スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 東京建物Brilla HALL | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2024)東京建物Brillia HALL

19世紀イギリスの伝説スウィーニー・トッドを題材とする。とのこと。

 

作詞・作曲 スティーヴン・ソンドハイム

脚本 ヒュー・ホイラー

演出・振付 宮本亞門

翻訳・訳詞 橋本邦彦

訳詞 中條純子宮本亞門

音楽監督 山下康介

 

スウィーニー・トッドベンジャミン・バーカー:市村正親

ミセス・ラヴェット:大竹しのぶ

乞食女:マルシア

アンソニー:山崎大輝、糸川耀士郎

ジョアンナ唯月ふうか、熊谷彩春

ターピン:安崎求、上原理生

ビードル:こがけん

トバイアス武田真治、加藤諒

(Wキャストの太字は観劇日のキャスト)

 

アンサンブル:石井雅登、榎本成志、小原和彦、下村、高田正人、高柳圭、俵和也、茶谷健太、山野靖博、岩矢紗季、川合ひとみ、北川理恵、鈴木満梨奈、髙橋桂、永石千尋、福間むつみ、安立悠佑

スウィング:西尾郁海、大倉杏菜

 

 

 

 

18世紀末ロンドン。フリート街で理髪店を営み、妻ルーシーと幼子と幸せに暮らしていたベンジャミン・バーカー(市村正親)だったが、美しいルーシーに横恋慕した悪辣判事ターピン(上原理生)に濡れ衣を着せられオーストラリアへ流罪となってしまう。

長い年月をかけやっと流刑地から脱出、漂流しているところを水夫アンソニー(糸川耀士郎)に助けられ、15年ぶりにロンドンの地を踏み、かつて自分の店があったフリート街へと向かう。そこには気の狂った乞食女(マルシア)が居ついていた。理髪店の下に暮らすパイ屋、ミセス・ラヴェット(大竹しのぶ)は健在で、スウィーニー・トッドと名を偽ってるベンジャミンだが、すぐにそれとバレる。そしてルーシーが悲惨な仕打ちの後自死したこと、一人娘はターピンの元にいることを知る。怒りに震えるスウィーニー・トッド(市村正親)はターピンとその部下ビードル(こがけん)に復讐を誓う。

ラヴェットがベンジャミンの商売道具銀のカミソリを大事に持っていたことから、理髪店を再開し、そのカミソリでターピンの喉を掻っ捌き亡き者にしようと計画する。同情したラヴェットも共謀する。それにはまず腕前を評判にする必要があり、競合するピレッリに打ち勝ち名をあげる。ところがピレッリはベンジャミンのことを覚えていて、逃亡したことを脅迫してくる。トッドは思わずピレッリの喉に刃を立てる…ピレッリには弟子のトバイアス(武田真治)がいて、この日も連れて来ていた。ラヴェットと相談し、トバイアスには嘘でごまかし、ピレッリの遺体はミートパイの材料にしてしまう。ラヴェットのミートパイは不味くて評判だったが、これを機に美味と大人気になる。トッドはターピンを手にかけるまでの練習として、ラヴェットはミートパイの材料として利害が一致、大量なる殺人が進む。

一方で、アンソニーはジョアンナ(唯月ふうか)と出会い恋に落ちる。ジョアンナはターピンの異常な愛と束縛にずっと悩まされてきた。アンソニーとともに駆け落ちを計画するが失敗に終わり、ジョアンナは精神病院へと隔離されてしまう。そんな事情をも知ったトッドは更に復讐心に燃え、ついにそれを果たすが、仕方なくパイ屋の下働きに雇ったトバイアスが秘密を知る他、トラブルが起き、一気に悲愴な結末へ…。

 

 

 

 

メイクがすごい。ちょっと見、中の人がわからない。

スウィーニー・トッドは本当に復讐に囚われた悪魔だった。悲しくも。


 

以下、ネタバレ含む。

 

トッドの助言でアンソニーはジョアンナをうまいこと精神病院から救い出したものの、娘と気づかないトッドがジョアンナを手にかけるすんでだった。殺ってしまうのかと思ったら(娘と知らずに手にかけるというのが定石かと(^^;)それは免れ、アンソニーとともに無事で終わるのだが、実はルーシーだった乞食女を殺してしまう。ずっと乞食女の存在が不思議だったが、そういうことかと。この結果の方が残酷。

ラヴェットによると、死ぬまではいかなかったものの気のふれた乞食女をルーシーだと教えるのも忍びなかったのだと言う。なかなか情のある。だけどそれが裏目に出て、トッドに殺されるわけだが。ラヴェットにはトッドに惚れていく過程もある。なれば、なおさら言えないだろう。やり手なわりに女らしい可愛さもある(大竹しのぶだからかも)。

頭の足りない(純真無垢?)トバイアスがラヴェットを慕うその関係性にも愛や優しさを感じる。結果、トバイアスはラヴェットを殺したトッドを殺してしまう…というのがなんとも…。

アンソニーとジョアンナには若いからこその恋の形を見せられた。

ターピンには性的倒錯を見せられた。

度々、映像だったらどこぞから批判がきそうな台詞やシーンがあるが、原本や時代性を大切にする舞台で良かったと思った。

ちょいちょい小ネタ(時事ネタだったり)を挟み、笑わせながらも重く、深い話だった。面白かった。

 

演出が宮本亞門になってから(初演から26年目に再演)5回目の上演。

市村正親と大竹しのぶ、武田真治は続投とのことで、作品のファンも多そうだった。

 

ところで、初めて行った劇場(その前の豊島公会堂は知ってる(^^;)だが、音響がイマイチな気がする。ストレートプレイには影響ないだろうけど、ミュージカルにはどうだろう?

 

 

(観劇日20240327)

 

 

東京 東京建物Brillia HALL:0309~0330

宮城 東京エレクトロンホール宮城:0412~0414

埼玉 ウェスタ川越大ホール:0419~0421

大阪 梅田芸術劇場メインホール:0427~0429