【他ドラマ】拾われた男② ネタばれ感想 | ROUTE8787 サンサクキロク

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で、ネタバレ感想です。

 

前半は、コミカルな感じで話が展開していきます。

役者を目指しながら、TSUTAYAでバイト

もう、このTUTAYA最高ですよね。

(マスターバック最高)

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個人的に大好きな俳優さん、要潤さんが、

すっごくイイ感じで。

 私の中では、日本版「ヒュー・グランド」なんですよ。

要潤さんって、昔は、このまま消えてしまうじゃ??って感じの売れ方だったから、

こうして、息の長い俳優さんになってくれて、

嬉しい限りです。

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映画監督を夢見ながらも、諦めて去っていく姿は、

哀愁漂っていて。

 ここには、こうして夢破れて去っていく姿も、

描かれています。

 でも、決して、負け犬ではないんですよね。

「負け」のように見えても、本人が選んで頑張っていこうとしている道に、

変わりはない。

 人の選択を、勝手に「負け」と判断するのは間違いだし、

その選択をとがめるのは、「足を引っ張る」って事なのかも知れない。

 

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そして、井川遥さんの付き人をして、

交流していくエピソードも良かったです。

癒し系と言われていたのは、記憶しているけど、

そう言われる事への苦悩は、可哀想でした。

 でも、本当に素敵な女優さんで、

付き人とこうして交流する姿は、それだけで、

井川遥さんの人柄を知る事が出来ます。

 

そして、松尾諭さんにとってのイイ人

今の奥様との出会い。

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 伊藤沙莉さんが、本当にうまい。

そして、可愛い。

 オーディションで失敗ばっかりして、自暴自棄になるサトルを

叱咤する場面は、泣けました。

 

「独りで生きてるなんて思わんといて。

絶対に夢をかなえて。俳優1本でいきたいんやろ。

あかんはないで!ないで!

今のままでいいなんて、私は言わんで!」

とビンタを連発。

 もう、この奥さんが素敵過ぎるんだよね。

後半、家族のいざこざにイライラするサトルに、

「もう自分だけの事を考えていたらいい年じゃないんやで」

って諭したり、本当に、なんというか、

物事がきっちりと見えてる感じが、

奥様としても一人に人間としても、素晴らしい人だなって思う。

 相手が言って欲しいことを言うのって、意外に簡単で。

相手の肯定や共感が、充足感を与えてはくれるけど。

本当に難しくて、勇気のいることは、

相手が求めていない言葉を、言う時かも知れない。

 相手への愛情や、信頼とか、

そういうものが無いと絶対言えないなって思う。

 

そして、お兄様との確執

草彅剛さんは、安定の演技力で、すごく引き込まれた。

セリフで説明するワケでもないのに、お兄ちゃんの抱える孤独とか

羨望とか、

愛情はあるのに、それを家族に表現しきれない不器用さとか。

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(病気の役はお手の物)

 この後半からは、この兄弟のぎこちない感じ

それでも家族なんだ・・・という。

なんとも複雑で単純な家族を表現されていました。

 最後は、涙涙でした。

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こんなにも単純なのに、なぜ、15年間も心が離れてしまったんだろう。

その後悔の念を考えると、涙がとまらなかった。

単純だけど、複雑で難しい。

 会うまでは色々と心配していた父親も、

いざ実際に再会すると「よお帰った」と泣いて抱きしめていた。

そして、お兄ちゃんも素直に「ごめんなさい」って謝ってた。

 ああ、家族ってこんなに単純なのにね。

 

 お兄ちゃんが弟をうらやましいという気持ちが、

この15年を生み出してしまった理由の一つかも知れない。

 この羨望の気持ちは、前半に出てきた井川遥と共通するもんじゃないかな・・・と思う

まっすぐにバカみたいに生きられるその人柄は、

そうできない人には、もの凄く眩しく映るのだろう。

 

でも、お兄ちゃんの人生に同情してはいけない。

彼は彼なりに生きていたし、彼なりの幸福があったのだ。

 

 お兄ちゃんがゲイだったかどうかは、

明確に描かれていなかったけれど、

おばあちゃんの、このセリフは、心に響きました。

 こういうことが言えること自体が、素晴らしい人柄ですよね。

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世界にはな、想像つかんことが山ほどあんねん

人はな、その想像つかんことに出くわすと

びっくりして喜ぶもんと差別して拒否したりするもんもおんねん

弱いねんで人は。

せやから、ずっといがみおうてんねん。

ぜやから、まずは自分が生きやすい場所で

生きやすい人らと生きていけばええねん。

絶対見つかるからな。

日本やのーても、地球やのーてもええねん。

絶対見つかるからな

 

お兄ちゃんにとっては、アメリカがきっとその場所だった

だから、きっと、その人生を楽しんでいたと思う。

 

 全編通して、場面の切り替わりとか、

取り方とか、お洒落な感じで、

サトルの野暮ったさとのギャップさが、

選曲と妙に馴染んでいた。

 

 こんなに褒めて、なぜ、満点じゃないねん

って事なんだけど。

 アメリカの話が、妙に間延びしていた感じがあるんだよね。

妙に煙に巻いてる感じの描き方がね。

でも、これはサトル自身の心情と同じだったと思う。

 お兄ちゃんのアメリカの生活を、結局、

どういったものか、弟自身もわからないままなんじゃないかな。

 そういう意味では致し方ないのだろうけど。

回りくどいというか、間延びするというかね

あと、アメリカでの親友やら、エイドリアンが、

ちょっと、ウザかったわ笑

 

それでも、本当に素晴らしいドラマでした。

夢をあきらめないことも、

あきらめて、別の道にすすむことも、

どちらも、その人の人生であるということ

家族は、複雑だけど単純なもの

 

松尾諭さんの人生を、特別だとは思わない。

人間ひとりの人生には、同じだけの

出会いと熱量と奇跡が、きっと眠っているのだ。