完成品 EMS-05 アッグ | Modelers Survey Service

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MG(マスターグレード)を中心に、ガンプラ(機動戦士ガンダムのプラモデル)の製作過程や完成品などを紹介します。模型の作例はジオン軍のMS、中でも一年戦争時のエースパイロットの専用機やMSV関連の機体が大半を占めます。1/100の旧キットとのミキシングもやってます。

EMS-05アッグは、ジオン公国軍がジャブロー攻略のために開発した試作型MSです。
南米の天然鍾乳洞を利用して固い岩盤に守られているジャブローを地上から掘削して侵攻するために、胴部にレーザートーチ、両肩部にカッター、両腕部分にドリルを装備しています。

旧キット1/100アッグを、HGUC量産型ズゴックのパーツを使用して製作したミキシングビルド作例です。

使用キット1:1/100 EMS-05 アッグ
使用キット2:HGUC 1/144 MSM-07 ズゴック


アッグは、MSM-04 アッガイ、MSM-04G アッグガイ、MSM-04N ジュアッグなど、他のアッグシリーズや、MSM-07 ズゴック、MSM-08 ゾゴックなどの水陸両用MSと違い、型式番号が特殊任務用を現す「EMS」で始まっています。

基本的には作業用の機体であり、戦闘用では無いため、装備はドリルやカッター等の掘削を目的としたものが中心です。




胴体や脚部、ドリルといったメインとなる部分については、1/100アッグのキットをほぼそのまま利用しています。

改造パーツとして用意したHGUCズゴックですが、脚部分を腕として使い、関節をドリルの接続のためのジョイントとして使用しました。
その他にも、コトブキヤやWAVEのオプションパーツや、手持ちのジャンクパーツの中から使えそうなものを見繕っています。




1/100アッグのキットからの大幅な改修点は以下の通りです。


1. 先述のHGUCズゴックを使用した腕部の可動化

サイズ的にもデザイン的にもちょうど良かったため、HGUCズゴックの「脚」パーツを「腕」として流用しています。
アッグ側の肩との接続には、ズゴックの腕部を使用しました。


2. 脚部を「ハの字」に開けるように可動化

脚部ですが、MGザクVer.2.0のフレームを流用して、可動を実現しました。
使用したザク2.0のフレームパーツは、肩部の引き出し式関節と、ボールジョイントの受けになっている腕側の受け部分です。

アッグのボディ側に、左右逆にして肩関節を取り付け、脚側に受けを仕込みます。
これにより、引き出し機構によって脚をハの字に開くだけでなく、ボールジョイントである程度の可動範囲を持たせることが可能になりました。

また、脚部の取り付け位置を少しだけ上方に移動することで、旧1/100キットの間延びしたスタイルを改善できたのではないでしょうか。




3. スプリングを軸にした動力パイプの個別パーツ化

動力パイプですが、コトブキヤのMSGモビルパイプに、真鍮線で形状を付けたスプリングを通しています。

パイプが曲がって角度が付いている箇所は、形に添うようにモビルパイプをななめにカットしました。
真鍮線がほんの少し見えてしまっている箇所があるので、そこは要反省です。


4. モノアイの基部とモノアイガードの設置

モノアイ基部の表現ですが、1/100のキットではここが空洞化されていないため、まずはモノアイ部分を切り抜く作業から始めました。
外側のラインに沿うようにピンバイスでいくつも穴を開けた後、開けた穴をニッパーで繋いでくりぬきます。

その際、中央の支柱を折ってしまわないように注意を払いました。
基部ですが、MGザクVer.2.0の足パーツを縦にして使用しました。
せっかくなのでオプションパーツやジャンクパーツなどで、それっぽくデコレーションしてみました。

モノアイ本体は、MGリックドムのビームバズーカのスコープ部分を使いました。
モノアイガードは透明プラ板……と見せかけて、実は完成品フィギュアのブリスターを切り取ったものです。
薄くて加工しやすいので、意外と便利です。




5. その他、オプションパーツを使用した各部のデコレーション

細かい部分をオプションパーツやジャンクパーツに置き換えたり、プラ板などでデコレーションしています。

レーザートーチ、脚部前面の追加装甲的なモールドとリベット、バックパックやバーニアなども少々アレンジをしてありますので、旧キット素組みのものと比較していただければ、と。




塗装は、クレオスのMr.カラーを中心に使用しています。
メインのオレンジは「C59 オレンジ」と「C58 黄橙色」を調色、グレー部分は「UG15 MSファントムグレー」をベースに調色して塗り分けました。

説明書の指定色がやや明るすぎるように感じたため、少しだけ暗めの色使いで行こうと考えた結果、オレンジ、グレー共に、設定よりもかなり濃い色になっています。





1/100キットの完成見本と、私の製作した作例を比較して。

先述の通り、配色は設定色から大幅に変わってしまいましたが、背が縮み、なんとなく可愛らしい感じになりました。


1/100の旧キット(これしか発売されていないので、旧も新もありませんが……)を利用して、アッグシリーズをMG的に再現しようと考えたのも、偶然このアッグとアッグガイのキットを手に入れたことがきっかけでした。

製作プランを練り、実際に製作を開始したのはキット入手から1年以上後でしたが、そこそこ思うような形に仕上げられたのではないかと考えています。



この後、アッグガイゾゴックと製作を重ねていくのですが、このアッグシリーズには、私の心を捉えて離さないザクたちに勝るとも劣らない不思議な魅力を感じずにはいられませんでした。

半ばやっつけ気味になされたであろう不安定なデザインと、メカながらどこか愛嬌のある面立ちは、ガンダム界の「ゆるキャラ」と言っても過言では無いでしょう。



以上、「EMS-05 アッグ」でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!