西村京太郎『寝台特急(ブルートレイン)殺人事件』 | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

西村京太郎さんが先月3日に亡くなったということもあり、代表作の1つ『寝台特急殺人事件』(1978)を読んでみました。

 

光文社文庫(2009)400ページ
 

寝台特急“はやぶさ”を取材する週刊誌記者の青木は、1号車の個室寝台で、「薄茶のコートの女」を撮影するが、そのフィルムを何者かに抜き取られてしまう。そして、翌日、多摩川に、その女の死体が浮かんだ。彼女は、いつ、どうやって運ばれたのか?犯人と、その目的は?ブームは、ここから始まった!累計一二〇万部を超える、トラベル・ミステリーの金字塔。

 

2003年新装版

ブルートレイン(寝台特急)の人気の秘密を探るため、週刊誌記者の青木は東京駅16時45分発下り“はやぶさ”に乗りこむ。1号車の個室寝台で彼は隣室の“薄茶のコートの女”を取材し、彼女をモデルに写真を撮るが、そのフィルムを何者かに抜きとられてしまう。闇夜を西進する車内でふと眠りからさめた青木は、車内の異状に気づくが後頭部を殴打されて気を失う。翌日、東京の多摩川に、“薄茶のコートの女”の水死体が浮かんだ。彼女はいつ、どうやって多摩川まで運ばれたのか?犯人とその目的は?ミステリー史上に燦然と輝く金字塔!待望の新装版。

 

1978年の作品なので、携帯電話もなく、車内の刑事と東京にいる十津川警部とがなかなか十分な連絡がとれないことがかえって新鮮。相当大がかりな殺人事件の仕掛けにびっくり。今から思えばブルートレインに乗ってみたかったなと思います。文庫本で400ページだけど、語り口がいいのですいすい読めるのも魅力なのかも。テレビのサスペンスドラマを原作で読んでみようと思った。
 
ちなみに、テレビドラマでは、高木弁護士が女性(沢田亜矢子)、武田信太郎は運輸大臣ではなく医師(布施博)とかなり違っています。見たことがあるような気がする。
 
みどころ
渡瀬恒彦主演「十津川警部」シリーズ第41弾。寝台特急はやぶさで殺人事件が発生! 十津川警部が列車運行ダイヤの盲点を突いた殺人トリックの謎に迫る。東京と熊本を結び、半世紀近く様々な人々の人生を運び続けた「寝台特急はやぶさ」。多くの人々に惜しまれながらも2009年3月14日、その歴史に幕を下ろした。このドラマは、引退前のはやぶさの車内で撮影を行い、列車の運行にしたがって刻々と事件が動く緊張感あふれる画面の中に、はやぶさの雄姿をたっぷりと描き込んだ。十津川警部シリーズの魅力の原点である寝台特急の旅情とサスペンスの謎解きを堪能できる作品。
【ストーリー】
東京月島の運河に、病院の事務責任者・田久保涼子(岩本千春)の溺死死体が上がった。涼子が勤める武田メディカルクリニックは、院長の武田信太郎(布施博)の経営手腕が注目される反面、多くの医療事故訴訟も抱えていた。涼子は武田の右腕として、それらの裁判を病院側に有利になるよう進めており、病院と武田、涼子を恨む者は多い。涼子の足取りを調べた十津川警部(渡瀬恒彦)は、奇妙な事実に直面する。運河での死亡推定時刻に、涼子は「寝台特急はやぶさ」に乗っていたというのだ。車掌の証言と車内に残っていた指紋がそれを裏付ける。一方、東京駅の監視カメラには涼子の他にも二人の意外な人物が映っていた。弁護士・高木美奈子(沢田亜矢子)と十津川の恩人でもある元刑事の大野雄吉(江原真二郎)である。高木と大野も涼子と同じはやぶさに乗り合わせており、二人は武田メディカルの事故で家族を失った被害者でもあった…。

 

1年ちょっと前にサンライズ出雲をなくなくキャンセルしましたが、再度チャレンジしてみたくなりました。