実地&パン箱の冬期湛水実験の結果報告 | 自然派で行こう♪

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パン箱にて冬期湛水実験をしています。

あと、山間部の山田でも同様に冬期湛水をしています。

秋から水を貯めて、冬期湛水した水田がどのようなものなのか・・・

この目で確かめて、今後の参考にしたいと思います。

さて、このパン箱は昨年の春にハッピーヒルの種もみを蒔いて苗を育てていたパン箱です。

苗を採ったその後で土はそのままに実験に移行しています。

山田とパン箱の条件的な決定的違いは日照と気温の違いです。


▼秋のパン箱には憎っくき水生雑草のコナギが花を咲かせていました



▼そしてタマカヤツリ


その他、ホタルイやマツモも生えていました。

それから土はトロトロに変貌し、元々の固い粘土質の土ではなくなりました。

トロトロ層ができる原因は世間一般ではイトミミスによるものと半ば決定付けられていますがそうでもありません。

実験の経過で確認した糸ミミズは1匹もいませんでしたから。

しかし、なんらかの微生物が土を吹き出した形跡のある穴が無数に開いています。

残念ながらこの目で土を吹き出す様子を確認したことは一度もありません。

トロトロ層を作り上げたのは夜行性の微生物なのかもしれませんね。


▼あれからちょうど半年経過。


水深は約3cm。

青々と生えているのはホタルイです。

どうやら常緑植物のようで、枯れずにそのまま残っています。

そしてマツモも生えています。

コナギやタマカヤツリはまだ生えていません。

それらの種子はトロトロ層に埋もれて発芽できないのでしょうか?

それとも、大雨で種子が流れてしまったのでしょうか?

はたまたまだ発芽する水温ではないのでしょうか?


ということで、山田に足を運んでみます。

さて、コナギは発芽しているでしょうか?


▼ここは山田の中でも一番日照の良い田んぼです。


ここは晩秋に一度代掻きした圃場です。

稲の生育もよく、コナギも田植え早々にワンサと生えていました。

田植え前に土を締めるために1週間ほど水を抜いた時期がありました。

その結果、土の盛り上がった部分(水深がない部分)には待ち構えていた陸生雑草がこんなにいっぱい!

しかし、問題は水生雑草が生えているかどうかです。

特にコナギ・・・。


▼アップで見てもコナギの姿はありません。



▼もっとアップで


やっぱり生えていません。

しかし、トロトロ層はできていないんですけど・・・なんで?

もしかしたら掛け流しにしていたので水に浮いたコナギの種子が流れたのかな????

細長く生えているのは湛水直播したササシグレです。

なんとか無事に生えていますね。^^

しかし!喜んでばかりも居られません。

コナギが生えていない原因は気温と日照によるものならばいずれ生えます。


ということで、日照の悪い上流の山田を見てみます。

その田んぼは不耕起です。

残念ながら冬期湛水の甲斐もなく、トロトロ層はほとんどできていません。

代掻きした圃場と代掻きしていない不耕起の圃場の違いも見てみたかったので、両方試しています。


▼わ~~~!!コナギがわんさか!!!


やはりコナギはもう生える時期に来ているんですね。

ということで、今回の実験結果。


1.分厚い トロトロ層ができるとコナギは発芽しない。

2. 冬期湛水前に代掻きして掛け流しにしておくと微生物によるトロトロ層が出来なくてもコナギは生えない。

3. 不耕起の圃場では少量のトロトロ層が出来てもコナギは発芽する。


ちなみに、こういう専門家の方の考え方もあるようです。

コナギの種子は比重が1以上あり、水に浮かず水田表面に沈んでいるという。しかし、発芽すると比重は1より小さくなり、水に浮きやすい状態となる。これはコナギに限らず、たいていの草も同じだということだ。この発芽による比重の変化は抑草対策のヒントになる。
 発芽したばかりのコナギの芽は根っこの部分が未発達で、産毛のような根があるだけだ。そのため発芽した芽は流動化し易いトロトロの土には活着できず、水に浮いてしまう。結果コナギが繁殖できない。




それを踏まえて前出の写真で再考察。


▼種が埋もれたか、種が発芽しようとしたけど、浮き上がり大雨によって雑草種子が流された



▼確かに新たに生えた小さな草は見当たりません。


生えているのはスズメの鉄砲・ウシノケグサといった冬草がほとんど。

代掻きの際に土に埋もれなかった雑草だけが息を吹き返し、このような状態になったのかも?


▼コナギが生えている場所にはサヤミドロが土表面を覆っています。


発芽直後の種が浮かびあがろうとしたけど、サヤミドロに抑えられて種が流れなかった。

そういう見方もできます。

まだまだ、もっともっと、経験を実験を積んで、早く自分なりの稲作を確立したいものです。



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