2022年カナダ選手権(オタワ大会)振り返り②:男子(続き)とアイスダンス | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

気が付けばヨーロッパ選手権が始まっていて、ビックリしました。

 

すっかり忘れていたんですよね。

 

しかも今週末には四大陸選手権に出場する選手たちがカナダを発つ、と聞いて二度ビックリ。

 

 

 

 

1月18日(火)から公式練習が始まるので当然と言えば当然なのですが、オタワでの代表選考会が先週末に終わったばかりなのに、あまりにも間隔が詰まっていてこれからタリンに向かうメンバーたちは目が回るような忙しさだろうな、と思ったことでした。

 

試合前のいつも通りの準備に加えて、様々な感染対策用のグッズを揃えて、出発前のPCR検査の段取りをして、その間にも感染しないように細心の注意を払いつつも練習をする、という離れ業を求められるのです。

 

これは本当に大変。

 

オリンピックに出場が決まっている選手たち、中でもマドリン・スキザス選手などはこれから北京に行くまでの最重要課題は「感染しない事」と言っていたのが印象的でした。

 

Moments after clinching her first Canadian title, Schizas was asked about her goals for Beijing.

"My biggest goal is to avoid catching COVID," Schizas said. "That's my biggest goal, for the next three weeks I'm going to do everything in my power to stay healthy."

 

 

 

 

あ、ところで私自身オタワから帰宅して四日が過ぎ、幸いにも症状が出ずに抗原検査の陰性が信用できるものであったらしいと判断して、家族との普段通りの生活に戻りつつあります。

 

「えらい慎重やなあ。そこまでする必要があるのか?」

 

と、日本の家族には驚かれましたが、もしかするとカナダでのオミクロンに対する感覚は日本とは違うのかも知れません。

 

我が家では三回目の接種も済ませている者がほとんどなので、罹っても重症化する割合は低いと認識しています。

 

ただ、罹らないですむものであれば、その方が良いですよね?そして自分が感染するのはまだしも、人に移すのは絶対に避けたい。カナダ選手権ではもちろんのこと、自分の家でもその気持ちは同じです。

 

 

さてさて、そのカナダ選手権の振り返りの続きです。

 

男子競技についてはすでに述べましたが、ミックスゾーンで印象に残ったことを幾つか。

 

クリケット・クラブからオーサー&ブリアン・コーチたちに帯同されて出場したのがコンラッド・オーゼル選手とジョゼフ・ファン選手でした。

 

ジョゼフ選手はフリーでのちょっとしたミスが響き、本当に僅差で銅メダルを逃してしまったのですが、それよりも気になったのがコンラッド選手でした。

 

複数の四回転ジャンプを跳べる、と言う意味ではカナダ男子の中でも珍しい存在。高身長でルックスも良く、真面目で練習熱心な彼がここ数シーズン、やけに伸び悩んでいるのが残念です。

 

SP・FSともにけっこう惨憺たる結果で、キスクラ裏に戻って来た彼をミックスゾーンに連れて行くのはとても辛かったです。こういう時は絶対にメディアの取材なんぞ受けたくないに違いありませんが、潔く、ちゃんと質問に応えていたのは立派でした。

 

率直に言えばコンラッド君の演技はとにかく「固い」。特に上半身は背中がピキーンと板の様に張っていて、動きが少ないのです。コレオグラフィーが繊細さとか柔軟性を強調すればするほどその傾向が目立ってしまっていけません。


カナダのスケート事情に詳しいMさんがコンラッドはいっそのことブライアン・ジュベールの路線を行くべきだったと指摘し、「戦隊モノで四回転を貫き通せば良かったかも」と言ったのには妙に説得力を感じました。

 

いっときはナム・ローマン・コンラッドの若手トリオの台頭で明るいように思われたカナダ男子陣でしたが、ちょっと停滞しているのが切ないです。

 

そんな中、今シーズンのジュニアGPで活躍(金1,銅1、JGPF出場権獲得)し、シニアレベルでもワルシャワ・カップで4位に入っていたウェスリー・チュー選手が、見事に三位に食い込みました。

 

 

 

 

 

 

 

ジスランさんと一緒にモニターで彼の演技を観ていて、「ちょっとヴィセント・ジョウを彷彿とさせる選手だね」というところで意見が一致しましたが、非常に丁寧に、綺麗にエレメンツをこなしていくスケーターです。今後、さらに高難度のジャンプを増やしていければ(現時点ではFSで4Tを2本入れています)カナダ男子を牽引して行く存在になるのかと思われます。

 

今回はこのラインナップにスティーブン・ゴゴレフ選手が加わっていなかったのが惜しまれます。彼がどんな演技を見せてくれるのか、楽しみにしていたのですが、来シーズンまでお預けになってしまいました。

 

 

 

次にアイスダンス。この部門だけがオリンピック出場三枠を獲得していましたが、こちらはすんなりと決まった感があります。

 

 

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トップはパイパー・ギレス&ポール・ポワリエ。先シーズンの世界選手権で念願の表彰台乗りを果たしましたが、その大会にはパパダキス&シズロンが出ていなかったこともあり、オリンピックでのメダル獲得はかなり厳しいだろうと予想されます。

 

それでも一貫して彼ら独特の持ち味を失わず、今シーズンもリズムダンスではエルトン・ジョンの曲に合わせたド派手な衣装で楽しませてくれています。納得のいく演技が出来るよう祈っています。

 

準優勝となったのはフルニエ・ボードリー&ソーレンセン組。彼らの演技を間近で観るのは久しぶりでしたが、二人とも迫力のある美男美女です。カナダ代表としてオリンピックに出られるよう男性の方がカナダ国籍を取得して、晴れてのチーム入りだっただけに喜びもひとしお。

 

 

 

ダニエル・アールさんのインスタより

 

 

そして三位にはラジョワ&ラガ組が入りました。彼らの特徴はとにかく最初から最後まで「走りっぱなし」という感じのエネルギーです。

 

 

Skate Canada のツイッターより

 

 

面白いのは、演技を追えてもいつも満面の笑みのマージョリーに比べて、ザカリーが実に淡々としていること。取材中は一切、笑いません。だからと言って不愛想なわけではなく、質問にはちゃんと答えます。

 

北京でも元気いっぱいで滑り倒して来てほしいです!

 

 

そしていよいよ問題のペアです。

 

。。。が、長くなるので別記事でアップすることにします。


(つづく)