谷中名物『愛玉子』は懐かし味のスイーツ…の巻 | The Sam's Room

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下町散策が好きなワタシ…

散策の途中、ふと思い立って『ある店』に行こうと思い立ったのです。
そこは、何度か前を通ったことがあるのですが、どういう訳か、間が悪いのかワタシが通る時に限っていつも閉まっていて『コイツゥ! ワタシを嫌ってるのかぁ~!?』とさえ思うほど『間が悪い』トコロでありました。

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上野と駒込の『谷』の中にあるから『谷中』と名付けたそうです。

谷中、やなか…、
なんだか…、
ヤなか んじ… !?

なぁんて仰るな!
なかなか良い感じの下町でございます。

そこにある古い食堂のようなお店が本日の目的の場所。

おお!!!
そういえば、目的のお店のすぐ目の前、道路を隔てた向こうにもレトロなお店が…

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イイ感じに『昭和』ですねぇ。

おっと…
このまま行くとまた話が横道にそれますぞ!
元へ、
話しを元に!

で、ワタシが入りたかったお店はココ!

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『愛玉子(おーぎょーちー)』というお店です。

不思議な感じですねぇ。

食堂?

それしてはやけにカンバンがやたらハデだしなぁ。

ここは上野公園前から国立博物館前を通って、東京藝術大学前を過ぎて数分歩いた所。
いや、日暮里駅からの方が近いかな?
まぁ、どちらでも良いのですが…

で、とにかくある種独特な雰囲気を持っているお店です。

思い切って入ってみましょう!

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ゴクゴク普通の『かき氷屋』さんという感じです。
でも、かき氷なんか頼みませんよぉ。

目的は、お店の看板にもあった通り『愛玉子(おーぎょうちー)』なのです。

オジサンとオバサンでやってるであろうこのお店、オジサンがお水を持って、ご注文は?と聞くので、『お~ぎょ~ちぃ~!』と元気にオーダー!

すると出てきたのが…

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こういう不思議なシロモノ!

なんですか、コレ?
知ってて来てるんだろう…って言われそうですが、知ってますけど食べたこと無いンだもの。

黄色い、摩訶不思議な色をしておりますぞ!

中身は透明な『寒天』みたいだなぁ。
これが『愛玉子』かぁ。

へぇ~!?

これってなぁにぃ?

『愛玉』と呼ばれるクワ科イチジク属のつる性植物の果実から作られる寒天状のものでございますよぉ。

作り方は意外と簡単なんだって… なぁんて言えばお店の人に怒られるかも!?

敢えて書いちゃおうっと!
ごま粒大の愛玉の種を水にさらして揉みだしますと、種からエキスが溶け出して2~3時間で寒天状に固まるそうな。

ふ~ん。
やったことないけど…

で、それに特性の黄色いシロップがかかったものがコレだって。

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ほらほら…
プルルンとしてるんだけどしっかりとした固まり方といおうか、ツルッズズ~って感じじゃなく比較的しっかりとした固まり方で、黄色いレモンシロップと相性バチバチバッチリ。

夏にこういうのはタマリませんなぁ…

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メニューも素朴ですなぁ。
手書きというのがまたイイやねぇ。

それにしても『チー』が並んでおりますぞ!
チークリーム
チーあんみつ
チーワイン

んっ?
ワイン??
誰ン、ワイん!?

そんなんアルんだなぁ。飲んでみたいような気も…

で、チーウイスキーにチーブランデーだって!?

ははは…
そこまで来たらワケワカメ!?

まっ、『チー』尽くしでよろしいなぁ。

このお店の創業は昭和9年だって。スゴイ老舗ですねぇ。テーブルや椅子まで昭和のニオイがプンプンだもん。

谷中を紹介する雑誌やグルメ本にもこのお店は必ず出てきますよね。
だから、関西人のワタシでも知っている…

そういえば、健啖家で有名な小説家の池波正太郎さんの『銀座日記』の中にも載っておりましたよ。

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『池波正太郎の銀座日記(全)』 平成3年3月25日発行 新潮文庫

道を歩いているとB社の女性編集者に声をかけられたので、谷中警察署のとなりの店で、むかしなつかしい[愛玉只]を食べる。
[オーギョーチー]は台湾特産の曼茎植物で、これを寒天のようにして、独特のシロップをかけて食べる。
ワタシが子供のころは、浅草六区の松竹座の横町にあった店で、とく食べたものだが、いまは、この店だけだ。ほんとうに五十年ぶりで[オーギョーチー]を食べたことになる。
「どうだ、うまいかい?」
尋ねると、女性編集者は、
「とても、おいしいです」
と、いう。おせじではないらしい。
 私も、むかしの風味が少しも損なわれていないようにおもった。
                            (銀座日記50ページ原文のまま)

       *** ちなみ、池波先生は『愛玉子』を『愛玉只』と記述されております。


こんなお店です。
昭和レトロと、台湾の味を試してみませんか?




『愛玉子 (オーギョーチィ)』 tel 03-3821-5375
東京都台東区上野桜木2-11-8