りくりゅうファンの皆様
お約束どおり、2022‐2023年シーズンの三浦&木原ペアFSに使用される Sleeping At Last の「TWO」の解説記事です。ちょっと長くなりそうなので前半・後半に分けます。
りくりゅうの振付師はもっぱらジュリー・マルコットさんが担当しています。ジュリーはご推察通り、コーチのブルーノさんのお姉さんです。
彼女の拠点はモントリオールですが、オークビルまで出向いて来ることもあり、この曲が提案された時はたまたま私もリンクにいました。
最初、聴いた時は「あれ?女性ボーカル?」と思ったのですが、その後、男性だと判明。ジュリーの持って来ていた小型スピーカーの音質が良くなかったのも関係していたかも知れませんが、この時点では何となくソフトな感じであまり印象に残らなかった、というのが正直なところでした。
ところがジュリーは「編曲をして、インストルメンタルと繋げたら絶対に良くなる!」と力説。まあ「餅は餅屋」とも言いますように、その後、モントリオールで本格的な振り付け合宿があるのだし、ここは彼女を信頼して任せよう、ということになったのでした。
それから数週間して、二人がモントリオールから戻ってくるとえっらくフリーの曲を気に入ったみたいでした。編曲されたバージョンを聞かせてくれ、三浦さんは「この曲、好きすぎる!」と何度も言うほどでした。
Short program ✅
— Riku Miura 三浦璃来 (@miurariku1217) June 12, 2022
Long program almost ✅
私は特にフリーがお気に入りです🤭
※写真はショートです。#木下グループ #skateoakville pic.twitter.com/mnwnOhW2kK
滑っている本人がプログラムに使用されている曲を好きだと思うことは本当にキーポイントですよね。毎日その曲を掛けて練習するのですから飽きないことが大事だし、何よりも自分の感情を乗せやすい。
一つの物語としてプログラムを捉えることが出来れば、本番で滑っていても流れを途切れさせないようにしよう、という良い効果が生まれます。(...とまあこれは私が考えたことではなく、有名な振付師さんの受け売りですが)
では訳詞の完全版です。もちろん、あくまで私の解釈・私の文体ですので、全くオフィシャルなものではありませんし、これ以外にもバージョンはあり得ます。現にこの訳も、以前作ったものを記事に載せる時点で微調整して何度も変えていますからね。
ただただ、皆様の曲の鑑賞の参考になれば、ということでここに載せていることをご理解ください。
TWO
Sleeping At Last
Sweetheart, you look a little tired
When did you last eat?
Come in and make yourself right at home
Stay as long as you need
Sweetheart, 少し疲れてるみたいだね
最後に何か食べたのって、いつ?
中にお入りよ、ゆっくりくつろいで
必要なだけ、ここにいたら良いから
Tell me, is something wrong?
If something's wrong, you can count on me
You know I'll take my heart clean apart if it helps yours beat
ねえ、何かあったの?
何かあったなら、頼ってくれていいよ
君の心臓がそれでちゃんと動くなら、
ぼくのをすっかり分解しちゃってもいい、分かってるよね?
It's okay if you can't find the words
Let me take your coat
And this weight off of your shoulders
大丈夫、うまく言葉にできなくても
さあ、コートを脱いで
肩の荷を下ろしてごらん
Like a force to be reckoned with
A mighty ocean or a gentle kiss
I will love you with every single thing I have
誰にも無視できないような強さで
時には雄大な海、時には優しい口づけとなり
僕の全てをかけて君を愛そう
Like a tidal wave, I'll make a mess
Or calm waters, if that serves you best
I will love you without any strings attached
津波のごとく辺りを荒すのも
穏やかに水面を鎮めるのも、君次第
僕は見返りを求めず君を愛そう
It's okay if you can't catch your breath
You can take the oxygen straight out of my own chest
大丈夫、うまく息が出来なかったら
僕のこの胸からそっくり
酸素を抜き取ったらいい
I know exactly how the rule goes
Put my mask on first
No, I don't want to talk about myself
Tell me where it hurts
I just want to build you up, build you up
Till you're good as new
And maybe one day I will get around to fixing myself too
ちゃんと分かってる、ルールでは
自分の(酸素)マスクをまずしないと、だよね
でも、自分のことなんかどうでも良いんだ
君はどこが痛いの?
ただ君を元気づけて、盛り立てて
元通り真っさらにしてあげたいんだ
そしたらいつか、僕も、自分のことを
直せる日が来るかも知れない
I don't even know where to start
Already tired of trying to recall when it all fell apart
I just want to love you, to love you, to love you well
I just want to learn how, somehow, to be loved myself
何から始めたら良いんだろう
いつから壊れてしまったのか、思い出すのも疲れちゃった
ただ愛したい、愛したい、君のことを正しく
ただ知りたい、どうしたら、何とか、自分も愛してもらえるのか
Like a force to be reckoned with
A mighty ocean or a gentle kiss
I will love you without any strings attached
誰にも無視できない強さで
時には雄大な海、時には優しい口づけとなり
見返りを求めず君を愛そう
And what a privilege it is to love
A great honour to hold you up
愛せることがどれだけ有難く
君を支えることがどれだけ光栄なのか
Like a force to be reckoned with
A mighty ocean or a gentle kiss
I will love you with every single thing I have
誰にも無視できない強さで
時には雄大な海、時には優しい口づけとなり
僕の全てをかけて君を愛そう
Like a tidal wave, I'll make a mess
Or calm waters if that serves you best
I will love you without any strings attached
津波のごとく辺りを荒すのも
水面を穏やかに鎮めるのも君次第
僕は見返りを求めず君を愛そう
I will love you without a single string attached
何一つ、見返りを求めず君を愛そう
実は昨日、用事があってりくりゅうの練習しているリンクに行って来たんですが、いや、泣きます、この曲で彼らが滑っているのを一瞬でも見たら。
皆様、ご期待ください。
では次の記事ではもう少し詳しく、歌詞の解説をしていきたいと思います。