11月も終わり:まとめて色々 | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

なかなか更新できないまま、グランプリシリーズが終わってしまいました。

 

GPフィンランディア杯ではゆなすみが素晴らしいフリーの演技を見せてくれたのが感動でしたね。

 

すでに二連戦した後に急に出場が決まったとあって、興奮と疲労とがないまぜになり、調整も大変だったことでしょう。でもまだ若い二人ですから、全ては良い経験、というポジティブな姿勢で挑んだに違いありません。

 

次は全日本に出場、しっかりと練習を積んでSPとFSの両プログラムを揃えてほしいと思います。

 

帯同したブライアンコーチもお疲れさまでした!NHK杯のために日本に飛び、ちょこっとカナダに戻ってから今度はフィンランドへ。マイレージが貯まるとはいえ、こちらも時差調整が難しかったでしょうねえ。

 

そしてGPシリーズの最終戦となった中国杯では佐藤駿選手が初めての優勝。スケートアメリカでの樋口選手の初優勝に続き、嬉しいニュースでした。おめでとうございます。

 

ファイナルに進出する選手が全て決まり、もう来週はグルノーブルに集結します。

 

オークビルからは三浦&木原組、そしてジュニアのカナダ代表、デロシェ&スラッシャー組が向かいます。今週、アメリカのカム&オシェイ組や、ゴールデン・スピンに出場するシャラー&メイヤー組などと一緒に曲かけ練習をして準備を整えました。

 

ファイナル会場には日本からはさえルカたちも合流するので、とっても賑やかになりそうです。

 

グルノーブルはオークビルと比べてそう寒いわけでもなさそうですね。逆に温かいくらいかも知れません。アルプス地方で、1968年にはオリンピックが開催された土地です。どんな試合になるのか、楽しみです!


 

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前の記事で取り上げた羽生結弦さんのイタリアの大手メディアによる独占インタビューは早々にウェブ版が出て、公認されたNympheaさんの和訳がこれまた速攻でアップされましたね。

 

 

 

 

 

後に羽生さんご本人もこのインタビュー取材について言及されていたと聞きました。コンスタンツァさん、Nympheaさん、素晴らしいインタビューをありがとうございました。

 

 

 

 

「哲学者をインタビューしたQ&A記事か?」と思えるようなすごく深い内容で、私などはつい二度繰り返して読んでしまいましたよ。

 

通常、アスリートは「心・技・体」の三つが良い状態で揃った時に最盛期を迎えると思うのですが、私は羽生さんの場合、そこに「知」も揃っちゃってるんだなあ、と感心します。

 

ハート、技術、そして身体的な鍛錬に加え、彼は若い頃からずっと一貫して知能も養い、磨いて来た。

 

羽生さんの言動や氷上での創作に、現役時代から今に至るまでスッと一本の筋が通っているのは、単に天からインスピレーションが与えられた(まあ、それもあるかも知れませんが)からではなく、彼自身が地道に、丹念に積み重ねてきた努力の賜物なのだと思います。

 

何も見落とさない、

無駄にしない、

当たり前だと思わない。

 

彼ほどの才能の持ち主がそういった心構えで日々を送って行けば、まさに「鬼に金棒」なわけで、たいていの人には見えない「道」みたいなものが徐々に彼の眼には見えてくるのかも知れません。

 

私はまだもちろん、読んでいませんが、今度のアイスショー「Echoes of Life」には彼の書いた「ストーリーブック」が用意されているのですよね?

 

もうこれはただのプロスケーターの域をはるかに超えて、アイスストーリー作家・羽生結弦のショー、それを私たちは観に行くのだ、というキリっとした気持ちにさえなります。

 

私は年末年始、日本に帰る予定にしているので、広島での公演にぜひ足を運びたいと思っています。それまでに何とかしてストーリーブックを手に入れて予習せねば!!

 

 

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そして本日最後のトピックですが、珍しく夫と映画館で映画を見に行ってきました!

 

最近は外も寒くて日暮れも5時前とかなので、何となく家にこもりがちです。そして晩御飯が終わると、初老の夫婦はテレビの前に陣取り、様々なサブスクリプションを彷徨いながら何か目ぼしい映画とか、ドラマシリーズが無いかと探すわけです。

 

この間までは「JUSTIFIED」というシリーズを見ていました。思いっきりアメリカ南部の訛りが多用される設定で、なかなか面白かったんですが、6シーズン分も一気に見ると少々、飽きて来ます(当然か)。

 

 

 

 

その後は「The Lincoln Lawyer」を3シーズンほど見て、いや、やっぱりもとの映画の方が良かったよな、ということでこちらも観ました。

 

 

 

 

 

 

しかし今朝、夫が新聞の映画評論の記事を私に示して「これ、観に行く?」と聞いて来たのがこちら:

 

 

 

 

 

アンジェリーナ・ジョリー主演の「MARIA」。史上最高のソプラノ、究極のディーヴァとされるマリア・カラスの伝記映画です。

 

 

 

(1958年、「椿姫」に扮するマリア・カラス)

 

 

夫は私が大のマリア・カラスファンだということを知っていて、提案してくれたのでしょう。この映画に関してはずいぶんと前から話題にはなっていたので私も公開されるのを知っていました。

 

意見が一致して、午後3時半の上映会に向かいました。

 

 

ネタバレは避けたいので、ざっとした感想だけを言いますと、まず、アンジェリーナ・ジョリーがかなり見事にマリア・カラスの喋る時の声音や発音を再現していてビックリしました。私は未だに定期的にカラスのインタビュー動画を見たりするくらいのファンなので、彼女の喋り方(英語・フランス語・イタリア語など語学が堪能な人でした)は良く知っているつもりですが、本当にそっくり。

 

ジョリーの映画はこれまで何本か見たことがありますが、奥に秘めた悲哀だとか怒りだとかを表現するのが上手な女優だな、という印象です。カラスの晩年を描いた本作では、あまり大きく顔の表情を作らずとも、ちょっとした目の動きや首の傾げ方で深い絶望感や諦観を表していました。彼女の演技だけのためにもこの映画を見る価値はあったかな?

 

マリア・カラスの歌声はさすがに真似ることは出来ないわけですから、まあ、そこは求めても仕方ないですよね。彼女が世界中のオペラハウスで活躍していた頃の場面では、本物の音源と、カラスの有名な舞台のシーンをジョリーが再現したものが上手く織り交ぜられていました。

 

映画全体としてはちょっとスローペースで、現実の話なのか、カラスの空想や思い出のシーンなのか、があえて明らかにされていない感じでした。まあ、来月になったらネットフリックスでも見れるようになるそうなので、それまで待っても良かったかな、と夫は言っていましたね。

 

私はマリア・カラスの伝記を何冊も持っているし、彼女に関するドキュメンタリーも見尽くした感がありますが、それでもこの映画を見るまでは知らないことが一つ二つあったので、家に帰ってから調べ直した次第です。事実なのか、フィクションなのか、は完璧には検証できませんでしたが。

 

 

締めくくりとして映画の中でも使われていた曲、カタラーニの「ラ・ワリー」から"Ebben? ... Ne andrò lontana" のアリアをここに貼り付けておきます。

 

他にも色んなソプラノがこのアリアを歌っていますが、私はカラスのバージョンがピカイチだと信じています。これを聴くたびに、涙が出そうになります。

 

(いつか、宮原知子さんがこの曲でプログラムを創って滑ってくれたらよいな、と願っています)

 

 

 

 

ということで、11月末の近況報告でした。