予測が難しい状況ではありますが | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

3月24日現在の状況ですが、本当に日々の変化が激しくて昨日書こうとしたことがもう古い情報となってしまうような感じです。

 

しかも一つや二つの国のことではなく、世界規模で全てが流動的なので、まさに「混沌」としています。

 

昨日の昼頃、トロント市の John Tory 市長が「非常事態」の宣言を出しました。英語では State of Emergency と言いますが、これはある場所が「非常事態に陥っている」という現状観察というよりも、それに備えて宣言を出すことによって、通常のプロセスをバイパスして、市長や州知事、あるいは首相が直接、早急に命令を下すことが出来るしくみ、だと私は理解しています。

 

 

 

そういった意味では、オンタリオ州にも出ているこの非常事態宣言の後、出る前に比べて何が変わったかと言うと、一般市民に自粛が要請されていた様々な活動に関して、これからは警察の介入などによって取り締まられるようになる、ということ。つまり要請ではなく、命令・強制、になるということだと思っています。

 

こういう宣言が必要になるのは、自粛を促すだけではどうしても足らない、他人との物理的な距離(ソーシャル・ディスタンス)を保つようにと言われてもそれを守らない人がいかに多いか、ということの表れでもあるかと思います。

 

また、本日23日の深夜零時以降、これまでは営業を許されていた店舗の多くが「Non-Essential(=不可欠ではない)」と見なされた場合、休業を強いられます。

 

 

実際、オンタリオ州によって発表された”Essential Workplaces" の正式なリストを見れば営業を続けても良い業種はけっこう多いので、全てがいきなり店じまい、工場閉鎖、というわけではありません。しかしこのニュースが出た月曜の午後の時点では「『エッセンシャル』な業種に該当するもののリストを火曜日に発表します」という事だったので、「え、『エッセンシャル』な業種と言えば、スーパーとか薬局は絶対に入るだろうけど、酒屋とかビール店はどうなるの?」と、不謹慎な事を考えて車を飛ばして行った夫婦は我々だけじゃなかったと思われます。(その後、リストに含まれていると知って脱力。)

 

とにかく皆が正しい情報を渇望しているし、それがすぐに得られない場合は見切り発信の様な行動に走ってしまうこともあります。そこも危険です。

 

(ちなみに酒屋だけではなく、ペットショップにも寄って、レニーのドッグフードを余分に購入したことも付け加えておきます。で、ペットフードも今後、営業可能と判明。)

 

 

他人との距離を保つように、それと併せて不必要なな移動も避けるように、というのも今後の日常生活に含まれる注意点かと思います。

 

当然、国際移動は控えるように、そしてカナダ内の移動でさえも制限が加えられています。

 

例えば次男の住んでいるノヴァスコシア州は州外からの訪問者を制限する、と言っています。地理的にそれが出来る州、であることも関係しているでしょう。

 

 

 

 

お隣りのニューブランズウィック州との境界をコントロールすれば、陸路で入って来るとはできないし、あとは空路と海路を制限すれば良いわけです。こうなると、4月末に息子の引っ越しを手伝うため、車で迎えに行く予定を立てていたのも再考しなくてはならない気がして来ています。

 

 

さて、日本ではとうとう東京五輪が延期になった、というニュースが正式に発表になりましたね。これは先だってのモントリオール・ワールド以上の衝撃ですが、おそらく予測をしていた人は多かったでしょう。ただ、発表だけが待たれていた、と。(どっかで聞いた話)

 

オリンピックの場合はその規模と競技の数ゆえに、毎年、開催される各スポーツの世界選手権の何倍もの連携や準備が必要です。考えるだけでも気が遠のきますが、一体、本当に延期して実現するのか、というのも疑問です。

 

モントリオール・ワールドが中止となった直後、2020年の秋(10月以降)に開催する可能性がなきにしもあらず、とISUが匂わせていましたが、実際問題、モントリオールでそれが出来るかと言えば、「難しい」とワールド主催委員会のJocelyn Prouxがインタビューで答えていました

 

 

 

 

実際、会場の確保もさることながら、あれだけの大きなイベントを単に日を替えて再現する、となると誰でも腰が引けると思います。たとえ周辺イベントを省いて、競技に特化したとしても、スタッフやボランティアの招集、様々なスケジュール調整があまりにも困難でしょう。そしてもちろん、アスリート側にしても、ひとシーズンに二回もの世界選手権が開催される、という異様な状態は、利点よりも難点の方が多いように思えます。

 

スピードや得点数を競う競技とは違い、フィギュアスケートの場合はシーズンごとにプログラムを揃えなければならない、という特有の課題があります。となると、プル―氏も言及している様に、これからオフシーズンにかけて新旧両方のプログラムをどうやって並行で練習しろと言うのか、現実的な方法が見えてこない、ということになります。

 

 

となると、東京五輪とも通じるところでもありますが、

 

「じゃあどうなるのか。早く次のステップに進めるよう、来シーズンがどういう展開になるのか決めてくれ」

 

というのが全てのスケーターたちの共通の願いだと思います。先が見えない、のが一番のストレスでしょうから、一刻も早い、ISUからの正式な発表があると良いですね。

 

 

ここで移動の話に戻ります。

 

世界選手権をも中止に追い込んだパンデミックの中、アイスショー開催の可能性はまだ残されている、というのもちょっと不思議な感じがしますが、とりあえず言えるのはアメリカ・カナダのスケーターは当分の間、海外渡航を控えるだろうな、ということです。

 

カナダに限って言えば、トルードー首相は先週の3月16日から18日にかけて、カナダへの入国制限を非常に厳しくするとともに、カナダ市民権や永住権を持っている人は、渡航先から早急に帰国するように、と促しています。まさに今は、世界中に散らばっている自国民をかき集め、その後で国境を閉ざそうとしている最中です。

 

カナダ政府のウェブサイトでは、海外渡航関連のページにこの間までは国別に渡航の危険レベルを分けて記載していたのに、今では行き先に関わらず"AVOID NON-ESSENTIAL TRAVEL"となっています。

 

 

 

(3月24日現在の閲覧)

https://travel.gc.ca/travelling/health-safety/travel-health-notices/221

 

 

政府の注意喚起にも関わらず、渡航先に留まることを決めたカナダ人(例えばフロリダなどで冬を過ごすのが習慣となっている高齢者たち)についての報道がちょくちょく見られますが、その場合、海外保険が打ち切られたり、帰国してからも多くの制限が課せられることになりかねません。この様な状況下では、4月初旬のスターズ・オン・アイスが中止になっていなくとも、出演が予定されていたカナダ人スケーターたちは日本行きをキャンセルせざるを得なかったでしょう。(逆に言えば、大半のスケーターが渡航できないからこそ、中止になったのかも知れませんが)

 

 

その一方で、カナダ政府は外国人に対しても、2020年6月30日まで(いくつかの例外を除いて)入国を禁止する、としています。

 

 

https://www.canada.ca/en/public-health/services/diseases/2019-novel-coronavirus-infection/canadas-reponse.html#acb

 

 

At Canadian borders
Until June 30, 2020, travel to Canada will be restricted for all foreign nationals coming from any country other than the United States (U.S.). Other restrictions apply to those travelling from the U.S.

These new restrictions prohibit any foreign national, including U.S. nationals, from entering Canada for optional or discretionary purposes (non-essential travel).

 
 
例外については同じページに詳しく、述べられていますが、主だったところでは、アメリカ―カナダ間の移動に限ってはいささか制限が緩い、ということが見られます。

 

が、要するにたいていの場合は6月末まで外国人のカナダへの入国は出来なくなる、と考えて良いかと思います。

 

 

実際問題、国際移動しようにもカナダ発着のフライトが大幅に減便されてしまっています。また国際便は全て、四つの空港(トロント、モントリオール、バンクーバー、カルガリー)に限って到着させられることになりました。航空会社は大幅な人員削減を強いられ、当面は渡航中のカナダ人(あるいは永住権を持つ人、とその家族)を帰国させるために政府と協力する、ということのようです。

 

 

このような渡航制限に直面するスケーターたちは、容易に日本とカナダの間を行き来する、ということが出来ない状態がこれから数カ月ほど続きます。アイスショーや振り付けのため、例年であれば盛んにあるはずのオフシーズンの国際交流が見合わされるのは必至、かと思います。

 

もちろん、今後の状況次第では制限が解除されることも考えられますが、とりあえず、現時点では夏前まで様子を見よう、というカナダ側の姿勢が伺えます。

 

また新しい情報が出てくればブログでご紹介したいと思いますが、皆様もどうかカナダ政府の公式ウェブサイトでアップデートをご確認ください。