マシュー・ボーンのロミオ+ジュリエット シアターオーブ | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

マシュー・ボーンの『ロミオ+ジュリエット』(2024)東急シアターオーブ

原作 ウィリアム・シェイクスピア

 

音楽 セルゲイ・プロコフィエフ

演出・振付 マシュー・ボーン

 

ロミオパリス・フィッツパトリック、ジャクソン・フィッシュ、ロリー・マクラウド

ジュリエットモニーク・ジョナス、ハンバ・クレマー、ブライオニー・ぺニントぺ

ティボルト:マシュー・エイモス、キャメロン・フリン、ダニー・ルーベンス、アダム・ガルブレイ

(太字は観劇日のキャスト)

 

タニシャ・アディコット、ターシャ・チュウ、アダム・デイヴィース、アニャ・ファーディナンド、ユアン・ガレット、ルイス・ハリス、ディラン・ジョーンズ、釜萢来美(かまやちくるみ)、デイジー・メイ・ケンプ、ケイト・リオンズ、ブルー・マクワナ、レオナルド・マッコーキンデイル、エレナー・マクグラス、イヴ・ンボコタ、ハリー・オンドラック‐ライト、ライラ・トレグラウン、アラン・ヴィンセント

 

 

 

 

近未来。反抗的な若者を対象とした矯正施設。男女の接触も許されず自由を奪われ厳しい監視下に置かれた若者たち。そんな中でもマキューシオ(ロリー・マクラウド)バルサザー(ハリー・オンドラック‐ライト)は互いに想い合っていた。

ひときわ暴力的な看守ティボルト(ダニー・ルーベンス)は収容されているお気に入りの女子を性のはけ口にしていた。ジュリエット(モニーク・ジョナス)もその犠牲になる。

ある日、モンタギュー上院議員(アダム・ガルブレイス)の息子であるロミオ(パリス・フィッツパトリック)両親(デイジー・メイ・ケンプ)に見放され収容される。

ロミオとジュリエットは出会いはな惹かれ合い、恋に落ちる。看守らの目を盗み、協力的なローレンス牧師(デイジー・メイ・ケンプ)や仲間たちのおかげで恋の成就となるが、思いのほかジュリエットにご執心のティボルトが酒に酔った勢いで不埒な仕打ちをし、乱闘となり、マキューシオが銃弾に倒れてしまう。怒りが頂点に達したジュリエットはロミオら仲間とティボルトを手にかける…。

施設は大荒れとなり、ショックで精神を病んでしまったバルサザー始め収容されてる者たち。ジュリエットも自死を考え始める。いったん家に戻されたロミオだったが、再び施設のジュリエットのもとに行くが…。

 

 

 

 

悲恋は悲恋。

反抗的な若者とあるが、これ思想矯正施設じゃないのかな。近未来なのでわからないけど、ロミオの家が政治家なのでそんな気がするし、いやもしかしたら精神病院かもしれない。ティボルトの横暴さもひどいもんだし。ジュリエットの出自はわからない。

マキューシオとバルサザーはゲイカップル。親身になってくれるローレンス牧師は女性。

ティボルトの仕打ちに男同士無理やりキスさせる性的暴力があった。どうせお前らゲイなんだからと言わんばかりのいやがらせで実に今風。余談だが、観劇日、インターナショナルスクールの生徒も観劇していてすぐ後ろにいた。このシーンで笑い声が上がってびっくりした。笑い声は男子だし、まだ中高生か、幼いこともあろうし照れ隠しかもしれない。でも、もしかしたら文化の違いというもう少し大きい問題だったら…とすれば、人種の壁、国家観の壁は高い。まぁ、本当のところはわからん。

 

そうそう、驚いたのは声を出していたこと。叫び声だったり笑い声だったり鼓動を伴う吐く息だったりだったけど、ダンスって身体表現なのでパントマイムの要素が強いと思っていたから、台詞はもちろん息遣いを含めた声を表現のひとつに加えるとはびっくりした。新しいのか、コンテンポラリー(バレエというくくりのようだけど)では普通のことなのか、マシュー・ボーンだからなのかわからない。

同じく、そこまで表現するのかと思ったのは、愛を形にするいわゆるベッドシーン。なかなかの艶めかしさだった。また、キスを続けたまま舞台上を右へ左へ上へ下へと踊るのは画期的というかすごいダンスパフォーマンスだった。

 

オープニング、お馴染み「モンタギュー家とキャピュレット家」は一気にこの世界観に連れて行ってくれる効果てきめんだった。

 

ロミオとジュリエット定番のバルコニーのシーンはモノは違えど再現されていた。

 

表現の幅の広さを実感できる作品、とても興味深かった。

(同じダンスパフォーマンスということで、2年前に観たシッキンの公演を思い出した。あの時も身体表現の可能性に感動した)

 

↓カーテンコール↓

 

 

(観劇日 20240417)

 

 

東京:東急シアターオーブ 0410~0421