連戦連敗でもリングに上がり続けた男達!
(Photo by boxingnews24.com)
負けても負けてもリングに上がり続けた男達がいた。
ここに紹介する引退した5人の選手はリングに上がり始めてから当
然のように世界の頂点を目指したはずだった。
しかし、彼等は勝利から見放され連敗という暗く長いトンネルから
なかなか抜け出せなかったのでした。
プロボクシングという大金を生み出す弱肉強食の世界でアマチュア
エリートや叩き上げが一躍世界王者に登り詰めて栄光を掴む選手が
いるいっぽうで、リングに上がり続けても勝ち星に恵まれないまま
寂しく引退していく選手も当然数多く存在するのです。
今回そんなボクシング界の物哀しくも輝くことなく報われないまま
リングから去っていった選手達を取り挙げてみました。
連戦連敗は勝利という夢を追い続ける"美学"と見るか、それとも
単なる当て馬の"恥晒し"と見るかは人それぞれでしょう。
2013年10月4日の英国でのこと老舗新聞社デイリー・ミラー
(The Daily Mirror)紙のボクシング担当記者が試合終了後の
ある選手にインタビューを試みたのだった。
記者:「あなたは何故、50連敗もしながらリングに上がり続ける
のですか! 英国中に恥を晒しているとは思いませんか?」との問
いかけに選手は:「何故、恥なんだ!リングで戦うライセンスを持
っている俺にもベルトを巻く権利はあるんだ。貴方の質問は失礼だ
し愚かだよ!」と憮然とした表情で怒りをあらわにしたという。
しかし、この記者の書いたタブロイド記事が切っ掛けでネット上で
も拡散され英国に留まらず世界中へと話題は広がっていくことにな
った。そして、彼は"噛ませ犬"と陰口を叩かれながらも勝利のた
めにリングに上がり続けるのでした。(下記で紹介)
最弱ボクサーと烙印を押された男!
★ レジー・ストリックランド(米国)
【対戦階級】
ウェルター級/ミドル級/Sミドル級
【生涯戦績】
363戦66勝(14KO)276敗(25KO・TKO負け)1
7分4無効試合
【獲得タイトル】
1998年11月24日 米国インディアナ州Sミドル級王座獲得
(防衛0)
2000年11月21日 米国インディアナ州Sミドル級王座獲得
(2期目=防衛0)
2002年6月28日 マイナー団体GBF世界Sミドル級暫定王
座獲得(防衛0)
レジー・ストリックランドは1987年1月6日、ウェルター級
の4回戦を判定負けでプロキャリアをスタートさせた。
1989年4月26日〜1990年9月12日まで21連敗を重ね
てしまう。その後も勝利のあと9連敗や12連敗を3度も経験する
などすっかり当て馬ボクサーとなってしまった。
そして、1998年にはなんと年間42試合も戦っていた。
月平均3,5試合もリングに上がった計算になる。
たとえ4回戦や6回戦であっても日本のリングでは到底考えられず
不可能な試合数です。しかし、ストリックランドの戦歴は米国のイ
ンディアナ州王座(2期)とマイナー団体を含めて3度王座に就い
ているのは立派だったと言えるでしょう。
2005年10月5日、Sミドル級6回戦で判定負けして9連敗を
喫したことで関係者から引退を勧められ寂しくグローブを吊るした
のでした。
〈追記〉
これまでの最弱ボクサーは誰だという話題になると他にもそれら
しい選手はいるにも拘わらず、必ずと言っていいほどストリックラ
ンドの名前が挙げられてしまいます。
引退後にストリックランドはインタビューで「勝ってた試合でも負
けにされてしまった試合も山ほどあったんだ!」と語っている。
276敗していてもKO・TKO負けは意外にも25度と少なく勝
利数も66試合あると考えれば個人的には最弱とは言い切れません。
ストリックランドにとって負け数だけがクローズアップされて試合
内容を取り上げられず最弱と呼ばれるのは心外だったでしょう。
英国最弱も人気を博したボクサー!
★ ピーター・バックリー(英国)
【対戦階級】
Sバンタム級/Sフェザー級/ライト級/Sライト級
【生涯戦績】
300戦32勝(8KO)256敗(10KO・TKO負け)12
分
【獲得タイトル】
1991年6月5日 英国(ミッドランズエリア)Sフェザー級王
座決定戦で王座獲得。(防衛1度)
1995年2月10日 英国(ミッドランズエリア)Sバンタム級
王座獲得で英国の地域王座ながら2階級制覇に成功。(防衛0)
ピーター・バックリーは1989年10月4日、Sフェザー級4
回戦でほろ苦い引き分けプロデビュー。
10戦目までは6勝2敗2分とそこそこの戦績だった。
しかし、2003年10月29日〜2008年9月26日まで37
連敗して1分けを挟んで再び47連敗(84敗1分)するなど2度
に渡り記録的連敗を重ねてしまった。(1分けを挟んでいる為、8
4連敗ではない)
2008年10月31日、Sライト級4回戦で判定勝ちしたものの
39歳となっていた噛ませ犬的存在のバックリーはさすがに体力的
限界を感じて19年間の現役生活に終止符を打ったのでした。
彼は256敗を喫したが、KO負けはわずかに10度と少なくいか
にタフだったのかがうかがえます。
そして32勝の内、英国ウェスト・ミッドランズ州王座の2階級制
覇(Sフェザー級・Sバンタム級)の王座獲得は彼にとって州王座
ながらも勲章だったでしょう。
ファンはもはやバックリーの勝利ではなくどう負けるのかその試合
ぶりをわざわざ観にくる客が多く「逆さスター」と呼ばれてローカ
ル放送局ながらもテレビ中継されるほど人気があったようです。英
国の最弱でも勝負は二の次で唯一名の知られた存在でした。
その後、2009年これを知った米国のハリウッド映画監督でプロ
デューサーのジョージ・ティルマンJr.の目にとまり伝記映画製作
に乗り出すことが発表された。
ティルマンJr.監督は1997年の米国テレビドラマで人気を博し
た「ソウルフード」で注目され、ハリウッド映画では「ザ・ダイバ
ー」でロバート・デニーロ主演の映画もヒットして注目された。
人間ドラマからアクションまで幅広くこなすマルチ監督として知ら
れている。有望選手の踏み台(噛ませ犬)にされた陽の当らなかっ
た選手をどう撮るのか、その出来映えが期待された。
〈追記〉
しかし、バックリーの引退後、2010年に伝記映画が製作され
ると話題にはなったものの、その後はネット上でこの伝記映画をい
くら検索しても見あたらなかった。
まあ、話題ばかりが先走りしたこともあってか、製作費が思うよう
に集まらず頓挫したのかもしれませんが・・・(笑)
ルーマニアの54連敗不名誉記録ボクサー!
★ アレクサンドル・マネア(ルーマニア)
【対戦階級】
ミドル級/Sミドル級/Lヘビー級/クルーザー級/ヘビー級
【生涯戦績】
54戦0勝54敗(14KO・TKO負け)
アレクサンドル・マネアは2000年9月30日、ミドル級の4
回戦で判定負けプロデビュー。
その後は徐々に階級を上げて戦ったが、連敗は続いた。
2013年11月9日、アリ・バグーズ(ベルギー)とヘビー級6
回戦に挑んだが3回KO負けに終わり、54敗目を喫した。
結局、4試合連続でのKO負けとなった為、限界を悟ってこの試合
を最後に引退した。
〈追記〉
マネアは2004年1月17日、後にIBF世界ミドル級、WB
O世界Sミドル級の2階級世界制覇王者となってリングを沸かせた
アルツール・アブラハム(ドイツ)ともSミドル級時代に6回戦で
戦い3回TKO負けを喫している。
意外にも54敗の内、KO負けは14度と少なかった。
しかし、最後となったヘビー級と5階級にわたって戦ったが、有望
選手の踏み台(噛ませ犬)にされた格好となり、全敗で寂しくリン
グを去った。
人間サンドバックと話題になった51連敗男!
★ ロビン・デーキン(英国)
【対戦階級】
フェザー級/Sフェザー級/ライト級/Sライト級
【生涯戦績】
55戦2勝(0KO)53敗(14KO・TKO負け)
ロビン・デーキンは2006年10月28日、フェザー級4回戦
でショーン・ウォルトン(英国)に判定勝ちデビューを飾った。
しかし、次戦から長く辛い道のりを歩むことになる。
2戦目の2007年2月17日〜2013年10月4日まで実に5
0連敗して2連続KO負けを喫したことで身体のダメージを心配し
たBBBofC(英国ボクシング管理委員会)はライセンス発給を停
止してしまった。デーキンは諦めがつかず、リングに上がることを
管理委員会に訴え、健康診断で身体に異常がない旨の診断書を提出
したが、ライセンスは再発行されなかった。
デーキンはそれならばと他国のコミッションを求めてドイツのボク
シング協会へライセンス発行を願い出るとドイツでの試合出場許可
を得ることに成功した。この稀に見る連敗を続けるデーキンにメデ
ィアもザワつき始め英国の老舗新聞社デイリー・ミラー紙も取り上
げたのだった。そのミラー紙のインタビューにデーキンは「どうせ
今の俺は人間サンドバックだ。これから先どうなるかは分からない
が、俺はタイトル獲得に値する人間だと思っている。ドイツでの復
帰が英国ボクシン管理委員会の判断を変えてライセンスを戻してく
れることに期待しているんだ。ライセンスが戻れば、また夢を追い
続けることができる。ボクシングが俺のすべてなんだ。連敗記録は
俺の本当の能力が反映されていない」と訴え話題とともに大反響を
呼んだのだった。そしてデーキンの生い立ちも紙面で紹介されてい
た。デーキンは先天性内反足を持って生まれ60回もの手術を受け
て6歳まで全く歩くことができず歩行訓練の努力で克服して歩ける
ようになったという。ボクサーとして稀有な存在と紹介していた。
12歳ころから体を鍛える為に、ボクシングを始めるとのめり込み
アマチュアでは75戦40勝35敗の戦績を残している。
その勝利の中には英国ユースボクシング選手権の準決勝(ベスト4)
まで進出したことも記録に残っている。
その後は少なからず足に障がいが残るデーキンはプロとしてもリン
グへ上がり続ける姿に障がいを持った子供達のヒーローとなった。
話を元に戻すと結局、新聞やテレビでの大反響もあってか英国ボク
シング管理委員会はデーキンを尊重してライセンスを再発行すると
発表したのだった。しかし、2014年3月1日、ライト級4回戦
で判定負けして51連敗という英国の不名誉記録を更新してしまう。
(この連敗記録が世界中に知れ渡る切っ掛けとなった)
それでも、デーキンはまだ勝利にこだわり諦めなかった。
2015年8年25日、Sライト級4回戦でデニス・コーニロブス
選手(ラトビア)と戦い3ー0判定勝ちして8年10カ月振りとな
る2勝目を挙げて応援に駆けつけていた障がいを持った子供達とと
もに喜びに浸ったのだった。その後は暫くしてもうグローブを吊る
したのかBoxRecの対戦データ掲載はストップしていた。
彼こそが誰よりも1勝の重みと喜びを感じたボクサーだったのかも
しれない。
〈数少ない映像から〉
2012年1月28日、ロビン・デーキンが45戦目でライト級
4回戦をライアン・テイラー(英国)と戦いダウン応酬の末3回連
打に晒され3度目ダウンでTKO負けしたが、デーキンの戦いぶり
もなかなかのものでした。(3分56秒)
〈追記〉
驚いたことに2017年7月7日、夕方の日テレ・スポーツニュ
ースで足に障がいを持って生まれたボクサーとしてロビン・デーキ
ンが紹介され53敗目を喫したと放送された。
50連敗ボクサーとして世界中で話題となった3年前から知っては
いたが、日本でニュースになったことで哀れみさえも感じた。
しかし、負け続けても障がいを持った子供達の為に勝利を追い続け
るその精神は逞しくもあった。2015年8月29日の2勝目が最
後の試合だと思ったが、31歳となっても現役を続けていた。
2017年の5月26日と7月6日、ともにスペインに遠征してい
ずれもTKO負けに終わる。(これが日本でもニュースとなった)
デーキンの連敗は51でストップしたものの、通算戦績は55戦2
勝53敗となった。そして、2018年3月11日、英国のタブロ
イド紙デイリー・ミラーやザ・サンでロビン・デーキンは12年間
の現役生活から引退したと報じていた。
衝撃の31敗全KO負けボクサー!
★ エリック・クランブル(米国)
【対戦階級】
ウェルター級/Sウェルター級/ミドル級/Sミドル級/Lヘビー級/
クルーザー級
【生涯戦績】
32戦0勝31敗(31KO・TKO負け)1無効試合
エリック・クランブルは1990年6月22日にミドル級4回戦
で2回KO負けの黒星デビューとなった。
その後はデビューから4戦目に無効試合を挟んで2003年9月1
9日にLヘビー級の4回戦に初回TKO負けで勝利することなく3
2戦目で引退に追いやられた。
主戦階級には落ち着かずウェルター級からクルーザー級まで6階級
をこなしたが、格好の当て馬にされてしまった。
無残にも負けはすべてKO・TKOによるものだった。
そして、戦ったという記録だけが虚しくも明確に残された。
〈追記〉
32戦未勝利のエリック・クランブルは意外にも最弱ボクサーと
しての名前はあまり挙がったことはない。
試合数も少なく名前が知られていないこともあるのでしょう。
しかし、31敗のすべてがKO負けであまりにも衝撃的過ぎる。
おそらく、ボクシング史上で最も無残な結末を残した選手と言える
のかもしれない。
《WBAインターCヘビー級タイトルマッチ2》
開催日:5月17日(日本時間18日)
開催地/会場:英国ロンドン/カッパー・ボックス・アリーナ
WBAインターCヘビー級王者
WBA世界同級13位・WBO13位
ジョニー・フィッシャー(26=O/gbr)
VS.
同級ノーランカー
デビッド・アレン(33=O/gbr)
アレンが劇的KOでリベンジ成功!
〈試合経過〉
初回〜2回とフィッシャーが右ストレート、左ジャブと繰り出し組
み立てていく。アレンも右を繰り出し隙を狙った。
3回〜4回とフィッシャーの左アッパー、右ショートがヒットした
もののリベンジに燃えるアレンは動じず右が当たり始める。
迎えた5回、アレンが1分過ぎ右ストレート、左フックと浴びせる
とフィッシャーは後退、残り30秒過ぎ再びアレンが右ストレート、
左フックと決めるとフィッシャーついに膝を着くダウン。フィッシ
ャーはなんとか立ち上がって続行に応じると再開。アレンはここぞ
と左フックで弱らせ留めの右フックを叩き込むとフィッシャーは失
神するように顔面からマットにバタンと危険な壮絶ダウン。レフェ
リーが即座にストップすると同時にフィッシャー陣営からタオルが
投げ込まれた。
ーTKO・5回3分(タオル投入でKOから訂正)ー
ベテランで中堅のアレンがWBAインターコンチネンタル王座を獲
得するとともに初戦の雪辱を果たした。タオル投入がなければKO
勝利だった。アレンは昨年12月21日、フィッシャーと対戦して
5回にダウンを奪ったものの後半は接戦となった末、10回1ー2
判定負けに終わっていた。しかし、この試合は中継解説者やファン
は後半もアレンがグラつかせるなど有利だったと疑問を投げ掛ける
一戦だった為、ダイレクトリマッチとなった。
この勝利で世界ランキング15位以内も可能性大です。
過去には元WBC世界ヘビー級暫定王者ディリアン・ホワイト(英
国)、元WBA世界ヘビー級暫定王者ルイス・オルティス(キュー
バ)、リオ五輪金メダリストトニー・ヨカ(フランス)などと激闘
を繰り広げ全て黒星を喫していたが、そのファイト振りは評価され
知名度はあった。7敗と黒星は多いものの大物との対戦で実力を身
に付けたアレンの今後に注目です。
WBAインターコンチネンタル王者で世界ランカー(WBA&WB
O13位)のフィッシャーは前回の王座決定戦で手にした王座の初
防衛に失敗した。ホープとして売り出し中のフィッシャーは痛い初
黒星となった。左右には強打を秘めるものの打ち終わりのガードが
雑なところを狙われてしまった。これまでの13戦は実力者との対
戦はなくその差が出てしまったと言えそうです。今後課題のディフ
ェンス面を磨いてどう変身するか・・・
(Photos by boxingscen.com)
それではアレンが初戦の判定負けに鬱憤を晴らした劇的KOをど
うぞ!(3分53秒)
※途中消除の場合ありです。
【両選手の戦績】
★ジョニー・フィッシャー/14戦13勝(11KO)1敗
★デビッド・アレン/33戦24勝(19KO)7敗2分
《Sウェルター級10回戦》
開催日:5月17日(日本時間18日)
開催地/会場:米国カリフォルニア州コマース/ザ・コマース・カ
ジノ&ホテル
前WBC世界Sウェルター級暫定王者
WBC世界Sウェルター級1位・WBO6位
セルヒイ・ボハチュク(30=O/ukr)
VS.
元ウェルター級世界ランカー
マイカル・フォックス(28=S/usa)
〈試合経過〉
序盤からボハチュクが積極的に左右で仕掛けた。
回を重ねるとサウスポーで大柄なフォックス(191センチ)の長
いリーチからの右ジャブと執拗な左フック、左アッパーにボハチュ
クは手こずる場面も見せる。しかし、後半戦に突入するとボハチュ
クはボディー攻めを増やしてフォックスの動きを鈍らせ差を広げる。
最後はお互い引かず打ち合う中でゴングとなった。
〈10回採点結果〉
97ー93(ボハチュク)
97ー93(ボハチュク)
98ー92(ボハチュク)
ボハチュクが3ー0判定勝ちで再起2連勝とした。
ボハチュクは昨年8月10日、保持していたWBC世界Sウェルタ
ー級暫定王座の初防衛戦でバージル・オルティスJr.(米国)と戦
い初回と8回にオルティスJr.からダウンを奪ったものの後半から
終盤にかけオルティスJr.の猛反撃に遭った末、12回0ー2(2
P・2P)差の僅差判定負けで暫定王座から陥落となった。
今回連勝したことでWBC同級王者セバスチャン・フンドラ(米国
)への挑戦発表も秒読みでしょうか、楽しみです。
フォックスは善戦したが黒星を喫した。
右ジャブから左を上下にひつこく攻める攻撃はなかなかのものだっ
たが懐に潜られると攻めあぐねた。そこを鍛錬して改善すれば今後
は勝機も見えてくるでしょうか・・・
(Photos by boxingscen.com)
【両選手の戦績】
★セルヒイ・ボハチュク/28戦26勝(24KO)2敗
★マイカル・フォックス/29戦24勝(5KO)5敗
ーREMATCHー
《4団体世界ヘビー級王座統一戦》
開催日:7月19日(日本時間20日)
開催地/会場:英国ロンドン/ウェンブリー・スタジアム(最大9
万人収容)
3団体(WBA・WBC・WBO)世界ヘビー級統一王者
オレクサンドル・ウシク(38=S/ukr)
VS.
IBF世界同級王者
ダニエル・デュボア(27=O/gbr)
4団体統一は再びウシクか、それともデュボアか!
両者は2023年8月26日、当時WBA世界ヘビー級レギュラ
ー王者だったデュボアとWBA世界同級スーパー王者ウシクのWB
A団体内統一戦として対戦。ウシクの保持したIBFとWBOも懸
けられた。結果はウシクが9回KO勝ちでWBAレギュラー王座を
吸収する形で統一に成功した。しかし、試合後、ウシクの5回ロー
ブロー裁定が物議を醸すことになった。
試合は前半をウシクが左ストレート、ワンツーと攻め優勢だったが
デュボアも4回からプレスをかけジャブ、右ストレートと反撃開始。
5回、序盤ジャブの差し合いからデュボアが踏み込みざまに右ボデ
ィーアッパーでウシクがダウン。レフェリーは下腹部を押さえ反則
ブローをアピールするウシクにカウントせずローブロー裁定、ウシ
クに4分46秒もの長い休憩を与えた。再開するとウシクは立て直
しを図った。6回からウシクは息を吹き返してデュボアに右ジャブ
から左ストレートを浴びせて徐々に巻き返していく。
8回、ウシクの左ストレートから連打でデュボアが両膝を着くダウ
ン。デュボアは立ち上がるとゴングに救われた。
迎えた9回、打ち合いから1分半過ぎウシクの鋭い右ジャブがデュ
ボアの顎を捉えるとダウン。デュボアは間を置き立ち上がったもの
のカウントアウトとなった。デュボアの9回1分48秒KO負け。
(PHOTOS BY THESUN.CO.UK)
物議を醸したウシクのダウンシーンをどうぞ!(3分41秒)
試合後、デュボアのプロモーターは「奴の5回ダウンは演技が上手
かった。押さえていた部分はノーファルカップの硬い部分だ。デュ
ボアはベルトラインの真ん中をヒットした。ラインの下ではなく反
則ではない。あの場面でレフェリーはカウントせず休ませた。あれ
は誰が見てもダウンだった」「奴はレフェリーを騙しファンを欺い
た演技派のアカデミー賞ものだ!」と憤慨した。
デュボア陣営は5回の休憩裁定に納得いかずWBA団体に対して無
効試合の要求と即時再戦を指令するよう提訴した。しかし、WBA
団体は主審(レフェリー)と副審(ジャッジ)を召集してビデオ検
証した結果、裁定ミスは生じてないとして訴えを却下した。
その後、デュボアは昨年6月1日、IBF世界ヘビー級暫定王座決
定戦をフィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)と戦い序盤戦は互
角も徐々にデュボアが優位に立つと7回連打でストップ寸前に追い
込み8回ドクターストップによるTKO勝ちで暫定王座を獲得。
(後にウシクの王座返上でデュボアが正規王者昇格)
昨年9月21日、元3冠王者で同国のアンソニー・ジョシュアと戦
い初回、3回、4回と右で3度ダウンを奪い最後の5回も右フック
で4度目ダウンを奪うとジョシュアは立ち上がれずカウントアウト。
デュボアが圧倒的強さの5回KO勝ちで初防衛に成功している。
そして、今回2年ぶりにグローブを交える因縁再戦となる技巧派の
ウシクと好戦的デュボアはサイト上での予想は真っ二つだ。
無敵を誇ったウシクは初戦でボディーの弱さが露呈してしまったが、
ディフェンス面を修正してボディーを打たせない攻めならウシクが
これまで通り有利とする識者やファンも多い。
一方、デュボアは以前から顎の弱さが連鎖して打たれ脆さに繋がっ
ていると指摘されていた。今回リベンジに燃えるデュボアは記者に
よると非公開スパーリングで顎を打たせない反射的動きをこれまで
以上に徹底して鍛えたのではないかと語った。後にデュボアは記者
の質問に「内容は言えないが、初心に戻って徹底して体をいじめ抜
いた。試合では秘策を披露するよ。もの凄い戦いになるから見てて
くれ!」と練習内容は話さなかったが充実したスパーリングだった
ようだ。記者はハードパンチャーのフルゴビッチやジョシュアも倒
して強さが増してきた。デュボアにブローミスがなければウシクも
前回のお返しで倒すだろうと予想していた。
〈ちょい後記〉
好戦的で強打を誇るも危なっかしい部分も持ち併せるスリリング
な試合の多いデュボアは人気が高い。また年齢的にもパワーを発揮
出来る絶頂期と見ていい。ヘビー級では英国人初という4団体統一
にプレッシャーを跳ね除け王座を束ねられるか期待がかかる。
★今回ウシクは当然前回の一瞬を突かれたような同じ轍は踏まない
でしょう。おそらくこれまでのように鋭い右ジャブを活かして左ス
トレートで試合を組み立てるはず。無類のスタミナに加え機動力と
リードブローを活かして後半戦まで持ち込めばウシク有利。
★一方、無類の強打を誇るデュボアは打たれ脆さやスタミナ不足の
課題をトレーニングメニューでどう修正できたかでしょう。自慢の
右ストレートや右フック強打が炸裂すればデュボア有利。
ウシクが返り討ちで再び4団体を束ねるのか、それともデュボアが
英国初のヘビー級4団体統一王者となるのか見逃せませんね。
【両選手の戦績】
★オレクサンドル・ウシク/23戦23勝(14KO)無敗
★ダニエル・デュボア/24戦22勝(21KO)2敗
《WBA世界Sフライ級タイトルマッチ2》
開催日:5月11日(日曜日)
開催地/会場:東京都大田区/大田区総合体育館
WBA世界Sフライ級王者
フェルナンド・マルティネス(30=O/arg)
VS.
WBA世界同級6位・前WBA世界同級王者
井岡 一翔(36=O/Shishei)
井岡王座返り咲き失敗、マルティネスV1成功!
〈試合経過〉
初回〜2回とマルティネスがジャブ連打、左右フックと浴びせて見
栄え良くポイント連取したと見えた。
今度は3回〜4回と井岡がワンツー、右ボディーとマルティネスの
動きを止めポイント差を縮めたと映る。
しかし、中盤戦に突入すると8回までマルティネスが手数を増やし
左右フック連打、上下連打とジャッジアピールして4、5ポイント
差を付けたように映った。
9回、マルティネスの左右連打に井岡もボディー攻めで必死に追い
上げるとマルティネスの動きが止まった。
10回、マルティネスの連打に井岡はボディーで対抗。中盤に差し
掛かったところで井岡の左フックでマルティネスがダウン。直ぐに
立ち上がるとさほどダメージのないマルティネスは左右で反撃した。
ただ、井岡はダウンを奪ったがポイントでまだ差があった。
11回、井岡の左ボディーでマルティネスの動きが鈍ると右ストレ
ートヒット。終盤マルティネスも前に出たがゴング。
最終回、マルティネスが前に出て連打。井岡も左ジャブから右スト
レート、左右ボディー。中盤から終盤までお互い引かずノーガード
で打ち合う中、ゴングとなった。
〈12回採点結果〉
114ー113(マルティネス)
115ー112(マルティネス)
117ー110(マルティネス)
マルティネスが3ー0判定勝ちでWBA世界Sフライ級王座の初防
衛に成功した。1人のジャッジが7ポイント差としていたが他2人
のジャッジが妥当な採点と見た。返り討ち決着したマルティネスは
試合後、7月19日に行われる統一戦のWBC王者ジェシー・ロド
リゲス(米国)VS.WBO王者プメレレ・カフ(南ア)戦の勝者と
の統一戦を希望した。
前王者の井岡は雪辱ならず王座返り咲き失敗となった。
10回半ばにマルティネスからダウンを奪ったが、ダメージは軽く
粘られてしまった。ポイント差は縮めたが5回〜8回の連取された
ポイントが最後まで響いてしまった。初戦よりポイントは縮めたが
倒し切らなければ勝てないという印象だった。現役引退か続行かは
口にしなかったがどう決断するのか今後の動向が注目される。
(Photos by ringmagazine.com)
激戦となったマルティネスVS.井岡戦2をフルシーンでどうぞ!
(54分46秒)
※途中消除の場合ありです。
【両選手の戦績】
★フェルナンド・マルティネス/17戦17勝(9KO)無敗
★井岡 一翔/36戦31勝(16KO)4敗1分
《WBO世界Sフェザー級タイトルマッチ》
開催日:5月10日(日本時間11日)
開催地/会場:米国カリフォルニア州サンディエゴ/ペチャンガ・
アリーナ
WBO世界Sフェザー級王者
エマヌエル・ナバレッテ(30=O/mex)
VS.
WBO世界同級1位
チャーリー・スアレス(36=O/phi)
前日計量でスアレスはSフェザー級リミット(58、97Kg)を
1回目でバスした。しかし、ナバレッテは90g超過して2時間の猶
予が与えられ2度目でギリギリのパスだった。
王者ナバレッテ辛くも判定勝ちV4成功!
〈試合経過〉
序盤から挑戦者らしく手数の多いスアレスは1分過ぎ王者ナバレッ
テの右ストレートを浴びて足元を揺らす。終盤にもナバレッテは右
を浴びせ上々のスタートを切った。
2回、スアレスが中盤ナバレッテの後頭部打撃で一時中断。スアレ
スが注意を受け再開すると激しい打ち合いとなった。
その後は5回までパワーで勝るナバレッテが強打を浴びせ優位立つ
とスアレスは左にスイッチして撹乱した。
6回、序盤に両者激しく打ち合う中、ナバレッテが左眉上を深くカ
ット。瞬く間に流血。レフェリーは偶然のバッティングとみなした。
再開すると遅れをとるスアレスは右フックを浴びせて挽回を図る。
7回、ナバレッテは左目が血で見えにくいのか手数を減らした。
8回、開始直後レフェリーはナバレッテの出血が酷い為,ドクター
チェックを促す。ドクターは傷口が深く続行は無理と判断して終了
を促した。規定の5回以上満たしている為、採点に委ねられた。
しかし、終了後、偶然のバッティングではなくスアレスの左打撃で
カットしたのではないかと疑問符がついた。そうだとすればスアレ
スの負傷ストップ勝ちとなったはず。どうやらWBOの調査次第で
再戦指令が出される可能性もある。
〈8回1秒終了・負傷判定結果〉
78ー75(ナバレッテ)
77ー76(ナバレッテ)
77ー76(ナバレッテ)
ナバレッテが途中終了も3ー0判定勝ちでWBO世界Sフェザー級
王座の4度目防衛に成功した。勝利したとはいえ接戦だった。
苦戦したのはやっぱり減量苦が影響したと言っていいでしょう。
ナバレッテは昨年5月18日、WBO世界Sフェザー級王座を保持
したままWBO世界ライト級王座決定戦をデニス・ベリンチク(ウ
クライナ)と対戦して1ー2判定負けに終わり4階級制覇に失敗し
ている。しかし、今後はSフェザー級では減量も厳しくなっている
ことからライト級王座に再アタックすることも予想される。果たし
てどうなる・・・
無敗で世界初挑戦に挑んだスアレスは王座獲得ならず。
初黒星を喫したスアレスにとってポイントが接近していただけにフ
ルラウンド戦いたかったでしょう。偶然のバッティングだったとは
いえスアレスはなかなかの攻めっぷりで王者を苦しめたのは間違い
ない。再浮上に期待したい選手です。
(両選手の8回までのスコアシート)
(Photos by boxingscen.com)
王者の負傷で途中ストップもそれまでは両者スリル満点の戦いぶ
りでした。ハイライトでどうぞ!(12分9秒)
【両選手の戦績】
★エマヌエル・ナバレッテ/43戦40勝(32KO)2敗1分
★チャーリー・スアレス/19戦18勝(10KO)1敗
笑いの王様『由利 徹師匠のコント』
お笑いには大きく分けて漫才とコントがありますね。
最近のお笑い芸人は漫才にしろコントにしろ、ただ大声出してうる
さいだけでネタや起承転結(オチ)などが曖昧でちっとも面白くな
い。老若男女を笑わせるにはやっぱりちゃんとした語り筋と個性あ
る喋くりテンポが必要だとつくづく思う。お笑いは「笑われるので
はない。笑わせるものだ!」とビートたけしの名言があります。
そこで今回ビートたけしや亡き志村けん(70歳没)がテレビ番組
で修行時代から憧れもあり尊敬していたと語った師匠を紹介。
その主とは約半世紀にわたりコメディアンとして映画やテレビの第
一線で活躍した由利 徹師匠(78歳没)でした。亡くなる前にT
V収録された貴重な名コントぶりをどうぞ。即席コンビの橋 達也
師匠(74歳没)も看護婦役で笑いを盛り上げてます。
久しぶりの手術(11分37秒)笑いが尽きないコメディー!
由利徹師匠のテレビトーク(2分31秒)



























