KIMONO キモノ 着物 -9ページ目

KIMONO キモノ 着物

着物が好きすぎて着付の仕事をしています(*^^*)
HP http://mochizuki-saori.com/
今、どんな着物が着たいのか…
着物を難しく考えないで着て欲しい…
日々考えてる事や 教えている事を書いていこうと思います。

チケットとっていたライブやコンサート、舞台が軒並み中止になり、もっぱらYouTubeでのミュージカルや舞台鑑賞になってしまった今日この頃です。

アンドリューロイドウェバーの舞台やオペラやバレエが見れるのはとてもよいけど・・・

 
ちょっと前は ブルーノートには よくお着物でお出かけしました♫
これは チボマットさんのライブでした。(2014年8月)
 
ブランニューヘビーズ(2014年10月)
 
パティスミス(2016年6月)
 
ブルーノート系のライブハウスは 着席でお食事しながらなので、お着物で行きやすいライブハウス。
 
その昔は、小さなスタンディングのライブハウスにも着物で出かけたりもしましたが(⌒-⌒; )
 
ライブハウス再開はいつになるのでしょう・・・ね
コロナ終息を祈って・・・
 
 

なかなか普段締めない帯で 『後見結び』という結び方があります。

今回、古い丸帯を出して締めてみました。

(古い丸帯は 帯の厚みや硬さがあって 締めにくいので さけていたのですが・・・笑)

帯も素材や中の帯芯によって締めにくいとか、綺麗に仕上がりやすいとかあるんですよ〜
 
私の大好きな任俠映画でも後見結びはよく見かけます。
藤純子さん(現 富司純子さん)の『緋牡丹博徒』は 品がよいのにカッコイイ!!
多分この写真の帯は後見結び。

 

日本舞踊では 男踊りをするときに この結び方をしたりするのですが、この後見結びにも いろいろなバージョンが存在するようで 

 

踊りでは流派によって締め方が違うとか。
まだまだ色々なバージョンがありそうです。

 

 

この後見結び 吉弥結びと形が似ていると思いませんか?

半巾帯で、吉弥結びにして、帯締めしてみました。

 

 角帯(男性の帯)で吉弥結びだと、あまり感じませんが 帯巾が広くなってくると、緩みやすく感じて帯締めした方が安定しました。

(帯の素材や硬さにもよると思いますが)

 

やはり基本の結びから 色々派生していってる感じが面白いです♬

 

◆この間 貝の口と吉弥結びについても書きました♬

https://ameblo.jp/mochi-mochi-mochie/entry-12597313288.html

 

 

 

『貝の口』は 男性も女性も帯で結んでいる結び方ですが、関西と関東では 巻く方向が違うため 形が逆になっているのをご存じでしたか?

私の師匠は 時代劇を見て 関西で撮影されたのか、関東で撮影されたのか 帯を見るとわかるとお話されて、それから関西巻きなのか、関東巻きなのか気になって見てしまう私です(*^_^*)

 

それから 色々な帯を見ると、女性ものの帯で ポイント柄だったりすると、巻き方が違うと柄が出なかったりするものもあり、作られた場所によって巻く方向が違いそれに合わせて柄付けもされていたことを知りました。関西巻をしないといけないもの、関東巻をしないといけない帯が 時々あるので、購入するときは 確認するのがよいでしょう。

(最近では どちらでも大丈夫な柄付けが多いですけど)

 

ちなみに『貝の口』は 貝の口のように結んだ部分が見えるので 『貝の口』というそうです。

なので、私は男性の 貝の口 を結ぶときは 貝のように を意識して結んでいます。

この貝の口ですが簡単に結んでいるので、帯の素材によっては ほどけやすいので、女性の貝の口では よく帯締めをしめています。

 

この貝の口によく似た結び方に 『吉弥結び』があります。

歌舞伎の於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)で久松が締めています。

 時代物では これが 吉弥結び ですが、着物の歴史を描いた現代の本では リボン結びのような帯 を指しています。本にでているのは 後姿の女性で帯を締めているのイラストです。

 

 

あと、この結びも似ていますが、結ぶ過程が違います。

明治、大正、昭和初期のドラマでよく見かけます。

 

時代劇を見る時は、帯もチェックしてみると また楽しいです🎶

現在、既婚の方の礼装用で結ばれる 二重太鼓 と言われる結び方があります。

袋帯でお太鼓部分が二枚重なっており、重ね重ねおめでたいから、と言われたりします。

 

この結びにとても良く似た 『はこ』と言われる結びもあります。

こちらは、主に関西の芸者さんに締められている結び方。

『はこ』とか 『じゅうばこ』とか よばれてますが、お太鼓部分は二重に重なっていて 二重太鼓に似ています。

ただ締め方が違い、こちらは 時代物の角だしと同じ過程をふんでいます。

そして 帯締めが長く二回巻、さらに左わきで結びます。

 ちょうどよい丸帯がないので 六通(間に柄がない)の袋帯で絞めてみたので 裏地の黒い部分が見えていたりと、正確さにかけますが。

あと本来は 帯の前に 赤いしごきを巻いて 帯の上下に赤のしごきがみえます。

帯締めも長いものがなかったので、2本つなげて締めてみました。

 

ちなみに この『はこ』にする前に 『柳(やなぎ)』にもできるので締めてみました。

私の好きな 笹島寿美先生の御本『帯のはなし 結びのはなし』では この柳結びから二重太鼓が始まったとありました♬
 
そして最後に紹介するのは 出所不明なのですが、前にある現場でお見かけした着付の先生がされていたもの。
本来 二重太鼓を締めるところ、帯の長さがかなり足りなくて この結びをされていました。
おぼろげですが『かさね太鼓』とおっしゃっておりました。
一見 二重太鼓のようにも一重太鼓のようにもみえますが、作り方は違っていて 短い帯でも作れます。
 
見た目は似ていても 過程は色々というところが また面白いです♬

 

 

 

浴衣の時期に一番需要があるのが 文庫結びではないでしょうか。

浴衣の着方にのっているのも この文庫結び、いわゆる リボン結びになります。

整える方向によっても見え方が違ってくるので、とても面白いです

 

リボン部分のたたみ方をかえるとまた違う帯に見えます。

浴衣の文庫結びの仕方では 一番簡単に理解できる方法(

中心でクルクル巻く方法)がでていますが、意外と緩みやすかったりもします。

 

時代物では 実は同じ文庫でも結び方が少し違っています。

 

 

文庫結びの最後は真ん中をくるくるっと中心で巻いて、帯に入れ込む方法ですが、時代物の文庫結びでは しっかりと中心を結んでいます。

これは 男性の一文字結びも同じです。

 

 

歌舞伎の助六の一文字結びは有名ですよね。

時代物では 刀を差したり、立ちまわりもあったりするので、しっかり結んでいないとゆるんできてしまいます。

 

この中心でしっかり結ぶ方法は 結ぶ事が苦手な方だと リボンがたて結びになってしまったり、結び方の説明も難しくなってしまうため中心でくるくる巻く方法が 簡単なのかもしれません。

 

ちなみに 歌舞伎ででてくる腰元(お城に仕えている)達がしめているのは 帯は矢の字にしめています。

image

いまでは 形がきれいにできるように作り帯がほとんどですが、結んでみることもできます。

この矢の字 ですが、文庫結びの変形なのです♬

 

 

 

結ぶ事はできると 色々アレンジができてとても楽しいです。

着付を勉強し始めた時は 気がつかなかったのですが、色々な本を読んだり、先生のお話を聞いたり、お教室と関わってみると、それぞれ着付の仕方に違いがある事に気が付きます。

 

先生方は ご自分のお教えすることに自信を持っているので、生徒さんは それを信じていらっしゃる方が多く、悪いことではないのですが、ご自分と違うやり方に 間違いだとおっしゃったり、頑なにご自分の方法を強要する方々もいらっしゃいました。

 

最近よく聞く 『着物警察』も そんな人達のような気がします。

全然違うものに例えると 肉じゃが (笑) なんて 色んなスタイルがあり、中身も色々です。

誰も 間違ってるなんて言わないし、美味しいの基準も人それぞれです。

着付も着ることで 生活に根付いている事、普段着の着物は、どう着ても自由だと思うのです。

公の場に礼装として着物を着ていく場合は 礼をつくす相手がいるので そういう場所には 相手に失礼にならないように着ていくのは、着物じゃなくても同じだと思います。

 

着付の正解は一つではなく、色々あって 人それぞれ。

好みも考え方も体型も、そして立場も違うので 私は着物を着ることが楽しいと思うことが 一番大切だと思ってます。

私は今でも 他の着付師さんから盗み見た技術を真似して やってみたり、もっと 自分がやりやすい着付方があるのかもしれないと 思っております。そして試してみるのが 楽しいのです♬

個人個人で体型(細かくいうと 骨格や筋肉の付き方)も着物もどう着たいのかも違うので、自分にはどうしたらいいのか知ることができると 楽しさが倍増するのが 着物の着付です♬

 

お世話になっている ヘアメイク事務所マーブル さんの

【結婚式の準備チャンネル】にお着物担当として参加させていただくことになりました♬

お着物の一般的な考え方や準備、お着物の楽しさを発信できたら良いなあと思ってます。

 

 

 

 

 

 

 

同じ帯で、違う結び方をしたものを並べてみました!

ちなみに右下は、現在のお太鼓結び。
左下は、時代物で結ばれるお太鼓結び。(角出しとも)
ちなみにこの左下は、帯締めは使用してません。
そして、タレ先は裏地が見えます。
横からの写真も並べてみました!
昔のお太鼓結びは時代劇や歌舞伎を見ていると 裏が黒の繻子地で、黒が見えています。
そして表面に見える柄が今とは 上下逆転します。
この帯が少し短めなのでお太鼓が小さくなってしましたが、歌舞伎などではもっと大きく作ってます。
時代物のお太鼓は、昔 太鼓橋にみたてて この帯を締めたとも言われているので、横から見ると 丸みを感じます。これも所説あるようですが、私の時代衣裳の師匠(元歌舞伎座の衣裳付けさん)からはそう聞きました。
アンティーク屋さんでみかける昼夜帯(鯨帯)で 時々普通にお太鼓結びしようとすると柄が逆転してしまうのは、昔のお太鼓結び用に作られた物ではないかと思われます。
 
写真の上の二つは、角出しとか銀座結びと呼ばれています。
そして色んな説があります(⌒-⌒; )
上の二つも結び方が違うので、横から見ても違うことがわかると思います。
 
着物の細かい事って、関西と関東でも違ったり、今では着付教室によっても色々です。
 
色々な先生に私も教わりましたが、何が正解かではなくて、バリエーションは色々あるので、自分は何が好きなのか、何がやりやすいのかを考えるのが楽しいと思ってます♬