東フィル第986回Orc:ラフマニノフP協奏曲第2番&交響曲第1番(亀井聖矢&尾高忠明) | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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東京フィルハーモニー交響楽団第986回オーチャード定期演奏会を聴いてきました。




2023年6月25日(日)15時開演 オーチャードホール

【指揮】尾高忠明(桂冠指揮者) 【ピアノ】亀井聖矢*(2022年ロン=ティボー国際音楽コンクール優勝)

尾高惇忠:オーケストラのための『イマージュ』

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18*

ラフマニノフ:交響曲第1番 ニ短調 Op.13(ラフマニノフ生誕150年)

Atsutada Otaka: Image for orchestra

Rachmaninov: Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18

Rachmaninov: Symphony No.1 in D minor, Op.13(The 150th anniversary of Rachmaninov's birth)


亀井さんを聴くのは、2021年1月飯守さん指揮シティフィルとのショパンの協奏曲第1番以来です。めっちゃ感動しましたキラキラ


その後、2022年にロンティボーで第1位+聴衆賞+評論家賞を取り、従来以上にチケットの取れないピアニストになりました。今回の東フィル定期は3公演とも完売。



1曲目は、尾高さんの惇忠氏が作曲したオーケストラのための『イマージュ』。まぁまぁかな…でも、ラフマニノフをメインに打ち出した演奏会にあえてこれを演奏する意図が??もやもやガーン魂?10分程のこの作品を省略して、亀井クンにアンコールを演奏してもらった方がずっとありがたいと思った客は私だけではないだろう真顔


今年はラフマニノフ生誕150年(1873.4.1)で、今週は特にピアノ協奏曲の集中週間ルンルン音符ルンルン最近この曲は速めのテンポで演奏されることが多い。尾高さんの意図か亀井クンの希望かは分からないけれど、一昔前の悠然としたかなりゆっくりしたテンポでしっとり歌い上げる私好みの演奏が心に響く(なんと35分もかかった)〜亀井クンのピアノがとにかく素晴らしいキラキラ真央クンとも反田クンとも違う正統派寄りの路線なんだけど、ピアノのタッチや音色がとても美しくて、第1楽章第2主題あたりでは涙腺決壊笑い泣き福山、TOCに続いて3回目ということでオーケストラの演奏がこなれてきていて、ホルンのソロやフルートとクラリネットの掛け合い等も完璧。亀井クンの第2楽章も叙情的で聴いていてうっとりする美しい演奏ルンルン一転して第3楽章では何度も腰を浮かして熱演。ただ、もう少し打鍵が強くなってオケの音をものともしないくらいならもっともっと存在感が増すのかなって思った。とは言え、何度も何度も聴いてきた手垢にまみれた曲だけど、大満足の素晴らしい演奏だったキラキラアンコールなし。


(亀井クンのTwitterより@サントリーホール)


後半は交響曲第1番。初演が歴史的大失敗と評された経緯もあってなかなか演奏されない作品。酷評されたことでラフマニノフが精神を病んで作曲活動ができなくなり、精神科医ダーリに催眠療法で「あなたはピアノ協奏曲の傑作を作る」と暗示をかけられて作ったのがピアノ協奏曲第2番。そういう意味でこの2曲が同時に演奏されるのは興味深い。まぁ、この第1番は何度聴いてもやっぱり、その後の交響曲第2番、第3番、交響的舞曲ほど洗練されていないのは確か…荒削りの印象が強くて耳触りは良くない(第3楽章は緩徐楽章だけど、メロディはさほど美しくない)けれど、実演で聴くと結構楽しめる。第4楽章後半では、弦のみなさんは火が出そうなくらい猛烈に演奏されていました。


尾高さんが最後にスピーチ。火曜日にサントリー定期があるので詳細伏せますが、先日の都響と同様に東フィルをベタ褒め凝視


来月は『オテロ』。2018年『フィデリオ』、2020年『カルメン』、2022年『ファルスタッフ』と聴いてきたチョンさんのオペラシリーズはいずれも最高。クンデ、イェニス、小林厚子さんなど豪華布陣で名演間違いなしでしょう。楽しみです。


オーチャードホールの頭上を次々と飛行機が飛んでいく飛行機