【奉納作品の製作】 | 【香川 丸亀】もあいさんちのブログ 

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小豆島霊場八十八ヶ所 第1番札所 洞雲山

毎年、夏至前後の約50日間、晴天の午後3時頃の数分の間、太陽の光でお姿を見せてくださる夏至観音さま。 
(2023年年6月撮影)
冬至を過ぎての満月の夜、前後数日の中で条件が揃った夜に、お月さまの光でお姿を見せてくださる月光観音さま。
(2020年1月撮影)
私はこれまでに4度、夏至観音さまと月光観音さまのお姿を拝させていただきました。
そして、昨年拝した『夏至観音さま』と『大師お杖の水』でお大師さまのお姿を拝した時から、お告げとも思えるような不思議な出来事が何度もありました。
しかも、今回は私だけじゃなくて『ん?なんで?どうして?』ということが相方にもあり…二人して思うところありという事で、二人で洞雲山さんに奉納する作品を製作することを決めました。

洞雲山の大師堂を過ぎ、大きな杉の木の間の階段を上ると奥に見える岩窪にあるのは『大師お杖の水』

この大きな杉の木からは、いつもあたたかいエネルギーが降り注がれている感じがします。

今回の作品製作には縦60センチ横40センチの杉の板を準備しました。

板の色は何色に?太陽と月、観音さまの位置は?どんなデザインに?頭の中で、洞雲山さんで拝した観音さまやお大師さまと対話するようなイメージで考えていきます。
結果、木に色は塗らず白木のままの杉板に、夏至観音さまと月光観音さまの形をトレースし、太陽と月は丸く型取り、釘打ちすることに。
トントントントン…
いつものようにリズムよく正確に相方が打ってくれます。
板面に映るこの釘の影も作品の一部となります。
また、これから張られていく糸を影でしっかりと支えてくれる縁の下の力持ちさんです。いつもありがとう。

糸を掛けて表現した「太陽」
糸を掛けて表現した「月」
「太陽」と「月」
「観音菩薩様」
太陽と月、それぞれ掛け方を変え、もちろん糸も変え、それぞれの特徴が見る角度で変化し、違った表情を見せてくれるように糸で表現しました。
観音さまは規則性を持たせた掛け方に、デザイン性も持たせた掛け方を加えた完全オリジナルの掛け方。夏至観音さまと月光観音さまは岩壁に現れるので、壁面の凹凸も感じ取れるように工夫し表現しています。
連日連夜、糸を掛けてはイメージが違うと解いて掛け直すを何度も繰り返し、もちろん糸も変更してみたり、納得するイメージとなるまで繰り返しました。
次は、『夏至観音菩薩』と『月光観音菩薩』の文字が入った木札の製作。篆刻の経験がある相方が、試しに「夏」の文字を彫ってみて、私が色を塗って二人で確認。「これで決まりやね!!」文字入れに関しては相方が担当してくれることになりました。
木札のカット
転写
杉は木目の模様によって表面の硬さにかなり違いがあり、文字の転写が綺麗にできる箇所とできない箇所が…。うまく転写できなかった箇所はフリーハンドで文字を書いてくれたものの、書いていると木目に線を取られ曲線が書きづらく大変だったようですが、いつものように慎重に、丁寧に書いてくれてました。
転写した文字は、場所により浅く削ったり、深く削ったりと、徐々に美しい文字が浮かび上がってきます。気を抜くと、木の堅い部分にルーターが弾かれ、削ってはいけない箇所まで削ってしまう事になるため、終止気の抜けない作業だったようです。
次は杉板の周囲に付ける枠の作成。
組み合わせ時の45度の角度を考えた上で採寸し、カットします。
四角に枠を組むために、木枠の両端を45度の角度でカット。取り付け時、上下左右の枠の両端を補強のために釘打ちするので割れ防止の為、予め下穴を開けておきます。
出来上がった木枠
相方も作業に取り掛かると集中する人なので、修行のように数日ほぼ寝ずの作業を続けてくれました。彫り終えた木札は「このままの状態でもよくない!?」と思ったほどに美しかったです。
板に合わせてみます

木枠の取り付け

最後の作業となる、文字への彩色。
お互いに一枚ずつ担当し、一番細い0号の筆を使い、細心の注意を払いながら塗っていきました。
お互いに黙々と作業の開始…
塗り終えるまで約5時間、一文字一文字集中し、塗り終えました。
相方は、寝ることを忘れたように彫り続けてからの彩色作業だったので、本当に大変だったと思います。
本当に本当にお疲れさまでした。ありがとう。
完成した瞬間は、一年前のあの日から思い続けていたことが、ようやく形となり洞雲山さんへ奉納することができるという安堵の気持ちで一杯になりました。
製作の過程をご覧下さりありがとうございます🧵