《WBC世界Sフェザー級暫定王座決定戦》
開催日:5月20日(日本時間21日)
開催地/会場:英イングランド・サウサンプトン/セント・メリー
ズ・スタジアム
WBC世界Sフェザー級2位
ライアン・ガーナー(28=O/gbr)
VS.
WBC世界同級1位
マイケル・マグネシ(31=O/ita)
〈試合経過〉
前半戦はガーナーがパンチをクリーンヒットさせマグネシを後退さ
せて何度もロープに釘付けする場面が続いた。回を重ねガーナーが
手数と的確さで上回った。しかし、マグネシも怯まず時折り左右強
打でタフに応戦する姿勢を見せ始めた。4回までガーナーがリード。
中盤戦〜後半戦突入(5回〜9回)
接近しての展開が増えガーナーが速い連打でスタジアムを沸かせる。
劣勢に立たされたマグネシは執拗なクリンチが増えレフェリーから
度重なる注意を受ける。ガーナーが強烈な左フックをヒットさせる
とそこから連打を叩き込む見せ場を作った。ここで決着するかと再
び大歓声が上がるとマグネシも意地を見せ耐える。
10回、後半戦に突入すると窮地に陥ったマグネシは意地を見せる。
強い右オーバーハンドを炸裂させるとガーナーは一瞬足元を揺らす。
終盤戦(11回〜12回)
マグネシは逆転KOを狙って左右で捨て身の猛攻を仕掛ける。
しかし、ガーナーは冷静に対応。決定的な被弾を回避すると最後ま
で巧くマグネシをコントロールする中、最終回ゴングとなった。
〈12回採点結果〉
116ー112(ガーナー)
118ー110(ガーナー)
119ー109(ガーナー)
ガーナーが3ー0大差判定勝ちでWBC世界Sフェザー級暫定王座
の獲得に成功した。英国で人気上昇中のガーナーが期待通り20戦
全勝無敗で暫定王座に就いた。WBCのこの階級は王座に返り咲い
て2期目の初防衛(5月30日)に成功したばかりのオシャキー・
フォスター(米国🇺🇸)が待ち受ける。直ぐの対戦はないにしてもい
ずれは団体内統一戦となるでしょう。それまでにガーナーは暫定王
座の初防衛戦を組むのか、それともダイレクトに正規王座への挑戦
を待って一気に真の王者へと駆け登るのか期待は高まる。
敵地で挑んだマグネシはWBC暫定王座獲得に失敗。
ご存知、マグネシはWBC同級シルバー王者時代の2024年3月
22日、イタリア・コッレフェツロでWBC5位の力石 政法(緑→
大橋🇯🇵)と戦い8回までリードしていたものの徐々に挽回され最終
回には3度ダウンを奪われての逆転TKO負けを喫してシルバー王
座から陥落していた。その後はランカーを下すなど3連勝して今回
の暫定王座決定戦に臨んだ。今回も好戦的戦いぶりで会場を沸かせ
たが根負けした格好で暫定王座には届かなかった。マグネシは再び
這い上がれるか・・・
(Photos by dailyecho.co.uk)
それでは手数で圧倒して暫定王座を獲得したガーナーの戦いぶり
をハイライトでどうぞ!(CMあり/8分03秒)
【両選手の戦績】
★ライアン・ガーナー/20戦20勝(10KO)無敗
★マイケル・マグネシ/29戦26勝(13KO)3敗
《WBOインターN・フライ級王座決定戦》
※当初コラーゾが保持するWBA&WBO世界ミニマム級王座の防
衛戦予定だったが挑戦者の入国許可がおりず急遽中止となった!
開催日:6月20日(日本時間21日)
開催地/会場:米国カリフォルニア州オーシャンサイド/フロント
ウェーブ・アリーナ
WBA&WBO世界ミニマム級統一王者
オスカー・コラーゾ(29=S/pur)
VS.
元WBAライトフライ級世界ランカー
ネイダー・バルデス(25=O/mex)
当初はコラーゾの保持するWBA&WBO世界ミニマム級王座の
防衛戦だったが挑戦者のWBO5位・WBA9位ジョーイ・カノイ
(比国🇵🇭)のビザ取得が間に合わず世界戦は中止となった。
急遽、対戦相手を元WBAライトフライ級世界ランカーで世界戦経
験者のネイダー・バルデス(メキシコ🇲🇽)と戦うことになった。
尚、WBA団体は世界戦として認めずWBO団体は急造で15位に
ランクインさせ認める形となった。結局、WBO団体のみのミニマ
ム級タイトル戦として行うと発表。しかし、両者は前日計量でミニ
マム級リミットを共に大幅な体重超過によりまたしても世界戦は中
止となった。一方でプロモートするゴールデンボーイ・プロモーシ
ョンズは試合を消滅させる訳にもいかず2階級上で空位となってい
たWBOインターナショナル・フライ級王座の決定戦として行われ
ることになった次第。それにしてもドタバタした情けないお粗末な
開催となった。😤
〈試合経過〉
初回、サウスポーのコラーゾが軽快な動きで右ジャブから左ストレ
ートを浴びせる。バルデスもワンツー、右ストレートで応戦するも
のの明らかに格の違いが見え隠れするスタート。
2回、序盤バルデスがワンツーを強振、そこにコラーゾが左カウン
ターを打ち込むとバルデスは早くもダウン。バルデスが立ち上がり
再開すると右フックでバルデス2度目のダウン。再び立ち上がって
再開すると攻勢を強めたコラーゾが左ボディーを叩くとバルデス3
度目ダウン。ここも執念で立ち上がりカウントを受けるバルデスだ
ったがセコンド陣がレフェリーに向け棄権を申し出て試合終了。
ドタバタ開催も格の違いは明らかで呆気ない幕切れだった。
ーTKO・2回2分35秒ー
コラーゾがWBOインターナショナル・フライ級王座の獲得成功。
ドタバタ開催もコラーゾがフライ級でも強打を活かした一戦だった。
試合後、語ったところによるともうミニマム級では戦わないと断言
したようだ。今後は7月20日、両国国技館で行われるWBC世界
Lフライ級王者岩田 翔吉(帝拳🇯🇵)VS.エリック・バディージョ
(メキシコ🇲🇽)戦の勝者か、もしくはWBA&WBC世界フライ級
統一王者リカルド・サンドバル(米国🇺🇸)への挑戦を検討している
と明かした。今後の発表が待たれる。
バルデスはWBOフライ級の地域王座獲得ならず。
バルデスにとっては急な代役で気の毒な面もあり調整する時間も足
りなかったんでしょう。もし、この一戦に勝っていれば番狂わせと
して一躍名を売ったに違いない。チャンスを逃したバルデスは再び
指名されるような位置に辿り着けるか・・・
(Photos by fightmag.com)
コラーゾがフライ級でも圧倒TKO勝ちしたシーンをハイライト
でどうぞ!(CMあり/4分26秒)
【両選手の戦績】
★O・コラーゾ/15戦15勝(12KO)無敗
★N・バルデス/21戦15勝(12KO)4敗2分
アジア人初の世界王者パンチョ・ビラ!
日本人初の世界王者白井 義男(1952年)より29年も遡る
こと1923年にアジア人初の世界王者として偉業を成し遂げた選
手がフィリピンに存在していました。日本では随分あとになって新
聞や雑誌などで紹介され知られるようになったNBA(WBA前身
)&ニューヨーク州公認世界フライ級王者のパンチョ・ビラです。
日本にその存在が遅れた理由としては当時関東大震災や世界大恐慌
の影響で社会が大混乱していた時代だったからだとされています。
ビラはメキシコの革命家で度々映画化(西部劇風)されモデルとな
ったパンチョ・ビリャ(Pancho Villa=映画ではパンチョ・ビラ
)と名前のスペルが同じでよく混同されがちです。では何故メキシ
コ以外の遠く離れたフィリピンの国で同姓同名の国民的ヒーローが
誕生したのかには理由がありました。
(本家メキシコの革命家パンチョ・ビリャ)
ビラの本名はフランシスコ・ビラルエル・グイレードとスペイン語
圏風の長い名前です。フィリピンにスパニッシュ風の名前が存在す
るのはスペインに300年以上もの長い間統治された時代があった
名残からでしょう。ビラがボクシングを習い始めた時代メキシコの
独裁政権を打ち倒した革命戦士としてすでにパンチョ・ビリャの名
はフィリピンにも伝わり立志伝中の人物として有名だった。
ビラはある時、母親から読むよう薦められた歴史書物でその名を知
り同じ下層階級出身者で境遇も似ていたことから感銘を受けその革
命家の勇敢さに心打たれ尊敬していたようです。そして、米国に渡
った時期憧れもあってかその名を借りてリング名としたのでした。
ビラは17歳だった1919年1月1日、地元マニラ市で104ポ
ンド契約(47.174Kg/現在のミニマム級より軽い体重設定)
での4回戦を同国のアルベルト・カストロと戦い3回KO勝ちでプ
ロデビューを飾っている。その後は地元で39戦34勝(11KO
)3分2ND(無判定)無敗の戦績だったが、区切りとなった40
戦目でエディー・ムーア(米国)と戦い10回反則負けで初黒星を
喫した。しかし、その後は再び連勝を重ねた。
55戦目(49勝1敗3分2無判定)までを地元フィリピンで戦い
その間、階級を上げOBF(OPBF前身)東洋バンタム級王座も
獲得している。尚、フィリピンの専門ネットによると地元でのリン
グネームは本名を短くした"フランシスコ・グイレード"で戦って
いたようです。そして、当時米国の関係者が視察に訪れた際、その
強さが米プロモーターにも伝わり勧誘を受けて米本土で戦う契約を
交す。56戦目からは大きな夢を求めて本場の米国へと渡ることに
なった。渡米して7戦4勝3敗だったがアジア人の珍しさもあって
かタイトル戦に大抜擢となった。63戦目に米国フライ級王座決定
戦をニューヨークシティのエベッツ・フィールドでジョニー・バフ
(米国)と戦い当て馬的存在ながらも予想を覆す11回TKO勝ち
で王座を獲得するとアジア人として一躍注目され知名度も上げた。
その後米国フライ級王座は2度目防衛戦でフランキー・ジェナロ(
米国)に15回1ー2の僅差判定負けで王座から陥落してしまう。
再起に成功すると新聞社主催の記者採点試合を含め5戦4勝1敗の
戦績でそれまでの実績が評価され78戦目で世界戦に抜擢される。
1923年6月18日、米ニューヨークシティのポロ・グラウンズ
で当時NBA&ニューヨーク州公認世界フライ級王者で人気スター
だったジミー・ワイルド(英国)に世界初挑戦となった。
試合は序盤から王者ワイルドの左右を浴びてビラは大苦戦する。
しかし、小柄(154cm)なビラは徐々に巻き返して挽回、ついには
7回ビラが怒涛の左右フック連打を浴びせるとワイルドは気を失う
ように前のめりにバタンと壮絶失神ダウン。王者はうつ伏せのまま
立ち上がれずビラの見事な逆転番狂わせKO勝ち。アジア人として
初めて世界王座を獲得した瞬間だった。ワイルドは顔面から倒れる
危険な倒れ方で陣営によってコーナーへと運ばれた。当時、ワイル
ドはフライ級最強王者(5度防衛中)との呼び声高くそれを破った
ことでアジアにも実力ある選手が存在することを知らしめた世界タ
イトル戦だった。
その後、前王者のジミー・ワイルドは顎の複雑骨折により引退を余
儀なくされています。戦績は150戦137勝(98KO)4敗1
分8NC(無効試合)の素晴らしい戦績でした。
小柄なパンチョ・ビラは前半戦を王者ジミー・ワイルドに攻め込
まれたが、徐々に巻き返すと7回左右連打の猛攻でワイルドは前の
めり失神ダウン。劇的逆転KO勝ちでアジア人初の世界王座獲得と
なった。そして、100年以上前の衝撃シーンは遺されていました。
貴重な映像をどうぞ!(CMありスキップで/2分11秒)
その後2度防衛してスターダムへと登り詰めたパンチョ・ビラは
1925年5月2日、地元凱旋試合をマニラのウォーラス・フィー
ルドで当時有望株とされたクレバー・センシオ(比国)と戦い15
回3ー0(採点不明)判定勝ちを収めて3度目防衛に成功した。
しかし、活動拠点の米国へ戻ると何故か王座を返上してしまう。
そんな中、1925年7月4日、試合地カリフォルニア州エメリー
ビルの歯科病院で親知らずを抜歯したまま若さの勢いでノンタイト
ル10回戦をジミー・マクラーニン(カナダ)と戦いまさかの10
回(採点不明)判定負け。(結果的にこれがラストファイト)
▼負けから10日後に思いがけない悲劇が起きてしまう!
遠征先だったカリフォルニア州サンフランシスコで体調を崩して病
院で診察すると抜歯したままリングに上がったことが原因で敗血症
(血液中に細菌が拡散して臓器が機能しなくなる危険な病気)と診
断される。そして、前試合から10日後の1925年7月14日、
入院していた病院で突然容体が急変して手当ての甲斐もなく帰らぬ
人となった。わずか23歳という若さでの客死でした。
その亡骸(なきがら)は米国から軍艦でフィリピンのマニラ港まで
運ばれ遺体が安置された近くの教会前には10万人以上もの民衆が
詰めかけ悲しみに暮れたと当時の新聞は報じている。(上記写真)
今世紀世界的スターとなったマニー・パッキャオやノニト・ドネア
に勝るとも劣らない国民的ヒーローだったことが窺えます。
フィリピン国民に勇気と希望を与え、一瞬にして人生を駆け抜けた
パンチョ・ビラでした。そして、諦めない拳闘魂の精神は現在のフ
ィリピノボクサーに受け継がれているのです。
〈パンチョ・ビラ MEMO〉
本名:フランシスコ・ビラルエル・グイレード
(Francisco Villaruel Guilledo)
生年月日:1901年8月1日
出身地:フィリピン・イロイロ州イロイロ市
対戦階級:フライ級・バンタム級(当時は8階級とされる)
身長/リーチ:154cm/160cm
デビュー:1919年1月1日
ラストファイト:1925年7月4日
死没地:1925年7月14日、米国カリフォルニア州サンフラン
シスコの病院施設内(享年23歳)
生涯戦績:104戦90勝(22KO)8敗4分2NC(無効試合)
※尚、104戦中には新聞社公式採点試合も17戦含む。当時は新聞
社の専門記者が採点するという試合をコミッショナー共催で公式試
合として認定していました。
【獲得王座】
★OBF(OPBF前身)東洋バンタム級王座(防衛せず返上)
★米国フライ級王座(1度防衛)
★NBA(WBA前身)世界フライ級王座(3度防衛後に返上)
★NYSAC公認世界フライ級王座(3度防衛後に返上)
★国際ボクシング名誉の殿堂博物館入り(1993年)
★世界ボクシング殿堂入り(1994年)
《WBA世界バンタム級スーパー王座決定戦》
ーundercardー
《WBC米大陸Sバンタム級TM》
開催日:6月13日(日本時間14日)
開催地/会場:米国アリゾナ州グレンデール/デザート・ダイヤモ
ンド・アリーナ
WBA世界バンタム級正規王者
アントニオ・バルガス(29=Sh/usa)
VS.
前WBA・WBC・WBO世界Sフライ級統一王者
ジェシー"バム”ロドリゲス(26=S/usa)
〈試合経過〉
初回、サウスポーのロドリゲスが右ジャブを突いて接近するとスイ
ッチヒッターのバルガスは左右を浴びせて始まった。
2回、ロドリゲスが接近してボディーでプレスをかける。終盤バル
ガスは左右連打を浴びせるとロドリゲスはブロックして凌いだ。
3回、ロドリゲスの攻めにバルガスはボディー攻めでロドリゲスを
後退させる。ここまで両者互角と映った。
4回、ロドリゲスが徐々にプレスを強めサイドに回り込む展開。
バルガスは動かされ攻めが雑になっていく。
5回、序盤ロドリゲスの左フックでバルガスがついにダウン。再開
するとロドリゲスが追撃連打。しかし、バルガスは耐えてそのまま
ゴングに逃れた。
迎えた6回、ロドリゲスが左を打ち込み攻勢。1分過ぎロドリゲス
の左ストレートがバルガスの顎を打ち抜くと右膝を着く2度目のダ
ウン。間を置き仰向けとなったバルガスにレフェリーはカウントを
途中で止め試合ストップとした。
ーTKO・6回1分15秒ー
ロドリゲスがWBA世界バンタム級スーパー王座の獲得成功。
これでロドリゲスは無敗をキープするとともに3階級制覇も達成し
た。ただ、ストップ勝ちしたとは言え前半戦はバルガスに連打され
後退する場面もあり、けして圧倒勝利とは言えなかった。
最近は4団体世界Sバンタム級統一王者井上 尚弥(大橋🇯🇵)との
対戦機運が高まっています。それに伴い体重問題が指摘されていま
したが、どうやら普段の体重はSバンタム級以上に到達したことが
度々あったようで問題なさそうです。しかし、決定するにはまだ時
間が掛かりそうです。何故なら共同プロモートするエディー・ハー
ン氏は昔からファンを煽り立て興行価値(挑戦者を予想以上に高評
価)を高めるのが狙いなんです。興行師かペテン師か!?(笑)
つまり、ハーン氏はたとえ対戦が決裂したとしても井上との話題を
作ってロドリゲスの知名度を上げることには成功したと言える。
もし、対戦が決定となった場合減量は楽になる分、ロドリゲスは動
けるのか、そして、当然パンチの威力も変わってくるのは明らかだ。
果たして、モンスター井上に太刀打ち出来るのか・・・
バルガスは休養王者から正規王者に復帰したが王座を守れず2度目
防衛に失敗した。2回〜3回は王者らしい攻めを見せて挑戦者を慌
てさせたが、それ以降は耐久力に欠けた。バルガスは昨年7月30
日、当時WBC同級2位の比嘉 大吾(志成🇯🇵)と対戦して4回に
ダウンを奪われ最終回にはダウンを奪い返したものの結果は12回
0ー0(113ー113×3者)の引き分けに終わった。それでも
初防衛成功だった。まあ、バルガスはあれが目一杯の実力だったよ
うに感じていた。
(Photos by fightmag.com)
それではロドリゲスが6回TKOで3階級制覇を達成した場面を
ハイライトでどうぞ!(CMあり/8分13秒)
【両選手の戦績】
★A・バルガス/23戦19勝(11KO)2敗1分1NC
★ジェシー・ロドリゲス/24戦24勝(17KO)無敗
ーundercardー
《WBC米大陸Sバンタム級TM2》
WBC米大陸Sバンタム級王者
アルトゥーロ・カルデナス(25=O/mex)
VS.
NABF北米Sバンタム級王者
ジョーダン・マルティネス(23=O/usa)
〈試合経過〉
序盤戦は多彩な攻めで仕掛けてくるマルティネスにカルデナスはガ
ードしながら鋭い左ジャブを繰り出し始まった。カルデナスは前回
のように荒々しくいかず冷静に左右的確な攻めに徹し接近しての打
ち合いは右アッパーを突き上げるなどリードした。
4回、マルティネスが左フックでカルデナスはフラついたが冷静。
5回、序盤からカルデナスはアウトボクシングに徹してマルティネ
スの追撃巻き返しを許さない。カルデナスが徐々に勢い付いていく。
後半戦に突入するとカルデナスの右ストレートからボディー攻めが
効いたかマルティネスは手数を減らし後退する展開。
終盤戦はマルティネスも最後の抵抗を見せたがカルデナスの強烈ボ
ディー攻めになす術なくゴングとなった。
〈10回採点結果〉
100ー90(カルデナス)
98ー92(カルデナス)
97ー93(カルデナス)
カルデナスが3ー0大差判定勝ちでWBC米大陸Sバンタム級王座
の4度目防衛に成功して無敗をキープした。前回マルティネスとの
対戦は中盤以降連打で追い上げられ引き分けに終わった。今回は前
半からリードして手数と有効打は完全に上回って決着した。カルデ
ナスはこれで世界ランキング入りは確実でしょう。
マルティネスはWBC米大陸王座の獲得ならず。
前回(今年2月28日)の対戦は10回1ー1の引き分けも今回は
強打の空振りも多く手の内を知られてしまった印象だった。マルテ
ィネスは初黒星となったが、年齢的にもまだこれからでしょう。
(Photos by fightmag.com)
【両選手の戦績】
★アルトゥーロ・カルデナス/20戦18勝(9KO)2分無敗
★ジョーダン・マルティネス/18戦16勝(15KO)1敗1分
《NABF北米Sミドル級TM》
開催日:6月11日(日本時間12日)
開催地/会場:カナダ・ケベック州ケベックシティー/キャピトル
・デュ・ケベック内(シアター・ホール)
WBCコンチネンタル&NABF北米Sミドル級王者
ウィルケンズ・マチュー(21=O/can)
VS.
元ミドル級世界ランカー
エスキバ・ファルカオ(36=S/bra)
〈試合経過〉
前半戦はジャブの刺し合いもサウスポーのファルカオが距離を詰め
右フック狙い。マチューもスピードある右で対抗し始める。回を重
ねるとファルカオが接近して左右フックを打ち込もうとするものの
マチューはクリンチで封じる展開。離れるとマチューのスピードあ
る左右が決まり出していく。見栄えはマチューがやや優勢。
中盤戦に突入してマチューの左右ボディーから左右フックが決まり
出すとファルカオは後退して攻めあぐねる。
6回〜7回とファルカオはマチューの右アッパーを跳ね上げられた
がマチューをロープに追い込み連打。更に左フックを叩くとマチュ
ーは脚元を揺らした。ファルカオが巻き返した展開。
迎えた8回、ファルカオが左右で攻めるも決定打がない。マチュー
は終盤左フックがファルカオの顎を打ち抜くと後退、ここぞとマチ
ューが右ストレート、左右フックと打ち込むとファルカオはコーナ
ー前で右膝を着くダウン。立ち上がってレフェリーはファルカオに
右移動を促したがダメージで動きが鈍かった為、試合を止めた。
ーTKO・8回3分00秒ー
マチューがNABF北米Sミドル級王座の初防衛に成功。
21歳と若いマチューがベテランのファルカオにストップ勝利した
ものの中盤戦はファルカオに連打を打ち込まれて左フックを浴びる
など危うい場面もあった。今回若さの勢いで勝ったようなものだ。
今後は粗削りな部分や決定力を改善すればより強さを発揮する選手
へと成長するでしょう。現在の世界ランキングはWBC10位、W
BA14位、WBO15位に位置している。今後に期待です。
ファルカオはNABF王座獲得ならず。
アマチュア時代の2012年ロサンゼルス五輪ミドル級決勝では後
のWBA世界ミドル級王者村田 諒太(帝拳🇯🇵)と対戦して3回(
113ー114)の僅差判定負けも銀メダル獲得となった選手。
2014年2月15日のプロデビューから30戦全勝(20KO)
無敗の戦績でIBF世界ミドル級王座決定戦のチャンスが訪れた。
2023年7月1日の王座決定戦ではビンセンツォ・グアルティエ
リ(ドイツ🇩🇪)と戦いファルカオは2回と10回のダウンが響きフ
ルラウンドまで持ち込んだものの12回0ー3(8P/6P×2者)
の大差判定負け。悲願の王座獲得はならなかった。
その後は3戦2勝(1KO)1敗の成績で今回再浮上を目指したが
実らなかった。
(Photos by fightmag.com)
マチューがベテランのファルカオをストップしたシーンをハイライト
でどうぞ!(CMあり/6分26秒)
【両選手の戦績】
★ウィルケンズ・マチュー/16戦16勝(11KO)無敗
★エスキバ・ファルカオ/35戦32勝(21KO)3敗
《クルーザー級10回戦》
開催日:6月6日(日本時間7日)
開催地/会場:英国ボーンマス/ボーンマス・インターナショナル
・センター
元WBO世界クルーザー級王者
WBC&IBF世界クルーザー級3位・WBA4位
クリス・ビラムースミス(35=O/gbr)
VS.
WBC世界同級1位・WBA10位
ライアン・ロジッキ(31=O/can)
〈試合経過〉
初回、両者序盤から激しく打ち合い接近しては揉み合うと早くもロ
ジッキが左瞼をカットした。
2回、ロジッキがスミスに接近して打ち合う中、ロジッキは頭から
スミスの顔面に押し付けたとして減点1が科せられた。
3回、スミスの右フックがヒットしてロジッキが足元を揺らした。
しかし、ロジッキは怯まず前進を見せる。
4回、今度はロジッキが前進して圧力をかけスミスをロープに追い
込み左右フックを浴びせて優勢。
5回、ロジッキが相変わらず前進してスミスに左右を強振すると逆
にスミスの左右浴びる。更に揉み合いでロジッキは右瞼もカット。
6回、ロジッキがスミスをロープに追い込み連打したものの、終了
間際にスミスの右フックから更に左右フックを被弾、ゴングに救わ
れたが、ロジッキはかなりダメージを負ってフラつきながらコーナ
ーへ戻った。結局、ロジッキはインターバルで両瞼の出血に加えダ
メージの大きさも限界とみたか、陣営が棄権を申し出て試合終了と
なった。
ーTKO(RTD)7回3分棄権終了ー
スミスは地元ボーンマスで勝利した。ZUFFAボクシングに参戦
して先に試合を消化した元IBF世界クルーザー級王者で現ZUF
FAクルーザー級王者のジェイ・オペタイア(豪州🇦🇺)との対決機
運が高まってきたようです。果たして対決は実現成るか・・・
棄権負けしたロジッキは両瞼のカットがなければフルラウンドまで
いったでしょう。それにしてもスミスをグラつかせるなど強打者ぶ
りは十分発揮した。今後ZUFFAのみの出場なのか動向が気にな
るところです。
(Photos by boxingnews24.com)
それでは稀にみる激戦となったスミスVS.ロジッキ戦をハイライ
トでどうぞ!(CMあり/4分53秒)
※途中消除の場合ありです。
【両選手の戦績】
★クリス・ビラム=スミス/24戦22勝(14KO)2敗
★ライアン・ロジッキ/24戦21勝(20KO)2敗1分
《IBF世界フライ級タイトルマッチ》
ーundercardー
《124ポンド(56,25Kg)契約10回戦》
《IBF世界Sフライ級タイトルマッチ》
開催日:6月6日(土曜日)
開催地/会場:愛知県常滑市/愛知県国際展示場
IBF世界フライ級王者
矢吹 正道(33=O/緑)
VS.
IBF世界同級3位
レネ・カリスト(31=O/mex)
〈試合経過〉
初回、矢吹は速く重い左ジャブで試合を組み立てると、鋭いワンツ
ーで挑戦者カリストを後退させる。更に右フックをクリーンヒット
させカリストからダウンを奪った。再開すると追撃右クロスでダウ
ンを追加。早々のKO決着を予感させた。
〈2回〜6回〉カリストは立て直しを図り右ボディーストレートと
右を軸にディフェンシブに前進を始める。矢吹は一発を狙うあまり
力みが生じカリストのタフネスさに阻まれクリーンヒットを奪えず
空回りする展開。中盤戦に突入するとカリストの右も浴び始める。
5回はポイントを失うなど徐々に苦戦を強いられた。
〈7回〜12回〉後半戦に突入すると矢吹は修正を発揮。距離とス
テップでリズムを刻み躱して打つボクシングへシフト。矢吹は左フ
ックを軸にカリストの攻撃を封じ込めると10回には右カウンター
をヒットさせカリストをグラつかせた。最終12回までしっかりブ
ロックとボディー攻めで応戦する中、ゴングとなった。
〈12回採点結果〉
118ー108(矢吹)
118ー108(矢吹)
116ー110(矢吹)
王者矢吹が3ー0大差判定勝ちでIBF世界フライ級王座の2度目
防衛に成功した。中盤戦はやや苦戦したが後半戦は巻き返した。
矢吹は試合後インタビューに「勝利は嬉しいが反省する部分もあっ
たので修正したい。今後は階級上の新王者となったIBFスーパー
フライ級王者のアンドリュー・モロニーも視野に入れ調整を図って
いきたい」とコメントした。矢吹の3階級制覇成るか・・・
挑戦者カリストは王座獲得失敗に終わった。
今回階級を下げての3度目世界挑戦で中々しぶとさを見せたが王座
に届かなかった。カリストは過去IBF世界Sフライ級王座決定戦
の引分けとIBF世界同級王座挑戦は判定負けで2度の世界挑戦を
経験していた。果たして4度目挑戦は巡ってくるか・・・
【両選手の戦績】
★矢吹 正道/24戦20勝(18KO)4敗
★レネ・カリスト/27戦24勝(10KO)2敗1分
ーundercardー
《124ポンド(56,25Kg)契約10回戦》
元2階級制覇王者
現WBC世界フェザー級4位・IBF8位
ルイス・ネリー(31=S/mex)
VS.
元3階級制覇王者(Lフライ級・フライ級・バンタム級)
ジョンリール・カシメロ(37=O/phl)
〈試合経過〉
初回、開始わずか30秒でカシメロが左フックでネリーからダウン
を先取、再開すると更に左フックで立て続けにダウンを奪い、カシ
メロはこの回だけで3度のダウンを奪った。
2回、またしてもカシメロの右フックでネリーはダウン。この試合
4度目のダウン。それでもネリーは試合を諦めない。
3回、ネリーも反撃を試みるものの、空振りが目立ち終了間際にお
互い打ち終わりの反動でネリーはバランスを崩して5度目のダウン。
4回、カシメロが強烈左フックをネリーの側頭部を打ち抜くとネリ
ーは仰向けの6度目ダウン。レフェリーはネリーの深いダメージを
確認してこれ以上は危険と判断、試合を止めた。
ーTKO・4回42秒ー
元3階級制覇王者のカシメロが無冠戦も無類の強打を爆発させ6度
ダウンを奪うTKO勝利を飾った。2戦前は格下相手に8年ぶりま
さかの黒星も今回は健在ぶりを示した。なんと37歳にして6年前
のWBO世界バンタム級王者時代を彷彿とさせた。これまで日本で
は嫌われ者の悪童扱いだったがリング上では極めてスリル満点な試
合を生み出す選手だ。今回の戦いぶりで嫌われ者から再びファンを
掴んだに違いない。カシメロは現在無冠ながらまだまだリングを熱
くさせそうです。
元王者ネリーはキャリア最大で最悪の負け方だった。
これまで1度や2度のダウンは経験していたものの、まさか6度も
倒されるなんて本人は考えもしなかったでしょう。しかし、敗因は
自ら作り出しと言える。体重超過の常習犯は懲りずに今回またして
も体重超過を犯した。それが影響してか動きが鈍いところをカシメ
ロに狙われたのは明らかだった。ネリーはボロ負けしたが、これか
ら先奮起してフェザー級で3階級制覇を目指すか・・・
カシメロがネリを6度も倒すもの凄い一戦となったシーンをハイ
ライトでどうぞ!(CMあり/7分22秒)
※途中消除の場合ありです。
【両選手の戦績】
★ルイス・ネリー/40戦37勝(28KO)3敗
★ジョンリール・カシメロ/41戦35勝(24KO)5敗1分
ーundercardー
《IBF世界Sフライ級タイトルマッチ》
IBF世界Sフライ級王者
ウィリバルド・ガルシア(36=O/mex)
VS.
WBA世界同級3位・元WBA世界同級王者
アンドリュー・モロニー(35=O/aus)
〈試合経過〉
序盤から左右フックを振り回すガルシアにモロニーは巧みなステッ
プバックとブロックで対応して始まった。
2回、偶然のバッティングでモロニーは左目上をカット。この場面
からガルシアがプレスを強めて連打で反撃開始。それでもモロニー
は中盤戦までポイントを大きく引き離されることなく対応した。
後半戦に突入すると手数と勢いで前に出てくるガルシアを冷静に捌
く。終盤モロニーは的確な有効打を浴びせて試合をコントロールす
る中,ゴングとなった。
〈12回採点結果〉
115ー113(モロニー)
114ー114(ドロー)
115ー113(モロニー)
モロニーが2ー0判定勝ちでIBF世界Sフライ級王座奪取成功。
モロニーはWBA王座に続き6年ぶりの王者返り咲きです。
ご存知、日本でも知られる双子兄弟の弟。兄ジェイソン・モロニー
も元WBO世界バンタム級王者だった。果たして今後は何度防衛で
きるのか注目したい。
ガルシアは初防衛に失敗して王座から陥落した。
昨年5月23日、IBF世界Sフライ級王座決定戦でレネ・カリス
ト(メキシコ🇲🇽)と対戦して12回判定勝ちで手にした王座だった
が僅か13カ月で手放した。
【両選手の戦績】
★W・ガルシア/33戦23勝(13KO)7敗2分1NC
★A・モロニー/34戦29勝(18KO)4敗1NC
《WBC米国Sフェザー級王座決定戦》
開催日:5月5日(日本時間6日)
開催地/会場:米国テキサス州アーリントン/カレッジ・パーク・
センター
元WBC米国フェザー級王者
エドワード・バスケス(30=O/usa)
VS.
元WBC中米フェザー級王者
ダニエル・ルーゴ(31=O/mex)
〈試合経過〉
序盤戦はバスケスが積極的攻撃でルーゴをリードした。
6回、ルーゴの強烈右ストレートでダウン寸前のピンチ。
しかし、その後はバスケスが立て直して再び多彩なパンチを浴びせ
て挽回。そのままフルラウンドを戦い抜きゴングを聞いた。
〈10回採点結果〉
96ー94(バスケス)
96ー94(バスケス)
98ー92(バスケス)
バスケスが3ー0判定勝ちでWBC米国Sフェザー級王座獲得。
バスケスは過去フェザー級で2度(IBF&WBO)の世界挑戦も
敗北。果たしてSフェザー級での3度目の挑戦はあるか・・・
ルーゴも粘りを見せたが、WBC地域王座獲得ならず。
強打を持ち合わせるルーゴはダウン寸前まで追い込みながらも詰め
が甘かった。ルーゴは再起に向かうしかない。
【両選手の戦績】
★エドワード・バスケス/24戦20勝(6KO)3敗1NC
★ダニエル・ルーゴ/33戦28勝(19KO)4敗1分
《WBA世界Lヘビー級暫定王座TM》
開催日:6月4日(日本時間5日)
開催地/会場:カナダ・ケベック州モントリオール/カジノ・デュ
・モントリオール
WBA世界Lヘビー級暫定王者
アルベルト・ラミレス(34=S/ven)
VS.
WBA世界同級6位
レロン・リチャーズ(33=S/gbr)
〈試合〉
初回、サウスポー同士は序盤から右ジャブの突き合いで始まった。
ラミレスが左ボディーから右フックでプレッシャーをかけるとリチ
ャーズは足捌きで躱しながら右ジャブから左フックとヒット。ラウ
ンドが進むにつれ同じような展開が続いた。
中盤戦に突入してラミレスが右ジャブから左ストレートをかすめる
とリチャーズはクリンチで逃れる。ただお互い決定打がない
後半戦はラミレスが圧力をかけ右ジャブから左ボディーも相変わら
ずリチャーズはクリンチで上手く逃れる。しかし、離れるとリチャ
ーズは時折右ジャブからワンツーを叩き込んで粘りを見せる。それ
でも攻勢を仕掛けるラミレスがジャッジアピールしていると映った。
終盤戦も両者攻めては絡み合ってクリンチするなどお互い突破口を
掴めないままズルズルとラウンドを重ねて終了ゴングとなった。
〈12回採点結果〉
115ー113(ラミレス)
112ー116(リチャーズ)
115ー113(ラミレス)
ラミレスが2ー1スプリットながら判定勝ちで暫定王座の初防衛に
成功した。どちらかがダウンでも奪っていれば明確な採点が出来た
筈。しかし、両者はフラつく程度でジャッジ泣かせと感じた。試合
後は案の定メディアやファンからリチャーズが優勢だったと採点へ
の疑問が湧き上がった。これこそ再戦があっても良さそうだ。ラミ
レスは86%のKO率を誇る強打も的が絞れず不発で予想以上の苦
戦だった。
リチャーズの暫定王座奪取ならず。
リチャーズは中々のしぶとさを見せたのも確かだった。
試合後のインタビューには「俺が手数も有効打も多かったと自負し
ている。勝利を盗まれた気持ちだ」と悔しがった。
おそらく陣営は再戦を訴えることになるでしょう。
(Photos by fightmag.com)
【両選手の戦績】
★アルベルト・ラミレス/23戦23勝(19KO)無敗
★レロン・リチャーズ/21戦19勝(4KO)2敗








































