初出
『ありがとう西武大津店』(『小説新潮』2021年5月号)
『階段は走らない』(『小説新潮』2022年5月号)
その他は書き下ろし
2024年本屋大賞受賞作!
成瀬の天下取り!
【坪田譲治文学賞】
【「静岡書店大賞」小説部門 第1位】
【ダ・ヴィンチ「BOOK OF THE YEAR 2023」小説部門第1位】
【「読書メーター OF THE TEAR 2023-2024」第1位】
【「中高生におすすめする司書のイチオシ本 2023年版」第1位】
【第17回「神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)」受賞】
【「キノベス!2024」第1位】など続々受賞。
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!
ありがとう西武大津店
膳所から来ました
階段は走らない
線がつながる
レッツゴーミシガン
ときめき江州音頭
幼少の頃から頭がよくてなにをやってもトップレベル。それをいわゆるマイペースで突き進む成瀬。他人からどう思われようが意に介さない。思いついたことはどんどんやってみる。西武百貨店、けん玉、漫才、髪型、かるたetc. 人生の目標は滋賀県に百貨店を建てて、200歳まで生きる。それに期待する幼なじみ島崎との関係。
人の目を気にしないで好きなことを好きなようにやることは難しいので、なかなか興味深かった。なんの気兼ねもなく、自由な生き方をしたい人には刺さるかもしれません。そして、地元愛が強いところなんて最高市民憲章を暗記して実践する。地元の豆知識に詳しく、地元の人がほとんど乗らないであろうミシガンに年に数回乗る(ちなみに私は京都タワーに上った記憶がない)。このように前半はサイボーグみたいな成瀬が後半にかけて変わっていくあたりは、前半とのギャップで微笑ましい。後半は予想していた展開とはかなり違ったけれど、とても面白かった。本屋大賞受賞は納得です。
それから、この小説の功績は、膳所(ぜぜ)を日本中に広めたこと。高校野球で滋賀県代表になったり、進学校だったりで一部の人には読めるだろうけど、読める人はなかなかいないのでは。膳所高校出身の友人によると、膳所高校出身者や滋賀県民の間でこの本はかなり評価されているみたい
第2作『成瀬は信じた道をいく』も必読ですね
成瀬は信じた道をいく宮島未奈/著
成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。
「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。
個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?
読み応え、ますますパワーアップの全5篇!
ついでに鰻の成瀬まで気になってくる
しかも、鰻の成瀬に成瀬店がオープンしたらしい初日に行こうとも思いましたが、町田市はちょいと遠いので断念。今後も行くことはないと思いますが…気になる…