湯の山温泉

三重県の温泉のお話♨️

三重県菰野町の御在所岳の山麓の東側に位置する温泉街、

湯の山温泉♨️

養老2年（718年）に発見された古湯で、傷ついた鹿が癒していたことから鹿ノ湯とも言われておりました。

湯の山温泉には2つの伝説がありまして、

1つ目が【鹿の湯伝説】

昔々、1人の心優しい木こりが山で一頭の傷ついた鹿を見つけました。後を着けて行くと、鹿は谷川に傷ついた足をつけ、何やら気持ち良さそうにしています。その時、木陰に狩人の姿が。木こりは大声をあげ、この鹿を逃がしてやりました。それから数日後、木こりの下にいつぞやの鹿が訪ねて来て「危ない所をありがとうございました。あの窪みには、怪我に効くお湯が湧き出ているのですよ」と告げました。その話はまたたく間に遠い村々や町にまで広がったとか…。

2つ目の伝説は、【恋結び折り鶴伝説】

江戸時代。上方の大店のひとり娘と使用人は、結ばれぬ恋を思い詰め湯の山に。そして、蒼滝に2人で身を投げようとしたその時、1人の僧兵が現れ「温泉にでも浸かれば、気持ちも変わるかも知れんぞ」と励ましたのです。その言葉に気を取り直した2人が湯に入ると、何故か思い詰めていた気持ちが、ほんのりと解けていくのが分かりました。あくる朝、僧兵に礼をと三岳寺を訪れた所姿が見えません。せめて感謝の気持ちを伝えようと2人は鶴を折り、寺へ奉納しました。すると折鶴は連なってひらひらと舞い上がり、飛び立って行きました。この不思議な出来事に、明るい望みが生まれ、2人は上方に帰る決心をしたのです。それから数年後、幸せになった2人は三岳寺を訪ね、住職にあの僧兵のことを話すと、もう何十年も僧兵はいないとの事。 2人を救った僧兵は仏様の仮のお姿だったのでしょうか…。