LAZZARO FELICE
2018年 イタリア

監督 アリーチェ・ロルバケル
主演 アドリアーノ・タルディオーロ(ラザロ)、ルカ・チコバーニ(タンクレディ)、アルバ・ロルバケル(アントニア)他

今年の春に公開された作品、やっと観ることができました。

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ネタバレです。
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イタリアの世間から隔絶されたような農村
働き者で人の良い青年ラザロは皆から便利に使われていた。

結婚をした男女が村を出たいと口にすると
「侯爵家の許しが出ないから無理だ」と周囲が反対する。

領主の使いがやって来て農産物を買い上げるが、物々交換で現金収入はなし

いつの時代の話??と思ったところに、侯爵夫人と馬鹿息子タンクレディが登場。あれ?派手めな服に…

携帯使ってる!そんなに昔じゃない!

タンクレディにも都合良く使われるラザロ
山の斜面から転落して…


ラザロという名前は
聖書の死から復活した聖人の名前だそうです。
狼がラザロを見つけて駆け寄ると
ムックリ起きて怪我もなく、衰弱もしておらず、髪も髭も伸びていない


この映画、いくつもの不思議ポイントがあります
ラザロには祖母がいるが、両親は最初から存在しなかったふう
周囲はそれを当然のように受け入れている

監督はラザロを「キャベツの下で産まれた」ように描きたかったそうです。

ラザロの不在を気にも留めず、村を去る人々

それから30年の時が流れ、
再会したタンクレディは当時の愛犬を抱いている。犬の寿命を考えるとこれも変(2代目か3代目?)。


若いタンクレディとラザロは
一緒に狼の遠吠えに呼応して一瞬心を通わせ
兄弟かも知れないなんて戯れ言を真に受ける

狼は何かの遣いなのか、

ラザロを死から蘇らせ、また最後に魂を故郷へ連れて帰る

搾取され続ける事に疑問を抱かず、抵抗することもなく
犯罪の犠牲となりやがて自らも犯罪に手を染め
どこにいても底辺の暮らしを強いられる人々と

彼ら以上(以下)に無抵抗なラザロ
それはもう…神と言うしかない!

なるほど聖書の一節のような物語でした。

アントニアを演じたアルバ・ロルバケルは「ザ・プレイス 運命の交差点」にも出演していました。アリーチェ・ロルバケル監督の妹だそうです

ラザロを演じた俳優はこれが初の演技で
澄んだ瞳とガッチリ(ぽっちゃり)した身体が印象的。

ジワジワと面白く、記憶に残りそうな映画
観て良かったです。


(9月7日 下高井戸シネマ)


Once upon a time in… Hollywood
2019年 アメリカ

監督・脚本 クウェンティン・タランティーノ
主演 レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミール・ハーシュ、マーガレット・クアリー、アル・パチーノ、カート・ラッセル他

1969年のハリウッド
テレビの普及に揺れる映画界で
ピークを過ぎたスター、リック・ダルトンとそのスタントマンで付き人で親友でもあるクリフ

最近となりに有名人(ロマン・ポランスキー監督と妻で女優のシャロン・テート)が越してきたと言って、嬉しそうなリック

クリフは牧場に住みつく怪しげな集団と出会い

最後に事件が起きる。


レオとブラピの組み合わせ、意外と違和感がない!二人のキャラクターが憎めなくて会話が楽しいし

ブラピやっぱカッコいいわ。

クリフの飼い犬のブランディがよく躾られているんだけど、ピットブルは実は闘犬で獰猛な犬種
というのが伏線だったし

リックの火炎噴射器も。

最後、リックが慌てふためいてプールから走り出し、家に逃げ込んだと思いきや…
ここで出てくるんだ!
不謹慎ですが笑ってしまった!

ラストは
ポランスキー宅の事件を二人が防いだというオチですよね
そんな事ありえないんだけれど、
運命はどこで変わるかわからない。

「パルプ・フィクション」の頃から変わらず、映画なんだから、楽しければいいじゃない、芸術なんかじゃないよ
とタランティーノが言っているように思いました。

フィクションの中でさえ
フェアネスやコンプライアンスが重視される中、もちろんそれは実生活においては大切な事なんだけれど

映画やドラマや小説にまでそれを求めると、つまらなくならないだろうか。

タランティーノが10作で止めると言っているのも、やりにくさに嫌気がさしているのかも

タランティーノが再現しようとしたのは、60年代のビジュアルはもちろん
その中にある自由な精神なんだと思いました。

ビッグネームになってしまったタランティーノとレオとブラピが楽しそうな映画、もう一回観たいけど長いから…うーん。

10作目、このコンビで続編とかどうかな?



(9月5日 T・ジョイPRINCE品川)

ONCE UPON A TIME IN AMERICA
1984年 アメリカ・イタリア
監督 セルジオ・レオーネ
主演 ロバート・デ・ニーロ

タランティーノの新作を観る前に、
アマゾンプライムで観賞したら…

「ダウントン・アビー」のコーラ、
エリザベス・マクガヴァンが出演していました。当時23才、デ・ニーロの憧れの女性役!



その少女時代を演じたのはジェニファー・コネリー
これが映画デビュー作だそうです。
圧倒的な美少女!!


知らなかったんですが、この映画長いんですね
途中でやめて、別の日に続きを。
そうしたらやはり集中できない(当たり前)
ん~。

イタリアのマフィアものっぽいアメリカ映画
暴力ありドラマありで、タランティーノが好きそうな感じですか…
私はちょっとよくわからなかったけれど

映画館で観ればまた違ったんだろうなと思います。

さて。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」行かなくちゃ。







Rocketman
2019年 イギリス・アメリカ

監督 デクスター・フレッチャー
製作 マシュー・ボーン他
製作総指揮 エルトン・ジョン他
主演 タロン・エガートン(エルトン・ジョン)、ジェイミー・ベル(バーニー)、リチャード・マッデン(ジョン・リード)、ブライス・ダラス・ハワード他

エガちゃん、最近エジャトン表記もありますが。正しい発音に近い?
タロちゃんだと犬みたいかなぁ…。

「キングスマン」ではワカゾー扱いだった彼も今年30才。急に老けた感があるのは、エルトンになりきったせいだと思いたい!
小太り、ド派手、薄毛、すきっ歯で頑張っています。

両親の不仲もあり淋しい少年時代を送った少年レジー
音楽の才能があり、やがてきっかけを掴み成功して
成功の後には孤独と苦悩が…

どのミュージシャンの映画も似たり寄ったり?
成功者にすり寄ってくる人もいれば、そうではない真実の友人も

これが「リトル・ダンサー」のジゥイミー・ベルですよ。
(「リトル・ダンサー」の、と一生言われそうで気の毒)

途中からしゃしゃり出てくるマネージャーのジョン・リード
どこかで聞いた名前と思ったら、「ボヘミアン・ラプソディー」。クイーンのマネージャーもしていたんですね

エルトン・ジョンはご存命。「キングスマン・ゴールデンサークル」での怪演がすごかった

この映画の良いところは、やっぱりタロン・エガートンで
演技は繊細だし、運動神経が良さそうだし、歌も歌っているし
第一、まだ生きている人を演じるって難しいでしょう。

で、次作が「フッド・ザ・ビギニング」ロビン・フッドって…
つまらなそう…。
 

(8月28日 T・ジョイPRINCE品川)


HOT SUMMER NIGHTS
2017年
アメリカ

監督 イライジャ・バイナム
主演 ティモシー・シャラメ(ダニエル)、マイカ・モンロー(マッケイラ)、アレックス・ロー(ハンター)

ポスターを見て恋愛映画と思っていたのですが…
…ん?犯罪モノ??

親が離婚して迎えた夏休み
ダニエルは叔母の家に預けられ、ハンターと知り合う

ダニエル(ティモシー・シャラメ)がパッとしない高校生で、ハンターがイカツい不良。
ハンターが薬物を売買していると知って、ダニエルは自分にもやらせてくれと頼みこむ

ティモシー・シャラメ、だっさいポロシャツを着たヘナヘナの高校生になりきっています。演技だとしたら上手いかも…

不良でもないのに怖いもの知らず。おまけに薬中のイトコがいて、売人として成功しちゃって
なぜか町で一番の美人女子高生(?)を口説いてみたり。

しかしこの映画、微妙に暗いんですよね
カラッとした、突き抜けた明るさが欲しかった気がする。

明るさがない分、ダニエルたちの馬鹿さ加減を楽しく観ることが出来なくて
最後は全然スカッとしないし。実話なの?

こんな話を映画にする意味って何だろう。アメリカには危険がいっぱいって事?

衣食足りて礼節を知る、のではなく
現状に不満を感じる。それは解らなくもないけれど

厳しい環境で育つ子供たちの映画をたて続けに観た後では
豊かな国で暮らすことが必ずしも幸せではないと思ってしまった。

#アオハル映画って…いやなんか、いまひとつ面白くなかったです。



(8月26日 恵比寿ガーデンシネマ)


The boy who harnessed the wind
2018年 イギリス・マラウイ

監督・脚本 キウェテル・イジョフォー
原作 ウィリアム・カムクワンバ
主演 マックスウェル・シンバ(ウィリアム)、キウェテル・イジョフォー(トライウェル)他

「存在のない子供たち」に引き続き、辛そうな話…
ですがこちらはポスターのビジュアルの通り、明るさのある映画でした。

アフリカの最貧国(!)マラウイ
大雨の後は干ばつにみまわれ、畑を耕しても収穫はごくわずか
このままでは村人全員が飢え死にしかねない…
という状況の中

図書館で読んだ本の知識で
出来ることをしようとする少年ウィリアム

授業料が払えず学校を退学になり、それでも図書館に行きたいと切実に願い、

父親はそれより畑を耕せと押さえつける。

親と子の関係はどこの国も同じですね
自分の価値観で子供の生き方を決めようとする、それは子供を大切に思う気持ちだったりするけれど
子供の考えも聞いて欲しい、それが正しい場合もある。

この映画は実話に基づいていて、もちろんいい話なんですが

タイトルとポスターで想像できる通りの展開なのが惜しい。意外性はありません。

それでもウィリアムと父親のドラマが心に残る、良作だと思います。

キウェテル・イジョフォーの誠実さが感じられる作品かな。


(8月22日 シネスイッチ銀座)


Capharnaum
2018年 レバノン

監督 ナディーン・ラバキー
主演 ゼイン・アル・ラフィーア他

監督がゼインの弁護士を演じている以外は
ほとんどプロの俳優ではなく、役柄と似た境遇の人物をキャスティング。
彼らの本音を織りまぜつつ、ドキュメンタリーではなくフィクションという

すごい手法で撮られた奇跡のような映画です。

レバノンの首都ベイルート
ゼインは誕生日も知らず、学校に行ったこともない。両親が貧しく、たくさんいる子供たちの出生届けも出していない

家賃を払えず、子供を路上で働かせて
なぜか煙草をいつも吸っている(煙草代はあるのか)

ゼインがいつも暗く悲しい目をしていて

この時点で私の頭の中は
無責任という言葉で一杯になるのだが

犯罪をおかしたゼインが
育てられないなら子供を産むなと訴える

ちょっと少年には無理があると思ってしまったけれど

彼が声をあげることで状況が変わる。そしてこれは氷山の一角

多産多死社会を変えるには
政治の安定、治安、環境の改善、就労、教育、
しかしその前に移民や不法滞在の壁が立ちはだかり
問題を複雑にしている。


最後、大切なものを手に入れるゼインがやっと笑顔をみせると
胸がいっぱいになりました。

人生は苦しいだけではないと、思える日が来るだろうか…

本当に辛いけれど、なぜか観て良かったと思いました。もう一度観たい。


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作品のHPにはその後のゼイン(を演じたゼイン君)の生活の動画もありました
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(8月21日 シネスイッチ銀座)


GONGJAK
The Spy Gone North
2018年 韓国

監督 ユン・ジョンビン
主演 ファン・ジョンミン(パク・ソギョン)、イ・ソンミン(リ・ミョンウン)、チェ・ハクソン(チョ・ジヌン)、チョン・ムテク(チュ・ジフン)他

イ・チャンドン以来、韓国の映画に対する苦手意識が払拭されて…こちらも観ることに。
日韓関係は最近良くありませんが、政治と映画は別物
いやこの映画は政治にグイグイ迫っています。

エリート軍人の職を辞してスパイとなったパク
北朝鮮の核開発の証拠を掴むというミッションを受け、ビジネスマン(というか商売人)になりきって「黒金星(ブラックヴィーナス)」作戦を開始する。

商売人として愛想良く振る舞いながら、北の政権中枢に近づくパク
(スーツにコートの姿が「孤独のグルメ」の松重豊さんに似てる!)

やがて北朝鮮のトップにも会う事になる

このシーンの白い犬、笑いました
チョコチョコ歩いて…ふふふ

最初、よく解らなくてちょっと眠くなりましたが
どんどん面白くなり、引き込まれる。

起)純粋なスパイもの
承)次第に政治色が強くなり
転)主人公にハラハラドキドキ!
結)男の友情!胸アツ!

最後はきちっとエンターテイメントで、感動があります。

実在のスパイを描いたフィクションとの事ですが、「北風」が政権に利用されていたのかもと考えると

現在の嫌韓や反日だって、政治的に利用されていないとも限らずあるいは

「飛翔体」も誰かがオーダーしてたり、しないよね!?


(8月14日 シネマート新宿)
今日シネマートで「工作」を観たあと
伊勢丹のお菓子売り場を歩いていたら…

豊島屋にこんなものが!


鳩サブレーの125周年記念缶
中にマグネットシートが入っていて、

こんな感じに遊べるんです。


子供の頃にこういうので遊んだ記憶がある~☆
思わず購入
「お渡し用の袋を中にお入れして…」
「いえ、結構です!(キッパリ)」

自分用ですから!

鳩サブレー1枚用の缶が発売されてすごい行列ができた、という記事をどこかで読みましたが

豊島屋といえば鎌倉土産の定番。懐かしい味がします。

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「工作」すごく面白かった
また記事にします。







1987年 フランス
監督 ジャン=リュック・ゴダール

恵比寿ガーデンシネマにて
「GAUMONT 珠玉のフランス映画史」が上映中。
ゴダールを観たことがないし、良い機会だと思ったのですが

最初のほうで「ずっとこのままだとキツイな~」と思ったら
ずーっとそのまま!!

暑い中映画館に出掛けて疲れて寝る、
というパターンにはまってしまいましたよ。

時々起きて面白くなるかなと思ってもそうでもなくて

ブニュエルの「自由の幻想」を思いだしましたが、ブニュエルは面白いよね…。

他の作品を観ればまた違うのかも知れませんが、ゴダール、苦手になった…

「GAUMONT」はイザベル・ユペール、ジェラール・ドパルデューの「ルル」(監督はモーリス・ピアラ)も観ようと思っているんだけど、どうでしょう!


ガーデンシネマ、見えずらい場所におしゃれなベンチがあります。
高くて奥行きが狭い、ちょっと不思議なベンチ


それからアトレ恵比寿のゴディバにて、大好きなショコリキサーのストロベリー


これ本当に美味しい。期間限定で取扱店舗も少ないですが、通年販売して欲し~い!!

(8月7日 恵比寿ガーデンシネマ)