★東京五輪ボクシングSヘビー級金のバホディール・ジャロロフはプロでも連勝中!/No.1188 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

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両国国技館で繰り広げられたボクシング!

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(Photos by Sanspo.com)

東京五輪のボクシング競技はプロボクシングでも使用されることのある相撲の神様が宿るという両国国技館での開催となった。
大会前の巷や周辺では「もう日本はボクシングでメダルなんか獲れっこないよ!」という声を耳にした。
評価が低いのはおそらく、リオ五輪で男子2選手(バンタム級とライト級)が出場したが、ライト級の選手が2回戦までいくのがやっとで敗退してしまったからでしょう。
そして、ガラッと話題は変わって世界のアマチュアボクシングを統括しているAIBA(国際ボクシング協会)の不可解判定や内部汚職などでガバナンスに由々しき問題ありとIOC(国際オリンピック委員会)が改善要求して対立、ボクシング競技を除外対象のところまで発展する始末で開催も危ぶまれた。
まあ、一番の問題はAIBAの幹部でマフィアに関係した人物が存在していたことで牛耳られることを危惧したからでしょう。(O_O)
また、AIBAはアマチュア組織でありながら2014年10月プロ部門(APB=AIBAプロボクシング)を立ち上げた頃からマフィア関係者が介入して幹部に収まったとされている。
日本でもアマチュア界を統括するJABF(日本ボクシング連盟)が2018年に会長解任騒動で後に会長として収まった人物が詐欺や恐喝の犯罪歴があったことから似たり寄ったりです。(^O^)
一時はオリンピックのボクシング競技を除外する事態にまで発展してAIBAの承認停止もIOC内のボクシング部門担当が独自に承認されたことで今回無事開催に漕ぎ着けることになった。
そんなドタバタ劇の中、今大会の日本は男子4選手、女子2選手の代表が決定して個人的にはこれまでの各選手の戦いぶりを動画で繰り返し観て実力を考えればメダルの色は関係なく2つは獲得出来るだろうと予想していた。
しかし、終わってみると女子フェザー級の入江聖奈(せな)選手が金メダル獲得、フライ級の並木月海(つきみ)選手は銅メダル、男子フライ級田中亮明(りょうめい)選手の銅メダルと3選手がメダルを獲得した。なんと6選手出場でメダル獲得率が驚異の50%ということになる。選手には失礼ながら嬉しい誤算だった。
ボクシングの複数メダル獲得はロンドン五輪が史上初だったが、次のリオ五輪ではメダルなしで2大会ぶりに記録を塗り替える史上最多のメダル3個獲得となった。
2024年のパリ大会でも日本選手の活躍に期待したい。

気になるプロボクサーが決勝まで勝ち残った!

ボクシング競技は五輪最終日の8月8日に最重量級であるスーパーヘビー級の決勝戦がフィナーレとして行なわれたが、テレビ観戦でもその迫力が伝わる物凄いものだった。
無観客試合だったことに加えてリング周辺に設置された集音マイクから"バシッ、バシッ"という打撃音がダイレクトに拾われ益々迫力を倍増させていた。
リオデジャネイロ大会からプロボクサーの出場が解禁されて早速、元世界王者など4人のプロボクサーが出場して3人は途中敗退したが、ライトヘビー級のマチュー・ボーダリーキ選手(🇫🇷フランス)がプロボクサーで唯一銅メダリストとなった。
東京大会では何人のプロボクサーが出場したのかは調べていないので分からないが、最後に観たスーパーヘビー級では少なくとも2人の選手が出場していることがわかった。
そして、決勝まで勝ち残った気になる選手がいた。
その名はバホディール・ジャロロフ(27=🇺🇿ウズベキスタン)で身長が2mを超す巨漢の選手だ。
以前、米ボクシングシーン・ドットコムの記事でヘビー級にプロ・アマを掛け持ちで戦う有望新人出現と紹介され試合も2試合観ていて知っていた。ジャロロフはリオ五輪にも出場したが銀メダルを獲得してプロでも人気選手となったジョー・ジョイス(🇬🇧英国)と2回戦で対戦して0ー3判定負けで敗退している。
しかし、今回東京大会では実力も進化して決勝まで勝ち残った。
決勝戦の相手は世界ユース選手権Sヘビー級銅メダル、ゴールデン・グローブSヘビー級優勝、全米ユース選手権Sヘビー級3度優勝、全米選手権Sヘビー級2度優勝の強者で今大会ではジャロロフのライバルをKOで破ったリチャード・トーレスJr.選手(22=🇺🇸米国)だった。トーレスJr.はテクニックに強打を兼ね備えた猛ファイターの選手だ。
体格はジャロロフが201cmならトーレスJr.はスーパーヘビー級では188cmと小柄で身長差は歴然としていた。

サウスポー同士の決勝戦。
初回から右ジャブの突き合いから始まった。
ジャロロフが左ストレートを打ち下ろすと小柄なトーレスJr.は体を左右に振って懐に潜り込むとボディーから左右フックを打ち込んで仰け反らせた。トーレスJr.がやや優勢。
2回、中盤ジャロロフのワンツーから左フックを浴びてトーレスJr.がダメージを見せたところでスタンディングダウンを取られた。トーレスJr.は左まぶたカット。
ジャロロフの優勢。
3回、ジャロロフの左ストレートからワンツーを浴びたトーレスJr.は体を左右に振って必死に左右フック、左ストレートで挽回を狙うものの浅く、お互い絡み合う中ゴングとなった。
ジャロロフの優勢。
〈3回判定結果〉
ジャッジ5人共にジャロロフが支持され5ー0判定で勝利、見事金メダルに輝いた。トーレスJr.は惜しくも銀メダルとなった。
そして、ジャロロフのライバルで2017年度の世界選手権で判定負けした相手カムシベク・クンカバエフ(🇰🇿カザフスタン)も準決勝でトーレスJr.に初回KO負けしたものの銅メダルを獲得した。
そのクンカバエフもプロデビューして3戦全勝(3KO)無敗。

さあ〜今後はジャロロフとクンカバエフのプロボクサーとしての活躍に注目です。

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(Photos by nst.com.my)

それでは試合を見逃した方はどうぞ!(6分38秒)



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そのジャロロフは今年4月3日、母国ウズベキスタン・タシケントにあるヒューモ・アリーナで行なわれたWBAスーパー&IBF世界Sバンタム級王座統一戦ムロジョン・アフマダリエフ(🇺🇿ウズベキスタン)VS.岩佐 亮佑(🇯🇵セレス)戦(結果はアフマダリエフの5回TKO勝ち)の前座でヘビー級6回戦に出場している。
試合はクリスタプス・ズティス(🇱🇻ラトビア)と対戦して2回序盤ジャロロフが右、左のフックでダウンを奪いズティスが立ち上がると再開、追撃でコーナーに詰めて強烈左右フックを叩き込むとズティスがヘタリ込むように2度目のダウン。ここでレフェリーは勝負ありとカウントせず試合をストップした。
わずか2回1分16秒のTKO勝ちを収めた。

そして、ジャロロフはこの圧倒勝利の余韻を残して東京オリンピックへと臨んだのだった。

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(Photos by gazeta.uz)

ジャロロフがプロ8戦目で2度倒して圧倒勝利した戦いぶりををどうぞ!(50秒)



〈バホディール・ジャロロフ/MEMO〉
本名:バホディール・イソミディン・ウグリ・ジャロロフ
生年月日:1994年7月8日(27歳)
出身地・🇺🇿ウズベキスタン・サリオシヨ
移住地:🇺🇸米国ニュヨーク・ブルックリン在住
階級:ヘビー級(アマチュアはSヘビー級)
身長/リーチ:201cm(TV解説では202cm)/202cm
スタンス:サウスポー
プロデビュー:2018年5月5日/ヘビー級6回戦で3回TKO勝ちデビュー。
プロ戦績:8戦8勝(8KO)無敗
〈プロタイトル〉
★NABF(WBC傘下)ジュニア・ヘビー級王座獲得

アマ戦績:98戦87勝(19RSC・KO)11敗(東京五輪含む)
〈アマタイトル〉
★アジア選手権
2017年度スーパーヘビー級(🥇金)
2019年度スーパーヘビー級(🥇金)
2021年度スーパーヘビー級(🥇金)
★世界選手権
2015年度スーパーヘビー級(🥉銅)
2019年度スーパーヘビー級(🥇金)
★オリンピック(東京)
2020年度大会スーパーヘビー級(🥇金)