【複製】《伝説の世界ヘビー級王者!ロッキー・マルシアーノ》特別編・其の5/ヤンキーSDの激闘! | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

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ヤンキースタジアムの大激闘戦!

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NBA世界ヘビー級王者のロッキー・マルシアーノドン・クッケル(英国)を9回KOで下して5度目の防衛を果たすとトレーナーのチャーリー・ゴールドマンから次の相手と対戦日を聞かされたのだった。
そして、マルシアーノは前試合から4カ月という短い間隔ながらも対戦を受け入れトレーニングを開始する。

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対戦相手は階級下のNBA&リング誌認定世界ライト・ヘビー級王者アーチー・ムーア(米国)である。
独特なクロスアーム・ブロック(両腕を交差させ防御しながら攻撃するスタイル)というディフェンスを固めて攻撃する名手であり左右強打でKOの山を築いていた。
そして、ムーアが予てから2階級制覇に燃えていたところにオファーとなった。
また、それまでの戦績は177戦149勝(109KO)19敗8分1NCという途轍もないキャリアを積んでいた選手である。

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ムーア自身には実力があったにも拘わらず、当時の黒人差別からなかなか挑戦権が与えられなかったことで試合数をこなすしか術がなかったという。
そんな中でやっとの思いで王座を獲得した苦労人ボクサーでもあった。
ムーアは1952年12月17日、NBA世界ライト・ヘビー級王者のジョーイ・マキシム(米国)に世界初挑戦すると15回の激闘を戦い抜いた末3ー0判定勝ちで見事に念願だった王座獲得に成功した。
その後、マキシムとの2度の戦いも、ともに技巧を知り尽くしたムーアが判定で退けている。
1955年6月22日、カール・ボボ・オルソン(米国)の挑戦を受け3回KOで下して4度目の防衛を果たすとライト・ヘビー級王座を保持したまま階級上のヘビー級王座へ挑むこになった。
契約体重(キャッチウェイト)で戦うことになり設定が当時のLヘビー級186ポンドとヘビー級190ポンドの中間に設定して188ポンド(85,27Kg)で行われることになった。
対戦日は1955年9月21日、米ニューヨーク・ブルックリン区にある大リーグ・ヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムと決定した。

スター同士とあってチケットが発売されるとたちまちソールドアウトしたという。
ヤンキー・スタジアムには6万1千人以上(記録サイトBoxRec参照)もの大観衆が詰めかけグラウンド内は埋め尽くされたのだった。
スーパースターにのし上がったマルシアーノか、それとも苦労人でスーパーキャリアのムーアかどちらに勝利をもたらすのか観衆は試合開始を待ちわびる。

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大観衆の騒めく中、ついにゴングは打ち鳴らされた。

初回から両者は左右を出し合う探り合いで始まった。
2回に入って早々ムーアが右アッパーを突き上げるとマルシアーノはたまらず四つん這いダウン。
6万人もの大観衆は騒然となった。
マルシアーノはウォルコットへの初挑戦を思い起こさせるまさかのスタートとなった。カウントを受けながら立ち上がった。
ダメージを負ったまま再開するとパンチを被弾しながらも、なんとかこの回をしのぎ切ってみせる。
3回、ダメージの残るマルシアーノを畳み掛けようと必死に攻め込むムーアは左右フックで応戦するマルシアーノに手こずってしまう。
4回からムーアは巻き返してきたマルシアーノに攻めあぐねるような展開になっていく。
5回、お互い左右の打ち合いで互角の展開。まだ、ポイントではムーアがリードしているようだった。
6回、形勢はマルシアーノに傾き右ストレートをヒットさせると今度はムーアが軽いダウン。ダメージなく直ぐに立ち上がって再開。

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7回、お互い左右の出し合いもマルシアーノがやや優勢に試合を進める。
8回に入ると打ち合いの中で左右を貰って再びムーアは腰砕けで2度目のダウン。
迎えた9回、明らかにムーアの動きが鈍り出してスタミナ切れが著しくなっていく。
マルシアーノが突進しながら左右フックを振り回していくと、一発の右フックがムーアの顎を打ち抜いてムーアは3度目のダウン。
立ち上がったムーアに左右連打を浴びせるとまたもやしゃがみ込むダウン。
3度、4度と執念で立ち上がってみせるムーア。(フリーノックダウン制)
朦朧(もうろう)としながらも耐えるムーアに再びマルシアーノがボディーブローから右フックを叩き込むと苦痛で顔を歪めてしゃがみ込んだまま立ち上がれずついにはカウントアウトとなった。

ーKO・9回1分19秒ー

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それでは両者の息を呑む激戦ぶりをドキュメントタッチで構成された画像をどうぞ!(4分20秒)
最後にあのマイク・タイソンも感想を述べています。



マルシアーノがまたしても逆転KOで6度目の防衛に成功したのだった。
ムーアは念願だった2階級制覇は成らなかった。

6万人もの大観衆はもうこれ以上の試合はないとばかりにゴングも掻き消すほどの大歓声に沸くヤンキー・スタジアムであった。
そして、ムーアの41歳という年齢を超えてダウンに耐えながら試合を捨てず勇敢に立ち向かっていった姿勢にも観衆は称賛を与えてやまなかった。
まさしく、この試合もボクシング史に残る激戦で現在も語り継がれている。

ーーーーー其の6に続く!

【Rocky Marciano biography&wikipedia-参照】