「エリザのために」2017⑦ | Mの映画カフェ♪

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映画の感想など



Bacalaureat
2016 ルーマニア・フランス・ベルギー

監督 クリスティアン・ムンジウ
主演 アドリアン・ティティエニ、マリア・ドラグシ

エリザ役マリア・ドラグシ、「白いリボン」に出ていましたね!クララ!

ルーマニアの医師ロメオ
娘エリザはイギリスの名門大学へ留学するべく、受験を控えている
民主化を機にルーマニアに戻ったロメオと妻マグダは祖国の現状に失望しており、
娘には海外で学んで欲しいと切望している

特にロメオには
エリザの留学が唯一の希望となっていたが

エリザが何者かに襲われるという事件が起きる。

自宅には謎の投石
家族の秘密
思春期のエリザ
父の願い

自分の国を好きになれないロメオだが
いつしかその中で小さな権力も握っている。
体制を批判する一方で利用しようとする父親の姿は、

極めて人間的!

誰も責めることは出来ないだろう。
小さなほころびはやがて家庭にも及び…
ロメオが追い詰められていく姿は

なかなかサスペンスフル!

石を投げていたのは…
ねぇ。

会話の最中に鳴り続ける電話がリアル
娘を必ず送迎することや
道にいつも野良犬の姿があることで
どことなく荒んだ街の様子がわかります。

エリザが良い子でよかった。父親に反発はするけれど、嫌ったりしない

そこに救われました。

親の思いと子供の幸せが一致するのは、難しいのか

結論を出さずに映画は終わります。
観るものに問いかけ、決して押し付けることのない、

私の好きなスタイルの映画でした。
この監督の作品いろいろ見逃している!

(2月13日 ヒューマントラストシネマ有楽町)