画家 松原 遼さん 第1回 | みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

生命礼賛をテーマに彫刻を創作。得意な素材は石、亜鉛版。
クライアントに寄り添ったオーダー制作多数。主なクライアントは医療者・経営者。
育児休暇中の2011年よりブログで作家紹介を開始。それを出版するのが夢。指針は「自分の人生で試みる!」

 

皆様、こんにちは。
みんなの学び場美術館 館長 日下育子です。

今日は素敵な作家をご紹介いたします。
画家の松原 遼さんです。


松原 遼さん

第1回目の今日は、松原 遼さんが美術を始められたきっかけ、制作テーマや素材についての
思いについてお聞かせ頂きます。

どうぞお楽しみに。

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森の中の小さな小屋
F6
油彩・キャンバス
2004年
 

 

 

 



風景
F100 油彩・キャンバス
2005年
 

 

 

 

 



ニースの海
F3 キャンバス・油彩
2007年

 

 


 


Nocturne
P20 油彩 キャンバス
2008年

 

 

 

 

 


人形のある静物
F100 油彩・キャンバス
2008

 

 

 

 


夕立
M8 油彩・キャンバス
2009年
 

 

 

 



青い魚の瓶
M8 油彩・キャンバス
2011年

 

 

 

 



夕暮れ
P4 油彩・キャンバス
2011年

 

 

 

 


三種のフルーツ
F6 油彩・キャンバス
2012年

 

 

 

 


南瓜
F6 油彩・キャンバス
2012年
 

 

 

 

 


三種のフルーツ
P8 油彩・キャンバス
2013年

 

 

 



黄色い人形
F8 油彩・キャンバス
2015年





日下
松原さんが美術を始めたきっかけについてお聞かせ下さい。

 


松原 遼さん
私は幼少の頃、話をすることが苦手で、言葉によるコミュニケーションをとることが困難でした。

自分の中で伝えたいことがあるのに伝えられないわだかまりのようなものがいつもあったので

すが、絵画だと自分の想いをストレートに表現することができたので、絵を描きはじめました。

 実家がピアノ教室だったこともあり音楽の道を考えたこともあるのですが、楽譜が読めなかっ

たことと、音楽だと物質として残せないということもあり、絵画の道を選びました。 いつまでも形

として残しておける、自分の中での宝物を作りたかったというのも絵画を選んだ理由の一つで

す。

 


日下
ご自宅がピアノ教室をされているとのことですが、それはお母様がされていたのですか?

 


松原 遼さん
そうですね。

 


日下
お父様は何をされていたのでしょうか?

 


松原 遼さん
父は芸大を出て、教師をしていました。
最初は中学で美術を教えていて、途中で養護学校に転勤になりました。本格的に作家活動

はしていません。

 


日下
そうですか~。芸術一家ですね。ご家族の影響あったのではないでしょうか?

 


松原 遼さん
父も母も、美術や音楽を進めてきたということはなかったですね。僕は音符か読めなかった

ので、練習をするほどのめり込めなかったのです。

 


日下
音楽によって描きたいものが浮かんできたり、描いた作品を通して音楽を感じて欲しいと思っ

たりすることはありますか?

 


松原 遼さん
それはありますね。絵は目で見て描くので、特に具象絵画の場合は描く対象の表面に惑わさ

れがちになります。音楽だと聴いて感じる部分が大きいので、より感覚の部分が刺激される

ような気がします。


日下
ちなみに私はショパンが大好きなので、松原さんの「Nocturne」という作品、とってもいいなあ

と思いました。暗闇に浮かぶ色が美しくて。

 


松原 遼さん
ありがとうございます。あれは、自分の中でショパンブームというのがあって、毎日「ノクターン」

を聴いていた時に描いた絵ですね。あれは夜に外で描いた絵なんです。

 


日下
えっ!夜に外で描かれたんですか?(驚き)

 


松原 遼さん
曲の「ノクターン」のイメージを重ね合わせて描きました。

 


日下
そうですか~!私もショパンは大好きで「ノクターン」を聴く時に思い浮かべるイメージと松原さん

の絵のイメージがとっても近かったので、感動しました!
松原さんは静物や風景など描いていらっしゃいますが、描きたいもの、題材はどんな風に決めて

いらっしゃるのでしょうか?

 


松原 遼さん
ここ数年はフルーツを描くことが多いのですが、その理由の一つとして自然の持つフォルムに

興味があります。人工的なものというのは形が決まっているから、まあデフォルメすれば良いんで

しょうが、自然の持つ予測できないフォルムというのは美しいなと思います。そこに興味がありま

すね。

 


日下
題名もいいですね。「三種のフルーツ」という語感も何かお料理のお品書きのようで、響きも良くて

親しみを感じます。色も素敵ですし。

 


松原 遼さん
はい、そんな感じです。(笑)

 


日下
制作日数はどのくらいかかるものですか。

 


松原 遼さん
感覚的に進めるので、いつ完成するかはわかりません。失敗することも多くて、というより大体失敗

するんですよね。(笑) 失敗したらそれを止めて、新しいキャンバスに描くこともあります。一度失敗

した後に、同じものを描くとストレートにうまく行くことが比較的多いです。

 


日下
そうですか。失敗してしまった後に上手く行くという体感を持っていらっしゃるというのは、本当に突き

詰めて描いていらっしゃるからなのでしょうね。素晴らしいです。
そして、制作の素材についてお聞かせいただけますか。

 


松原 遼さん
油絵の具で、キャンバスに描いています。

 


日下
松原さんが、油絵具にこだわりを持っている理由、魅力と感じていることはありますか?


松原 遼さん
油絵の具は艶と透明感があるので、そこに魅力を感じます。すぐには乾かないので、それを利用しな

がら描いていけるというのも油絵の面白いところですね。

油絵の具の種類は、マツダスーパー、ヴェルネ、クサカベを使用しています。

 


日下
そうですか~。因みに絵具の種類をマツダスーパー、ヴェルネ、クサカベと具体的にあげる方という

のは、私は初めて聴きましたが、その三種類で違いは感じますか。


松原 遼さん
かなり違いますね。
マツダスーパーとヴェルネは結構、絵具の発色が似ているような気がするんです。透明性が高いん

ですね。クサカベの方が、全体的に不透明なように思います。発色も色の出方もそれぞれ違うので、

部分によって使い分けています。 色の見え方が、同じ色でも塗り重ね方や下地の色によって随分と

違ってきます。 本当に美しい色になるまで、いつも試行錯誤をしながら描いています。

 


日下
素晴らしいですね。私は油絵具で描かれた松原さんの作品の透明感は、松原さんの色彩感覚や

描き方から来るように感じました。

 


松原 遼さん
ありがとうございます。

 


日下
今日は素敵なお話をありがとうございました。

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編集後記

今回、田中 充さんからのリレーで初めて松原 遼さんにお話をお聞きしました。

松原 遼さんは三重県在住でいらっしゃいます。
    
作家インタビューの冒頭では、子どもの頃は話すことが苦手だったと仰っていましたが、

インタビューではそんなことは少しも感じさせない、とてもお話しやすい感じの良い方でした。

作品の「ノクターン」のことをお伺いした時、私自身もショパンが好きだということもあり、

違う個人でも、作品を通して共通のイメージをシェアできるのだな、という感覚を味あわせて

頂けてとても嬉しく思いました。そして、夜の屋外で描かれたことや、自然のフォルムにこだ

わってフルーツを描いていらっしゃるというあたりに、とてもご自身の感性を表現することに

忠実な方なのだな、という印象を持ちました。

次回は、松原 遼さんの社会との接点、、「あなたにとってアートとは?」についてお聞きして

まいります。

どうぞお楽しみに。

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■松原 遼さんの今後の活動予定

ZERO展 
2017年10月23日(月)〜2017年12月29日(日)  11:00~18:30 (最終日は17:00まで)
あかね画廊
〒104-0061 東京都中央区銀座4-3-14 筑波ビル2F
03-3561-4930

◇ミニチュア展
2017年11月28日(日)〜2017年12月3日(日)
13:00~18:00(展示最終日はギャラリー営業終了時間が早まります)
アートスペース美園 
〒511-0811 三重県桑名市東方1362−9

◇上下の関係展
2017年12月4日(月)〜2017年12月10日(日)  11:00~18:30 (最終日は17:00まで)
あかね画廊

〒104-0061 東京都中央区銀座4-3-14 筑波ビル2F
03-3561-4930

◇クリスマス展
2017年12月10日(日)〜2017年12月17日(日)
かんしょ
愛知県名古屋市中区門前町5−11
052-331-6665

◇第18回真白会展
2018年2月12日(月)〜2018年2月18日(日)
あかね画廊
〒104-0061 東京都中央区銀座4-3-14 筑波ビル2F
03-3561-4930


第46回写実真画壇展
2018年4月1日(日)〜4月7日(土)  10:00〜17:00 最終入場閉館30分前まで
入場料:一般・大高生500円 中小生:300円
上野の森美術館 

 

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■松原 遼さん 経歴

1981年 愛知県生まれ
2005年 名古屋芸術大学卒業選抜展 (ギャラリー和田)東京都      
      名古屋芸術大学美術学部絵画科洋画コース卒業
2006年 ものの見え方展(長久手文化の家)愛知県
2008年 第26回上野の森美術館大賞展 入選(上野の森美術館)東京都
     次世代の洋画家たち展(ギャラリー彩)愛知県
2009年 第22回しんわ美術展 入選 (アルネ津山)岡山県
      NEXT5展(ギャルリーくさ笛)愛知県
2010年 NEXT6展(ギャルリーくさ笛)愛知県
2011年 第24回しんわ美術展 入選 (アルネ津山)岡山県
      個展(Cafe gallery NAKA)三重県
2015年 三重県洋画協会展(三重県総合文化センター)三重県           
      個展(アートと珈琲 coma)三重県
2016年 闇展(あかね画廊)東京都
      第44回写実画壇展 招待出品(上野の森美術館)
      東京都ZERO展(あかね画廊)東京都、巡回展(ギャラリー唐橋)滋賀県美術館)
      ZERO展(あかね画廊)東京都、巡回展(ギャラリー唐橋)滋賀県
2017年 第45回写実画壇展招待出品(上野の森美術館)東京都
      Connect展(同時代ギャラリー)京都府
      個展・グループ展他多数


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