りくりゅうファンの皆様。
三浦&木原ペア+ブルーノコーチは本日、無事にトロントを発ちました。
いよいよ今週後半からグランプリ大会NHK杯が札幌市で開催され、日本のスケートファンの前で今シーズンのプログラムを滑るわけですが、そこで今一度、ショートとフリーの見どころを皆様とご一緒に簡単におさらいしておこうかと思いました。
というのも私、すっとぼけたことに先だってのGPスケートカナダの模様が dailymotion で全編、英語版・フランス語版解説で見られるのを知らなかったんですよね。
確かに大会中、会場にはライストの設備が整っていて、お馴染みのテッド・バートンさんが何らかの解説をしているらしいことは知っていました。でもそれがどこで公開されるのか、についてはあんまり調べていなかったのです。
そして昨日、ふとしたことからこれらの動画を見つけて、りくりゅうの演技を観て、また当時の雰囲気に浸っていたのです。
こちらが英語版(テッド・バートンさん解説):
そしてこちらがフランス語版(アナウンサーはパトリック・ロックさん、解説はマルタン・ゴードローさん):
で、ちょっと珍しいかと思って、この記事ではフランス語バージョンを使っていきたいと思います。
なお、以下のスクショはもしも日本で動画が見られない場合、あるいは本当にご参考までに、と思って使っていますので、とてつもなく粗くて申し訳ないのですがどうかお許しください。何となく伝われば、と願っています。
りくりゅうが動画に登場するのは
1:06:41
辺りから。
パトリックさん(以下P)
さあ最後の競技者です。日本代表、リク・ミウラとリュウイチ・キハラです。コーチはブルノー・マルコット、披露してくれるプログラムの振付はジュリー・マルコットで、「You'll never walk alone」という曲に乗せて滑ります。
演技開始:
1:07:09
なお、ここから演技終了まで中継のお二人は沈黙。
なので私が個人的に「見どころ」と思ったところを、該当する歌詞などともに入れています。
When you walk through the storm, hold your head...
のところで、二人のブレードの力強い音が聞こえます。
And don't be afraid
この辺りでズザッというツイストを投げる音。
At the end of the storm
コーナーリングをするブレードの音がまた聞こえる
And the sweet silver sound
でSBSの3T
Walk on through the rain walk on through the wind
でリフト
そこから新ベイビー
スロー3Lz で、これが上手く決まればインストルメンタルの盛り上がりとばっちり合うはずですが、三浦選手が何とかこらえてコーナーを回り、どんどんスピードが上がってくる。
そしてチェンジ・フット・コンビネーションスピン
これが終わるころにエルビスの声が聞こえてくる。(声がその前までのマンフォードさんより明らかにデカいので、歌詞も全て大文字です)
WALK ON, WALK ON WITH HOPE IN YOUR HEAAAAAAART
で二人がバーンと両腕を広げて、璃来選手は歌っているようにさえ見えます。(ちなみにキング・エルビス様が音を延ばしている部分を強調するために、あえてスペルも変えています。)
そして次のWALK ON, WALK OOOOON では二人が手を取り合ってステップを踏み、光に向かって歩いていくような振付。
WITH HOOOPE IN YOUR HEART では三浦選手がジャッジに向かって強い視線を送る(ふと見ると龍一選手は「ほれ、このリクを見てくれ!」と言ってるかのよう)。
YOU'LL NEEEEEEEEVERRRRRRRR で木原選手がデス・スパイラルに三浦選手を導きながら大きく腕を開き、
360度、まんべんなく会場を見回してすごい迫力です。
そしてエンディング。
P:
リクとリュウイチによる、大変すばらしい演技でした。終わりのこの表情を見ると、自分たちの出来栄えに対して満足していることが分かりますね。振付も音楽も彼らにとても良くマッチしています。そこかしこにちょっとしたミスはありましたが、見ていて全体的に美しいプログラムでした。
スロー再生を観ながら
マルタン(以下M):
彼らは昨年、大変長いシーズンを過ごした選手の中に入れることが出来ますよね。五輪シーズンというのはそもそも他のシーズンよりも一カ月ほど長いわけですが、そこからまた気を取り直して回復して、プログラムを創るのは並大抵なことじゃありません。世界選手権に行かなかった選手もいるのですから、それに比べても大変です。
彼らの演技を観れば技術力の高さ、スケーティングスキルの高さが明らかですが、コンポーネンツの面でもパフォーマンス、構成においても文句なし、だということが分かります。実に見事でした。
中でも二つ、優れたエレメンツがあって。。。
トリプル・ツイストでは二人の間隔が少し詰まっていた感があったのでレベル2になりましたが、今後はここを改善していくに違いありません。
そしてトリプルトウループ、これは本当に良かったです。二人の動きが良く合っています。
このラッソーリフト、とてつもない距離に渡る技をご覧ください。画面で他の組との違いが明らかかどうか分かりませんが、とにかくリンクのほぼ全面を端から端までカバーしています。特に男性の方の滑りが流れるように滑らかで、かつ安定してます。
ここのスロージャンプでは女性が非常によくこらえて、転倒の減点を避けることが出来ました。まるで猫のようです。回転も足りています、回りすぎなくらいですね。
そしてデス・スパイラル、女性の足を観てください。全く引っ掛かりがなく、姿勢も美しい。入りも非常に難しいスパイラルでした。しかもそこから直接エンディングへと持って行くという、とても面白いつなぎでしたね。
P:
表情からも演技に満足している様子が分かります。
と、まあここらへんで打ち切りますが、もう、これを聞き取ったり(下手な)スクショを撮ったりしながら、二人の演技を改めて見て、胸がいっぱいになりました。
SPの美しい群青色の衣装にゴールドの装飾、これはマテュー(フランス語発音ではこう言います)・カロンさんが、エルビス・プレスリーっぽさをあまり前面に出すのはプログラムに馴染まないけれど、それでもやっぱりちょっとは入れたい、ということで施されました。
三浦選手も木原選手もこのSPの衣装が大のお気に入りなのだそうです。
そしてもう一つ、付け加えるとすれば、ブルーノさんはある取材の中で、
「このショートであえて最初、ソフトな曲調を持ってきているのは、観ている人たちにリクとリュウイチの滑りの音を聞いてほしいから。彼らのブレードの音がどれだけ滑らかで、力強いながらも静かなのか、そこにぜひ、注目してほしい」
と言っていました。
もうすぐ、二人のブレードの音が札幌の会場に響き渡るのですね。
待ち遠しい。
ではこの調子で明日はフリーをおさらいいたしましょう。