだったかと。 

 

空港に着いた時もバトルです。皆無口で誰よりも早く荷物を取り出してチェックインカウンターに向かうと言う、殺気を感じながら自分も無口で取り出し手荷物のキャリバック、炊飯器とチェーンが入ったキャスターバック、スキーバック、スーツケースと4つの荷物を上手く両手が引きづりながら、なんとか3番目ぐらいでチェックインカウンターに並び、さっさとチェックイン手続きを終えました。 うちの若手の今季初参戦の選手が予想通り長蛇の列の最後尾に並んでいました.... シーズンを通して遠征の仕方を学んで行ってもらいたいです。 

 

 

さてチェックインが終わり、ルーティンワークとなっているロストバゲージ対策! どの荷物にどの番号がついているか確認しておくことで、ロストした際にバックの形状など申請する際にスムーズに行きます。 近年得にコロナ後の自分たちの遠征では基本荷物は来ない!と思って動かないと、痛い目に遭います。

 

そんな状況なので、最近うちはAppleのAirTagで確認するようにしていますが、今回も.....

 

 

えっと、見事に出発地のクーサモ空港からに残ってます....

(写真は翌朝クーサモ空港から輸送されたオウル空港到着時の写メですが...)

 

 

 

しかもチーム全員で17個預けた荷物が一つも届きませんでした.... 一つも....もはやエクセスチャージとっておいて運ぶ気すらない..... 

 

コロナ後航空会社が行ったのは、値上げとロストバゲージの事後手続きをQRコードでやりやすくしただけです...... 荷物を一緒に届ける方には何も改善せず、ロストした時のためかお金だけはしっかりとり、手続きはクレームの電話ができないように、ウェブ上..全てに納得できません.... 公然の詐欺会社としか思えない。

 

       <QRコード読み込んで手続き中> 

 

 

うちは去年もその前の年もアーランダ空港ではロスト続きなので、今年もロスト対策日として空港内のホテルを2泊取っておいたので、翌日引き取りに行き無事全ての荷物と次の戦いの地、イドレ・フヤルに到着することができました。 

 

ドイツチームもロスト対策で同じホテル1泊取っていたのですが、翌日の出発前につくか不安そうにしていました.... 

 

日本チームの選手は完全ロストにあってしまい、かなりストレスフルな日々を過ごしたかと.... 一年苦しいトレーニングを積んできてこんな理由で試合に出れなかったら...そんなことがあったらどうしてくれるのよ、と航空会社、空港職員の方々に声を大にして言いたい。大変なお仕事なのはわかりますが、ちゃんと仕事してくれ! 

 

荷物が届かなかったため、やりたかった事務作業も半分以下になってしまいました。本当に航空券は高い、しっかりエクセスチャージも取られてこの状態なので、仕事できなくて無駄にした時間、ストレスを考えると航空券の半額以上は返してもらいたいものです。