彫刻家 ケイト・トムソンさん 第1回 ~6歳で彫刻家になると決まりました!~
みなさま こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
今日は素敵な作家をご紹介いたします。
イギリス人の女性彫刻家 ケイト・トムソンさんです。
ケイト・トムソンさん
片桐 宏典さん
お二人とも彫刻家であり、ご夫妻でもいらっしゃいます。
前々回の日下育子からのリレーで、片桐 宏典さんに引き続き、ご登場頂きます。
片桐 宏典さん
第1回
、第1回続き
、第2回目
、第3回
、第4回
、第5回
、第6回
、第7回
第8回
、第9回
、第9回リンク
、第10回
、第10回リンク
第1回目の今日は、ケイト・トムソンさんが彫刻を始めたきっかけについて
お聴かせ頂きます。
6歳頃で彫刻家になりたいと決まったこと、人間(ダンサー)の彫刻を作りたかったことから
ダンスカンパニーを設立されたこと、大学卒業後はまずはコミュニティー・アーティストの
活動をされていたというお話をお聴かせ頂きました。
どうぞお楽しみ頂ければ幸いです。
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「Key of Affinity - Cavescape」
170 × 175 × 95 cmH
バルカンホワイト大理石
2012
所在地
東京都中央区大手町一丁目大手町ファイナンシャルシティ
記
ベンチスカルプチャー5点セット のうちの1点
「七つの旅」
ケイト・トムソン+片桐宏典 共働制作作品
中国産大理石
本体寸法 150 x 1050 x 210 cmH
青森県八戸市南郷区図書館
2004
メモ
この作品は、人間の知的好奇心と柔らかな精神が、
世界に広がる文化的多様性と叡智に触れる驚きと
喜びから生まれる「知的果実」を求めて、
理想と現実世界を駆け抜ける精神の旅を象徴しています
「リレイティヴ・パースペクティヴ#1」
イタリア・カラーラ大理石
45 x 40 x 50 cmH
2002
第20回現代日本彫刻展模型入選作品
個人所蔵
「ムーン・ダンス」
大理石、LED
40 × 30 × 85 cmH
2001
個人蔵
「親和の小波(さざなみ)」
岩手産白御影石
本体寸法 1200 x 700 x 300 cmH
英国大使館モニュメント
1998
所在地
東京都千代田区一丁目一番一号英国大使館内
メモ
日英親善を記念して制作。二つの波が寄せ合う姿を表現
「Teamwork」
岩手町国際彫刻シンポジウム
岩手県岩手町
1997年
「ヘンリ・ダイヤー像」
デザイン及び制作 ケイト・トムソン
素材 ブロンズ(本体)、岩手産白御影石(台座)
本体寸法 約75cmH
1998
所在地 東京都 東京大学工学部学部長室内
メモ
英国スコットランド、グラスゴー市ストラスクライド大学工学部
英国祭UK98の一環で、一体は東京大学へ、
もう一体はスコットランドの大学へ歴史的交流を
記念して設置された。
V.J.ベーリング記念彫刻広場
牡鹿町所蔵
1991
ブロンズ像制作 ケイト・トムソン
広場のデザイン及び制作 片桐宏典
素材 ブロンズ、白御影石、スレート
本体寸法 1000 x 1000 x 270 cmH
所在地 宮城県石巻市網地島白浜海岸
メモ
ベーリング海峡の発見者であるオランダ人探検家V.J.ベーリングが、
探検途上、金華山沖に現れ、当時の住民と交流があったこと(1735)
を記念して設立された。
「Torch」
スコットランド産白御影石
高さ180cm
ブリティッシュ・ガス公社所蔵
1987
「トルソ」
セラミック
高さ80cm
個人所蔵
1983
「ロス」
セラミック
高さ120cm
メイフィールド教会所蔵
1983
日下
ケイト・トムソンさんが彫刻を志したきっかけをお聴かせいただけますでしょうか。
ケイト・トムソンさん
ちいさい時から粘土で遊ぶことが大好きだったんです。
6歳ぐらいで決めた! 彫刻家になりたいと。
日下
ええ~!? それはすごく早いですね~!!
6歳で彫刻家になると決まったことに
何か他の作家や作品の影響はありましたでしょうか。
ケイト・トムソンさん
小さい時に、エディンバラでは有名な彫刻家(vincent Butler)の展覧会を見ました。
すごく綺麗な具象彫刻をつくる作家の展覧会ですが、
彼はすごく面白いセンスがあって、手と足はすごく上手い彫刻家。
足の指だけでもすごく格好いい!
それで、すごく雰囲気が良いのが大好きだった。
日下
そうですか~。
その彫刻家の作品も見てみたいですね。
ケイト・トムソンさん
本当に6歳ぐらいからもう、ハリネズミとかいろいろ粘土で作りました。
毎日毎日、粘土で遊んだから、結構早く上手になりました。
何でも練習すると上手になりますね。
初めは、動物とか人間、お人形などを作りました。
片桐 宏典さん
いっぱいあるね。粘土で作ったもの。
そんなに古くないのもある。
ケイト・トムソンさん
それは高校生くらいの時のもの。
粘土はそんなにもらっていないから、ケチってすごく小さいものを作っていましたね。
日下
セラミックですか、焼かないものですか。
ケイト・トムソンさん
焼かない。生粘土で。
しばらくは、実家のお母さんがたくさん持っていました。
でも、みんなにお土産にあげたので、
もうあまり残っていない。
最初は、人間などを作っていましたから、
初めの頃はモデリング系の作家がすごく気になりましたね。
ロダンとかヘンリー・ムーアの作品とか段々好きになりました。
大学1年生の時は、まだ具象的な作品ばかりでした。
最初はダンサー、踊る人の作品が創りたかった。
日下
ケイトさんご自身も踊っていらしたとお聴きしたことがありますが。
ケイト・トムソンさん
そう。最初はスケッチするのにダンス・レッスンに行きました。
動きのエネルギーはどこから来るのか、バランスとか。
例えばツイストのムーブメントはどうしてそうなるか、とか、
そのパワーはどこから来るかということを分かりたかったから、
最初の半分を自分で踊って、あと半分がスケッチしました。
クラスの先生からは、「ケイト、変な踊りですね。」と言われました。
でも面白い!それでその先生と二人でダンス・カンパニーを作りました。
そこにまた、だんだんいろいろな人が集まって入ってきました。
日下
それもすごいことだと思います。
ケイト・トムソンさん
そのダンス・カンパニーをやった時、コリオグラフィー(振付)、ダンスのデザインをやりましたね。
その、ダンスをデザインするというのは、絶対に彫刻だと自分では思ってます。
材料は生きている人間、身体で彫刻を作るんです。
それは大変面白かった。
私がデザインして、みんなが一緒にやるのがメインで、自分で踊るのはメインじゃなかった。
それから段々、私の彫刻は人間「的」(具象的)なものから
エネルギーとムーブメントとパワーのことがメインになってきて抽象彫刻になっていきました。
最近の作品にもダンス系のものがまた少し出てます。
日下
はい、たしかにそう感じられる作品もありますね。
ところで、ケイト・トムソンさんは大学卒業後すぐに
プロフェッショナルに彫刻家としての活動を始められたのでしょうか?
ケイト・トムソンさん
私は卒業後の4年間、コミュニティー・アーティスト(※)として活動していました。
でも、コミュニティー・アーティストは大変!
人に教えると逆に勉強になることは多いと思いますが、自分のアイデアを考えるよりも大変疲れます。
※コミュニティー・アーティスト
⇒ 参考 コミュニティー・アート
日下
はい。
ケイト・トムソンさん
やっぱり学生たちは色々アイデアあるけれど、どうやってやるかわからないから、
私は先生というより、やり方を教えるテクニシャン(技術指導者)だったですね。
学生たちのイマジネーションがどうやってちゃんと作品に実現できるか
それをいろいろ考え、プロセスを教えたり、作り方のデモンストレーションするとか。
昼も夜も。
その合間に自分の作品を創ろうと思うんだけど、
時間も足りないし、もう疲れ過ぎて自分の考えができない。
100パーセント先生の仕事を頑張るには、自分のエネルギーは足りないと思います。
それでもなんとか頑張ろうというのなら先生の仕事はとても面白いと思うけど
中途半端なら、辞めた方が良いと思う。
日下
確かに大変そうですね。
ケイト・トムソンさん
サラリーをもらう先生をやって、自分のフリータイムで作品を創ったら、
すごくいい遊びにもなって良いかも知れないけど、テンションはすごく違う。
仕事で作るのとは、全然違う作品になると思います。
やっぱり彫刻だけで生活するとすごくインテンシブ(集中)でリアリティーがある。
あとは締め切りも大事です。
やっぱり締め切りをもたないと遊び過ぎて
実験的になるだけでちゃんとした作品にならないという心配があります。
日下
そうですか~。
締め切りと集中力のある中で、素晴らしい作品を作って来られたんですね。
子どもの頃からの、興味深いお話をありがとうございました。
「アテナ」
カラーラ大理石
53 x 20 x 120 cmH
2009
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編集後記
私がケイト・トムソンさん、片桐 宏典さんに初めてお会いしたのは、
私が大学の副手1年目の冬に、お二人の住む岩手県岩手町にある㈲浮島彫刻スタジオを
訪問した時でした。
大自然の中の広いスタジオは、テレビで見たことのあるイギリスの広大な平原を想わせるイメージで、
日本ではない所のように感じられて、不思議な感じがしたのを覚えています。
その時、ケイトさんは、第一子のお嬢さんを出産された頃で、
赤ちゃんを抱きながら、彫刻のお話をお聴かせ下さったのを印象的に覚えています。
外国から国際結婚で日本に来られて、しかもプロフェッショナルに仕事もされ、
お子さんも出産されて、とてもエネルギーにあふれた方だと思いました。
その時見せて頂いたポートフォリオの作品は御影石の力強いかたちの作品でした。
その後、ケイト・トムソンさんの作品は力強さはそのままにどんどん洗練されて、
何か知的な印象のものに造形がどんどん展開していく様子を見せて頂いていて、
本当に才能ある方だと羨ましく思ってきました。
今回、ここでインタビューさせて頂き、また紹介させて頂けて、とても光栄に思っています。
これから、7回にわたって、ケイト・トムソンさんについてお届けしてまいります。
どうぞお楽しみに。
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◆片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんのホームページ
浮島彫刻スタジオ
◆スターリング大学(イギリス)での展示
スターリング大学 Corridor of Dreams
(「夢の回廊」 インタビュー動画)
(全23分中、お二人と作品が映るのは11:30~15:30頃です。)
スターリング大学アートコレクション
ケイト・トムソンさんのインタビュー
(約2分)
スターリング大学のFacebook ⇒Art Collection at the University of Stirling
( 2014年5月3日にケイト・トムソンさんの写真が掲載されています。)
◆現在、 開催中の展覧会です。
「As Ithers See Us」
【期間】2014年3月11日(金)~9月末日まで
【時間】11:00~21:00
【料金】有料
【場所】Pobert Burns Birthplace Museum, Murdoch's Lone, Alloway, Ayr KA7 4PQ, UK
tel 0844 493 2601 email burns@nts.org.uk
http://www.burnsmuseum.org.uk/
◆日本・石の野外彫刻―ストーンアート写真集
藤田観龍 著(写真) 本の泉社
ケイト・トムソンさんの作品写真、片桐 宏典さんの作品写真と手記が掲載されています。
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