夏休み。
久しぶりに親戚が集まった日、
私の横で息子はモジモジ。
「ありがとうは?」と小声で促しても、
視線をそらして、口をギュッと結んでいる。
その姿に、胸の奥で小さなイライラがふくらむ。
(なんで言えないの…?もう小学生なのに)
別の日。
子どもたちが集まる遊び場で、
息子は使っていたおもちゃをお友達に譲れなかった。
相手の子はしょんぼりしていたけれど、
息子は見ないふり。
「ごめんなさい」は、やっぱり出てこない。
家に帰る途中、
私は何度もあの場面を思い出しては、
“親として何とかしなきゃ”という気持ちと、
“ああ、今日は疲れた”という気持ちで
頭がいっぱいになった。
少し落ち着いた夜、ふと思った。
私だって、
謝りたくても言葉が出ない時がある。
恥ずかしかったり、
自分なりの言い分があったり、
まだ心の整理がついていなかったり。
もしかしたら
子どもも同じなのかもしれない。
次の日、おやつの時間に、
前日のことをそっと切り出した。
「昨日のおもちゃのこと、どう思ってる?」
「…だって、まだ遊びたかったんだもん」
「そっか。遊びたかったんだね」
そのあとに聞いた。
「もしあのお友達の立場だったら、どう感じるかな?」
息子は少し考えて、
「…取られたらやだな」とぽつり。
「じゃあさ、あの場面を直すとしたら、
どんな方法があるかな?」
「返す、とか…」
「それもいいね。『ごめんね』って言うのもあるし、
一緒に遊ぼうって言うのもあるよ」
このやり取りの中で気づいた。
大事なのは、
“その場で謝らせる”ことじゃなくて、
“どうやって関係を直せるか”を
一緒に考えることなんだ。
あれから、息子はまだその場でスパッと
「ごめんなさい」とは言えない時もあったけれど、
後からでも行動で直そうとする場面が
増えてきていたんですね。
きっと、関係を修復できる力は、
一瞬で身につくものじゃない。
私たち大人もそうですよね。
急激に変化できるものじゃない。
でも、ゆっくりでも
何度も何度も積み重ねていけば
確実に育っていきますね。
この「直す方法を見つける練習」、
頭では大事だとわかっていても、
実際の場面では気持ちが揺れて、
なかなか冷静に関われないこともあります。
私も一人でやっていた頃は、
その日の出来事を夜になって思い返し、
「やっぱりあの時こう言えばよかった…」と
何度も自分を責めてしまうこともありました。
でも、誰かに話して整理したり、
似た経験をした人の視点をもらえたりすると、
自分の中に新しい選択肢が増えて、
少しずつ肩の力を抜いて
関われるようになっていくのですね。
もし今、
「もう一人で抱え込むのは限界かも」
「誰かの知恵や視点を借りながらやってみたい」
そう思ったなら、
その感覚は今が一歩動くタイミング
というサインかもしれません。
子育ても、自分の気持ちも、
一人で全部背負わなくていいんです。
頼ることは弱さではなく、
“前に進む力”です。
今のあなたが少しでも軽くなれる方法、
ぜひ探してみてくださいね。
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