ライフ〜壮絶なイジメと闘う少女の物語〜 | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『ライフ〜壮絶なイジメと闘う少女の物語〜』(2007)フジテレビ系列全11話

原作はすえのぶけいこの漫画。

 

脚本 根津里香

演出 谷村政樹加藤裕将遠藤光貴

音楽 海田庄吾山嵜廣和(やまざきひろかず)

 

北乃きい、福田沙紀、関めぐみ、細田善彦、北条隆博、星井七瀬、末永遥、夏目鈴、中村倫也、酒井美紀、大沢あかね、瀬戸朝香、真矢ミキ、山田健太、うえむらちか、平野早香、中村静香、勝村政信、小野武彦、矢島健一、中村静香、山根和馬、他。

 

椎葉歩=しいばあゆむ(北乃きい)篠塚夕子(大沢あかね)は親友同士だったが、同じ高校を受験して歩が受かり夕子が落ちてしまった。歩より夕子のほうがその高校に行きたかっただけに自殺未遂まで起こし友情が壊れてしまう。

歩は友達を作ることに臆病になり希望も期待もない高校生活が始まる。そんな歩の前に県議であり街の有力者である父親大治郎(小野武彦)を持つクラスでも中心にいる押しの強い安西愛海=あんざいまなみ(福田沙紀)が現れ、友達になる。少し高校生活に光がさした歩だったが、愛海が交際中の佐古克己(細田善彦)に別れを切り出され、ショックで電車に飛び込もうと暴挙に出る。すんでのところで歩が止めてことなきを得るが、愛海のために佐古に話をしに行くことになる。そこで歩は佐古の異常性を知り、あられもない姿で写真を撮られてしまう。愛海に佐古の人間性をうったえたいが、写真で脅され自由が効かない。その上、逆恨みしている廣瀬倫子=ヒロ(星井七瀬)の告げ口から佐古との間を愛海に疑われ、最初は愛海とそのとりまき数人、やがてクラス全体のいじめの対象になってしまう。そんな中、あまり学校に来ないのに成績優秀でフラットな目線を持つ一匹狼的な羽鳥未来(関めぐみ)、中学時代いじめにあっていたため何より自分を守ることに注力する薗田優樹(北条隆博)と親しくなっていく。

歩へのいじめは裏で暗躍する愛海によってエスカレートしていき、それは羽鳥や薗田だけならず、ヒロやいじめを疑い親身になってくれていた副担任平岡正子(酒井美紀)にも影響が及ぶ。また、歩の母親文子(真矢ミキ)や担任の戸田和佳絵(瀬戸朝香)をも巻き込んでいく…。

 

愛海は甘やかされ育った孤独を抱えており、佐古は父親敏克(勝村政信)からの虐待に苦しんでいるという背景はあるにしろ、また、愛海と佐古の親の上下関係、歩の家は母子家庭で母親は弟に期待を寄せて歩をみていない、羽鳥にも金銭的な家庭の事情があり、薗田は過去のいじめのトラウマがある、最後まで愛海を信頼していた岩本みどり(末永遥)にも愛海をかばうだけの理由がある、クラスのみんなはおしなべて自分が標的にならなければいいというスタンス、教師たちは自分の立場第一で事なかれ主義、という中ではあるが、毎回毎回そのいじめの酷さがこれでもかとばかりにグレードアップしていき、ものすごく胸くそ悪くてイラつくほど面白かった。

 

ラストは愛海がクラスから排除されるわけだが、それでも負けない愛海が逆に頼もしく潔く思える。さらに歩も決して愛海を許したわけではないし同情ももちろんないのがいい。いじめの対象が変わっただけで羽鳥、薗田とともに歩は戦う闘志を見せて終わる。すっきりはしないが妥当。

 

佐古の父親敏克と、愛海の腐れ縁の汚れ役狩野アキラ(山根和馬)がほぼサイコでいい味になっている(薗田は中学時代アキラからいじめを受けていた)。やはりこのくらい理不尽なキャラがいないと不愉快にならない。それに本来味方になるべき母親が敏克と同窓で、その経歴からいとも簡単に信用してしまうのもミソ。平岡の真剣な訴え、問題意識を誰も取り合わないのもミソ(最終的に飛ばされるし)。佐古の手中に落ちる戸田もエグい。本当に胸くそ悪くて最高。

 

男子の中心的人物石井知典中村倫也。若い。

 

細かく言えば穴(無理)は色々あるのだけど、それが見せたいものではないし、俯瞰してしっかりテーマに重きを置いているから、単純に話を追え楽しめた。

 

あ、一応最後には夕子とは友情が復活する。まあ、腫れ物には変わりないだろうけど癒しポイントだった。

 

★★★★★

 

 

公式

 

こちら、FODで配信されているようです。