先日は足元のあり方を書いてみましたが、短く上手に伝えたいと思っても動き始める前のあり方までとなってしまいました...
改めて短く端的に伝えることの難しさを実感しています。 が、自分のブログなので書きたいことを書いてみようかと
さてコーチ業に携わって早25年以上経ってしまいましたが、それからは勝つために必要なことを探す、モーグルスキーの楽しさを伝えることなど、自身がスキーを楽しむことはさておき、どう選手を上達、強くするか、またそれをどのように誰にでも上手く伝えられるように出来るかを考える日々を過ごし、個人としてスキーを楽しむ機会は、たま〜にしかありませんでした。 その数少ない楽しい日は、大体お世話になっているデンクラフト様の新しいブーツとインソールが届いて試して滑った時ぐらいでした。基本的にはスキーはスコップ作業現場への移動手段となってます....
新しいスキーを履く時も嬉しいのですが、それより作業用の新しい良いスコップを見つけた時の嬉しさの方が大きかったかと.... と言うぐらい楽しみより必殺仕事人になることに徹底してきました。(単なる自己肯定...)
が、今年は現役以来初めてブーツのデザイン(色)だけで、ここまで気持ちが上がるんだ〜と言うことを経験しました。最初にK2様より届いた箱を開けた時は、?????と一瞬パニックになり、慌てて下記のHPを見て「おぉ〜」となったのを覚えてます。
左右で色が違う! しかもバックルの色も、パワーベルトの色も違うので個人的には「かっこい〜〜〜」とテンションが上がりました。
実際年明けからのワールドカップ遠征中にも、FISのお偉い様、他国のコーチ陣、選手からも、「カズ、ブーツ左右違うぞ、2つ買って混ぜたのか?」などマテリアルでここまで話かけられたのは初で気分が上がりました。 今も大切に履かせていただいてます。そして気分が良いとスキーも楽しくなることを実感しました!
<箱を開けた時に思わず嬉しくて撮った写真>
さて、本題に戻りそんな楽しさを思い出させたくれたブーツの使い方について書いてみようかと
自分は長く3ピースのスキー靴を使用させていただいています。今季はK2 Method B&Eと言うモデルです。通常の2ピースのブーツと大きく違う点はタンが蛇腹形状になっており加圧時間、反発力を受け始めるタイミングがコントールしやすくなるのが特徴です。 2ピースのブーツの場合、加圧直後にアッパーシェルには元の位置に戻ろうとする力が発生し、それを脚力で抑え続ける必要がありますが、3ピース構造のブーツではその反発が始まる時間と量を稼ぎやすいと言うメリットがあります。
モーグル競技においてはコブの上り面の長さが微妙に違うので、この一瞬の時間稼ぎが無駄な筋力を浪費せずにブーツで処理してくれると言うメリットが大きいです。 エアに関しても同様で、エア台の圧を受ける時間を長く感じやすく反発力もコントロールしやすいと言うメリットがあります。 また自分のブーツに関してはシェルのラスト(ブーツの足部の横幅)も広く、ブーツ内で無駄なスペースもなく、かつ動きやすいと言うメリットも持ち合わせています。 このスペースを前回記載した足のあり方(筋肉使用レベル1〜2)でいることで、過剰にきた衝撃を前足部で吸収してバランスをとりつつ、力の出力のタイミングと量の調整も楽になります。(*当然足の横幅が狭い人は狭いタイプでも同じことが出来ます。逆を言えば3ピースの場合、ブーツの中で足部が最低限動けるスペースのあるラストのブーツを選ぶことをお勧めします)
前回記載したように2ピースのブーツは構造上強度を保ちやすいのでエッジ感覚を強く求める人にはお勧めです。 逆に3ピース構造はブーツのネジれや横の合成としてはどうしても弱くなってしまいますが、個人的にはスキーをちゃんと踏める(押せる?乗れる?)と自分たちの滑走速度帯(モーグルは速く見えますが、落下速度としては時速40km以下かと)では全く問題ないと考えています。
個人的には2ピース、3ピース関係なくほとんどのスキーヤーがブーツを違う方法で押しているように感じています。
よくスキーショップでも試し履きをしている人を見かけますが、パワーベルトの辺りを押してブーツの硬さを感じようとしている人を多く見かけます。そこをメインに押すとブーツの中の足首の力は抜けただの背屈になりやすいです。 そのような方が3ピースのブーツを試して押すと、どこまでもブーツの中で足首が折れ曲がり潰れていく感じになるので、何が良いのかわからないと感じる方も多いかと。 またモーグル愛好家で3ピース構造のブーツを履いている多くの方をみても、タンを潰し切って重心を前に!と思っている方も多いかと思いますが、その使い方もブーツの中の足の運動性を無くしやすいです。(上手な人は同じパワーベルトの辺りを押すにしても、中でしっかり足首の周りの筋肉がOnになっているのが自然なのかと)
そこで考えていただきたいのが、足部のアーチ構造です。 巷でも足部のアーチやアーチを作るための3点支持と言う言葉を聞くと思います。アーチ構造と言えば、ヨーロッパの中世の橋がイメージしやすいと思いますが、あくまでもアーチ構造は電車や車が走った時に上からかかる力に対する強度であり、ブーツのパワーベルトの辺りを前に押す力の方向ではあまり意味がありません。 ほとんどの人が加圧後のスキーからくる反力をパワーベルトの辺りに体重を落とし受け耐えているように見えます。
本来はブーツの中の足をセット(前記事参照)し足のアーチ構造の上から真下に足裏全体を押すことで、反力にて背屈運動が自然に起き足首に溜まった力をバネのように使うサポートをブーツがしてくれると言う使い方が理想だと思っています。
よってうちのチームでは昨年春の基本的なベースを上げる際、ブーツのパワーベルトもバックルも全て外してスケーティングの練習をしました! タンに頼ろうとするとインナーごとブーツから抜けて前に転びます!
この踏み方(押し方)であれば、2ピースのブーツでもパワーベルトの辺りに力が加わるタイミングが遅くなり、結果反力を受け始めるタイミングのコントロールは若干上がります。 3ピースのブーツであれば、自身の加圧と背屈運動と、ブーツ、スキーのたわみ、返りが同化しやすくなります。 まずはこの足部の運動と、スキー靴、スキーのバネが噛み合わせる状態をつくることを目指してみては!
<おまけ>
ちなみに昨年度は足部の認識を強く持ってもらうため、骨の模型を合宿先に持って行きましたが、空港の荷物検査で足の骨が移るので空港職員がサイコパスな人かもと言う目で見ながら荷物を開けるよう言われ、何回か捕まりやめました.... スコップをグラインダーで研いで持って行った時には銃刀法違反に該当しそうになったり、なかなかコーチ業はスムーズにはいかないものです...
