2024年ISU世界選手権(モントリオール大会):3月18日のレポート | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

皆さま、おはようございます。

 

現在(3月19日火曜日)午前8時を回ったところです。今日は一時間ほど前からプラクティスリンクに詰めています。

 

 

 

午前中はアイスダンスの練習があり、その後、ペアと続きます。このヴェルダン・オーディトリウムはなかなか綺麗なリンクですが、観客席はどうやらけっこう寒いようです。

 

さきほど、カナダのパイパー・ギレス&ポール・ポワリエ組がフリーダンスの曲かけを行いました。「嵐が丘」は本当にドラマティックで良いプログラムだと思います。ぜひ彼らには表彰台の高いところを目指してほしい!!!

 

ちなみに同じグループにいるはずのマージョリー・ラジョワ&ザカリー・ラガ組は着ていませんでしたが、彼らのRDの「スリラー」がかかると、ボード際にいたキャロル・レーンコーチが踊り出して、可愛かったです。

 

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さて、昨日は同じく午前の7時からのシフトでしたが、メインリンクの方で全日過ごしました。ホテルに戻ったのは21時だったのでそこまで遅くはなく、しかも大会初日だったのでアドレナリンが噴出してあまりしんどく感じませんでした。

 

ただ、部屋に戻ってからドッと疲れが出てブログには手が回らなかったので今朝、急いで前日のレポートを書きあげたいと思います。

 

 

順序としてはアイスダンス、ペア、女子、男子とメインリンクでの公式練習が行われました。お客さんもそこそこ入っていたのと、どうやら近所の学校の生徒たちを見学で入れてたらしく、けっこうな盛り上がりを見せました。

 

新しいボランティアが来るたびにミックスゾーンでのオリエンテーションが手短に行われ、それぞれが持ち場につきます。シャンティは月曜日、プラクティス・リンクに詰めていたので私がこちらのリーダーを務めました。

 

月曜日はカナダおよび日本の選手がメディアデーを行う、ということでなかなかミックスゾーンは忙しい。大会の前々日にこのように取材日を設けるのはいつもより早かったかな?そのせいで間に合わないジャーナリストさんたちもいらしたようでした。しかもメディアのアクレディテーションが朝の9時からしか開かないので、ちょっと厳しかったですね。

 

あ、そうそう、アイスダンスの小松原&コレト組は練習時間あまりにも早かったので取材は火曜日になりました。いずれにせよ、モントリオールを拠点とするIAMのチームはほとんどが自分たちのリンクでまだ滑っているようなのでかなりの数の選手がまだこちらに姿を見せていません。

 

それにしても上位選手たちは練習が終わるとテレビの取材をまず受け、そこから日本・海外のペン記者の取材をミックスゾーンで受けて、最後にカナダ連盟のプロダクション・チームによる「ショートムービー」の撮影もあるので大変です。

 

昨今の傾向としては選手たちにSNSへの登場や、ちょっとした「芸」をさせて、演技の合間合間にスクリーンに映し出すための映像を撮るのが流行っています。会場にいる観客やテレビなどの視聴者に向けてアピールをさせるためなのでしょうが、こういったことを得意とする選手もいますが、負担になる選手もいるので、個人的には諸手を挙げて喜べないのが正直なところです。

 

えーと、なんの話でしたっけ。

 

あ、そうそう、アイスダンスが終わると次はりくりゅうの登場するペアの練習が始まりました。

 

三浦&木原組とブルーノコーチは練習時間のずいぶん前から会場入りしてウオーミングアップなどを開始します。ミックスゾーンのエリアを通過していくのでご挨拶ができました。元気そうでしたよ!

 

彼らにしてみたら時差が無い分、本当に有利だと思います。去年のさいたまワールドの方が却って移動の意味では「アウェイ」だったわけですよね。三浦選手が練習後、調子を聞かれて「いやートロントの時差があって…」とジョークを飛ばしていたのが面白かったです。

 

肝心の練習ですが、りくりゅうの前のグループではカナダの3チームが出て来て、気合満々でしたね。ディアナ・ステラートデュデク&マクシーム・デシャン組などは怖いほどのテンションでした。でも当然でしょう。優勝候補の一角で、地元開催とあればテンパりもします。

 

そこへ行くとディフェンディング・チャンピオンであるりくりゅうは、シーズン前半に怪我で離脱していただけに連覇のプレッシャーを負う、というよりも追いかける立場になっているのが現状かも知れません。

 

しかし取材では「自信はもう戻っています」と木原選手が言い切ったのが頼もしかったです。

 

 

 

 

 

この写真、可愛いですね!どちらが前に行くか、でもめていたのは、顔が大きく映るのが問題だそうです。ハッシュタグ「遠近法」も面白い。

 

なおりくりゅうは午後のプラクティス・リンクでの練習には参加せず。何となく、ですが、いつものルーティン通り練習は朝だけで切り上げているのな、と。

 

イタリアのペアの練習も観ました。その他、ドイツやジョージアなど、ヨーロッパ選手権出場チームがなかなか充実していますね!試合開始が待たれます。

 

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この後、女子・男子と続くわけですが、午後からいきなりミックスゾーンの幅が二倍になりました。

 

 

ここから。。。

 

 

 

 

こういう過程を経て。。。

 

 

 

 

 

出来上がりはこんな感じ。

 

 

さて、女子は韓国選手、ベルギー選手たちがなかなか良かったです。そしてもちろん、日本の3選手も良い表情でした。

 

中でも坂本選手、何とも言えない余裕というか落ち着きと言うか。それであって適度にジョークも飛ばして取材陣とのやり取りも手慣れたものです。彼女の三連覇はかなり濃厚だというのが大方の予測ではないでしょうか。モントリオールは何度も振り付けをしに訪れているので馴染みの深い地だと語っていました。良い結果がもたらされますように。

 

千葉選手、オータムとスケアメでお会いしましたが、あのシーズン前半とはうって変わって表情が明るかったです。やはり四大陸での優勝が大きな自信となったでしょう。受け答えも非常にテキパキ、独特な表現力でした。SPの「ダークアイズ」はサーシャ・コーエンさんのプログラムを参考にしたのが、衣装の巻きスカート部分に少しだけ青い色を採用したところにも見られるのだ、と海外記者からの質問に答えていました。

 

吉田選手もとてもしっかりとした取材態度でした。彼女は英語が堪能なので海外記者からのインタビューも難なくこなしていました。千葉選手とリンクメイトであることについて聞かれていましたが、対照的な練習に対する姿勢でありながらもお互い学ぶことが多く、良い競争相手になっているようですね。

 

女王・坂本花織の若手二人、という取り合わせはものすごく魅力的です。日本の層の厚さを感じさせられて本当に誇らしい。

 

 

一方、男子は初出場の三浦佳生選手がいつもミックスゾーンでは人気です。彼も面白い受け答えをしますね。海外の記者にも期待され、その通りのリアクションを出せるのがとっても素敵。

 

 

 

 

日本男子の三枠は安泰、と言ったのがウケていました。

 

鍵山選手も二週間ほど前からトロントで練習を積んでいたらしく、もんのすごく落ち着いていました。すがすがしいというのか、すっきりしているというのか、とても良い表情でした。若いのにこの落ち着き、めちゃくちゃ頼もしいです。「不安材料はすべて取り除いて来た」って、なかなか言えることじゃありません。練習も気負うところなく、淡々と、しかし表現面でも取りこぼすところなく、といった感じでしょうか。

 

最後に宇野選手。私は彼を長年、カナダなどの大会で観てきましたが、さすがに今となってはベテランらしい静かな自信がみなぎっていました。頬も試合前に相応しく削ぎ落され、鋭さがありました。良いですねえ、闘うアスリートの顔、は。

 

 

なお、男子の練習はこの後も夜遅くまで行われたのですが取材に応える選手は少なかったです。翌朝に持ち越されたケースが多かったようでした。

 

私も後を別のボランティアたちに任せて引き上げたので最後までは見ていません。

 

 

なお、コンコースの方にはりくりゅうの衣装をも手掛けたMathieu Caronさんの美しい展示もあります!

 

 

 

 

りくりゅうはこの展示のために「ユルネバ」の衣装を提供しています。

 

 

以上で公式練習初日のレポートを終わります。

 

 

現在、こちらは間もなく午前10時。この後アイスダンスの第1グループの練習があり、そのあとはペアが続きます。その模様はまたのちほど。