自転しながら公転する 全3話
2023年製作 TVer ☆3.0
与野都(よの・みやこ)、30歳独身、契約社員。 憧れだった東京を離れ、地元・茨城に戻ってきて1年の月日が経った。 一生懸命頑張っても報われず、将来に不安を抱えて過ごす日々。 そんな時に出会ったのは、優しいけれど経済的に不安定な アルバイト店員の羽島貫一(はしま・かんいち)。 20代の頃のキラキラした恋愛とは違い、 たくさんの「リアル」が突きつけられる中で、 2人の関係は深まって、時に離れてを繰り返していく。
全3話軽く完走しました。
原作ファンとしては、どうしても、評価が厳しくなってしまうんですけど。
正直、この作品を40分×3くらいの尺で、
納得いくまで描けというのは、無理がある!!!
・・・とハナっから思っていたので、
まぁ、こんなモンかな・・・と。
原作の方がより、共感度が高いような気がする。
でも、主演2人も良かったし、
人物像としては、原作に近かったし、
短い尺の中でも、お年頃女性の苦悩や、葛藤や、
ズルい所や、計算高いどころが描かれていて、
良かったと思う。
とても魅力的だけど、
中卒で、無職・・・となると悩むよね。
原作では、もっと踏み込んでいて、
一人娘で、親を一人で今後支えていくのは、
不安で仕方なく、妥協してでも貫一と結婚すべきか・・・
と悩んだりするんだよね。
ドラマは最終的な着地の心情が曖昧なんだけど、
原作は、なかなかのラストを用意してくれてます。
ドラマの季節様の寿司職人姿もおススメですが、
最終的に、
「原作是非読んで!!」という感想になってしまいます(笑)
なんか、ドラマの感想書けば書くほど、
原作はココが~と、そっちの話になってしまうので。
山本文緒先生の遺作となります。
藤原季節さんは、
存在感抜群で、とても魅力的な役者さんだと
改めて思いました。
ブレないようでいて、隠されている劣等感や、
自己肯定感の低さ。
これ以上傷つけられたくないから、張られた予防線。
そんな貫一を、見事に演じていたと思います。
「自転しながら公転する」
自分の仕事や生活、親の介護・・・
それら全部をやりこなせない~と愚痴るおみやに、
貫一が説明します。
私はこのタイトルが好きで、自分自身も回り続けながら、
社会という場所を回り続けなくてはならない・・
そんな風に捉えています。
あっちもこっちも~!!悩みが尽きない!!
とパニックになることもあるけど、
「自転と公転」という壮大な言葉は、不思議なもので、
同時に、宇宙から見れば、ちっぽけだ・・・という
気持ちにもさせてくれます。
色々物事が起こっても、
「私は、今自転しながら公転してるけど、
大した事じゃないわ」と思わせてくれるのです。
そして、
気に入った言葉は・・・・。
原作での言葉がしっかり、ドラマでも。
ただ、母親のエピソードが少ないから、
ちょっと唐突な感じはしたけど。
良い言葉です。
「何かに拘れば拘るほど、
人は心が狭くなっていく。
幸せに拘れば拘るほど
人は寛容さを失っていく」
(幸せになろうとする人は、
不幸を許せない。
少しくらい、不幸でいい)
物事に執着する気質のある私は、
こういう言葉が本当に、好きです。
固執しても、自分を苦しめるだけ。
手放していいんだよ・・・・と言われてるようなんですよね。
藤原季節様は文章力も素晴らしいのです。
・・・という事で。
ドラマよりも、原作がおススメ!!
ドラマの季節様も観て欲しい!