ゆなすみ、さえルカ、合宿を経ていざ出陣! | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

オークビルで合宿をしていた若手日本ペアの長岡&森口ペアが昨日、オランダでのチャレンジ・カップに向けて出発しました。

 

 

 

 

ここでSPのミニマムスコアを獲得して、来月のモントリオール・ワールドへの出場権を手にしたいところです。

 

ブルーノコーチも言っていましたが、今年のSPのミニマムスコアはかなりハードルが高い。課題エレメンツとなるデススパイラル(フォア・インサイド)とリフト(グループ3)の種類の基礎点がそもそも低いのに、昨年と同等のミニマム技術点を「29点」に設定してあるため、本当に失敗が許されないのですよね。この辺り、どうして考慮されないんでしょうか。

 

私も正直、つい最近までペアのエレメンツの種類や基礎点に関しては全くノーマークだったのですが、常々メーガンコーチが言っているとおりISUはルールを取り決める際にもっとペア専門の選手やコーチに意見を聞いた方が良いな、と思いました。

 

まあそれはさておき、ゆなすみ組は元気にブライアンコーチと飛び立ちましたので、これから現地で練習をして土曜日からの試合に万全の態勢で挑んでほしいと思います。

 

 

 

 

 

そしてこの数日後に今度はさえルカ組が台北での世界ジュニア選手権に向けて出発します。日本代表チームは多くの選手が出場するのできっと楽しい経験になることでしょう。昨年のカルガリーでの大会が思い出されます。

 

 

 

 

 

この両大会に帯同するのがブライアン・シェールズコーチです。マイレージが貯まるねえ、と茶化すと、けっこうウキウキした様子でした。

 

 

 

 

 

1月初旬からバヴァリアン・オープンへの遠征を挟んで、1ケ月半近くのオークビル合宿でしたが、本当に四人ともよく頑張りました。

 

 

 

 

このブログでも先日、少し触れましたが、オークビルの Sixteen Mile Sports Complex はまさに今、ペアの世界的な練習拠点となっています。日本、カナダ、アメリカ、フランス、オーストリアのペアチームでリンクがひしめく環境。そんな中で毎日滑ることが出来たのはゆなすみ、さえルカたちにとってものすごく有益な経験だったに違いありません。

 

そして何といってもりくりゅう先輩の存在が大きかった。「ツイストは(男子は)気合だああっ!」という木原選手の冗談交じりのアドバイスを受け、全員で大笑いをしたこともあったそうです。

 

女子は三浦選手がよく面倒を見て、随所で声を掛けてあげていました。日本のペア界でこんな日が来るとはつい数年前まで想像できませんでしたよね?

 

また、りくりゅうは「いつもニコニコ」「漫才のようなやり取り」というイメージが前面に出がちですが、当然のことながら色んな苦労や厳しい練習、深刻な怪我なども乗り越えて来ています。同じリンクで練習を重ねる中で、そんな舞台裏を少しは見ることが出来たのもきっと若手ペアには勉強になったことでしょう。

 

ペア(アイスダンスも、ですが)にはカップル競技特有の難しさがあります。

 

ブルーノさんはパートナー同士の関係のマネージメントを得意としていますが、本当に自分の技術や表現力の向上にだけ終始していれば良いシングル競技とは違って、一緒に滑る相手のことを常に気遣いながら極めて行かなければならないので、慣れない内はかなりのストレスを伴います。

 

先月、手伝ったノービス・プレノービスの試合では、たくさんのペアやアイスダンスのチームが参加していました。小学生、中学生の頃からパートナーと滑ることを経験している選手のいるカナダでは、おのずとカップル競技に対する知見も深い。コーチや連盟は当然ですが、保護者やファンも事情がよく分かっています。そこが日本とは決定的に違うのだと思います。

 

ペアチームは長い年月をかけて育っていくものであり、最低でも3年は見てもらいたい、ということはブルーノコーチがいつも言っていることです。特に男子はじっくりと育てていくべきで、すぐに結果が出ないからと言ってペアを解消したり諦めたりするのではいつまでも層が厚くならない、と。


また改めてブルーノさんに日本ペアの現状や未来について面白いお話が聞ける機会があるはずです。ファンの皆様からの質問をその時には募りたいと思いますので、ぜひお寄せください!