本日の懐かしのホラー映画は、「キョンシーグーニーズ/呪われた秘宝」(1987)。
「キョンシー」ものと「グーニーズ」が合体した様な、していない様な微妙な香港製ホラーコメディです。
盗品の宝飾(竜珠)を手元に置いていた親子が相次いで血を吐き死亡する事件が発生します。
竜珠の影響で人が死亡した事に頭を抱えていた村の毛道士達でしたが、キョンシー隊が村を通る情報が入って来ます。このチャンスを逃す手はない。
義荘に到着したキョンシー隊を指揮するチュー道士は、タレ目に相談し、一晩泊まる事にします。タレ目のタレコミでキョンシー隊が義荘に一泊すると知った毛道士達は、キョンシー隊の2体と今回死亡した親子をすり替える作戦を思いつきます。
チビ助やニョニョ(少女)達の悪ガキ4人組は、キョンシー隊のキョンシーが目の前に居るだけで失神してしまう位 臆病なのに、 義荘へ肝試しの為に侵入します。
キョンシー隊のキョンシー達を見て、驚いた少年3人は一目散に逃げますが、ニョニョは棺桶の蓋の下敷きになり、逃げ遅れてしまいます。
それを助けてくれたのは、子供キョンシーでした。
一夜明け、再び 義荘に侵入したチビッ子4人組は、毛道士達のキョンシー入れ替えの悪事を聞いてしまいます。自分を助けてくれた子供キョンシーが棺桶に入れられ、隊の置き去りにされてしまっては可哀想だと考えたニョニョ達は、入れ替えられたキョンシーを再び元へ戻す事にします。
毛道士は、棺に納めたキョンシーを永遠の眠りにつかせる(成仏させる)為、タレ目に線香を百斤買って来る様に言いつけます。
少年達により入れ替えたキョンシーが元に戻されているとは知る由もなく。
頭の足りないタレ目は、百斤の線香が無かった為、90斤だけ買って来ます。数が足りない事が毛道士にバレてしまい、今度は黒い鶏を3羽買って来る様に言われます。
タレ目が買って来た黒い鶏の血を棺に収まっているキョンシー(大人)に塗り、術をかけます。しかし、その夜キョンシーは覚醒し、村の人の血を吸い、殺してしまいます。
毛道士は、再びタレ目を問い詰めます。話を聞くと、黒い鶏は2羽しかなかった為、1羽は白い鶏を黒く塗ったものだと言うではありませんか。
凶悪になった大人キョンシーの討伐に加え、彼の子供キョンシーを火あぶりの計にする事を知った子供達は、子供キョンシーの救出を試みます。
そんな時、竜珠を狙って別の道士が村にやって来て、騒動は混乱を極めて行くのでした。
全体的にコメディ調ながら、村人がキョンシーに噛まれて死亡してしまう場面も挿入され、シリアス要素も取り入れ、キョンシー映画の面目はかろうじて保たれている印象でした。
事態を隠蔽する為にキョンシー差し替えを画策する道士、盗品の秘宝を盗みに来る道士、のんべぇの道士と、本作にはロクな大人が登場しません。
悪ガキと称される4人組の子供達の方が余程、人として素晴らしい行いをしていると思った位です。
大した秘宝は出て来ませんが、子供達のちょっとした"冒険"要素が盛り込まれている為、当時ヒットした「グーニーズ」にあやかって、邦題を付けたのでしょう。
全体的な役者の演技は素人レベルの酷いものですが、カンフーアクションのシーンに関しては、香港映画の水準を保てていると思いました。
狂暴化したキョンシーと道士のアクションシーンは、中々の見せ場となっています。
序盤で、チョロっとダリオ・アルジェント監督作「インフェルノ」(音楽:キース・エマーソン)のフレーズがかかるのは、「おぉっ」となりました。
絶対、使用許可取っていないと思いますけどね。
VHSは徳間ジャパンさんからリリースされましたが、これは円盤化されないと思います。
パッケージイラストの通り、ユルッと鑑賞するには向いている作品かも知れません。