幻のモントリオール・ワールドに関する一連の記事を書き終えてしばらく(得意の)腑抜け状態に陥ってましたが、そろそろそこから脱しないと急激な世の中の動きに付いて行けません。
あっという間にカナダでも緊迫した状況が訪れ、私の住むオンタリオ州では3月17日にダグ・フォード州知事が緊急事態宣言を発信しました。
現在、カナダ人の日常生活は「SOCIAL DISTANCE」がキーワードになっています。他人との(物理的な)距離を取る、という意味で、要するに人混みを避けて、なるべく集いも避けて、外出も必要最小限に留めるように、という要請が政府から出ているということです。
そんなわけすでにレストランやバーなど、飲食店はほぼ閉鎖、テイクアウトや宅配はありますが、外食産業は甚大な損害だと思います。主なスポーツ・娯楽施設も閉鎖、春休み後も学校は休校となるので子供のいる家庭は大変な事態でしょう。幸い、ほとんどのオフィスが従業員に在宅ワークを許可しているので、いくらか救われているとは思いたいですが。
しかしまあ、「お友達を呼んでお茶をする、なんてことしているようではソーシャル・ディスタンスを取っているとは言えないのよッ!」などというお叱りコラムまで出るのですから、この急転直下にはかなり戸惑います。
今のところ、自主的に距離を取るように、という要請であって、まだ強制的なロックダウンには至っていませんが、もしかすると時間の問題かも知れません。
ロックダウンと言えば、随分と前から不自由な生活を強いられていらっしゃるイタリアのブログ友達NYMPHEAさんから、とても嬉しいメッセー時を頂きました。
私のワールド関連の記事を熱心に読んでくださったとのこと、しかしどうしても気になったのは、
「大量に仕入れた軍手はどうするのか?」
だったそうです。
いや、ほんと、どないすんねん、20組もの軍手。
悲しく部屋の隅に積み重ねてあるワールド備品
今後ガーデニングに使うか、買い物時に使うか、迷っています。NYMPHEAさん、ご心配ありがとうございました。
まあこんな状況ですが、我が家に限って言えばレニーの散歩に日に二度出るくらいで、あとは夫も私ももともと、ほとんどずっと家で仕事をする職種なので、日常生活はたいして変わっていません。
近所の様子で変わったと言えば、散歩をしている夫婦が普段よりも多く見られる、ということでしょうか。このソーシャル・ディスタンスのご時世、喜んでいるのは飼い主が家にいてくれて、散歩にも連れて行ってもらえるワンちゃんたちかも知れません。
スーパーで買い物をするにしてもとりあえず、最初の内のパニック買い以降、人々は落ち着いたので物は再び揃うようになって来ているし、
これは今週の月曜日のスーパーで、肉売り場が空っぽになっている状態。おそらく週末のパニック買いの後、仕入れが間に合っていなかった。今は元通り。
世界中で大騒ぎになっているトイレットペーパーでさえ、不足はしていません。贔屓のパン屋は開いてて、我が家にとっては非常に重要なビールとワインを調達する酒屋もちゃんと営業しています。
とにかく毎日、情報が錯綜して政府も市民も混乱しているので、改めてカナダと日本間の国際移動に関する規制やそれによって影響を受けるであろう国内外のスケーターたちについてまとめたいと思いますが、今日は心温まるお話を一つ、そして提案・お願いを一つ、記事にしたいと思います。
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今朝、食卓で新聞(トロントスター紙)を読んでた夫が
「ねえねえ、面白い記事が出てるよ」
と言いながら、内容をかいつまんで聞かせてくれました。
トロント東部の老人ホームに93才の母親を預けていた男性が、施設のスタッフ一人にコロナ感染の陽性判定が出た、ということで老母を引き取ろうと掛け合った。色々と施設側と揉めた果てに、目出度く引き取ることが出来て、連れて帰った先が。。。
23年前に離婚した元・妻の家。そこで元夫妻が、娘一人と一緒に、三人で協力してお祖母ちゃんの世話をすることになった、というお話でした。
いや、すごい肝っ玉の据わった元・奥さんだねえ、自分から積極的にお姑さんの窮地を救うために一役買って出たって、と感心していたところ、どうも出て来る名前に聞き覚えがある。「Pj Kwong」。。。え?この元・奥さんってクオンさん?そう言えば結婚相手は中国系カナダ人って言ってた、とようやく話が繋がりました。
そこに早朝からメッセージが入って来ました。何と、当事者のクオンさんからトロントスター紙の記事のURLが送られてきて、ものすごく興奮した様子。「やった!お祖母ちゃんを連れ出すのに成功!」と。
そこで二度目の感動です。いや、なかなか出来ることじゃありません。皆がコロナ感染にビビっている中、クオンさんの懐の深さ、そして行動力を見せつけられました。
良かったら彼女のこのツイートに「♡」を押してあげてください。
いやー、どうもここ数日、クオンさんとのやり取りにおいて、反応が鈍いなーと思ってたんですよ。いつもはパンパンッと返事が来るのに。。。でもこんな大事なことに携わっていたのであれば合点が行きます。
で、何について最後にクオンさんに質問していたかと言うと、例のCBCのスコット・ラッセルさんの羽生選手のインタビューについて、です。
思い起こせば昨年のさいたまワールドが終わって、CBCの皆さんと東京で打ち上げに行った時のこと。ラッセルさんが羽生選手のことをつくづく、感心して、いつかインタビューしたいな、と言っていました。しっかりと準備して、良い物にして見せるから、と。私からはその際に、「羽生選手はスケートももちろん素晴らしいけど、故郷の復興にいかに尽力して来たか、などについても触れてほしいとファンは思っている」ことを伝え、来年はモントリオールでの開催だし、きっと機会はあるよ、と言っていたのですが、本当に見事に実現しました。
いやー、素晴らしかったですね。
インタビュアーとしてベテランの技を見せたラッセルさん、しっかりと羽生選手の目を見て、そして自分が本当に話を聞きたいのだ、自分がこの質問を用意して来たのだ、という姿勢がひしひしと伝わって来る良いやり取りでした。
個人的なツボとしては、羽生選手が英語を喋る時に声色が変わること。これこそ、彼が今や英語を自分の言葉として操っている表れだと思いました。発声法って変わるんですよね、言語によって。(私だって英語やフランス語を話す時は関西弁のオバチャンの声音からは脱します。)
そしてこのインタビュー動画、10分以上の堂々の長編力作を創り上げたのはCBCのフィーチャー動画をたくさん、手掛けているTim Thompsonさん。
彼のウェブサイトに行けば、過去の作品のリストが載っています。その中でもこちら、テサモエへのトリビュートは秀逸です。
あ、これも彼の作品だったのか、と今になって気づきました。
ところで羽生選手のフィーチャー動画は現時点でCBCのオリンピックスポーツのツイッターのトップに固定されています。
またCBCのYouTubeチャンネルでは「Social Distanceを実践している間、見るべき動画集」と題したプレイリストがあり、ここでもトップは:
そして明日、現地時間の午後二時からはCBCの全国放送では、平昌オリンピックのフィギュアスケート演技特集があるそうです。まあ、本来ならワールドを何十時間も生放送するはずだったんですから、苦肉の策と言えばそうですが。
この中で羽生選手のインタビューも流れるとのことです。楽しみに録画して、何度も観たいと思っています。(しくしく。。。)
さて、最後になりましたが皆さんへの提案・お願いです。
ラッセルさんが羽生選手のインタビュー動画掲載に際して、ツイッターでアナウンスしています。
そこにはたくさんのコメントが寄せられていますが、もしかしたら「日本語でならコメントを送るんだけどなあ」、と思われたファンもいらっしゃるかと思いました。
そこで、クオンさんに了解を取り、ラッセルさんにも伝えてもらいますので、よろしければこの記事のコメント欄に
- インタビューに対する感想やスコットさんへのメッセージ、あるいは
- クオンさんやカート・ブラウニングさんたちを含め、モントリオール・ワールドに出向いて素晴らしい映像と解説を収録する予定だったCBCチームへの励ましのお言葉など、
寄せて頂けたら、と思います。
内容は本当に何でも構いません。「背景に写っている暖炉が素敵」などでもOKです(ちなみにこの感想はすでにクオンさんに伝えてあります。クリケットクラブでの極秘撮影だったそうです。)
あと、
「日本のファンが、特に今週は恋しいわ。皆さんによろしく!」
というクオンさんからのメッセージも預かっているのでお伝えしておきますね。
ではよろしくお願いします。
コメントが面倒であれば、「いいね」を押していただくだけでも構いません。
(別に期限は設けませんのでごゆっくりどうぞ。クオンさん、ラッセルさんにはこの記事のURLを伝え、その都度、コメントの内容も訳して伝えて行こうと思っています。)
さあ、午後の散歩だ。