赶言わずと知れたモッズバンドの代名詞、ザ・フーの1stアルバム『MY GENERATION』には、ジャケットデザインが異なり収録曲も微妙に入れ代わった各国盤が存在するが、実は自分は比較的容易に入手できるvirginレーベルのUK盤しか持っていなかった。


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モッズDJをやっていたり、F1ミニカーのコレクションをしていたりすると、すげえマニアックなこだわりを持った人間だと誤解されがちだが、自分ではわりとリベラルなタイプのDJでありコレクターであるつもりだ。

上には上がいるというか、オタク的なこだわりを持った本物のマニアと呼ばれる人々は、例えばレコードだったら各国盤をコンプリートしていたり、パッケージだけが限定仕様で中身は全く同じミニカーをいくつも持っていたりするのだが、そういう付加価値は自分にとっては、あればあったほうがいいかもしれないが無くてもぜんぜん構わないという程度のものでしかない。

だから自分はただ単に音楽やF1が好きなだけで、けしてレコードマニアでもF1オタクでもないと思う。


しかし、そうは言ってもモッズの端くれとして、モッズ特有のよりマニアックなものをよしとする価値観から言えば、『MY GENERATION』ぐらいはオリジナルのDECCA盤かジャケ違いのUS盤を持っておきたいなぁと思っていたところ、レコード店でこんな珍盤を発掘してしまった。


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ビッグベンを背景に、いかにも生意気な悪ガキといった風情のメンバー四人のジャケット写真はUS盤と同じだが、タイトル表記は『MY GENERATION』ではなく『MI GENERACION』と記されたアルゼンチン盤!!

アルゼンチンの公用語であるスペイン語では、『KIDS ARE ALRIGHT』は『LOS MUCHACHOS SON BUENOS』に、『OUT IN THE STREET』は『AFUERA EN LA CALLE』になるんだね。
なんとなくエキゾチック。


UK盤には収録されていた『I'M A MAN』が削除され、代わりに『FIESTA IMPROVISADA(INSTANT PARTY)』が収録されているが、べつにレコードマニアではない自分にとってはどうでもいいことだ。







先週末から毎日ヒマを見つけては、少しずつミニカーの陳列作業を進行している。

その数を正確に数えたことはないが、大量のミニカーをいったん梱包して移送し、それをまたすぐに開封して列べなおすという作業は、興味のない人からすれば全くもって無駄な行為に思えるだろうが、コレクターにとっては至福のひと時であるし、そもそも文化というものは無駄な行為の中からこそ生まれるものである。

この感覚はミニカー収集癖のある方やF1ファンならもちろんだが、もしそうでなくとも、例えば音楽が好きで大量のレコードやCDを収集してしまうとか、ファッションが好きでつい必要以上の衣類やアクセサリーを買い求めてしまうといった悪癖を持つ方になら、少しは理解してもらえるのではないだろうか?


歴戦の名車から、その陰で歴史の狭間に埋もれた迷車まで、コレクションの一つ一つを開封するたびに、それぞれのマシンがF1史に刻んだストーリーや、そのモデルを購入した当時の若かった自分に思いを馳せる。



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1999年型フェラーリF399とマクラーレンMP4/14。

忘れもしない、この2台のマシンは我がコレクションの中でいちばん最初に入手したものだ。



おそらく同世代のF1ファンの多くがそうであったように、1987年のテレビ中継開始をきっかけにF1に興味を持ち、1980年代後半から現在まで、ほぼ毎戦欠かさず観戦してきたが、セナ、プロスト、マンセルらの千両役者が姿を消した1990年代後半のF1はどこか味気なく、当時はシューマッハーやハッキネンやヒルやビルヌーブらを応援する気にもなれず、F1観戦にもいまひとつ熱が入らなかったと記憶している。

1999年のタイトル争いもシューマッハーとハッキネンの一騎打ちになるものと予想していたが、大本命シューマッハーの負傷欠場以降、それまでシューの影としてセカンドドライバーの地位に甘んじていたエディ・アーバインが意外な健闘を見せてタイトル争いに名乗りをあげ、ハッキネンとのポイントリーダー争いは起伏に富んだ予想外の展開になり、それに注目し、久々にF1熱が再点火していた折りにミニチュアモデルカーの世界が存在することを知り、勢い余ってこの2台のミニカーを購入してしまってから、すっかりその魅力に魅了されてしまい現在にいたる。

全てはここから始まったのだ。

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ついにミニカーコレクションの陳列を始めたものの、どうやらショーケースにおさまりきらない様子だったので、隣町のリサイクルショップに繰り出し、小型のガラスケースを買い足した。

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ついでにプラモデルのフェラーリ126C2と、昭和テイストあふれるテクニカ製マクラーレンM-26も購入。

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さらに、そのリサイクルショップの店内で、ミニカーショップの地図が張り出されているのを発見!!

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『TSコレクション』と言えば、ミニカーコレクター業界では知る人ぞ知るマニアックな品揃えのミニカーショップとしてその噂だけは聞いていたが、公式にはほとんど宣伝活動をしていないようで、その存在自体は把握していたものの、所在がわからず今まで訪れることのなかった幻のミニカーショップである。
まさかこんな形で出会うことになろうとは…。

地図をたよりに行ってみた先には、まるで倉庫のような建物が建っており、確かに看板はかかっているものの、その入口も町工場などでよく見かける鉄製の扉が閉ざされた状態になっており、なかなか通りすがりには入りにくい雰囲気だ…。

しかし、意を決して店内に足を踏み入れると、そこはまさにパラダイス!!

広い店内には、ふだん滅多にお目にかかることのないマニア垂涎のレアモデルの数々が整然と陳列されており、その品揃えや品質管理の状態からも、スタッフのミニカーにたいする深い愛情とこだわりが伝わってくる。

コレクターの端くれとして、関東や関西への遠征も含め、これまでに数多のミニカーショップを訪れたが、私が知る限りその質、量ともに国内随一だ。

まさにミニカーマニアの殿堂である。

興奮のあまりここでも立て続けに3台のレアモデルを購入してしまった。





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まずは我らが小林可夢偉のデビューマシン、トヨタTF109!!

可夢偉は負傷欠場したティモ・グロックの代役としてシーズン途中にデビューしたという経緯があったため、この可夢偉仕様のTF109は一般には流通していない幻のモデルなのだ。





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そして奇跡のモナコウィナー、オリビエ・パニスのリジェ!!

雨がらみで大荒れの展開となった1996年モナコGPで、グランプリ史上に残る番狂わせを演じたメモリアルマシンである。

ウイニングランで手にしたフランス国旗も忠実に再現されている。





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さらに、ウイングカー時代の徒花的な珍車、アロウズA2!!

サイドポンツーン内を逆翼断面形状にすることでダウンフォースを発生させるというウイングカー理論を突き詰めるあまり生まれた異形のマシン。

攻撃的すぎるデザインゆえにバランスを欠き、目立った戦績は残せなかったが、その独創的なフォルムがマニア心をくすぐるモデルだ。




けっきょくミニカーを陳列するケースを買いに行くつもりが、同時に5台ものミニカーを購入してしまい、収納スペースの不足感は解消されないままではあるが、その収穫には大満足の一日であった。