【洋画】哀れなるものたち | ROUTE8787 サンサクキロク

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マジで、レビューがたまっていて、

マイッチングである。

 書かずにスルーしたい気持ちがあるが、

「観たすべての作品のレビューを必ず残す」と自分に課した手前、

やるしかない。

 

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哀れなるものたち / イギリス

2023年製作 141分 ディズニープラス

2024年32本目 ☆5.0

天才外科医によって蘇った若き女性ベラは、未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出る。時代の偏見から解き放たれ、平等と解放を知ったベラは驚くべき成長を遂げる。

 

この世界観はさすがだと思う。

141分全く飽きさせない、圧倒的な映像美。

複雑なようで、テーマは単純である。

 一人の少女が、大人になっていく過程を、

世界を巻き込んだようなスケールで描いていく。

 この監督特有の不穏な空気感はそのままに、

カラフルな色使い、おとぎ話のような世界観が、

胸糞悪さをも覆ってくれている。

 一体、だれが「哀れなものたち」なのだろうか。

この作品を観終わる頃には、その考えが逆転する。

 

 

エマ・ストーンが間違いなく、最高。

賞レース総なめ納得の、体当たりの演技。

 生まれたての幼女から、性を知る思春期、

更に成長を遂げ、男たちから自由を勝ち取る知的な女性になるまで。

 同じ体形・顔でありながらも、

その変化を見事に演じていたと思う。

 

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 自宅に閉じ込められ、色のない世界に生きていた。

そこから飛び出し、色づく世界を渡り歩く。

 ベラの成長とともに、映像が変わっていくのも、

凄く面白い。

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 「哀れなるもの」だと思っていたベラが、

いつしか、聡明で美しく、知的でカッコイイ。

 ありのままの自分として、生きていける事への羨望を感じる。

 

その強さを。

世の中の、圧力や同調に打ち勝つ強さを手に入れるまでの過程が、

危うくて、面白くて、爽快なのだ。

 

物語は単純で、最後もしっかりと収まってくれる。

そのシンプルなものを、異様な世界観が形作っているような感覚。

 是非、この世界を堪能して欲しい。

 

まだまだ、新しいものを作り出せるのだと。

映画界の底知れぬ光を、感じる事のできる秀作である。

(エロかなり多め 観る時は、一人推奨)

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ファンションも、見所の一つ。

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