こどものためのバレエ劇場 2020 世界初演・新作バレエ公演「竜宮 りゅうぐう」~亀の姫と季(とき)の庭 ~ Japanese Fairy Tale Ballet for all the Family
World premiere / a new production of ballet "RYUUGUU - The Turtle Princess"
2020年7月25日(土)13時開演 オペラパレス
【音楽】松本淳一 【演出・振付】森山開次 【美術・衣裳デザイン】森山開次 【映像】ムーチョ村松 【照明】櫛田晃代 【振付補佐】貝川鐵夫、湯川麻美子
【プリンセス 亀の姫】池田理沙子 【浦島太郎】奥村康祐 【時の案内人】中島駿野 【フグ接待魚】柴山紗帆/渡辺与布 【サメ用心棒】木下嘉人/速水渉悟 【タイ女将】細田千晶 【イカす3兄弟】中家正博/清水裕三郎/福田紘也 【織姫と彦星】柴山紗帆/木下嘉人 【竜田姫】寺田亜沙子
世界初演の初日は唯さんにお譲りするとして、ポスターのメインキャラは池田理沙子さんと奥村康祐さんのコンビ。なんでかな?森山開次さんは理沙子さんをメインキャラに指名?理沙子さんをイメージしているのか?…なんて思いながら観た2日目マチネ。2回目なので、前日以上にいろんなところに気づいたりしてさらに楽しめた。
いつもは奥村王子だけど、今回は奥村太郎表情、踊りが奥村さんらしくとても自然で、まさに純朴な漁師。そして、冒頭のグリーンとブルーの波が実に面白くて効果的。新国バレエ団の美しさを引き出しているし、動きに意味がある。浦島太郎に釣られた亀が波に揺られて陸に上がってくる動きが本当によく考えて作られているなと感心した。いたずら好きの島の子どもは柴山紗帆さん、渡辺与布さん、益田裕子さんという贅沢な3人美しい3人のあの腕白小僧メイクにびっくりめちゃくちゃ悪ガキをイメージした表情と動き。
このように、出だしからよく練られた舞台に満を持して理沙子さん登場。衣装が似合ってるこれかまさに「プリンセス亀の姫」を地で行く理沙子さんなるほど。理沙子さんがメインキャラに抜擢された理由は登場してすぐに理解できた。助けてくれた奥村太郎への感謝を表すお辞儀、恥じらい、柔らかな仕草がまさに理沙子さんにぴったりのハマり役竜宮に行ってから奥村太郎をもてなす雰囲気、別れを告げる表情。昨年末のくるみ(と年明けのニュー・イヤー)以来7か月ぶりに観る池田理沙子さんのさらにバージョンアップした踊りが素晴らしい奥村太郎とのコンビも長くなって息もぴったりだった。
それにしても、どんぐり(赤井綾乃さん、菊地飛和さん、北村香菜恵さん)の踊りは反則級の可愛らしさちょっとハプニング(?)はあったけれど、どんぐりコロコロみたいにアドリブで転がってもよかったですね。問題なし。最高でしただんご3兄弟ならぬどんぐり3姉妹の踊りは何度でも観たいです。
与布さんも島の子どもの超悪ガキメイク、フグ、天女とそれぞれのキャラがバチってきまっていて、とても楽しそうに踊っていたのが印象的だった。
「子どものためのバレエ」となっているけれど、他にも、イカす3兄弟、白ウサギとの競走、タイ女将、金魚、クラゲなどなど、森山開次さんの斬新なアイデアと新国立劇場バレエ団のコラボが最高レベルに結集した名作だと思う。31日の千秋楽まで無事上演してほしい。
帰り道、携帯電話で話しながら歩いている開次さんを10m程離れたところに発見。眺めていたら目が合ったのでお辞儀したら、開次さんもしてくれた。
Chacottの理沙子さんインタビュー「新国立劇場のバレエ復活の舞台『竜宮』でプリンセス 亀の姫を踊ります」はこちら。