2023年オータムクラシック:雑感その③ | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

2023年度のオータムクラシック、男子FSとアイスダンスのFDについて書きたいと思います。

 

木曜日の午後に始まった大会でしたが、金曜日の午後、そして夜になるにつれて徐々に観客の数が増えて行くのが分かりました。

 

カナダではカップル競技、中でもアイスダンスが人気なので何となく納得。最終日の土曜日はスタンドがほぼ満員という感じになっていました。

 

 

 

 

もちろん、かつてこの同じ会場で2017年のオータムクラシックが開催された時は羽生選手が出場していたために、お客さんがひしめき合い、最前列のフェンス越しにスマホやカメラが付き出されるような光景が見られましたが(あと、徹夜で建物の外に並んで野宿していたファンも多数いて、パトロール中のモントリオールの警察がびっくりしていましたっけ)、今年の場合はほどほどに埋まっていた、と言えましょう。

 

 

さて、男子の試合の結果で注目に値するのは前日から大きく順位を上げてきたケヴィン・エイモズ選手(6位から2位へ)と山本草太選手(7位から4位へ)でしょうか。

 

エイモズ選手は2019年のオータムクラシックでも羽生選手に次いで2位に入っていましたね。懐かしいです。その前のシーズンから徐々に頭角を現していた選手で、小柄ながらとても斬新な動きを見せることで知られています。

 

今シーズンはフリーで「ボレロ」を演じて、赤い手袋をしているのがとても印象的です。

 

 

 

 

 

前日では良いSPを滑ったゴゴレフ選手が、フリーでも演技をまとめてしっかりと表彰台に立てたのは良かったです。今シーズンはこのように両プログラムを揃えられれば、自信が付いていくはずですよね。キーガン・メッシング選手が引退した今、カナダの男子は誰がトップに立ってもおかしくありません。

 

優勝はマリニン選手。彼は驚異的な体力の持ち主なのか、シーズンオフはさんざん日本でもショーに出まくって、今度はジャパンオープンにも出向くのですよね?そこからすぐに帰国してGPスケアメに出るとなるととてつもないスケジュールです。

 

まあそういうと三浦&木原ペアも同じ日程になりますので、調整が上手く行くようにと祈っています。

 

 

そして山本選手。フリーの曲はミューズの「エクソジェネシス」でしたが、これは多くの選手が使ってきたナンバーです。カナダのローマン・サドフスキー選手も何年か前に採用していましたね。スケーティングの美しさを見せるのには適していますが、間延びする場合もあるので難しい曲だと思います。

 

山本選手は出だし、4回転がどんどん決まって非常に調子良さそうだったのですが、3アクセルへの入りで「あ、ちょっと躊躇したかな?」と思ったところ、パンクしてしまいました。それでもしっかりとオイラーから3Sを付けて場内を沸かせました。

 

そこからまた持ち直して良い感じかと思われましたが、二個目のアクセルもパンクしてしまいました。残念!

 

キスクラに戻ってきたところ、ふと見上げると三浦選手と木原選手が応援に来ていましたね!

 

 

Photo by ACI 2023 Skate Canada Media Team, 

uploaded with permission

 

 

とても良い光景でした。

 

 

ミックスゾーンでの山本選手はとても落ち着いていて、しっかりと記者の質問に答えていました。多くのファンに声援を送られて、試合後はサインにも応じていました。

 

 

なお、表彰式は競技ごとに演技終了後、氷上で行われたのですが、エイモズ選手は一日の競技が終わったあとにセレモニーがあると思っていたらしく、いくら探しても見つかりませんでした。

 

もしかして、と二階に上がっていくと「すみません、すみません!」と慌てて走って来る彼の姿が。そこから大急ぎで着替えて、なんとか間に合ったことでした。

 

 

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最後はアイスダンスです。

 

 

ここでもちょっとした順位の入れ替わりがあって、前日のRDでは4位だったリム&クアン組がスマート&ディーク組を抜いて3位に上がってきました。

 

RDのプリンスメドレーから一転して、FDでは「シェルブールの雨傘」を演じ、なかなかのふり幅を見せていたのが良かったです。特にリム選手は表情が本当に豊かでこれからが楽しみなスケーター。すでに多くのファンから注目を集めています。

 

ちなみに彼らも競技が終了して銅メダルが確定した後も、自分たちの順位に気づかずに更衣室で着替えていました!

 

「ねえねえ、あなたたち、表彰式に出てくれないと」

 

と言うと、リム選手が大きな目を見開いて

 

「え?私たち、メダル獲ったの?」

 

と大ビックリ。

 

そこからパートナーを呼びに行って大急ぎで衣装を着なおして、セレモニーへと向かいました。

 

こういう事はGP大会ではあまり起こらないので微笑ましかったです。

 

 

 

 

フランスのロパレワ&ブリソー組はFDで1位でしたが、RDで得点を稼いでいたペイト&バイ組が逃げ切って優勝しました。僅差での優勝争いでしたね。

 

 

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試合終了後、ミックスゾーンはすっかり片付けられていました。

 

 

 

 

 

さて、次回のカナダ主催の大会はGPスケートカナダ、バンクーバー大会です。オータムクラシックにも出ていた坂本選手と山本選手が来てくれます。

 

そして千葉選手と三浦&木原ペアはGPスケートアメリカへの出場が決まっているので、まずはそちらに注目、ということになります。

 

では以上で2023年オータムクラシックのレポートを終わります。読んでくださってありがとうございました!