2022年NHK杯に向けて②:フランス語解説による三浦&木原組のスケカナFS演技(補足) | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

さきほど、コメント欄にて大変ありがたい情報を頂きましたので、補足として加えさせていただきます。テレ朝の特典映像にて、手を叩いて鼓舞しているのは私がブルーノさんだと思っていたところ、元リンクメイトのマイケル・マリナロさんであったと判明いたしました。swdhtsさん、ありがとうございました!!

 

 

りくりゅうファンの皆様

 

日本時間では、木曜日の公式練習が始まるまで12時間を切っているころと思います。ペアは朝の10時から、ですよね。

 

三浦&木原組は水曜日に練習を行った、ということがブルーノさんから聞こえてきました。

 

それにしてもトロントから成田、成田から羽田、そして札幌へと移動して大変な長旅だったし、時差の調整もあるでしょうから、よい準備が出来ていることを祈っています。

 

しかし人間ってつい、自分自身の現時点での立場や感覚から物を考えてしまうからいけません。

 

昨日も次男が大きな荷物を抱えて電車に乗りに行くのを見て、「ああ、大変だなあ、駅まで、じゃなくて、家まで送ってやろうかしら」とふと情にほだされそうになったのですが、「いや、ちょっと待てよ」と。

 

私があの子の年齢の頃はやたら重いスキー用具やバッグを引きずって、御影駅から阪急電車に乗って、大阪駅構内を歩いて、夜行列車で岩岳まで行ったんだった

 

と思い直して、手を振って送り出しました。

 

 

同じく、若く健康なアスリートだったら多少の時差があっても、私のようなバアサンと違って、さっさと克服することでしょう。(コーチやチーム関係者たちは大変でしょうけどね)

 

 

さあ、ということで時間も迫ってきたのでSPに続いてりくりゅうのGPスケカナでのフリー演技をおさらいしていきます。

 

 

今回もフランス語解説を使っていきますね。

 

 

 

 

 

まず、この動画を見て気づいたのは44分辺りから6分間練習中のりくりゅうにカメラが当たっていて、あんまり見たことがないようなスパンで追っている、ということなのです。試合前の二人の様子が良く分かってとても興味深い。

 

この最中に、解説のマルタンさんが色々と勉強になることを言ってくれています。例えばNHK杯にも出るカナダのマッキントッシュ&ミマール組については、男性の方が193センチの上背があるので、彼が腕を伸ばして、しかもスケートを履いているので、女性の方はリフトされると自分の背も併せてものすごい高い(3メートル近く?)ところに目線が来る、と。

 

そういえばそうですよね。高所恐怖症の私だったら目が回ります。

 

あ、また自分の観点を入れてしまいました。

 

 

そしてペアではいつでもお互いがどこにいるのか、つまり見えていなくても「第六感」のようなもので察知できることが求められる、ということ。

 

ただスケーティングをしている時でさえも、同じ円を描きながら、あるいは同心円で滑っていないと、お互いを邪魔してスピードを上げるどころか減速してしまう、と。そして疲労感も増す、そうです。

 

第六感はリフトでも求められる、というのも面白かったです。

 

同じカップル競技でもアイスダンスと比べて、ペアの方がリフトで男性が女性を頭上まで上げるので、リスクは高くなるのでしょう。女性は下にいる男性の頭などがどこにあるのか見ないまま色んな姿勢を取るし、男性は男性で自分の足元や上の方を見ず、ただひたすら目線を平衡に保つことを心掛けないとバランスが崩れます

 

考えたら怖いですよね、足に刃物をつけた人を自分の頭の上で振り回して、女性は男性の方がつっかえでもしたら高い所から氷に叩きつけられるわけですから。

 

お互いへの信頼の上に成り立つ競技です。

 

 

 

 

なお、画面上では三浦選手を温かくサポートしている木原選手の様子が見て取れて、こちらもホンワカします。

 

 

FS演技は1:09辺りから始まります。

 

 

 

 

パトリック・ロック(以下P):

最後の競技者を迎えましょう、日本のリク・ミウラとリュウイチ・キハラ(フランス語話者らしく、「キアラ」と言ってますが)です。

 

ブルーノ・マルコット、メーガン・デュアメル(これもフランス語読みだと「デュハメル」じゃなくて「デュアメル」になるんですよね)、そしてブライアン・シェールズに師事し、振付はジュリー・マルコット。Sleeping At Last の「Atlas: Two」に乗せて滑ります。

 

 

 

 

 

 

 

SP同様、中継のパトリックさんマルタンさんは演技中、黙っていますので、私の独断で見どころを抜き出します。

 

 

Tell me if something's wrong, if something's wrong you can count on me

ここから一気にスピードを上げていきます。しかし二人の顔には涼やかな笑みが。

 

 

 

 

 

If it helps yours beat

でズザッという音とともにツイスト

 

 

 

 

このスクショ(ひどく粗いですが)を見るだけでも、この要素がいかにエネルギーを要するかが分かりますよね。木原選手は低く踏ん張って、左足から大きな氷の飛沫を上げながら三浦選手を投げ上げ、三浦選手は体を捻りながら腕をきつく締める。

 

記者会見でほとんどのペアがこのエレメントを最初に持ってくる理由が明かされましたが、ものすごい体力の消耗でしょう。

 

 

It's OK if you can't find the words

で下りて、またフンワリ見つめ合って滑り出す

 

 

 

 

そしてサビの

Like a force to be reckoned with...

から徐々にスピードをあげてSBSジャンプの準備をする

 

 

 

 

この時は残念ながら三浦選手が最初のジャンプで手を付いてしまいましたが、流れは途切れません。

 

 

 

 

すぐにまた笑顔を取り戻して滑り出します。

 

そして

 

Calm the waters if it serves you best...

アクセル・ラッソー・リフトへとスムーズにつながります。

 

 

 

 

 

そして二つ目のSBSジャンプは

You can take the oxygen straight out of my own chest

という三浦選手のお気に入りの歌詞に合わせてトリプル・サルコウ

 

 

 

 

 

そこからすぐにペアコンビネーション・スピン

 

 

 

 

 

I just want to love you, to love you, to love you well

I just want to learn how, somehow, to be loved myself

 

 

 

 

そしてこの後に、初めての試みとしてプログラムの真ん中に持ってこられたコレオ・シークエンスが始まります。

 

 

 

 

 

オリジナル曲にはないインストルメンタルの編曲ですね。

 

で、私はここがすごく好きなんですが、ピアノが「ピローン」と響くのに合わせて木原選手が片膝でグライドしながら回るとこ。

 

 

 

 

とても優雅ですが、この動きはズボンの膝部分にとても負担が大きいらしく、シーズンを通してやり続けると破れる恐れがあるため、予備にもう一本、作ってもらっています。

 

 

さあ、この少し穏やかなコレオ部分から徐々に後半の盛り上がりへと向かいます。

 

コーナーリングをしながら二人でスピードをつけていくと、ブルーノさん(観客席に座っていた)マイケル・マリナロさんが手を叩いて鼓舞するのが聞こえてきます。

 

 

 

 

新ベイビーから

 

 

 

 

Like a force to be reckoned with

でスロー・トリプルルッツが決まる。

 

 

 

 

そして

 

What a privilege it is to love

A great honor to hold you up

 

という歌詞に合わせて、木原選手が三浦選手を高くリバース・ラッソーリフトで上げる。完璧に内容に合っています。ジュリーさん、さすがの細やかな振り付けです。

 

 

しかも軽々と、片手で。

 

 

 

 

 

そして下すと、息つく間もなく次のエレメンツへと駆け出していく。

 

 

 

 

これも二人のトレードマークのつなぎですね。

 

 

 

 

ここまでは笑顔だった三浦選手が表情を引き締めます。

 

 

 

 

スロー・トリプルループ!

 

 

 

 

 

もうここからは怒涛のフィニッシュです

 

バックアウトサイドのデス・スパイラル

 

 

 

 

そして二人のトレードマークとなった跪いてからのリフト

 

 

 

 

しかしこの時はもうすでに音楽がゆっくりと終わりかけているのが聞こえて、焦ります。

 

下しながら側転させて

 

 

 

 

そっから氷上でもクルリと回して

 

 

 

 

あー、ディダクション取られるうううううう

 

ガシッ!!!

 

 

 

 

 

間に合ったかなああああ

 

 

 

 

 

まいっか。

 

 

 

 

 

 

P:

誇らしそうにしていますが、当然です。本当に信じられないような演技でした。リクとリュウイチ、素晴らしいプログラムでした。

 

少しミスはあったものの、演技の最中は全くそんなことを忘れてしまうほど、その他のエレメンツの出来栄えが良かったです。

 

M:

このペアからは何とも言えない爽やかさが醸し出されていますね。見ていてこっちが本当に嬉しくなるというか、楽しくなるんです。

 

彼女は随所で澄み渡ったような笑みを見せて、彼も同じく。二人とも楽しんで滑っているのが伝わってきます。

 

振付も流れるように美しかった。年々、ペア競技のプログラムの進化が見て取れるのは気持ちの良いものです。

 

 

ここで二人が観客席に駆け寄り、マイケル・マリナロさんとリンクメイトのヴェロニク・マレさんにハグ。

 

 

 

 

 

エレメンツには素晴らしいものがありました。特にリフトの質が高い、描かれる弧だとかが美しく、カバーされる距離、もうこれは驚異的でした。彼女のリフト上のポジションも完璧、トランジションも滑らか。

 

スロージャンプの飛距離も巨大でしたね。何とも軽やかに跳んでいて目を疑います。

 

スロー再生が始まる

 

ツイストではレベル3を取っています。彼女の手がかすかに彼の肩に触れているので、4にはなっていません。

 

連続ジャンプでは彼女が猫のように、着氷をこらえていますね。そこで後のトウループに支障が出てしまったわけですが。

 

次のリフトをご覧ください。このローテーションの速さ、大したものです。

 

そしてこのSBSのトリプル・サルコウは見事でした。二人のシンクロもぴったり。

 

スロートリプル・ルッツは完璧に片足で着氷。

 

スロートリプル・ループ、彼女の目に集中の色が宿って、良い光景ですね。そして着氷するとまた笑みが広がる。

 

最後のリフト、4分のプログラムの最後だというのにまだ膝をついて、女性を頭上から下す、というものすごく強靭な体力です。

 

P:

コーチたちも誇らしげですね。目にちょっと光るものが見えたような気がします。

 

 

 

 

そして点が出て、喜ぶ二人。

 

 

まあ、この大会では彼らが別格、という感じでしたね、とマルタンさん。

 

 

 

 

 

というわけでスケカナのフリー演技をおさらいしましたが、エンディングについてひとこと。


時間が足らなくなって慌てて璃来ちゃんの頭をガシッと掴んだ龍一選手でしたが、本来はもう少しフンワリと包むはずの振り付けです。

 

 

 

 

このお写真がどこのソースのものだったのか、見つけられなくなってしまったのですが、練習時のものをご参考までに。

 

少々、慌ただしいエンディングのことは大会のフリー後の記者会見でもネタになっていましたが、

 

練習でも間に合っていなかったので、本番でも時間が足りなくなってしまった

 

と言っていた二人でした。

 

そしてNHK杯に向けての抱負は?と聞かれた三浦選手でしたが、

 

「レベルの取りこぼしをなくすこと、あとはフリーでは最後、(制限)時間に間に合うこと」

 

なのだそうです。

 

先週、オークビルのリンクでの練習を見に行ったあと、このエンディングの話になったのですが、

 

ファンの間では「ガシッ」でも良いかな、という意見もあるみたいだよ

 

と伝えると笑っていました。

 

そして璃来選手によると

 

あのエンディングは以前の振り付けでは龍一君が頬を挟むようなしぐさだったので、パシッとされるともっと痛かった

 

それが変更後は、もう少し頭の後ろを抱えるような形になって良かった、

 

ということでした。

 

それを聞いて、

 

「え、頬っぺたをパシッ、って相撲の気合入れみたいな感じ?」

 

と茶々を入れた自分が情けない。あんな可憐な璃来選手をつかまえて、高見盛関の取組み前のしぐさを引き合いに出すだなんて。

 

 

まあ、そういうわけですっかりNHK杯に向けての準備が出来ました。

 

 

これから昼夜ひっくり返るような数日間が続きますが、一生懸命、皆様とご一緒に応援していきたいと思います。よろしくお願いいたします。