2023年ISU世界ジュニア選手権(カルガリー大会):3月3日の模様①女子FSから | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

皆様、おはようございます。

 

今日が会場での仕事は最終日なので、朝から荷造りをしてチェックアウトの準備に掛かっていました。

 

ホテルでの朝ごはんも三日目となるとかなり堪能した感があります。本日はアボカドトーストをメインに、卵とベーコンをサイドで注文しました。

 

 

 

 

ミントの葉っぱ、ミニトマトのロースト、そしてレモン風味のクレームフレッシュが乗っかっていました。お洒落。

 

すごいボリュームで、さすがに半分くらいテイクアウトにしてもらって昼にでも食べようと思っています。

 

 

さて、昨日の模様ですが、いやまた凄いものを見てしまいました。すでに日本でも報道されていますが、女子のフリーで日本の島田選手、中井選手がとてつもない力を発揮して、私などはミックスゾーンのモニター前で感涙。

 

他のスタッフに笑われ、ティッシュを差し出されたほどでした。

 

というか、全体的にベストの演技をする選手が最初の方のグループからチラホラ出て来ていました。SPではコンビネーションジャンプのミスのため、ずいぶんと下位に沈んでいたグルジアの Inga Gurgenidze 選手:二つのトリプル・アクセルを決めてフリーは7位、最終順位を19位から9位へと上げました。

 

 

 

 

ラトビアの Nikola Fomchenkova 選手も素晴らしかったです。フリー10位で最終的には前日の17位から13位へと浮上。

 

 

 

 

そしてカナダの期待のカイヤ・ライター選手(彼女のラストネームをどう発音するのか、で裏でかなりの議論がありましたが、どうもオランダ風に言うと「ラウター」、英語風に言うと「ロイター」に近い、ということで私は何となく「ライター」にしています。今後変えるかも)。

 

ひと枠しかなかったカナダの枠を、SPとFSで11位に入り、最終順位が10位、と見事に大役を果たしました!!

 

 

 

 

カイヤちゃんは本当に笑顔が絶えない選手です。どんな時にでも明るく、感謝いっぱいでメディアに対応して、もんのすごい好印象の嵐。

 

昨シーズンはブレードでふくらはぎを切ってしまうという酷い怪我をしたそうですが、よくそれを乗り越えて復帰してくれました。

 

ヨーロッパ選手権でメダルを獲っていたスイスの Kimmy Repond 選手も前日の10位から7位へと上がり、意地を見せました。終わった時の彼女の感極まった表情に、ミックスゾーンも安堵の声が洩れました。

 

 

 

 

とにかく最後の2グループから怒涛の好演技続きで、息をつく間もない、という感じでした。第6グループでは韓国、中国、そして日本の選手たちがこれでもか、というほどのせめぎ合いを繰り広げ、近年まれに見るほどの高レベルの戦いとなりました。

 

トップバッターの Minsol Kwon 選手。彼女の「キャッツ」のプログラムは大人気で、スタッフやジャーナリストのみんなが「She's so adorable!」と絶賛。ひとつ順位を上げて6位から5位になりました。

 

この選手はJGPシリーズからそのパフォーマンス力が目立っていましたね。今後、どういうプログラムを滑ってくれるのか、楽しみになります。ミックスゾーンでは頑張って英語で質問に応え、そこも大好評。

 

 

 

 

 

6位に入った中国の Xiangyi An 選手、彼女に対する印象としては、本当に美しいラインを作り出すなあ、ということがありました。スピンが綺麗ですし、とにかく見ていてうっとりします。どうやら英語も得意のようで、小さい頃からしっかり勉強した、と言っていたのでそこもあっぱれです。

 

 

 

 

 

韓国の Yujae Kim 選手。華奢ではありますが、目ヂカラが凄い。彼女もトリプル・アクセルを着氷し、その後もガンガン飛ばしてくる感じです。パーソナルベストを出して前日の4位をキープ。

 

 

 

 

ああ、そして日本の中井亜美選手。もうドキドキして見守っていたのですが、冒頭のトリプル・アクセルがしっかり回転は足りていながらも着氷ミスで転倒。

 

でもそこからが凄まじい頑張りでした。手元の予定構成表を見ていても、どんどんレイアウトが変わって行って、これは最大限の点数を叩き出すために彼女が変えて行っているのだと分かった時には震えました。

 

何という精神力。いやもう、全くこちらの頭が付いて行かないような見事なリカバリーで、どうやら練習の時から最初のジャンプでミスが出たらこういうパターンに切り替える、ということをやっているに違いない、と思わされました。

 

そしてキスクラで高い得点が出て、暫定首位。メダル獲得が決まりました。もう涙、涙。

 

 

 

 

 

キスクラでコーチの中庭先生に何と言われましたか?と聞かれ

 

「先生も表彰台に乗れると思っていなかったので、ビックリされていました」

 

という答に皆が笑ったことでした。いやいや、何という快挙でしょうか。

 

 

そして韓国の Jia Shin 選手の登場。私は彼女の演技中、中井選手の通訳をしていたのでしっかりとフォローは出来ていなかったのですが、ノーミスでエレメンツをどんどんこなして行ってるのは伝わってきました。ところがひょんなところで転倒した、と後から聞いて少しびっくり。でも結果的には安定した演技で中井選手を抜き、彼女が暫定首位に。

 

最低でも銀メダルが確定しました。

 

 

 

 

さあ、そして最終滑走の島田麻央選手。

 

もう、会場の熱気も最高潮に達していました。皆が、彼女の大技を見ることを期待して、息を飲む感じ。私もモニターの前に仁王立ちして、おそらくテレビカメラの邪魔をしていたのでは、と懸念されます。

 

しかしその場には中井選手もいて、彼女も一生懸命応援していました。

 

演技が始まり、まずは会心のトリプルアクセルが決まる。

 

「麻央ちゃん、凄い!」と中井選手。

 

そこからもう、「凄い!麻央ちゃん、凄い!」の連呼です。

 

4回転トウループがしっかりと着氷され、少し島田選手に笑顔が出ます。しかしその後も全く何の迷いもないように、一つ、また一つ、とエレメンツが丁寧に、しかし力強く決まっていきます。島田選手の特別なところは、ジャンプだけではなく、難しい姿勢のスピンからどんどん回転速度が上がっていくところですね。そこで観客がグオーッと沸きます。

 

スクリーン越しに、彼女が完璧にゾーンに入っている、のがこちらにも分かり、感動を超えて畏敬の念さえも芽生えます。

 

こんなにも圧倒的な演技で最終滑走が締めくくられるとは。

 

もちろん期待はされていましたが、大会自体のクオリティを何倍にも上げてくれるような、ベタな表現をすれば「神・演技」でした。こういった試合には私もこれまであまり遭遇したことがありません。

 

当然のことながら、会場で見ている我々には一切、なんの解説も聞こえてきません。それでも試合の流れは確かに感じられ、この時はとんでもない場に自分たちは立ち会っているのだ、という実感がひしひしと伝わってきたのでした。

 

私の横でメディアの方が「いや、凄まじいものを見せられた、という気がしますよね」と、静かに、しみじみと仰ったのが印象に残りました。

 

ああ、こうやってまたレポートをしているだけでも再び感動が蘇ってきます。

 

この時点でボロボロと泣いていた私ですが、得点を聞いてまた大泣き。ミックスゾーンもドッと沸き、キスクラ裏に会場の大声援が聞こえてきました。

 

ジャッキー・ウオンさんも言っているように、これはシニアのワールドでも勝てるほどのスコアです。

 

 

 

 

 

 

キスクラから引き揚げてくるコーチ陣、そして島田選手。興奮の坩堝でしたが、すぐにフジテレビの取材、そしてミックスゾーンでの取材、それらを早々に切り上げて表彰式へと向かうことになりました。

 

 

 

 

 

私は式もゆっくり見ることなく、記者会見場へと急いだのですが、その会場のバルコニーからは少し、覗くことが出来ました。

 

 

 

 

 

この後の記者会見でもなかなか面白いエピソードがあったのですが、これから最終日のため、会場に向かう時間が来ましたのでここでレポートを切り上げます。

 

続きはまた、時間が出来たら書きますので少々、お待ちください。