「ぼ、僕は○○(上の姪)さんと結婚できたことがこれまでのなかで一番の幸せで…」
花婿挨拶?というシーンだったろうか
上の姪の結婚式のとき友人知人、親類縁者を前に顔を紅潮させて新郎がのたまう。
あーあ…
単なるリップサービスとは思えないその話しぶり。
他人ごととはいえ夫の将来がつい思いやられる。
この場でそんな挨拶して
満座の中で「これから一生嫁の尻に敷かれます」と宣言しているようなものでは…と。
はたして結婚後十数年経った現在
その予感は当たっていたような気がする。(私の見るところでは)
上の姪夫婦は同い年だ。
そして妹夫婦も同い年。
妹は同世代の女性の中では大柄な方だ。
そしてその長女(私の上の姪)は更に背が高い。
そして私の母も大柄だった。
父は背が低かったので、
残っている二人の結婚後の記念写真では
和服に日本髪の母は椅子に腰掛け
その傍らに扇子を片手にした紋付き袴の父が立っている。
妹夫婦も上の姪夫婦も並ぶと背は同じくらいか妻の方が高い。
父は声を荒げることのない人だった。
「優しい人だったねえ…」
あるとき病院でもう10年ぶりかに出会った家族ぐるみで付き合いのあった人が
亡き父をしのんでしみじみとそう呟いた。
彼は父の職場の後輩でもあったので
争いを好まない態度は家の中だけでは無かったのだろう。
二人の姪のそれぞれの伴侶も
日常はほぼ妻の言いなりなんだろうと思う。
よく知っているわけではないが、
主に妹を通じて得る日々の小さなエピソードから偲ばれる。
妹の夫、つまり私の義弟は違った。
見合い結婚なのだが昭和の亭主関白というか
短気で妻や二人の娘たちを怒鳴りつけることが多々あった模様だ。
ただ、
まだ上の子が幼いころ一家で我が家に里帰りしていたときに
妹が夫の何気ないひとことか態度にカッとして激しく言い返したことがある。
「そんなことだから、**が**になるのよ!!」
自分たちの家だったら義弟はすぐ「何だと!?」と反撃するところだろうが
義両親や義兄の前でそれもならず、なんともバツの悪そうな複雑な顔で黙り込んだ。
おやおや…
妹は実家にいる状況を嵩にきて日ごろの鬱憤を晴らしたという感じではなく
居場所を忘れて思わず感情を爆発させてしまったという感じだ。
これは(自分たちの)家でも結構やり合っているな…
まだ結婚して数年目だったがそう感じた。
下の姪が中学生前後のころだったか、下校途中に車と軽く接触したことがあった。
怪我も無かったが家に連絡すると父親が現場に来るという。
義弟は営業職でそのとき外回り中だったようだ。
「びっくりした…」
家に帰って母親に話したらしい。
短気な父が運転手と穏やかに紳士的に話していて家では見ないそんな姿が意外だった模様。
人にはいろんな一面があるということが
まだ分かる齢ではなかった。
「気が小さいんだから、本当に気が小さい!」
近隣トラブルのことで思い余って私に相談電話をかけてきたとき、
夫のことを妹はこう愚痴ったことがある。
そんな風には見えないが…と思うと同時に
家庭内で妻や娘たちを怒鳴りつけたりする義弟の亭主関白ぶりは
精一杯の虚勢、はかない抵抗の表れだったのかなと
後になって思う。
妹にはたくさん助けてもらっているし
こうして上から目線で批判するのもおこがましいのだが
やはり
既に父親を軽んじ始めた気配のある5歳の姪孫や
それぞれの夫を「御し」ていると感じる二人の姪のルーツは
妹と義弟の関係にあるように思えてしまう。
では
妹のルーツはどこにあるのだろうか?