前の記事をアップしてから10日が経ってしまいましたが、我が家の日常はあまり変わり映えしないのでご報告することがなかったのです。
思えばパンデミック前から夫婦そろって家で仕事をすることが多く、外出は犬の散歩とスーパーの買い出しくらい、という地味な生活なので、あまり不自由を感じていないのが正直なところです。
ただそうは言っても、世の中が異常なことになっている、というのはそこかしこで感じています。
例えば夫がいつも楽しみにしているトロント市内のKOERNER HALLでのコンサートシリーズは全てキャンセルになり、
私の職場でも予定されていたイベントは中止、多くの建物は閉鎖。学生たちは動揺して、メールでの問い合わせがたくさんあったかと思うと、今度は変に皆、静かになって、どんよりとしたムードが漂っています。
今年で卒業する学生は6月にあるはずの卒業式が早々に中止決定、その他の学生は来年度の講義などがどうなるのか、おそらく非常に不安に思っていることでしょう。
「ソーシャル・ディスタンス」の概念も徐々に浸透して来ています。
もともと私の住んでいるエリアは人口密度が低いので、レニーの散歩に出る時、そう人に遭わないのですが、最近では向かい側から誰かが歩いて来ると、近くで行き交わないようにわざわざ道路を渡るようになりました。結構、皆がお互いに距離を置く、と言うことに関して敏感になっている証拠でしょう。
また、犬の散歩でさえも連れ立って行けるのは「同じ家に住んでいる家族に限るように」という指示が出ています。つまりここ数日は、もう何年も毎日、一緒に散歩に行っている義姉を誘うのも躊躇われる、そういった事態です。
息子と夫ならオッケー、ということですね
買い物に関しては、なるべく行く頻度と人数を減らすように。「夫婦で行くのもダメ?」ってことらしいですが、私は例の肘の腱鞘炎がまだ治らないので、荷物持ちの夫と一緒に行っています。今後は周囲の人たちに睨まれないようにわざわざ三角巾でもして行こうかしら、と思ってしまうのが恐ろしい。
しかし実際は朝早くにスーパーに行くとすごく空いているので、今のところあまり人目を気にすることもありません。
驚いたのはついこの間までなかった矢印が店内の床に貼られていたこと。
一つひとつの売り場を一方通行でしか行き来してはいけない、ということのようです。
そしてレジ前は一定の距離を置いて、前の人に近寄らないように、印が付けられていました。
なるほどね。
店によっては朝一番が高齢者タイム(7時から8時までの一時間とか)、になっている所もあります。年寄りは早起きが得意、ということなのかも知れませんが、学校が閉鎖になって子供が家にいる家庭では、朝ごはんを食べさせたりするのが大変でそれどころじゃないのかも。とりあえず時間差で皆が買い物をしているためか、最近めったに若い買い物客を見かけません。
人が集まることを徹底的に阻止する、ということで公園の遊具もテープが張り巡らされてしまいました。これは遊び盛りの子どもを抱えた親にとってはかなりきついでしょう。
学校にも行けない、公園でも遊べない、一体どうしたら良いのか、と途方に暮れているのではないでしょうか。
それでこんな事態がいつまで続くのか、と皆が疑問に思っているところに、一昨日、トロント市長が「6月末まで市の全てのイベントを禁止する」と発表しました。
https://www.cbc.ca/news/canada/toronto/toronto-city-officials-covid-19-update-march-31-1.5516482
さらにその翌日には「あと12週間」、現在のソーシャル・ディスタンス措置を継続し、それ以上の規制も課す、と。
https://www.cbc.ca/news/canada/toronto/social-distancing-measures-covid-1.5517307
うーむ。
トロント市、オンタリオ州、に限らずカナダ全土で似たような措置が設けられているわけですが、とにかく夏前までは油断をしてはいけない、というメッセージが伝わって来ています。
それにしても「12週間」って、長くないですか?
これから三カ月、皆で息を潜めるようにして暮らして行くのは無理なような気がします。我々夫婦のようなリタイア間近な年齢層はまだしも、あるいはテレワークが出来る人たちは良いとしても、働き盛りの人たちが仕事を失い、元気一杯の子どもたちが学ぶことも自由に遊ぶことも出来ない状況を、一体どうやって持続させることが出来るのか、ちょっと想像できません。
それとも、仕方なく粛々と日々を送っている内に、「NEW NORMAL」になって行くのでしょうか。
あと、世界中で国境を超えることがどんどん困難になって来ているのも、信じられない気持ちで見ています。
スケート界に限って言っても、ついこの間まで毎週のように違う国で大会が開催され、選手たちが移動し、それを追っかけてメディアもファンも世界を駆け回っていたというのに。
乗り継ぎが面倒だの、時差がしんどいだの、文句を言いながらも国際便をガンガンと駆使して、フライトの予約やホテルの手配さえすれば自由にどこにでも行けたのに。
今となっては神戸にいる母に会いに行くのさえも簡単に出来ない、とは。
そんな中、来シーズンのオータムクラシックの日程が掲載されているのって、切ないわ。
昨年、一昨年と同じ会場なんですけどね。