みつまめの「このレコード聴いてみた」
「RETURN OF THE CHAMPIONS」
QUEEN+PAUL RODGERS
古今東西あまり関係なく、みつまめのお気に入りレコードを披露している 「このレコ!」、今回はこのバンドのアルバムです。
QUEEN+PAUL RODGERS(2005)
Vo:ポール・ロジャース
G:ブライアン・メイ
G:ジェイミー・モーゼス
Key:スパイク・エドニ―
B:ダニー・ミランダ
Dr:ロジャー・テイラー
年末の 「第74回NHK紅白歌合戦」 にクイーンが出演したのをきっかけに、年明けからまたぞろクイーンのCDを引っ張り出しております。来月にはジャパンツアーがあり、2月10日の札幌ドーム公演では 《GLAY》 が前座を務めるとか。
現在のクイーンは、2012年からアダム・ランバートがシンガーを務めておりますが、フレディ・マーキュリーなきクイーンが、ポール・ロジャースと組んで活動していた時期がありました。今回セレクトの本作は当時のライブ盤です。
バンドをサポートするジェイミー・モーゼスとスパイク・エドニ―は、ブライアン・メイのソロバンドに長年在籍していた馴染みのミュージシャン(→超過去記事)。ダニー・ミランダはロングアイランド出身、ラスベガスでミュージカル 「WE WILL ROCK YOU」 を上演したとき、裏方でベースを演奏していたそうです。
蛇足ながらポール・ロジャースは1949年イングランド出身。1969年~1973年の 《FREE》、1974年~1982年の 《BAD COMPANY》 で成功し、1984年にはジミー・ペイジと 《THE FIRM》 を組むなどブルースロック界の名シンガーです。
2005年5月9日、シェフィールドのハラムFMアリーナに13600人ソールドアウトのライブを完全収録した2枚組、全27曲101分は聴きごたえじゅうぶん。ポール・ロジャースはアダム・ランバート同様に上手いので、クイーンの名曲を見事に甦らせています。
『TIE YOUR MOTHER DOWN』 からいきなりクライマックスという感じで、『ANOTHER ONE BITES THE DUST(地獄へ道連れ)』 『CRAZY LITTLE THING CALLED LOVE(愛という名の欲望)』 と惜しげもなく大ヒット曲が飛び出す。
中盤ではロジャー・テイラーとブライアン・メイがボーカルを取り、ドラムソロやギターソロも出てきます。テイラーのハスキー声、メイの涼やかなハイトーンと、ふたりとも上手い。クイーンのコーラスワークがウリだった道理です。メイのギターソロは例のディレイを使った ‟ひとりカエルの歌”。
『LOVE YOUR MY LIFE』 を弾き語りする前、メイは 「今夜会場にフレディが来ている気がする。彼みたいには歌えないからみんな手伝ってくれよ」 と言って大合唱になるくだり、自分は最初に聴いたとき大感動したのですが、実はコンサートではいつもこのMCらしい(笑)。
クイーン+ポール・ロジャース名義なので、クイーンだけじゃなくポールの持ち歌、フリーの 『WISHING WELL』 『ALL NIGHT NOW』、バッドカンパニーの 『FEEL LIKE MAKIN’ LOVE』 『CAN’T GET ENOUGH』 を、メイの華やかなギターオーケストラで演奏するのも聴きどころ。クイーンのファンに需要があるのかは未知数ですけども...
終盤はテイラーが歌う 『RADIO GA GA』 からふたたび大ヒット連発。『BOHEMIAN RHAPSODY』 はフレディの映像に合わせ、バンドが演奏を被せる趣向(CDなんで音だけですがw)。クライマックスの大サビをポールが熱唱しています。
最後は 『WE WILL ROCK YOU』 『WE ARE THE CHAMPIONS』 の決め技に、『GOD SAVE THE QUEEN』 のBGMで終わります。おなかいっぱい、文句なしの選曲と演奏です。
それでは最後に当日の 『THE SHOW MUST GO ON』 をご紹介。1991年10月、フレディ死去のひと月前にシングル発売され、レコーディング時にはすでに最期を悟っていたといういわくつきの名曲を、ポールが歌い上げています。上手いなぁ~...