1ヶ月の私の無計画な旅が無事に終わった。


日本についた瞬間、生きてかえってこれたー!
そんななんとも言えない充実感だった。


大魔王のお導きで
私は無事に日本に帰ってこれたのだ。






まずびっくりしたのは、
人が道に溢れてないこと。
日本は綺麗すぎる。

平和すぎる。





私は旅行記を書ききることをこの旅の最後の目標にした。

その為に感じたことやその時の出来事を、
全て旅先でメモしていたから。




インドって誤解もたくさんある国だと思う。

行こうと思う人自体少ないと思う。




私だって最初は、インドのこと誤解だらけだった。

でも、私が思ったこと感じたこと。


それだけは、私だけのリアルだと思う。






最終日、ホテルのレセプションの人に

インドはどうだった?
と聞かれた。


本当うるさい街。
汚くて、道を歩くだけで疲れたりもした。


だけど、
私は答えた。




アイラブインディア。


何故だか、この言葉が私にとって一番自然だった。



いや、決して人生のモテ期をインドで迎えていたからだけじゃない。



こんなに汚い場所に
こんなにうるさくて疲れる場所に
なぜか、
また戻ってくる気がしたんだ。




だって
家族同士の愛。
友達同士の愛。
近所同士での愛。
他人への愛。



日本に昔はあったような、
そんなたくさんのたくさんの愛に
インドは溢れていたから。





彼らは騙したいのではない。

お金が無いのだ。






彼らは嘘をついているのではない。

誰かの役に立ちたいんだ。






誰かが笑った。


Today is everythingと。







ふとガンジーの顔が頭をよぎった。



初めてインドにきたときの疑問。






彼らは確かに自分達の為に、

でも何より人の為に生きていた。




そしてこれからも変わらず
そう生きていくのだろう。






今日が全て。


私も刻もう。



全てを今日に捧げながら、
生きよう。







そう、全ては


私の今日に必要な

大切な大切な人たちの為に。







come back again for sure.
many many thanx n love.


最後にこの旅を理解してくれた家族、そして全ての友達に感謝します。

2010.10.31

MOERI FUJIMOTO
バラナシ最終日。


朝、今日こそはと思って起きると、
ヨガの先生もちゃんと時間通りに来てくれていた。


当初はヨガをメインにしてインドに来た私。

結局ヨガが出来たのは最後の朝だけだった。



たぶん、それが旅なんだと思う。

うん、きっとそうだ。




朝日が昇るガンジス川に向かって、
精神を落ち着かせる。

朝の空気をいっぱいに吸い込んで、
体を伸ばす。



長い旅だった。



でも、でも、でも、インドに来れて良かった。

本当に良かった。





チェックアウトをしにロビーに行くと、
小さな紙切れを渡された。


「昨日オーストリア人の子が来て、これを渡してきたよ」


ロニーだ。


昨日の夜、ご飯に行く約束をしていて待ち合わせ場所と時間を決めていたんだけど、
私が道に迷って予定よりかなり遅れてしまった。


携帯があればいいのに、と何回も思ったけれど、
着いた時には、案の定そこにはもう彼の姿は無かった。



紙を開くと一言。


「All the best for you」


下にメールアドレスとオーストリアの携帯番号。




昨日あれから、ロニーはわざわざ私のホテルまで来てくれたんだ。





14年連れ添った奥さんに新しい彼氏が出来たことがわかり、
離婚話の最中にインドに来た彼。


相当辛かったらしいが、1カ月インドにいるうちに
少しずつ前向きになれたのだそう。


彼がバラーナスを去るのは昨日の夜だった。





ロニーは言った。

人との繋がりは、時に脆く、時に強い。


だからこそ大切に出来るんだ。

だからこそ大切にしたいんだ。



全ての出会いは未来に繋がっている。






するとヒロミさんが起きてきて、ロビーまで降りて来てくれた。


「萌ちゃん。
私、やっぱり一回占いの場所戻ってみようかな。
萌ちゃんに会って、話して、
やっぱり人生って一度きりだって思えた。」


私はなんだかおかしくて、嬉しくて、笑った。

ひろみさんもそんな私を見て笑った。









日本はもうすぐそこまで来ていた。

不運なことに、昨日今日と
無料のヨガレッスンをしてくれるはずだったホテルの先生が熱を出してしまっていて、
私は一度もヨガを出来ずにいた。


同じく宿泊者のドイツからきたお父さんも、ヨガレッスンを楽しみにしていたらしく、
私たちは早く起きてしまったことを後悔し合う。


するとお父さんが突然の提案。

ボートを借りて、ガンジス川の朝日を見に行かないか。


彼は奥さんとの二人旅行だったので奥さんを起こし、私はひろみさんを誘い、
四人で一つのボートを借りた。



インド旅行記2010



6:00am。
インド人の朝は早い。

インド旅行記2010

インド旅行記2010
インド旅行記2010



既にたくさんの人々が、ガードの下で頭や体を洗ったり、
歯を磨いたりしていた。


何回もガンジス川に潜り、朝日に向かい祈りをささげている人もみられた。


朝日が昇って、辺り一面が金色に染まり、
ガンガーは一層キラキラとして輝きだした。



インド旅行記2010



インド旅行記2010



インド旅行記2010



インド旅行記2010





私はただただ無心でその神秘的な光に包まれていた。


全てを受け入れてくれるガンガーに
バラナシ全てのインド人が
毎日毎日お祈りを繰り返している。


異国の私たちにさえ、
ガンジス川の朝は優しかった。






時間を忘れ、私たちは2時間くらいボートに乗っていたと思う。


インド旅行記2010
インド旅行記2010


朝8時。

徐々に人が増えていくメインガード。


こうして、また、忙しい一日が始まって行く。


言葉では言い表せられないくらい、神秘的な時間。






なんて、かっこよく浸っていると、

ボートを漕いでくれたインド人に最後に「バクシーシ」
と手を差し出された。


既にみんなで400ルピーも払っているのに!

仕方なく50ルピーを渡す。



イイ気分になっているのに最後にオチを残すのが
インドってもんです。


そんなことも旅ものこりわずかとなると微笑ましい。


いや、でもやっぱり許せない。。。
昨日セレモニーから帰りホテルに戻ると、
偶然部屋の入口で日本人にあった。


ヒロミさん。

40歳に見えない見た目と、10カ月アジアを旅しているというツワモノで
私たちはすっかり意気投合し
屋上のレストランで遅くまでチャイ一杯で語り合った。


大の映画好きの私は、インド映画がおもしろかったと話すと、
私も行きたい!と言ってくれた。



今回観た映画はこちら。

インド旅行記2010




途中で歌やを挟んでくるところはインド映画っぽかったが、
あとはなんも変わりないハリウッドムービーみたいだった。


インド映画独特のコテコテの民族衣装はなく、
ティーシャツにショートパンツ。

クラブに行ったり、お酒飲んだり、キスをしたりするシーンもあり、
こんなのインド人が観ても大丈夫なのだろうか?
と観客の心配までしてしまう私。


私の大好きなyour songがサントラに入っていたし、
話もわかりやすく楽しめた。



映画館を出てから、私たちは食事をした。


恋愛映画を見た後だし、私は勢いに任せてひろみさんにある質問をした。



「ひろみさんって結婚してないんですか??」


40歳で一人旅って、結婚してたら出来ないよなぁ。
でも綺麗で優しい人だし、してないのもおかしい気がする。



彼女は笑って言った。


「私男運無いのよねー」


それから彼女は色々過去の話をしてくれた。

こんな素敵な人なのにもったいないと思ったけれど、
結婚願望も薄れてきているのだそう。


「インドでね、一回占いにいったのよ。
そこ、すごく当たる場所でね、
そこで私が男運がなさすぎるから、結婚したいならお祓いに行けっていわれたの。
でも、場所が遠くてやめちゃったんだよね・・・」


そういいつつ、
どこか後悔しているように見えた。




「あの映画みたら、お酒飲みたくなっちゃったね!」

とひろみさんがいうので、
私たちは夜、久々に飲みに出かけることにした。


メイン通りを歩いていると、
まれに見るオシャレなレストラン発見!



インド旅行記2010
インド旅行記2010



入るか入らないか考えていると、オーナーのデニスが出てきて、
彼の人の良さに思わず入ってしまった私達。


デニスは日本語で「ヘンタイ」という言葉が気に入っているらしく
「オレハヘンタイ」と連呼する変なインド人。


でも料理は美味しく、
ひろみさんと私はビールを飲みながら気付けばデニスを交えて3人で会話していた。




彼は自分をヘンタイと豪語するだけあって、本当に変態だった。

下ネタ大好き。

でもそこにはいやらしさは全くなく、むしろ性を覚えたての小学生のようにピュア。




お酒もイイ感じに回り出すと、彼が急に真面目な顔になり言った。


「俺はインド人が嫌いだ」


恋愛に対して厳しいインド。
ほとんど結婚も親の紹介のお見合いだ。

でもデリーやムンバイなどの都心では、そんな決まりは陰でとっくに破られているのだそう。



一歩家から出れば、
今日の映画みたいに、ショートパンツに履き替える若者達。

親に隠れてお酒を飲み、
家族に内緒で恋愛をする。


もちろん、性行為にも興味深々な学生たちは、
場所もないので学校でするのだとか。


日本でいう援助交際も大流行で、
貧富の差が仇となり、少女達もお金欲しさに大人と寝ることも今や珍しくないのだそう。




しかし、まだまだ独自の世界を築き上げているインド。

そんなことを知らない親たちは子供にお見合い相手を紹介する。


もしも、以前に性行為をしたことがあるなんてばれた日には、
両家の家族を巻き込む大問題に発展するらしく、
彼女達は結婚前に処女膜を再生する手術を施すのだそう。


今や、インドの若者はこんな現状らしいのだ。



「インド人はダブルフェイスだ」

そうデニスは言った。

二つの顔。


表向きは宗教や親のいいつけを守っている。

しかし、影では、他の国と何ら変わりのない若者たちだったのである。




私たちは衝撃的な話に、一気に酔いが冷め、
唖然としてしまう。


たしかに昼間みたいな映画が流行っている今日、
インド人が独自の文化を守り続けられるわけがない。


インターネットで世界の情報が一気に入る世の中で、
今のインドの現状に若者が満足できるはずは無いのだ。





なんだかショックな話だったね。


ひろみさんが帰りのリキシャの中でそう言った。



私たちはインドの表しか見えてなかった。

たしかに都会は変わってきている、と聞いていたが
まさかここまでとは。



これからのインドはどうなって行くのだろう。


こんなに素敵な衣装や文化を持っている国に、
私達は少し淋しくも、感じた。

昨日は色々あったけど、
そうは言ってもガンジス川がリキシャの中から見えた時は
本気で感動して涙が出そうになった。


インド一人旅。


たくさんの人に助けられていたからほとんど一人じゃなかったけど、
でもやっとここまできたって感じがする。




ホテル選びは朝ホテルの屋上で無料のヨガのレッスンがついているところにした。


ついつい連日の疲れで今日の朝は起きられなかったけど・・・・・
明日からは必ず参加しよう!と心に誓う。



遅めに起きたため、おなかが減った。
もうすぐお昼だしたまには外で食べようかな、
ということで街に繰り出す。




そうだ!

イーバカフェに行こう。



イーバカフェとはどうやら日本人の中では有名な、日本食レストラン。

インド料理に疲れている日本人ツーリストに向けて
日本食が食べられるというなんとも有難い場所。

まぁクオリティーは期待できないけど、行く価値はあるよなぁ。




そんなことを考えながら地図を見て歩いていると、
地図が読めない私、
当たり前のように道に迷う。



周りにはリキシャが群がり
「乗ってけ!」
「50ルピーだ!」

ここぞとばかりにうるさく話しかけてくる。




絶対ここから近いはずだもん!
意地でも自力で探そうと、立ち止まって地図を確認していると
一人のツーリストが話しかけてくれた。


「May I help you?」

誰を信じていいかわからないインド人と違い、
ツーリストに対しては、
異国で戦ってきた仲間としてとにかく信用出来てしまう。



ロニー。

オーストリア人。


彼に地図を見せると一発で、
すぐに場所を教えてくれた。


お昼をまだ済ませてないってことだったので、
日本食に一緒に誘ってみた。


彼は快くオッケー。



イーバレストランはなかなか期待以上な美味しさでビックリだった。

インド旅行記2010

餃子に味噌バターコーンラーメン!

幸せ。

やっぱり日本食は日本人の心ですね!!


と、ついつい久々の日本食に興奮。

なによりも私が嬉しかったのが、店内の清潔さとトイレの快適さ。

日本となんら変わりのないサービスに、
インド旅の疲れが一気に吹っ飛ぶ。


ロニーもかなり気に入ってくれたようで、本当良かった。





ロニーはオーストリアとネパール間で輸出入業をしている36歳。

彼はインドに来るのは既に6回目らしく、
今回もネパールに行く前に寄ったとのこと。

同じく一人旅な彼は、
途中でスペイン人の三人組と合流して一緒にここまで旅をしてきた、
と話してくれた。


ガンジス川のガートで大きいセレモニーが毎晩やってるらしいんだけど、
良かったら今夜一緒にいかないか、と誘ってくれたので、

待ち合わせを決めて夜にもう一度会う約束をした。


旅の出会いは、そんな偶然が面白い。
同じ旅人同士、一人の淋しさは充分に理解できている。





夕方から既に大勢の人だかりが出来ていた、アッシーガード。


ロニーとスペイン人3人組と無事に合流でき、
みんなでセレモニーを待つ。

インド旅行記2010


するとどこからか、ステージらしきものが現れ、
火を使いながら何人かのインド人が踊り出した。

どうやら儀式が始まったよう。


たくさんの民衆が、
それをみてガンジス川に祈りをささげる。




思わず私も花つきのキャンドルを購入。


マッチで火をつけ、
どこまでも続く大きな大きなガンジス川にそっと流す。


インド旅行記2010
インド旅行記2010
インド旅行記2010


瞬間的に何かを祈ろうと考えたのだけれど、
上手い言葉は何も見つからなかった。




私は確かにインドに来ていた。

そして今ここでガンジス川を目の前にしている。


キャンドルにただ、想いを乗せて。

せめて、少しでも自分をここに刻みたくて。





キャンドルは小さな火をずっとずっと灯しながら

大きなガンジス川に揺れて


そして、消えた。