モバイルニュース 単に速いだけでない、「WiMAX 2」に期待すること
UQが新世代規格「WiMAX 2」の公開フィールドテストを実施。ここで分かった効果ととともに、ワールドワイド事情も含めたWiMAX 2のエコシステムとトラフィックオフロードの目的を本田雅一氏が解説する。
【WiMAX 2のエコシステムとトラフィックオフロードの目的とは?】
・オフィスビル街でのフィールドテスト 「4x4 MIMOの効果」が興味深い
本誌でも伝えられたように、WiMAXの次世代規格「WiMAX 2」の公開通信実験が、東京・大手町のKDDIホールで行われた。今回はバスで移動しながらとなる20MHz幅でのワイヤレス通信も行い、最大で実行転送速度が150Mbpsを超える、まさにワイヤレスブロードバンドと言うにふさわしい高速通信の世界が目の前で展開された。
もちろん、単に高速通信が可能であるという技術面での実証公開実験という意味では、2010年10月に行われたCEATEC JAPAN 2010において、有線の中に40MHz幅のWiMAX 2信号を通した最大330Mbpsの試験を見せている。新しい規格なのだから高速で当たり前、という思う人もいるだろう。しかし、実環境でのワイヤレス通信と有線環境でのシミュレーションでは意味が違う。
ポイントは3つある。実際のオフィス街において、静止状態で150Mbpsに達する通信速度が実現できていること。4×4 MIMOの効果は明らかで、特にビル群の中において通信速度確保の大きな助けになることが実証されたこと。そして、半径300メートル程のセルサイズ(都心におけるWiMAXのセルサイズと同じ)で基地局を打つことで、都心のビル街で100Mbps以上の速度がどこでも利用できること。
それぞれについて少し掘り下げてみたい。
まず速度だが、今回の実験用20MHz帯域と4×4 MIMOの組み合わせでは、WiMAX 2の理論最大速度は下り165Mbpsとなる。これに対して150Mbpsに達する速度を実現できたのだから、間違いなく成功と言えるだろう。
KDDI大手町ビル23階に設置された基地局・屋上のアンテナに対して、直下の場所で静止時に通信した速度とはいえ、高層ビルが立ち並ぶ中で理論値に近い速度が出ていた。バスが移動し始めると電波に揺らぎが加わるため速度は落ちるが、それでも90M~100Mbps程度は維持し続けた。
さらに興味深いのは4x4 MIMOの効果だ。MIMOは複数のアンテナを用い、反射して入ってくる電波を個別に捉えることで通信の品質を向上させる技術。実際に実証試験を始める前までは、WiMAX 2の4×4(規格上は8×8の構成もある)という構成の実効性に疑問の声も出ていた。ところが、東京・大手町というオフィスビル街の中ではビルに反射した反射波が多数得られるため、移動しながらでも100Mbps程度の速度を維持できていた。
と、いかにもMIMOがうまく働いたと書いているのは、その後、バスが皇居周囲の内堀通りに差しかかると、通信速度が半分程度に落ち込んでしまったからだ。内堀通りは片面が皇居となり、そこには電波を反射するものがない。このため、捕まえられる電波の経路が減り、通信速度が落ちたというわけだ。
ところが、ふたたび交差点に差し掛かりビル群の中に入ろうと30度ほどバスが転回すると、たちまち通信速度が向上し、あっという間に100Mbpsにまで達した。こちらは新たな反射波を捕まえて急速に通信環境が改善したためだ。
UQコミュニケーションズも、もちろんMIMOの効果に関して疑ってはいなかったものの、ここまではっきり、数値として明確に結果が出るとは、実際にフィールドテストをするまで分からなかったと話す。言いかえれば、2013年度早期を目指すWiMAX 2のサービス開始に先立ち、今をスタート地点として基地局敷設の計画を錬ることができるとも言える。
さて、UQコミュニケーションズの野坂章雄社長によると、WiMAX 2の基地局は従来のWiMAXと同様の展開を行う予定だそうだ。すなわち、WiMAXの基地局に重ねてWiMAX 2の基地局を配置していくことになる。
基地局の間隔が300メートルより小さくなると、互いの干渉が大きくなり、通信速度や安定性の低下につながるので、現在の基地局密度(基地局間の距離は最低でも300メートル)そのままとなる可能性が高い。WiMAXとWiMAX 2の周波数割り当ては隣接した領域となるため、電波の浸透性なども含めて互換性が高く、同じ基地局設置場所に重ねてWiMAX 2基地局を設置し、エリア展開が可能となる。
この場合、野坂社長が言うようにWiMAX 2対応機器はWiMAX 2に、WiMAX対応機器はWiMAXに接続することでWiMAXのオフロード、すなわちトラフィック負荷の軽減も実現できる。おそらくWiMAX 2基地局の配置は、始まってしまえばかなり速いスピードで進むに違いない。半面、その部分での問題はないが、WiMAX 2基地局の密度が高まるまではWiMAX 2基地局の間にWiMAX基地局を挟むケースも出てくるため、WiMAX 2対応機器によるWiMAX 2接続とWiMAX接続をシームレスに切り替えるハンドオーバー処理に問題が出る可能性はあるだろう。
WiMAX 2とWiMAXは完全な後方互換はあるが異なる2つのネットワークであり、ハンドオーバー時──IPv4の場合はIPアドレスなども切り替わる。当然、ネットワーク接続のセッションはいったん切れてしまうことになる。両ネットワークはいずれもIPv6に対応しているので、その場合はもちろんIPアドレスの問題はない。ただし、現実問題として2011年7月現在、IPv6の普及がどこまで進むかはまだ不透明だ。
もっとも、同様の問題はWiMAXと3G、あるいはLTEと3Gの間にもある。おそらくアプリケーション側がアクセス手順を工夫することで、同じデバイスが異なるネットワーク間をまたがって通信を継続する(実際には再要求を別IPアドレスから行う? など)はできるようになるだろう。
●WiMAX 2のエコシステムはどうか──「トラフィックオフロード」もキーワード
もう1つ、WiMAX 2に関して気になっている部分があった。それはエコシステム、すなわちWiMAX 2を巡る経済的な循環がWiMAXよりも弱いのではないか、という懸念だ。
WiMAXの場合は、UQコミュニケーションズの事業パートナーでもあるインテルがWiMAXに対応する通信モジュールを提供し、主にPCに対して強力に普及を推進させた。WiMAX利用者はPCでもスマートフォンやタブレットデバイスなどでも利用できるポータブル無線LANルータ型のユーザーが中心になってきているが、“多くのモバイルノートPCに内蔵されている”ことが普及のドライバだったことは間違いない。
ところがインテルは、WiMAXへの支援は今後も約束しているものの、WiMAX 2に関しては2011年7月現在、対応の方針こそ示すが具体的な態度は明確にしていない。同社は2008年に独Infineon Technologiesから携帯電話向けLSI事業を買い取り、LTE技術を自社のPCプラットフォームへと取り込んでいくことを発表している。
WiMAXありきでPCのWAN対応を進めてきたかつてのインテルと今のインテルは、WiMAXに対する取り組み方が違う。もし、インテルが以前よりもWiMAXに対して積極的でないならば、WiMAX 2をドライブする大きなエコシステムの構築がうまく行かないのでは? という懸念を持っている読者もいるだろう。
また、WiMAXと3Gを組み合わせたサービスが欧米で行われていることもあり、現在はWiMAX搭載のスマートフォンも市場に投入されている。これがWiMAX 2の時代となったとき、欧米でWiMAX 2への投資がどこまで勧められるかは不透明だ。もし海外でのWiMAX 2展開が遅いようだと、WiMAX 2対応スマートフォンを含むスマートデバイスが出てこない可能性はある。
ワールドワイドでの4Gに関してはLTEの勝ちで、WiMAXは脇役になったという意見が出てくるのはこうした背景事情からだ。これでは”WiMAX”が日本でのみ突出して普及・エリア整備が進み、海外とは異なる、いわゆるガラパゴス的な環境を作り出してしまう原因になるとも考えられている。
しかし、実はそうではないのでは? というのがわたしの意見……というよりも感触だ。インテルがLTEのためにInfineonの部門を買収したのは、マルチ・コミュニケーション戦略を採るためだ。特定の通信規格だけに依存するのではなく、特徴が異なる複数の通信技術を取り込むことで、あらゆる方法でインターネットにブロードバンドで接続しようというわけだ。
WiMAX 2へのコミット状況が明らかかと言えば、現時点では明らかではない。しかし、LTEがあるからWiMAX 2への対応は積極的にはならない、という選択はしていない。なにしろWiMAX 2の商用サービス開始は2年先のこと。どのようなプランで製品に組み込むか、またマーケティングプランとしてWiMAX 2にどのように取り組むかが、現時点で決まっていないのは当然のことだろう。
また、この半年~1年ほどの状況を見ると状況が大きく変化してきている。
もともとは3Gであふれることが確実なデータ通信トラフィックを、新たな通信規格にオフロードする目的からLTEを用い、高速化を含めさまざまな改善を順次進めていく。そうした予定だったが、そんな悠長なことは言っていられなくなってしまった。
ご存知の通り、携帯電話事業者自身も予想していなかったほど早く需要が立ち上がっているスマートフォンは、世界中の3G回線を圧迫し続けており、今もトラフィックの総量は増え続けている。すでに地域や時間帯によっては、日常的に輻輳(ふくそう)が発生し、電波表示レベルは高いのに通話発信やデータ通信ができないといったトラブルもひんぱんに耳にするようになっている。
このような状況では、あらゆる手段を用いてデータトラフィックを分散させなければ、収拾のつかない状況に陥ってしまう。ワイヤレスでの通信容量が絶対的に足りない、あるいは足りなくなる。
ちなみに、通信容量は周波数の帯域、電波の利用効率、基地局密度(セルのサイズ)の3つで決まる。セルサイズはすでに、人口密集エリアにおいてはかなり詰まった配置で最初から計画されている。その上で電波の利用効率向上(LTEの普及)を見込んでも通信容量が足りなくなると、すべての携帯電話事業者が考えている。
今後、無線LANスポットの大幅増設による固定回線へのオフロードなど、さまざまな工夫を続けていくことになるが、それでも限界はある。となれば、残る手段として周波数帯域を拡げるしかない。といっても、簡単に新たな割り当てスペースが降って湧くわけでもない。したがって、同程度に利用効率の高い複数のワイヤレス通信技術を組み合わせて利用することで、1つのネットワークにトラフィックが集中することを防ぐほかない。
UQの野坂社長もこのような風向きの変化を感じているようで「最近になって、状況は大きく変化してきている」と話す。すでに基地局のユニバーサル対応は進んでいるが、端末に関しても携帯電話やスマートフォン向けの回線が混んでいるなら、ポータブルルータやPC向けは、WiMAX 2などのデータ通信に特化したネットワークに流す方がいい。
「同じTDDだから、TD-LTEと競合するためWiMAX 2はダメ──といった話は聞いたことがある。しかし、これは話として面白おかしく書いているだけだと思う。TDDかFDDか、LTEかWiMAXかといった議論は問題ではない。無線LANも含め、どんな手段を使ってでもトラフィックを分散していかなければ、現実には対処できない」(UQコミュニケーションズの野坂社長)
この点で、WiMAXの普及が進んでいる日本(UQコミュニケーションズ)が、技術やノウハウの面でも一番進んでいると野坂社長は自負する。アメリカ、アジアからは、ここに来てWiMAXのネットワーク構築ノウハウを教えてくれ、という話が多数あるという。そこでアジア地区のWiMAX、WiMAX 2普及を促進させるため、各国から関係者を集めたカンファレンスも行っているという。
予想以上のスマートフォン/スマートデバイスの伸びが、UQコミュニケーションズにとって大きなプラス要因となり、WiMAX 2普及へのドライバとなる可能性がある。
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【WiMAX 2のエコシステムとトラフィックオフロードの目的とは?】
・オフィスビル街でのフィールドテスト 「4x4 MIMOの効果」が興味深い
本誌でも伝えられたように、WiMAXの次世代規格「WiMAX 2」の公開通信実験が、東京・大手町のKDDIホールで行われた。今回はバスで移動しながらとなる20MHz幅でのワイヤレス通信も行い、最大で実行転送速度が150Mbpsを超える、まさにワイヤレスブロードバンドと言うにふさわしい高速通信の世界が目の前で展開された。
もちろん、単に高速通信が可能であるという技術面での実証公開実験という意味では、2010年10月に行われたCEATEC JAPAN 2010において、有線の中に40MHz幅のWiMAX 2信号を通した最大330Mbpsの試験を見せている。新しい規格なのだから高速で当たり前、という思う人もいるだろう。しかし、実環境でのワイヤレス通信と有線環境でのシミュレーションでは意味が違う。
ポイントは3つある。実際のオフィス街において、静止状態で150Mbpsに達する通信速度が実現できていること。4×4 MIMOの効果は明らかで、特にビル群の中において通信速度確保の大きな助けになることが実証されたこと。そして、半径300メートル程のセルサイズ(都心におけるWiMAXのセルサイズと同じ)で基地局を打つことで、都心のビル街で100Mbps以上の速度がどこでも利用できること。
それぞれについて少し掘り下げてみたい。
まず速度だが、今回の実験用20MHz帯域と4×4 MIMOの組み合わせでは、WiMAX 2の理論最大速度は下り165Mbpsとなる。これに対して150Mbpsに達する速度を実現できたのだから、間違いなく成功と言えるだろう。
KDDI大手町ビル23階に設置された基地局・屋上のアンテナに対して、直下の場所で静止時に通信した速度とはいえ、高層ビルが立ち並ぶ中で理論値に近い速度が出ていた。バスが移動し始めると電波に揺らぎが加わるため速度は落ちるが、それでも90M~100Mbps程度は維持し続けた。
さらに興味深いのは4x4 MIMOの効果だ。MIMOは複数のアンテナを用い、反射して入ってくる電波を個別に捉えることで通信の品質を向上させる技術。実際に実証試験を始める前までは、WiMAX 2の4×4(規格上は8×8の構成もある)という構成の実効性に疑問の声も出ていた。ところが、東京・大手町というオフィスビル街の中ではビルに反射した反射波が多数得られるため、移動しながらでも100Mbps程度の速度を維持できていた。
と、いかにもMIMOがうまく働いたと書いているのは、その後、バスが皇居周囲の内堀通りに差しかかると、通信速度が半分程度に落ち込んでしまったからだ。内堀通りは片面が皇居となり、そこには電波を反射するものがない。このため、捕まえられる電波の経路が減り、通信速度が落ちたというわけだ。
ところが、ふたたび交差点に差し掛かりビル群の中に入ろうと30度ほどバスが転回すると、たちまち通信速度が向上し、あっという間に100Mbpsにまで達した。こちらは新たな反射波を捕まえて急速に通信環境が改善したためだ。
UQコミュニケーションズも、もちろんMIMOの効果に関して疑ってはいなかったものの、ここまではっきり、数値として明確に結果が出るとは、実際にフィールドテストをするまで分からなかったと話す。言いかえれば、2013年度早期を目指すWiMAX 2のサービス開始に先立ち、今をスタート地点として基地局敷設の計画を錬ることができるとも言える。
さて、UQコミュニケーションズの野坂章雄社長によると、WiMAX 2の基地局は従来のWiMAXと同様の展開を行う予定だそうだ。すなわち、WiMAXの基地局に重ねてWiMAX 2の基地局を配置していくことになる。
基地局の間隔が300メートルより小さくなると、互いの干渉が大きくなり、通信速度や安定性の低下につながるので、現在の基地局密度(基地局間の距離は最低でも300メートル)そのままとなる可能性が高い。WiMAXとWiMAX 2の周波数割り当ては隣接した領域となるため、電波の浸透性なども含めて互換性が高く、同じ基地局設置場所に重ねてWiMAX 2基地局を設置し、エリア展開が可能となる。
この場合、野坂社長が言うようにWiMAX 2対応機器はWiMAX 2に、WiMAX対応機器はWiMAXに接続することでWiMAXのオフロード、すなわちトラフィック負荷の軽減も実現できる。おそらくWiMAX 2基地局の配置は、始まってしまえばかなり速いスピードで進むに違いない。半面、その部分での問題はないが、WiMAX 2基地局の密度が高まるまではWiMAX 2基地局の間にWiMAX基地局を挟むケースも出てくるため、WiMAX 2対応機器によるWiMAX 2接続とWiMAX接続をシームレスに切り替えるハンドオーバー処理に問題が出る可能性はあるだろう。
WiMAX 2とWiMAXは完全な後方互換はあるが異なる2つのネットワークであり、ハンドオーバー時──IPv4の場合はIPアドレスなども切り替わる。当然、ネットワーク接続のセッションはいったん切れてしまうことになる。両ネットワークはいずれもIPv6に対応しているので、その場合はもちろんIPアドレスの問題はない。ただし、現実問題として2011年7月現在、IPv6の普及がどこまで進むかはまだ不透明だ。
もっとも、同様の問題はWiMAXと3G、あるいはLTEと3Gの間にもある。おそらくアプリケーション側がアクセス手順を工夫することで、同じデバイスが異なるネットワーク間をまたがって通信を継続する(実際には再要求を別IPアドレスから行う? など)はできるようになるだろう。
●WiMAX 2のエコシステムはどうか──「トラフィックオフロード」もキーワード
もう1つ、WiMAX 2に関して気になっている部分があった。それはエコシステム、すなわちWiMAX 2を巡る経済的な循環がWiMAXよりも弱いのではないか、という懸念だ。
WiMAXの場合は、UQコミュニケーションズの事業パートナーでもあるインテルがWiMAXに対応する通信モジュールを提供し、主にPCに対して強力に普及を推進させた。WiMAX利用者はPCでもスマートフォンやタブレットデバイスなどでも利用できるポータブル無線LANルータ型のユーザーが中心になってきているが、“多くのモバイルノートPCに内蔵されている”ことが普及のドライバだったことは間違いない。
ところがインテルは、WiMAXへの支援は今後も約束しているものの、WiMAX 2に関しては2011年7月現在、対応の方針こそ示すが具体的な態度は明確にしていない。同社は2008年に独Infineon Technologiesから携帯電話向けLSI事業を買い取り、LTE技術を自社のPCプラットフォームへと取り込んでいくことを発表している。
WiMAXありきでPCのWAN対応を進めてきたかつてのインテルと今のインテルは、WiMAXに対する取り組み方が違う。もし、インテルが以前よりもWiMAXに対して積極的でないならば、WiMAX 2をドライブする大きなエコシステムの構築がうまく行かないのでは? という懸念を持っている読者もいるだろう。
また、WiMAXと3Gを組み合わせたサービスが欧米で行われていることもあり、現在はWiMAX搭載のスマートフォンも市場に投入されている。これがWiMAX 2の時代となったとき、欧米でWiMAX 2への投資がどこまで勧められるかは不透明だ。もし海外でのWiMAX 2展開が遅いようだと、WiMAX 2対応スマートフォンを含むスマートデバイスが出てこない可能性はある。
ワールドワイドでの4Gに関してはLTEの勝ちで、WiMAXは脇役になったという意見が出てくるのはこうした背景事情からだ。これでは”WiMAX”が日本でのみ突出して普及・エリア整備が進み、海外とは異なる、いわゆるガラパゴス的な環境を作り出してしまう原因になるとも考えられている。
しかし、実はそうではないのでは? というのがわたしの意見……というよりも感触だ。インテルがLTEのためにInfineonの部門を買収したのは、マルチ・コミュニケーション戦略を採るためだ。特定の通信規格だけに依存するのではなく、特徴が異なる複数の通信技術を取り込むことで、あらゆる方法でインターネットにブロードバンドで接続しようというわけだ。
WiMAX 2へのコミット状況が明らかかと言えば、現時点では明らかではない。しかし、LTEがあるからWiMAX 2への対応は積極的にはならない、という選択はしていない。なにしろWiMAX 2の商用サービス開始は2年先のこと。どのようなプランで製品に組み込むか、またマーケティングプランとしてWiMAX 2にどのように取り組むかが、現時点で決まっていないのは当然のことだろう。
また、この半年~1年ほどの状況を見ると状況が大きく変化してきている。
もともとは3Gであふれることが確実なデータ通信トラフィックを、新たな通信規格にオフロードする目的からLTEを用い、高速化を含めさまざまな改善を順次進めていく。そうした予定だったが、そんな悠長なことは言っていられなくなってしまった。
ご存知の通り、携帯電話事業者自身も予想していなかったほど早く需要が立ち上がっているスマートフォンは、世界中の3G回線を圧迫し続けており、今もトラフィックの総量は増え続けている。すでに地域や時間帯によっては、日常的に輻輳(ふくそう)が発生し、電波表示レベルは高いのに通話発信やデータ通信ができないといったトラブルもひんぱんに耳にするようになっている。
このような状況では、あらゆる手段を用いてデータトラフィックを分散させなければ、収拾のつかない状況に陥ってしまう。ワイヤレスでの通信容量が絶対的に足りない、あるいは足りなくなる。
ちなみに、通信容量は周波数の帯域、電波の利用効率、基地局密度(セルのサイズ)の3つで決まる。セルサイズはすでに、人口密集エリアにおいてはかなり詰まった配置で最初から計画されている。その上で電波の利用効率向上(LTEの普及)を見込んでも通信容量が足りなくなると、すべての携帯電話事業者が考えている。
今後、無線LANスポットの大幅増設による固定回線へのオフロードなど、さまざまな工夫を続けていくことになるが、それでも限界はある。となれば、残る手段として周波数帯域を拡げるしかない。といっても、簡単に新たな割り当てスペースが降って湧くわけでもない。したがって、同程度に利用効率の高い複数のワイヤレス通信技術を組み合わせて利用することで、1つのネットワークにトラフィックが集中することを防ぐほかない。
UQの野坂社長もこのような風向きの変化を感じているようで「最近になって、状況は大きく変化してきている」と話す。すでに基地局のユニバーサル対応は進んでいるが、端末に関しても携帯電話やスマートフォン向けの回線が混んでいるなら、ポータブルルータやPC向けは、WiMAX 2などのデータ通信に特化したネットワークに流す方がいい。
「同じTDDだから、TD-LTEと競合するためWiMAX 2はダメ──といった話は聞いたことがある。しかし、これは話として面白おかしく書いているだけだと思う。TDDかFDDか、LTEかWiMAXかといった議論は問題ではない。無線LANも含め、どんな手段を使ってでもトラフィックを分散していかなければ、現実には対処できない」(UQコミュニケーションズの野坂社長)
この点で、WiMAXの普及が進んでいる日本(UQコミュニケーションズ)が、技術やノウハウの面でも一番進んでいると野坂社長は自負する。アメリカ、アジアからは、ここに来てWiMAXのネットワーク構築ノウハウを教えてくれ、という話が多数あるという。そこでアジア地区のWiMAX、WiMAX 2普及を促進させるため、各国から関係者を集めたカンファレンスも行っているという。
予想以上のスマートフォン/スマートデバイスの伸びが、UQコミュニケーションズにとって大きなプラス要因となり、WiMAX 2普及へのドライバとなる可能性がある。
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モバイルニュース どう進化する? スマホ時代のモバイルネットワーク――携帯3社が解説
「スマートフォンが人気を博している。販売目標台数を上方修正しなくてはいけないとみている」
2011年度に600万台のスマートフォンを販売するとしたKDDIだが、同社の技術企画本部 岩男恵本部長からはこんな言葉がこぼれた。今や各社の端末ラインアップの主役はスマートフォンとなり、フィーチャーフォンからのユーザーシフトはキャリアの予想を上回る速度で進んでいる。
PC向けサイトはもちろん、動画ストリーミングをはじめとするリッチなインターネットコンテンツと親和性の高いスマートフォンでは、これまで以上にネットワークのスピードや容量が重要だ。既存の3G網だけではいずれネットワークが飽和すると言われている中、各社はどのように通信システムを進化させていくのか――7月6日、無線通信技術の展示会「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2011」の講演で、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのネットワークの現状と今後が解説された。
●現状は37.5Mbpsだが、端末は100Mbpsのポテンシャル――ドコモのLTEサービス
2010年12月にLTEサービス「Xi(クロッシィ)」の提供を開始したNTTドコモ。LTE(Long Term Evolution)は、世界的に導入が進みつつある次世代移動体通信システムであり、現行の3Gネットワークと比較して高速、大容量(高い周波数利用効率)、低遅延といった特徴を持つ。同社はこのLTEを今後のネットワーク戦略の軸として考えている。
Xiはサービス開始当初、下り最大37.5Mnpsの通信速度に対応するサービスエリアを東名阪の一部に構築し、7月からは全国主要6都市(札幌・仙台・金沢・広島・高松・福岡)にもエリアを拡大した。今年度中には全国の県庁所在地都市、来年度には全国の主要都市へと展開する予定だ。2014年度に人口カバー率70%の突破を見込んでいる。
さらに一部屋内では下り最大75Mbpsと、屋外の2倍の通信速度も提供している。この速度の違いは、利用する周波数の“帯域幅”の違いからくるもの。屋外が5MHzの帯域幅でサービスを提供しているのに対し、これらの屋内では10MHzとより広帯域の電波を使っているため、通信が速くなる。
なぜ10MHzのネットワークを屋外に構築しないのか――それには、同社のLTEサービスが現行の3Gネットワークと同じ2GHz帯で提供されていることが関係している。20MHzある保有帯域幅のうち、まずは5MHzをLTEサービスに充て、3GとLTEを同じ周波数帯で共存させつつ、普及状況に合わせて徐々にLTEに充てる帯域幅を増やす考え。同社研究開発推進部の尾上誠蔵部長は、「端末のスペック的には100Mbpsに対応している」と話し、現行の端末でも将来的に下り最大100Mbpsのサービスを享受できる可能性があることを示唆した。
●実測の速さをアピールするKDDI
記事冒頭の言葉どおり、KDDIの岩男氏は加速するスマートフォンへのシフトを強調し、今後もその勢いが加速するとの見方を示す。同社は2015年にスマートフォンの稼働台数が6000万台を突破し、国内携帯電話の半数がスマートフォンになると予測しているが「実勢はこの計画よりももっと勢いがついているのではないか」と岩男氏は指摘する。
ネットワーク対策としては、2010年10月に新たな通信システム「マルチキャリアRev.A」を導入。下り最大3.1MbpsのCDMA2000 EV-DO Rev.Aの搬送波を最大3本束ね、同時に利用することで、下り最大9Mbpsにまで通信速度を高めている。
岩男氏はマルチキャリアRev.Aの実測での速さを強調し、携帯電話の通信速度計測などができるWebサイト「http://mpw.jp/」での成績を披露。全体的に通信速度が速く、5Mbps近いスループットも記録していることをアピールした。さらに5月~6月のAndroid端末のスループット比較では、下り最大14Mbpsの他社のHSDPAサービス(資料ではA社とされているが、ドコモのFOMAハイスピードと考えられる)と同等のスループットを確保しているとした。
今後は、2012年4月以降に「EV-DO Advanced」を導入する。同システムでは、ある基地局にトラフィックが集中した際に、周辺局にトラフィックを分散する機能が備わっており、「1.5倍ぐらいのネットワーク容量の増加につながるのでは」と岩男氏は期待する。
さらに、2012年12月にはLTEサービスを開始する計画だ。800MHz帯と1.5GHz帯で、それぞれ10MHzの帯域幅を使ってサービスを展開する。メインに利用するのは800MHz帯で、トラフィック集中エリアに1.5GHz帯をあてがっていくという。2014年度までに3G網のカバーエリア相当となる人口カバー率96.5%の達成を見込む。「基地局の設置はすでに進めている。サービス開始時にはそれなりの数の基地局で一気に全国区展開する」(岩男氏)
このほか、同社ではマルチネットワークの利用を推進しており、モバイルトラフィックをCATVやFTTH、WiMAX、Wi-Fiといったネットワークに分散させていく計画。3GとWiMAXを自動で切り替えて利用するデータ端末「DATA 01」をはじめ、ユーザーが意識することなく最適なネットワークを利用できるサービスを開発していく考えだ。
●世界のエコシステムと連携し、100Mbps超の高度化XGPを展開――ソフトバンク
ソフトバンクの新たなネットワークとして注目が集まっている「XGP」――次世代PHSとしてウィルコムが提供していた通信システムで、現在はソフトバンク子会社のWireless City Planning(WCP)が継承し、新たなサービス展開に向け準備を進めている。WCPの渉外統括部 標準化推進部の上村治部長は、講演でXGPの技術的特徴と、今後提供を予定する“高度化XGP”について説明した。
上村氏はXGPの特徴として、同システムがTDD(Time Division Duplex)を採用していることをまず挙げる。TDDは、通信を時間に応じて細かく区分し、1つの周波数バンドで送受信を行う技術のこと。一方、W−CDMAやCDMA2000といった日本の3Gネットワークでは、送信と受信それぞれに異なる周波数バンドを充てるFDD(Frequency Division Duplex)が利用されている。
ペアバンドが不要なFDDでは、周波数の割り当てが比較的容易であるほか、バンドとバンドとの干渉を防ぐガードバンドなどの適応も少なくすみ、効率的に電波を利用できる。また、同じ周波数で送受信するTDDの特徴はスマートアンテナ技術との親和性が高く、電波の干渉回避が期待できると上村氏は説明する。
PHSの特徴であるマイクロセル(高密度な基地局設置)を継承しているのもポイントだ。面積あたりのネットワーク容量が大きく、トラフィックが集中してもスピードが落ちにくいといった特徴がある。
TDDはこれまで「世界的には発展してこなかった」とする上村氏だが、一方で中国やインドなどでTD-LTE(TDDによるLTE)が採用されはじめ、流れは変わってきたという。同社ではこうしたグローバル市場のエコシステムと連携し、より低コストにネットワークを構築できる新しいXGPサービスを準備中だ。具体的には、TD-LTEの機器を流用できる仕様に調整されている。
新たなXGPは「高度化XGP」と呼ばれ、MIMOの導入や帯域幅の拡張(10MHzから20MHzへ)、フレーム構造の拡張(非対称化やフレーム長の拡大)といった見直しにより、規格速度の高速化が図られている。また、基地局出力などの調整も行われ、マイクロセルのメリットを生かしつつ、エリアカバレッジの拡張による効率的なエリア展開ができるようになった。
こうした改善により、高度化XGPでは下り100Mbps超、上り15Mbps超の最大通信速度に対応したデータ通信サービスを提供する考え(ただし、通信能力は端末にも依存)。事業展開には「まだまだ考えるべきところがある」と上村氏は話すが、一方で「MVNOサービスを積極的にやっていく」といった方針も説明した。サービス開始時期の詳細は明らかにされていないが、今年の秋以降から来年にかけて登場する見込みだ。また、人口カバー率92%を2012年度末に達成する目標を立てており、早い段階での広域なエリア展開が予想される。
(プロモバ)
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2011年度に600万台のスマートフォンを販売するとしたKDDIだが、同社の技術企画本部 岩男恵本部長からはこんな言葉がこぼれた。今や各社の端末ラインアップの主役はスマートフォンとなり、フィーチャーフォンからのユーザーシフトはキャリアの予想を上回る速度で進んでいる。
PC向けサイトはもちろん、動画ストリーミングをはじめとするリッチなインターネットコンテンツと親和性の高いスマートフォンでは、これまで以上にネットワークのスピードや容量が重要だ。既存の3G網だけではいずれネットワークが飽和すると言われている中、各社はどのように通信システムを進化させていくのか――7月6日、無線通信技術の展示会「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2011」の講演で、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのネットワークの現状と今後が解説された。
●現状は37.5Mbpsだが、端末は100Mbpsのポテンシャル――ドコモのLTEサービス
2010年12月にLTEサービス「Xi(クロッシィ)」の提供を開始したNTTドコモ。LTE(Long Term Evolution)は、世界的に導入が進みつつある次世代移動体通信システムであり、現行の3Gネットワークと比較して高速、大容量(高い周波数利用効率)、低遅延といった特徴を持つ。同社はこのLTEを今後のネットワーク戦略の軸として考えている。
Xiはサービス開始当初、下り最大37.5Mnpsの通信速度に対応するサービスエリアを東名阪の一部に構築し、7月からは全国主要6都市(札幌・仙台・金沢・広島・高松・福岡)にもエリアを拡大した。今年度中には全国の県庁所在地都市、来年度には全国の主要都市へと展開する予定だ。2014年度に人口カバー率70%の突破を見込んでいる。
さらに一部屋内では下り最大75Mbpsと、屋外の2倍の通信速度も提供している。この速度の違いは、利用する周波数の“帯域幅”の違いからくるもの。屋外が5MHzの帯域幅でサービスを提供しているのに対し、これらの屋内では10MHzとより広帯域の電波を使っているため、通信が速くなる。
なぜ10MHzのネットワークを屋外に構築しないのか――それには、同社のLTEサービスが現行の3Gネットワークと同じ2GHz帯で提供されていることが関係している。20MHzある保有帯域幅のうち、まずは5MHzをLTEサービスに充て、3GとLTEを同じ周波数帯で共存させつつ、普及状況に合わせて徐々にLTEに充てる帯域幅を増やす考え。同社研究開発推進部の尾上誠蔵部長は、「端末のスペック的には100Mbpsに対応している」と話し、現行の端末でも将来的に下り最大100Mbpsのサービスを享受できる可能性があることを示唆した。
●実測の速さをアピールするKDDI
記事冒頭の言葉どおり、KDDIの岩男氏は加速するスマートフォンへのシフトを強調し、今後もその勢いが加速するとの見方を示す。同社は2015年にスマートフォンの稼働台数が6000万台を突破し、国内携帯電話の半数がスマートフォンになると予測しているが「実勢はこの計画よりももっと勢いがついているのではないか」と岩男氏は指摘する。
ネットワーク対策としては、2010年10月に新たな通信システム「マルチキャリアRev.A」を導入。下り最大3.1MbpsのCDMA2000 EV-DO Rev.Aの搬送波を最大3本束ね、同時に利用することで、下り最大9Mbpsにまで通信速度を高めている。
岩男氏はマルチキャリアRev.Aの実測での速さを強調し、携帯電話の通信速度計測などができるWebサイト「http://mpw.jp/」での成績を披露。全体的に通信速度が速く、5Mbps近いスループットも記録していることをアピールした。さらに5月~6月のAndroid端末のスループット比較では、下り最大14Mbpsの他社のHSDPAサービス(資料ではA社とされているが、ドコモのFOMAハイスピードと考えられる)と同等のスループットを確保しているとした。
今後は、2012年4月以降に「EV-DO Advanced」を導入する。同システムでは、ある基地局にトラフィックが集中した際に、周辺局にトラフィックを分散する機能が備わっており、「1.5倍ぐらいのネットワーク容量の増加につながるのでは」と岩男氏は期待する。
さらに、2012年12月にはLTEサービスを開始する計画だ。800MHz帯と1.5GHz帯で、それぞれ10MHzの帯域幅を使ってサービスを展開する。メインに利用するのは800MHz帯で、トラフィック集中エリアに1.5GHz帯をあてがっていくという。2014年度までに3G網のカバーエリア相当となる人口カバー率96.5%の達成を見込む。「基地局の設置はすでに進めている。サービス開始時にはそれなりの数の基地局で一気に全国区展開する」(岩男氏)
このほか、同社ではマルチネットワークの利用を推進しており、モバイルトラフィックをCATVやFTTH、WiMAX、Wi-Fiといったネットワークに分散させていく計画。3GとWiMAXを自動で切り替えて利用するデータ端末「DATA 01」をはじめ、ユーザーが意識することなく最適なネットワークを利用できるサービスを開発していく考えだ。
●世界のエコシステムと連携し、100Mbps超の高度化XGPを展開――ソフトバンク
ソフトバンクの新たなネットワークとして注目が集まっている「XGP」――次世代PHSとしてウィルコムが提供していた通信システムで、現在はソフトバンク子会社のWireless City Planning(WCP)が継承し、新たなサービス展開に向け準備を進めている。WCPの渉外統括部 標準化推進部の上村治部長は、講演でXGPの技術的特徴と、今後提供を予定する“高度化XGP”について説明した。
上村氏はXGPの特徴として、同システムがTDD(Time Division Duplex)を採用していることをまず挙げる。TDDは、通信を時間に応じて細かく区分し、1つの周波数バンドで送受信を行う技術のこと。一方、W−CDMAやCDMA2000といった日本の3Gネットワークでは、送信と受信それぞれに異なる周波数バンドを充てるFDD(Frequency Division Duplex)が利用されている。
ペアバンドが不要なFDDでは、周波数の割り当てが比較的容易であるほか、バンドとバンドとの干渉を防ぐガードバンドなどの適応も少なくすみ、効率的に電波を利用できる。また、同じ周波数で送受信するTDDの特徴はスマートアンテナ技術との親和性が高く、電波の干渉回避が期待できると上村氏は説明する。
PHSの特徴であるマイクロセル(高密度な基地局設置)を継承しているのもポイントだ。面積あたりのネットワーク容量が大きく、トラフィックが集中してもスピードが落ちにくいといった特徴がある。
TDDはこれまで「世界的には発展してこなかった」とする上村氏だが、一方で中国やインドなどでTD-LTE(TDDによるLTE)が採用されはじめ、流れは変わってきたという。同社ではこうしたグローバル市場のエコシステムと連携し、より低コストにネットワークを構築できる新しいXGPサービスを準備中だ。具体的には、TD-LTEの機器を流用できる仕様に調整されている。
新たなXGPは「高度化XGP」と呼ばれ、MIMOの導入や帯域幅の拡張(10MHzから20MHzへ)、フレーム構造の拡張(非対称化やフレーム長の拡大)といった見直しにより、規格速度の高速化が図られている。また、基地局出力などの調整も行われ、マイクロセルのメリットを生かしつつ、エリアカバレッジの拡張による効率的なエリア展開ができるようになった。
こうした改善により、高度化XGPでは下り100Mbps超、上り15Mbps超の最大通信速度に対応したデータ通信サービスを提供する考え(ただし、通信能力は端末にも依存)。事業展開には「まだまだ考えるべきところがある」と上村氏は話すが、一方で「MVNOサービスを積極的にやっていく」といった方針も説明した。サービス開始時期の詳細は明らかにされていないが、今年の秋以降から来年にかけて登場する見込みだ。また、人口カバー率92%を2012年度末に達成する目標を立てており、早い段階での広域なエリア展開が予想される。
(プロモバ)
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モバイルニュース 日本マイクロソフト樋口社長、Windows Phone投入を明言
日本マイクロソフトは、7月から新年度となったことにあわせ、報道関係者向けに経営方針説明会を開催した。同社代表執行役社長の樋口泰行氏から、各分野への取り組みが語られたほか、Windows Phoneについて、日本市場への投入が明言された。
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■ Windows Phone、詳細は未定
今回の説明会は、6月末で会計年度が切り替わる同社において、7月から2012年度がスタートしたことを受けて実施されたもの。2011年度の取り組みを振り返るとともに、2012年度に注力するポイントが紹介された。
2012年度に注力する分野として「デバイス/コンシューマー」「クラウド」「ソリューション」の3つを掲げた樋口氏は、Windows Phoneについて、「いつとは申し上げられないが、投入いたします」と述べ、日本市場でのWindows Phone投入を明言した。
過去にWindows Mobileシリーズが提供されていたものの、全てが一新され、Windows Phone 7となったマイクロソフトのスマートフォンプラットフォームが日本で登場するかどうか、5月に新バージョン「Mango」が発表された際も正式に案内されることはなかった。しかし、6月には開発者向けイベントが開催されるなど、近い将来、日本市場への登場が示唆されていたところで、今回、樋口社長自身の口から、国内への投入が明言された。
質疑応答で、スマートフォン市場での出遅れを指摘された樋口氏は「出遅れているのは確かで、この業界では、ちょっとした出遅れが与えるインパクトは大きいと感じている。しかし、特に日本では、パソコンメーカーと携帯電話メーカーはオーバーラップしている。そういったパートナーを基本として、スレート(タブレット)にしてもいろんな形状がバラエティ良く出てくる。フォン(携帯電話)については、コンシューマー向け、ビジネス向けと、1人2台持つわけはない、1台持つことになるだろうと思うので、オフィス製品などで培った流れをテコにしていきたい」と述べた。また、マーケティング施策についても準備は進めているものの、まだ明らかにできないとした。
さらに「Mangoは最終段階にあり、通信事業者や製造メーカー、コンテンツプロバイダーとも連携して、対応アプリやサービスの開発も進めている」と説明し、ゲームや出版、エンターテイメントのほか、飲食店やナビ、ショッピング、旅行などの検索についても対応アプリ、あるいはSNSとの連携も進めているという。
7月1日付けで同社内に設立された新部門「コンシューマー&パートナーグループ」で、モバイル分野も担当する同グループコミュニケーションズパートナー統括本部長兼コミュニケーションズインダストリー統括本部長の横井信好氏は「Mangoは非常に良い製品に仕上がりつつある。ユーザーインターフェイスも特徴的で各種サービスも揃って魅力的になる。出遅れたのは事実だが、スマートフォン市場はまだパイがあるし、潜在需要もある」と述べた。また、アプリ開発者向け施策を担当する執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏からも、Windows Phone向けアプリの開発者を支援する方針があらためて語られた。
■ 「日本に貢献」
このほか説明会では、昨年度について「着実に進化を遂げた一年」と評価し、クラウド事業の進展、パートナーシップの強化、本社移転などが紹介された。
また、説明会の冒頭、現在の日本の状況について触れた樋口氏は、少子高齢化が進み、国際的な競争力が相対的に落ち込みつつある中で、東日本大震災、原発事故が続き、政治についても“笑ってしまうほどの状況”と評し、こうした状況だからこそ「ビジネスに携わる者だけでも頑張らなければどうにもならない、という文脈になってているように思う」「プラットフォームを提供する者として、お客様がグローバルに展開するための足場になるべく貢献したい」と決意を述べていた。
【ケータイ Watch,関口 聖】
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■ Windows Phone、詳細は未定
今回の説明会は、6月末で会計年度が切り替わる同社において、7月から2012年度がスタートしたことを受けて実施されたもの。2011年度の取り組みを振り返るとともに、2012年度に注力するポイントが紹介された。
2012年度に注力する分野として「デバイス/コンシューマー」「クラウド」「ソリューション」の3つを掲げた樋口氏は、Windows Phoneについて、「いつとは申し上げられないが、投入いたします」と述べ、日本市場でのWindows Phone投入を明言した。
過去にWindows Mobileシリーズが提供されていたものの、全てが一新され、Windows Phone 7となったマイクロソフトのスマートフォンプラットフォームが日本で登場するかどうか、5月に新バージョン「Mango」が発表された際も正式に案内されることはなかった。しかし、6月には開発者向けイベントが開催されるなど、近い将来、日本市場への登場が示唆されていたところで、今回、樋口社長自身の口から、国内への投入が明言された。
質疑応答で、スマートフォン市場での出遅れを指摘された樋口氏は「出遅れているのは確かで、この業界では、ちょっとした出遅れが与えるインパクトは大きいと感じている。しかし、特に日本では、パソコンメーカーと携帯電話メーカーはオーバーラップしている。そういったパートナーを基本として、スレート(タブレット)にしてもいろんな形状がバラエティ良く出てくる。フォン(携帯電話)については、コンシューマー向け、ビジネス向けと、1人2台持つわけはない、1台持つことになるだろうと思うので、オフィス製品などで培った流れをテコにしていきたい」と述べた。また、マーケティング施策についても準備は進めているものの、まだ明らかにできないとした。
さらに「Mangoは最終段階にあり、通信事業者や製造メーカー、コンテンツプロバイダーとも連携して、対応アプリやサービスの開発も進めている」と説明し、ゲームや出版、エンターテイメントのほか、飲食店やナビ、ショッピング、旅行などの検索についても対応アプリ、あるいはSNSとの連携も進めているという。
7月1日付けで同社内に設立された新部門「コンシューマー&パートナーグループ」で、モバイル分野も担当する同グループコミュニケーションズパートナー統括本部長兼コミュニケーションズインダストリー統括本部長の横井信好氏は「Mangoは非常に良い製品に仕上がりつつある。ユーザーインターフェイスも特徴的で各種サービスも揃って魅力的になる。出遅れたのは事実だが、スマートフォン市場はまだパイがあるし、潜在需要もある」と述べた。また、アプリ開発者向け施策を担当する執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏からも、Windows Phone向けアプリの開発者を支援する方針があらためて語られた。
■ 「日本に貢献」
このほか説明会では、昨年度について「着実に進化を遂げた一年」と評価し、クラウド事業の進展、パートナーシップの強化、本社移転などが紹介された。
また、説明会の冒頭、現在の日本の状況について触れた樋口氏は、少子高齢化が進み、国際的な競争力が相対的に落ち込みつつある中で、東日本大震災、原発事故が続き、政治についても“笑ってしまうほどの状況”と評し、こうした状況だからこそ「ビジネスに携わる者だけでも頑張らなければどうにもならない、という文脈になってているように思う」「プラットフォームを提供する者として、お客様がグローバルに展開するための足場になるべく貢献したい」と決意を述べていた。
【ケータイ Watch,関口 聖】
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