「免許を持っている人はみな運転が上手だと思っていた!」
自分は免許を持っていない妹が、何かのニュースを見て以前こう言ったことがある。
ここでの「上手」は一定レベル以上という意味だろうがとんでもない。
建前としてはそうだし、実際実地試験でも一定のレベルを超えて初めて免許を手にできるのだが…
すれすれで合格したが本当は運転してはいけない人
若いときは上手だったが心身ともに衰えて危なっかしい人
性格や注意力などが運転に向いていない、いつか大事故を起こす人
こんな人たちがゴマンと居て、日夜路上を走り回っている。
私もその中の一人かも。(汗)
医師免許だって同じだろうと思う。もちろん合格の難易度はけた違いだろうが。
かつての名医がいつまでも名医とは限らない。
頂点に上り詰めたアスリートもいつかは無様な敗北の姿をさらして引退していくが
医者に対しては分かりやすく公平な評価制度もなければ定年もない。医師免許の更新もない。
ブラック業務に疲弊する勤務医や、情熱をもって自己研鑽に励む若い医者なども多いと思う。
が、ただ惰性で多くの診察をこなしている医者もいるのではなかろうか。
そう思うのも自分の先入観や偏見のためだけでなく、
読むブログでも病院でのいい加減な診断や、医者を変えてやっと解決したという事例に事欠かないからだ。
かかりつけ医院はこの地区でなぜか唯一の病院。近場では他に選択肢はない。
看護師たちは患者と顔なじみだし皆、愛想がよく親切だ。
古い建物の待合室はアットホームな雰囲気に満ちている。
先生だってそうだ。
気難しいところは微塵もなく患者の話はよく聞いてくれるほうだ。
先日、いつもの薬を貰いに受診。
そのとき前回、コピーを貰って帰った「診療情報提供書(退院時)」を見て気づいたことを聞いた。
心臓の検査をした基幹病院からこのかかりつけ医院へと言付かった封書の内容だ。
[医者の手紙を勝手に開ける?]
現在の処方:当科からはありません
備考:LDL-cho 86mg/dl と若干高めでしたので70mg/dl以下を目標に下げていただけたら幸甚です。
とあったので、
「先生、一度心筋梗塞を起こしたら70mgを超えたら高いということですかね」
と聞く。医師はカルテをめくってみて
「ほう、高いな…」
今更のようなリアクション。
ちなみに毎年受ける人間ドックの数値には直近3回分の数値が載っている。
いずれも通常の基準値には収まっているのでHもLもついておらず、判定は異常無しのA。私は安心していた。
なおHDL(善玉コレステロール)はいつも昔から基準値スレスレか若干下回り私は運動不足が主因だろうと思っている。
健診の結果は毎回コピーしてかかりつけ医に渡している。
ドック健診の指示事項欄には
高血圧症、脂質異常症で治療中の由、主治医の指示に従って下さい。
とあるだけ。心筋梗塞の既往歴は申告してあるのだが、70以上はNGというのはこれでは分からない。
毎年の人間ドック健診結果もあまりあてにはならないものだ。
「ではいつも通りに薬を出しておきましょう」
と言われて処方箋と会計を待合室で待っていたら看護師が来た。
「**(基幹病院)から何か薬がでているか?と先生がおっしゃってますが」
いや…
「現在の処方:当科からはありません」と書いてあったじゃないか…
私としてはこれ以上薬を増やして欲しくなかった。
なんとかもっと運動に努めて、1日3枚のビフテキは1枚に減らし…いやビフテキなんか食べるのは年に数回もないか(笑)。
ただ卵はもう1日1個までかな…これでも多いかも。
それで乗り切ろうか思っていた。既に2種類高脂血症の薬は出ている。
処方箋を見ると結局また1つ薬が増えていた…
診療情報提供書を渡した日を含め既に3度目の受診の今ごろになって。
たぶん薬の追加の必要性を本当に感じたというより、基幹病院からの申し送りに対して何もしないというのはちょっと都合が悪いな…
とそう考えのではないかと、根性曲がりの私は勘ぐっている。
まあこれで数値が下がれば有難いが、先生はちゃんと追跡してくれるのだろうか…
いままでの経験から言うと一度増やすと後は出しっぱなしで続くような気がする。
追加した薬はプラバスタチン…併用注意のベザフィブラートが既に出ているし。
かかりつけ医の悪口ばかり書いているようだが、この先生がとりわけいい加減だと思っているわけではない。
どこの開業医も、患者でごった返す大病院の勤務医も概ね同じようなものだろう。
そして多分私が性格的に神経質すぎるということがある。
ただ国が推進する「かかりつけ医」と大病院との連携も、実態はこの程度のものかとも思う。
「先生」が診てくれているんだから後は任せておけば安心…などと思っていたら痛い目に遭うのは自分だ。
法は権利の上に眠るものを保護しない…とかいう文言を学校で習ったことがあるが、
医療は医者任せにして自分の身体への関心を怠るものを保護しない…というところだろうか。