【邦画レビュー】哀愁しんでれら 超辛口ネタバレ感想  | ROUTE8787 サンサクキロク

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超辛口です。
この作品が好きな方・田中圭さん土屋太鳳さんが好きな方は、
読まないでください~お願い

哀愁しんでれら

2021年 114分 渡部亮平監督脚本

☆ NETFLIX

  あらすじ(ネタバレなし)

児童相談所で働く小春は、自転車屋を営む実家で父と妹と祖父と4人暮らし。幸せでも不幸せでもない平凡な毎日を送っていた。しかし ある夜、怒涛の不幸に襲われる。祖父が倒れ、車で病院に向かうも事故に遭い、父が飲酒運転で連行され、火の不始末が原因で自宅は火事になり、家業は廃業に追い込まれ、彼氏の浮気を目撃(しかも相手は自分の同僚)…一晩ですべてを失う。そんな時に出会った のが、8歳の娘・ヒカリを男手ひとつで育てる開業医の大悟。優しく、裕福な大悟は、まさに王子様のよう。彼のプロポーズを小春は受け入 れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ。しかしその先には、想像もつかない日々が待っていた――

 

  ネタバレ辛口感想

土屋太鳳さんに田中圭さん。

微妙だよね・・・と思いながら観たけど、

想像以上のモノでした。

 まぁ、イヤミスにありがちな感じだけど。

 

正直、

「ほら、びっくりしたでしょ?驚いたでしょ?

最後、こんな感じですよ?イヤミスでしょ?」と、

 

どや顔で、こっちを見ている監督の顔が見えて、

げんなりした。

 

 よくもまぁ・・・・こんな作品を作ろうとしたよね。

自分の才能に自信がないから、こんなラストを用意したとしか

思えない真顔

 

 渡部亮平監督って、あのビブリアを映画化の人でしたよね。

あ~・・・わかるわかる。

ついつい劇場型にしちゃうタイプで、好きになれない。

 

今回も、まぁ、そんな感じなんだろうと思う。

 

作品において人を殺すには、殺すなりの理由やら、

メッセージがなくてはならないと、常々思っています。

 どういう理由であってもいいんです。

その作品において、何かの意味を持つべきなんじゃないかと思うんですよね。

あくまで、その死は、作品に向いておくべきだと思うんです。

 

でも、たまに、その死が完全に、観客に向いている時があります。

時に観客を陥れ、恐怖を抱かせ、驚かせるためだけの、

まるでマスターベーションのような死を、ぶっこんでくる事がある。

 

まさに、それなんですよね。

しかも、タチが悪くて、大人数に、子供ときてます。

しかも、殺人方法が、インスリンという・・・・

 自己満足のために、糖尿病患者さん達を救うインスリンを持ち出した事に、

嫌悪感しかありませんメラメラ

 大人として、作品を発表する者としても、

社会のモラルを一切考えていない事に、驚愕を覚えますムキー

 

ええ、映画ですから・・・想像の世界ですから・・・

でも、この作品は、R指定でもなんでもないんです。

 人気の田中圭さん土屋太鳳さんの映画です。

若い子も観ようと思うかも知れません。

それこそ、小さな子供も観るかも知れません。

 この最後のシーンが、もの凄いインパクトとして、心や記憶に残るという

可能性はないのでしょうか?

 インスリンは、治療で小さなお子様も使います。

 この映画を観た瞬間から、インスリンは、

治療薬だけではない、別の意味を持つようになります。

 

糖尿病患者さんにインスリン注射を導入する際、

「これは微量で死ねる量なんですよ」って誰も説明しません。

 インスリンはあくまで、治療薬なんです。

そういう認識を覆すという事を、充分理解して、

こういう最後を用意されたんですかねムキー

 

確かに、映画は自由です。

自由だからこそ、作る側が、自分の作品に責任を持って欲しいと

思います真顔

 

 この大量殺人に、何のメッセージがあるというのでしょうか?

正直、観客をアッと驚かせるイヤミスな最後・・・という目的以外に、

その理由を見出す事は出来ません。

 

土屋太鳳さんは、この作品のオファーを3回断ったそうです。

それを明言された事が、まだ救いです。

 

さて、そのラストシーンを観るまでは、そんな作品とはつゆ知らず、

観ていたワケなんですけど。

 

田中圭さんも土屋太鳳さんも、相変わらずの演技でした。

話の流れ的には、演技の見所だと思うんですけど、

なんの面白みもなかったですね。

 田中圭さんは田中圭さん自身が裏表あるような感じだから、

そのままの演技で、なんの驚きもなかった。

土屋太鳳さんは、何となく、一生懸命頑張っていたかも知れませんけど、

とにかく、ずっと健康的だし、肌艶もいいし。

 顔で恐怖恐怖という演技をしていても、上辺だけ感が拭えませんでした。

 何故にあれほど、夫に従順になったのか・・・・

心の動きが分からないし。

良い母親になりたいという必死感が、伝わらないんですよね。

良い母親に固執している表現として、始めのシーンが重要だとは思うんだけど。

 訪問する母親への執拗さが、感じ取れなかったですよね。

 

あれほど、夫に傾倒していくなら、その下地をしっかりと演じて貰わないと。

過去の自分が母親に捨てられるシーンばかりを見せても、

伝わらないんですよね。

 田中圭さんに至っては、

母親自身が、昔のトラウマについて説明する始末ですよ。

 うさぎの剥製とか、全裸の自画像とか、

不気味なはずなんだけど、田中圭さん、そのまんまだからさ・・・・

いや、その「そのまんま」が不気味・・・・ってなるんだろうけど、

「そのまんま」で終わってるんやもんね(笑)

 

 そして、子役さん・・・。

この作品が映画デビューですって。

トラウマにならなかったらいいんですけど。

 正直、うるさいだけでしたけどね・・・・(すみません)

いや、頑張っておられましたけどね。

 

 想像すると。

この最後を思いついた監督が、

「お!これは、みんな、びっくりするで。

でもって、みんな忘れられないほどのショックを受けるで・・・

何年経っても、最後のオチが凄い映画・・・とかで

取り上げられるで・・・・」

 

・・・・と、テンションMAXで書き上げたと思う。

この劇的な最後から、今流行りの、

サイコパス・虐待やら、色々付加したんだと思う。

 つまり、この「最後」ありきの作品なんじゃないかな・・・と、

これは想像ですけどね。

 

子供への歪んだ愛情愛情っていうけれど、

そうなのかな?

完全な自己愛の塊だと思うんだけどね。

 子供を愛しているというワケではなく、自分の顔に泥を塗る子供であると、

認めたくないという事なんじゃないかな。

 だから、最後のシーンが、ひどく違和感なんだよね。

 子供への歪んだ愛情が暴走して・・・なら、まだ、

納得できる一端があるかもだけど、

どちらかというと、自分の持ち物としてのお利口な子供・・・と考えると、

この最後はおかしいと思うんだよね。

 抹消すべきは、自分の子供に向けられると思うんだけど。

 

この違和感がね。

この最後を、許せない大きな原因の一つでもあるんですよね。

 

こういう最後を描くなら、それ相応の、

緻密な脚本を用意し、それなりの役者を準備すべき。

 

最後のシーンも、キャスティングも、

すべて、ウケ狙い。

そんな映画に、星1つも、やりたくないですけどね。

一応、最後までは観たので。

 

(関係ないけど・・・・私の愛する「キングダム」に、

この主演2人だけは、キャスティングして欲しくない・・・・と

切に願うのであった・・・)