2024年ISU世界選手権(モントリオール大会):ペアFSスモールメダルと表彰式 | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

無事に列車に乗ってトロントに向かっています。

 

 

では前記事の続き。

 

 

スモールメダル・セレモニーでは特別にISU会長から直々に三浦&木原ペアに銀メダルが授けられることは聞かされていました。それに続くFSのスモールメダル授与式までの間を利用して、木原選手がスピーチをする運びとなったのは、皆様も画像や動画などでご覧になったことと思います。

 

隣でマイクを持つ三浦選手の姿が可愛かったですね。

 

 

 

 

一方、セレモニー中の質疑応答で通訳を務めさせていただいた私は、自分でもびっくりするほど前のめり、前かがみの姿勢でメモを取り、しかも三浦選手・木原選手の言葉にやたら首をブンブンと上下させていて、みっともないったらありゃしない。

 

何年か前まではそこまで低頭姿勢ではなかったと思うのですが、これはやはり老眼のなせる業なのでしょうか。今後もしもこういった場に立つことがあれば、メモ帳をもう少し上で持っておこうと思ったことでした。

 

 

それはさておき、セレモニーはフリーのスモールメダルの授与、そして総合でのトップ3にシチズン社から時計の贈呈、そしてメダリストたちへの質問コーナーがありました。

 

このセレモニーに使われたテントは会場の入り口付近に設置されていて、えらく縦長(というかなんというか)だったんですよね。なのでステージの前から数メートルくらいまでしか、選手たちの姿が見えなかったのではないか、と懸念しました。本当にたくさんのファンの方々が、夜の男子の部までの時間を利用して詰めかけてくださり、大盛況でありました。

 

質問は全部で三つ・四つくらいだったかと思うのですが、まずは

 

「今週の一番のハイライトは何でしたか、そしてモントリオールという町はお好きですか」

 

これには三浦選手が早速「さっき龍一君とプティーンを食べに行ったこと」と答えて皆が大喜び。モントリオール市民にしてみれば、璃来選手のプティーン好きは本物なのだ、とすごく嬉しかったでしょうね。

 

そして木原選手は自分がストレッチャーで運ばれたことを茶化して、リフトされる側の気持ちを経験できたことを挙げていました。

 

オフシーズンに何をするのか聞かれると、ディアナ選手たちはスターズオンアイスの日本ツアーに行った後、カナダのツアーに参加すると言い、木原選手は自分たちは「病院ツアーに行く」と言ってまた会場を笑わせていました。こういう場では意外とオモロイこと言うんですね、木原選手。

 

和やかな雰囲気の中、交流は終わり、選手たちは会場の方に戻っていきました。その後、シチズンの時計をつけてそれぞれのチームが撮影会をすることになっていたので、その画像がどこかで出て来るのかも知れません。

 

 

そしていよいよ男子のフリーの試合が終わり、表彰式が行われました。トップ3人の選手の周回があり、ファンもまだその余韻に浸っていたところに突如、このままペアの表彰式が行われるというアナウンスがあって、その場にいた方々はさぞビックリされたことでしょう。

 

なぜもうちょっと周知されなかったのかは謎ですが、とにかくそのまま引き続き、3つのペアチームが登場して大騒ぎ。ボード際で男子選手と祝福し合ったりする場面もありましたね。

 

全員、すでにメダルを持っているわけなので、表彰台にそれぞれ乗って祝福し合い、授与式や国歌斉唱はなく、記念撮影がとにかくメインとなりました。やはり首位と3位だけの表彰台ショットは物足りません。

 

 

 

 

この時、ディアナさんとミネルヴァさんが演技用のアップのヘアスタイルではなかったのも、この表彰式が特別な配慮によって開催されたことを物語り、良い思い出の証拠写真となるでしょうね。

 

そして国旗を背負っての周回も、りくりゅうにとっては嬉しい場面でした。恒例の目ダルのポーズもありました!これは三浦選手いわく、木原選手がいつも高く上げすぎるために彼女の眼の位置とずれるのだそうです。もう一つ、可愛かったのは木原選手が三浦選手を国旗でグルグル巻きにしたところ。

 

最後はリンクを降りて、田中カメラマンへの特別ポーズ。気心の知れた田中さんだからこそ、撮れた一枚です。

 

 

 

三浦選手のツイッターより

 

 

エキシビションは大事を取って出場しなかったので、りくりゅうのモントリオール世界選手権はこの晩をもって終わったのでした。

 

3大会続けてのワールドメダル、2位、1位、2位、という成績はものすごい快挙、彼らの実力が紛れもなく世界のトップクラスであることを示しています。

 

先シーズンは三浦選手の肩、今シーズンは木原選手の腰、とペア男女にとっては特に深刻な部位の負傷に見舞われたにも関わらず、その都度、這い上がって辛抱強く自分たちの技術を取り戻し、自信を挽回できた。しかも今大会ではフリーで自己ベストを更新するという驚異のオマケ付き(ジャンプミスを含んだ上で、ですからね)。

 

これはとてもではないけれど、「良く頑張ったねえ」で済ませられることじゃありません。

 

今週の日曜日には「情熱大陸」で彼らがフィーチャーされるようですが、30分の短い番組では彼らの潜り抜けて来た苦難の数々は絶対に語りつくせないでしょう。

 

 

 

 

 

試合出場どころか練習さえも満足にできず、リハビリに励むしかなかった長い長い期間、痛みや焦りに耐えてきた木原選手。

 

大切なパートナーがくじけないよう自分も筋トレや単独練習を頑張る姿を見せて、結果的に何倍も強く、優しく、逞しくなった三浦選手。

 

彼らのために、最高の医師や理学療法士たちのサポートチーム(番組宣伝の映像にもこの方々が登場していました)を招集し、他のどの教え子たちよりもりくりゅうを優先させたブルーノコーチと、筋力トレーニングを担当して励ましたメーガンコーチ。

 

全員にとって本当に長い半年間でした。

 

あともう少しシーズンが長かったなら、あともう一試合あったなら、と考えられなくもないですが、逆にこのタイムラインであったからこそ濃厚な最後の6週間があり得たのだとも言えます。

 

彼らの姿を見ると、身体的には究極までに研ぎ澄まされ、メンタル面でも仕上がっていました。

 

だからこそ、試合が終わると同時に三浦選手は呆然と立ち尽くし、木原選手は膝をついて倒れ込んだ(そしてその後まもなく、本格的に倒れた)。

 

 

 

(毎日新聞猪飼カメラマン撮影)

 

 

 

スモールメダルのセレモニーで見せた二人の屈託のない笑顔は、普段の生活での彼らの姿に近いのですが、オリンピックやワールドでメダルを獲るアスリートでもあるだけに、いったん勝負の場となると豹変する。

 

 

(毎日新聞猪飼カメラマン撮影)

 

 

その現象を目の当たりにするたびに、一般人にはとうてい理解できない世界に彼らは生きているのだな、と思い知らされます。

 

 

以上でペア競技の振り返り(まあほとんどりくりゅう限定でしたが)を終えたいと思います。

 

次は女子…かな。