いよいよ卒業検定です。今日は勤務先隣にある喫茶店で、フライドガーリックをたらふくかけたインドカレーを食べて、気合いを入れて臨みます。

 卒業検定は普通車も自動二輪も同時進行で行われます。普通車は路上に出てしまうから、検定車両は私のトレーラーとバイクのみ。あとは一般教習車です。

 本日の検定員はO先生。初対面ですが、フランクに話しかけてくれて気分は楽です。なるべくこちらの気をほぐそうと、『落とそうと思って検定はやらんから』とか『でも事実は記録せんとかんから』などなど。

 平常心で、始めます。
 しまった、社内がニンニク臭くて、検定員の気分を害さないか?!?!
 あ、いやいや、平常心でスタートします。

 乗車から、最後に降車してドアを閉めるまでが採点ですから・・・

 前方と後方を確認して、運転席ドアをオープン

 運転席に乗り込み、ちらっと後ろをみつつドアを閉める。以下はスタート前のルーチン。

   半ドアの確認
   ドアロック
   シート調節
   ルームミラー調節(あっていても、鏡に触らないと減点)
しーと シートベルト装着
にゅー ニュートラル確認
はんど ハンドブレーキ確認

 ※これって私が普通免許取った時に、家族にもらった『免許取得のコツ』みたいな本に書いてあったのですが、また覚えていたことに逆にびっくりです。

 ここまでしてから、エンジン始動。
 そして検定員に報告「出発準備完了しました」→『はい、では開始しましょう』

 ギアを1速に。坂道発進は検定項目にないので、1速に入れるのは文字通りこれが最初で最後です。
 スタートなので、安全確認は厳密に、左後方直視、左サイドミラー、ルームミラー、右サイドミラーそしてで右後方直視で後方を確認(安全確認5点セット)し、スタート。

 外周路走行は、法規走行に注意。すなわち

 中心線を踏まない、車線を跨がない
 左サイドミラーを植え込みやフェンスなどに当てない(当てるぐらいなら車線を跨いだ方がまだよい)
 方向変換・右左折の合図は3秒以上、30メーター以上
 後方確認は確実にアピール。「よし」と声だしたり指差してもよい(意外とこれで冷静になれる)

 ※ミラーが当たったら不合格だそうです。だから検定員はそこに注目しています。検定員にも近い場所にありますしね。対して車線を少し踏んだところで、「ミラー当て」に比べたら印象も随分違いますし、当たったか当たらないかは「事実」ですが、車線踏んだか踏まないかは・・・という感じのようです。
 ※また、方向指示器を出すタイミングは、教習所からもらったコース図の縮尺が計画ならば、あの自動二輪の「一本橋」は15mですから、それを基準にしてコース図に矢印なんかを書き込んでもいいと思います。私はそうしました。

 ※呼称・指差確認は、やってみると悪くないです。検定員にとっても、こちらが確認しているのがわかりやすいでしょうし。実際私がそうしたら、思わず知らずでしょうが小さく頷いたりしてました(してくれました)。全てでやらなくても、外周路に出る時とか、交差点から発信する時に左右確認して声だけ「よし」って言ってみたりとか、場合によっては停止して確認する作業を要する場面では特に有効だと思いました。


 今回の検定コースは、外周路走行から交差点を通過すると、すぐに方向転換があるタイプでした。

 方向転換スペース内の安全を確認しつつ、スペースの向こうで車をとめる

 後退を始めたら、ハンドルを左に半回転させて、きっかけを作る

 ヘッドとトレーラーの角度が20°ぐらいついたら、ハンドルを直進に戻す

 そのまま後退すると、トレーラーに角度がどんどんついていくので、60°ぐらいになるまではハンドルは直進を維持。全体(スペースとトレーラーの位置)のバランスを考えて、あまりトレーラー後輪がスペース入り口角から離れるようなら少し左に転舵(切りすぎ注意)。トレーラーが切れ込みすぎるときには少し右に転舵(ただし最小限に)。

 トレーラーの角度が60°になったら(うちの車両ではちょうどトレーラーに書いてある『TOKYU』の文字がぎりぎり見えるあたり、と最初は覚えました)、その角度を維持する(ヘッドとトレーラーの角度が変わらない位置)までハンドルを右に戻す(大体、右据え切りから半回転戻したあたり)

 後輪がスペース入り口角を通過したら、右に据え切りしてトレーラーを伸ばす(真っ直ぐにしていく)。少し早めに戻すのがよさそう。戻しが遅れると修正が大変なので

 多少車両が斜めだろうが、二種でなければ問題なし。ただしヘッドとトレーラーは真っ直ぐに

 完了したら、検定員に報告
「あの、真っ直ぐじゃないですが入ったと思うんですが・・」→『もっと自信を持って言って下さい』
あわわ、
「完了しました!」→『認めます。ではコースに戻って下さい』

 方向指示器を脱出方向に出し、安全確認5点セット。

 ここだけは、脱出方向の逆にハンドルを切ってもよいとのことなので、もし心配ならそうやって脱出。

 タイヤが縁石に当たらないように。ボディははみ出してもOK


 ※こんな具合で、ほぼ滞りなく方向転換完了し、コースに戻ります。安心しすぎてミスが増えることもあるようで、『まだコース長いですよ』と一言。はい、注意していきます。


 次の課題はS字ですが、方向転換に比べればプレッシャーは少ないです。しかし手を抜かず、今までのやり方を確実に。ポイントとしては、スピードは極ゆっくりで。意識して遅くするぐらいでちょうどよい感じです。


 引き続きコースに戻り、最後は発着点に帰って来ます。ドアを閉めるまでが採点ですから、まだ気は抜けません。

 幅寄せでは、左ミラーの接触に注意。またスピードは、やはり超低速がおすすめです。

 発着点に車を停めたら(ポールにバンパーを合わせる。なのでミラーは前に出る)、ブレーキを踏んだままギアをバックに入れ、サイドブレーキを引く。
 エンジン停止。
 左→右の順でペダルを離す。
 ドアロック解除。
 前方と後方を確認してからドアを開け、降車。
 ドアを閉める。


・・・これで私の検定は終わりました。検定員からは、とくに心配することはないと言われましたので、まあ安心して結果を待ちます。
 で、問題ありません。合格です!と。ただ、あくまで資格試験なので、実際は路上でさらに修練するつもりで(それでも自在に操れるようになるには半年はかかるそう)とのこと。

 普通車や、自動二輪の合格者らの確定を待って、一緒に卒業式です。
 これで悲しむ人が出ないように、安全に努めます。臆病者万歳!!


 最後に、「おもしろ牽引教習記」と銘打ってやってきましたが、結局私だけが楽しんでいたという印象が払拭できない記事ですね・・(汗)。拙い文章を読まされた方には申し訳ない気持ちですが、自分の記録と、もしかして牽引免許の情報を求めて彷徨うネットユーザーの、わずかな助力にでもなれば幸いです。
 教習もこれで最後です。
 方向転換を中心に、コース走行も細かい減点ポイントをつぶしていくような作業でした。

 方向転換は、なんで今更・・なのですが、トレーラーを入れるスペースとトレーラー自体を、大局的に捉えられると楽(というか、そうしなきゃダメですね)だということに、やっと気がつきました。
 今までは、トレーラー後輪を、いかに方向転換スペースの入り口角にもっていくか、という点にばかり目が行っていて、トレーラーの向きを変えるという作業全体に疎いという、誠に近視眼的な扱い方をしていました。これじゃあどうやったってトレーラーが曲がりすぎたり、曲がりにくかったりするに決まっていますし、全体が把握できていないので(まさに眼鏡を外して近眼で外出するように)不安でしかたないのは当然と言えるでしょう。

 こんな当たり前のことに、全然気づいていませんでした。

 方向転換という作業全体を俯瞰するように捉えられるようになってから、少し楽しくなってきました。

 5回に4回は方向転換成功。ただしスペースに対して完全に真っ直ぐにできるのはまぐれです。
 やっとイメージ通りにトレーラーが扱えるように・・・少しだけなってきた。そんなところで教習は終了。見きわめ判定合格。
 次回はいよいよ卒業検定です。
 教習も後半に入っています。太陽が出ていて本当に良かった。


 今日は、不安が解消されるポイントが2つありました。それも苦手のS字と方向転換の両方です。

 S字については、普通車の癖で『出来る限り左に寄ってから』S字に入っていましたが、コースの都合からも、少し中央から入ってもよい(このコースでは左にビッタリ寄って入るのは難易度が高すぎるため、免許課から許可が出ている)とのことでした。
 わざわざ右に寄るわけではありませんが、通常の走行ラインあたりから進入するのと、左に寄せてからそうするのとでは雲泥の差です。勿論、左後方は十分確認をします。
 このコースでは左折でS字に入るのですが、左に舵を切るタイミングとしては、S字のコース右端とフロントガラスの下端が合ったぐらいから、一気に転舵します。これは普通車だとあり得ない入り方ですが、前輪の上(のやや前方)に自分が乗っていますから、いつもと違う動きが非常に楽しいです。また前輪も良く切れること。この入り方ならトレーラ後輪内側にも余裕があって、精神的に楽です。
 S字一つ目の左コーナーは、コース右端がフロントガラス中央に来るようにしながら、3速で半クラッチを使いながら左ミラーでトレーラー後輪を確認していきます。
 そして右コーナーに移るわけですが、トレーラー左後輪が左コーナーのクリッピングポイント(CP)を通過するまでは、ヘッドはコース右端をなぞるように動かします。そしてCPを通過したら左へ舵を切り、今度はフロントガラス中央をコース左端に合わせるようにします。

 上記、非常に教習所的なやり方ですが、そうするのと同時にミラーでヘッドとトレーラー後輪の位置を確認するようにしていくと、次第に車両感覚が掴めるようになってきます。何度か繰り返すうちに、「コースのフロントガラス合わせ」もあまり意識せずに走行できるようになりました。


 そして肝心の方向転換。
 どうやら私は、車を直線的に動かしたがるくせがあるようで、そう言われました。
 普通車でも、真っ直ぐな状態から曲げにかかるのはやや時間がかかる。トレーラーならなおのこと。しかし、もう『曲げに入っている状態』であれば、既に曲がる力が掛かっているために、後は曲げる量を調整することに専念すれば良い(というより直線を曲げにかかるよりも反応が早いので楽)
 トレーラーとヘッドの角度の変化にも注意。
 今、角度は一定なのか、角度をつけにいくか戻すかを判断すること。また、その角度が変化するスピードにも注意。ヘッドを大きく振れば、戻すのも大きな動作が必要だから、できるなら必要最小限度の角度のすべき←ということは、近視眼的に角度をつけたり戻したりするよりも、一定の角度を保った方が、方向転換に必要なスペースが少なくて済む←ということは、その方が楽に方向転換できる。
 方向転換時に、車両は真っ直ぐでなくても良いが、ヘッドとトレーラーは真っ直ぐにする(二種だとそうはいかない)。これは「方向転換」という作業だからであって、もしこれが「車庫入れ」という話ならば、なるべくスペースの真ん中に、車両もスペースに平行に、ということらしい(二種ではこれが要求される)。
 もし「伸ばし」が遅れて、トレーラーに角度が付きすぎた場合は、ついた角度と同じだけ逆にトレーラー前部を振らなくてはならない。これは余分な作業になるので、「伸ばし」のタイミングを体得したほうが良い。
 方向転換のスペースからの脱出は、よほど左端にビタビタにくっついていない限りは、ヘッドを右に振れば出られる。
 ヘッドを動かして、トレーラーのキングピン(ヘッドとトレーラーの接続部分)を押し引きして車を動かしている感覚を掴んだ方がよい。
 キングピンと、トレーラー後輪の左右で作る二等辺三角形をイメージすると、イメージを掴みやすい人もいる。

 検定では、方向転換は一度やりなおしができる(減点なし)。2回目からは減点で、4回のやり直しだと検定中止


 もしかしたら、今までも似たようなことを言われていたんじゃないかと思うのですが、今までは自分の心身に余裕がなかったので、聞き取って理解することが十分に出来ていなかったように思います。
 そういう意味で、今日は瞠目することが多かったです。

 教習も、あと2コマになりました。
 何となく出口の光が見えたような気もしますが、そんなことよりしっかりと教習を受けて実力をつけることに専念します。
 実はここの自動車学校、職場の同僚の中には「あそこは落とされる」と言う人もいました。確かにあまり安易な方法を教えようとはしませんが、二輪の時もそうでしたけど実践的な要素を多く取り入れているようにも思っています。
 前回、夜間に乗るのは懲りた筈なのに、タイミングが合わずに(あんまりブランクが空くのもどうかと思って)再度夜間の教習に行ってきました。
 担当教官は、先日も教わったJ先生です。この人とはペースが合いそうで、気分的には楽です。

 今日気づいたのは、当然のことながら夜間教習といえども慣れですな。見えにくくて神経を使うのは相変わらずですが、それとて路上という戦場では、だからといって手加減してはもらえないでしょう。全て自分の骨とし肉とする。そんな心意気で臨みましたが、やっぱり疲労は大きいですね。

 コースは随分慣れてきました。やはり課題は方向転換です。
 慣れのせいで成功率は上がっていますが、どのタイミングでどの程度トレーラーを曲げてやれば良いのかが把握できていません。成功しても、その成功に論理的裏付けがないために不安が払拭されません。
 先生は、基本的には慣れだから、というスタンスです。ただ、私は初心者らしくトレーラーとヘッドの角度をつけすぎだということと、トレーラーとヘッドを真っ直ぐにしにかかるのが遅すぎるとのことです。

 これで前教習の3分の2が修了したことになりますが、今のままで路上に出ても大丈夫なのか、そもそも検定に受かるのかについては不安だらけです。
 コース走行は、安全確認(法規走行)を含めて不安は殆どありません。焦りさえしなければ問題はないでしょう。S字はちょっと緊張しますし完璧とは言えませんが、主たる不安要素はやはりバックです。

 とは言え、最初は教習所を抜け出そうかと思ったぐらいですから、きっと行けるでしょう!
 そういうことにさせて下さい(笑)。
 今日で7コマ目、第二段階の2限目です。日の出ている時間でよかった。
 担当教官は、I先生。二輪の時の鮮やかな走りが印象的でした。若手のエースって感じです。終始ニコニコして、朗らかな人ですね。

 今日は明るかったので、トレーラ後輪位置がよくわかりました。もちろん、乗車前に後輪の位置確認と、念のためミラー清掃もしておきました。

 方向転換、今日はちょっと教習所っぽい知恵も教わりました。
 方向転換用の、並んだポールまでトレーラーの後輪が入れば、車両の長さの関係でもうヘッドの心配(外輪差でヘッドの前輪を擦る)はない、とか
 トレーラーの「TOKYU」というマークが、ちょうどギリギリ見えるぐらいの角度で進入するとよい、とか、
 方向転換時に車両が斜めでも、トレーラーとヘッドが真っ直ぐならOKです(一種の場合)、とかです。

 こういう指導の可否については色々言われますが、訓練の一つとしてなら、まあ良いんじゃないでしょうか。きっかけすら掴めないんじゃ先に進めませんし、そのちょっと近視眼的なやり方から、全体を俯瞰できるようになると、またやり方が変わってくるように思います。
 おかげで、頭をかかえそうなコース上の方向転換も、少し前方に明かりが見えるような気がします(幻視かも知れませんが)。

 やはり、慣れは大事ですし、心の余裕と集中力が重要だなあ、と思った教習でした。